全日本フットサル選手権は第1回大会から観ている大会の一つだ。競技テニスに対するテニスサークルのように当時は11人制サッカーに対する趣味的な競技の位置づけだったが、劇的に発展し、高度に専門的な競技になり、今ではまるで別物になっている。もちろん大学には遊びのフットサルサークルも結構あるわけだが。その秘密はスペースの無さ、体育館で行うことと、それゆえ高さが重要でないこと、そしてオフサイドがないことが主たる要因だ。極端に足元が重要な競技になっている。本来11人制サッカーで活躍できない選手がフットサルをやるのではなく、むしろ幼少時にフットサルで鍛えた選手がサッカーに転向する流れが出来ている。当時と異なり小学生は全少(全日本U―12選手権)は小さなコートでの8人制になり、そして夏はバーモントカップというフットサルでの全国大会になっている。
さて大人のフットサルがFリーグという全国リーグになり、国内唯一の完全プロチーム・名古屋オーシャンズも誕生し、今までナンバー1の地位を維持している。名古屋オーシャンズは大洋薬品を母体にしているから「オーシャンズ」。ボルクバレットはロシア語で狼の「ボルク」に英語の弾丸の「バレット」、重箱読みみたいなものである。もとのチーム名はボルク北九州。
全日本フットサル選手権4回戦
名古屋オーシャンズ−ボルクバレット北九州
2月27日 12時15分 伊勢サンアリーナ
監督 フエンテス
名古屋オーシャンズ
GK 2 関口優志 91/10/24 176/71 エスポラーダ北海道
FP 7 安藤良平 88/02/03 176/76 湘南ベルマーレ
FP 8 ペピータ 88/02/08 181/77 名古屋オーシャンズサテライト
FP 11 星翔太 85/11/17 178/76 バルドラール浦安
FP 14 西谷良介 86/01/31 170/67 フウガドールすみだ
控え選手
GK 1 篠田龍馬 90/05/24 171/66 名古屋オーシャンズサテライト
FP 4 水谷颯真 96/07/24 176/70 名古屋オーシャンズサテライト
FP 5 星龍太 (Cap.) 87/06/01 179/80 府中アスレティックFC
FP 6 オリベイラアルトゥール 90/07/30 181/80 シュライカー大阪
FP 15 吉川智貴 89/02/03 174/65 Xota Futsal Sola(スペイン)
FP 17 八木聖人 94/03/24 170/66 名古屋オーシャンズサテライト
FP 18 磯村直樹 95/07/01 174/70 名古屋オーシャンズサテライト
FP 19 橋本優也 94/05/02 172/65 名古屋オーシャンズサテライト
FP 34 平田 ネト アントニオ マサノリ 95/11/16 175/79 A D Fundao(ポルトガル)
監督 馬場源徳
ボルクバレット北九州
GK 1 澤野亮太 (Cap.) 94/11/04 170/75 シュライカー大阪
FP 8 田村研人 88/09/14 173/75 ヴォスクォーレ仙台
FP 14 ウーゴサンチェス 89/05/28 175/65 サンティアゴフットサルクラブ(スペイン)
FP 15 クシヤマイザケ 01/06/26 165/65 ヴォスクォーレ仙台
FP 20 清水誠也 94/08/27 184/75 フウガドールすみだ
FP 5 花嶋悠 91/06/15 171/67 ボアルース長野
FP 9 横山巧 96/06/19 162/62 トルエーラ柏
FP 10 安嶋健至 92/06/03 170/60 湘南ベルマーレ
FP 11 小林謙太 94/07/10 172/68 ボルク北九州
FP 23 チャオパルメイロクリスチャン 87/04/27 170/70 サンティアゴフットサルクラブ(スペイン)
FP 88 米村尚也 93/09/28 178/74 バサジィ大分
FP 99 樋口岳志 97/08/21 184/78 トルエーラ柏
立ち上がり、北九州が激しいファウルで名古屋をいら立たせてペースをつかむ。そして6分、右コーナーを㉓チャオ・パルメイロ・クリスチャンがロングシュートを放ち先制。しかし以降は名古屋が回し続け、更に後半からは逆に激しいファウルでペースをつかみ、�┘撻圈璽燭鮗瓦飽貶�的な攻勢になる。北九州は㉓チャオ・パルメイロ・クリスチャンへの依存度が高く、彼が下がれば一休みという感すらあった。そういう時間帯での柱になるのが��ウーゴ・サンチェスだ。昔からのファンで知らない人はいないが、80年代レアル・マドリーのエースがウーゴ・サンチェスで、9番をつけアクロバティックなゴールを見せ、メキシコの英雄だった。ただし86年メキシコワールドカップでは、当時のメキシコで唯一世界トップクラスの選手でありながらイマイチ期待に応えられず、決勝トーナメント進出しながら期待外れ扱いされた。曰く「スペインに行って役者になった」(PKをもらう演技ばかりしていた)。もちろんスペイン語圏ではウーゴもサンチェスもよくある名前で、それ自体はどうってことはないのだが。名古屋は第2セットの�ダ韻眤膤萍�し、どんどん点差をつけて、6−1で圧勝した。ボルクバレット北九州はF2に上がって3年でF1に、という目標を達成したが、力の差は大きいな、としか。Fリーグは競技力だけで加盟が決まるわけではない。経営地盤の強さも大きな基準だ。だからこそ、優秀な外国人選手もいる。しかし日本人選手はおそらく他のFリーグチームでは力不足と判断された選手だろう。名古屋オーシャンズみたいにサテライトで育てつつ他のチームからも引きぬくといったところからは程遠い。
公式記録
全日本フットサル選手権4回戦
立川・府中アスレティックFC−デレヤオーネ岐阜/AGM
2月27日 14時30分 伊勢サンアリーナ
立川・府中アスレティックFC
FP 7 内田隼太 97/01/27 175/74 府中アスレティックFCサテライト
FP 8 上村充哉 (Cap.) 96/11/21 173/67 湘南ベルマーレ
FP 10 完山徹一 79/12/08 176/68 バルドラール浦安
FP 13 渡邉知晃 86/04/29 180/80 Bintang Timur Surabaya(インドネシア)
GK 96 黒本ギレルメ 86/05/16 175/75 ヴォスクオーレ仙台
控え選手
FP 4 上福元俊哉 86/09/26 180/76 フウガドールすみだ
FP 5 皆本晃 87/01/28 168/69 FS Valdepenas(スペイン)
FP 6 関尚登 89/09/09 166/66 ヴォスクオーレ仙台
FP 9 金澤空 01/12/26 161/57 府中アスレティックFCサテライト
FP 11 大��政博 92/01/18 171/67 Reggio Emilia
FP 14 新井裕生 95/11/01 168/68 アグレミーナ浜松
FP 23 柴田孝 95/05/23 180/71 ヴォスクオーレ仙台
FP 29 堤優太 98/10/07 159/61 府中アスレティックFCサテライト
FP 79 酒井遼太郎 91/09/10 170/65 エスポラーダ北海道
監督 山田マルコス勇慈
デレヤオーネ岐阜/AGM
GK 1 石原健太 90/05/06 173/69 デリッツィア磐田
FP 3 木村圭佑 (Cap.) 95/04/05 170/59 岐阜聖徳学園大学フットサル部ゴレナ
FP 19 稲垣秀恭 83/06/15 175/68 フットサルクルービーユニアオ
FP 21 岡山和司 96/12/03 169/62 岐阜聖徳学園大学フットサル部ゴレナ
FP 88 野村祥太 96/07/19 173/65 岐阜聖徳学園大学フットサル部ゴレナ
控え選手
FP 6 吉田達矢 86/01/27 170/65 デラゴスタ/AGM
FP 10 荒川博行 80/09/17 173/64 フットサルクルービーユニアオ
FP 11 高瀬怜音 04/06/29 169/63 デレヤオーネU−15
FP 12 石尾海七飛 05/01/15 170/55 FCV可児
FP 16 星友彬 94/02/13 190/79 デラゴスタ/AGM
FP 17 塚原健太 86/09/29 170/62 フットサルクルービーユニアオ
GK 22 田中渓太郎 95/07/20 170/67 愛知学泉大学サッカー部
FP 33 中嶋亮太 98/08/11 166/63 愛知教育大学フットサル部シモンズ
監督 荒川博行
Dele Yaone岐阜はFリーグではなく地域予選組。正確には東海はcovid-19で予選は開催されず推薦出場だが、それだけ実績があったということだろう。そしてここが肝要なのだが、Fリーグ加盟は実力が全てではない。むしろそれ以外が重要で、実力ある未加盟チームもある。そしてFリーグ加盟条件は条件のオープン化が進んだ日本サッカー界の中では例外的に遅れていてブラックボックスにある。本稿執筆時点で、この大会を制したF2トルエーラ柏がF1昇格要綱を満たさないと発表され、今季公式戦無敗のまま来年度もF2でプレーすることになった。しかも抗議の意思を込めた写真をFリーグが問題にするという。まるで一般スポーツかのような、Fリーグの時代錯誤感である。
デレヤオーネは前所属がフットサルチームだらけ。「岐阜」」を名乗っているが岐阜市ではなく、岐阜県多治見市のクラブである。岐阜市からはかなり離れている。U−15も保有しているということか。Fリーグ勢を次々に倒して勝ち進んできた。
立川・府中アスレティックFCについて。第1回全日本フットサル選手権に出場した歴史ある府中水元クラブが土台になって出来たクラブで、最近立川もホームタウンに加えた。というのは地元府中市がフットサルに無理解で、市民に根付いたフットサルを脇において、実業団がある「ラグビーの街・府中」をアピールしているくらいである。ちなみに府中は東芝とサントリーはあるが、ラグビー部のある高校はわずか一つ。全然普及していない。サッカー基準だと明らかにラグビーの街ではない。この辺り、市役所にラグビーシンパがいるのだろうか?政治の堕落を感じる。冷遇でアリーナのある立川もホームタウンに加えた。立川立飛は南極観測で知られる極地研究所がある。
さてゲームは府中が押し、岐阜が引いてカウンター狙いである。回し続ける府中が力では上なのは分かるが、岐阜もいい勝負に持ち込んでいる。そして策の通りカウンターから仕留め前半は2−3と岐阜リードで終わる。
ハーフタイム、親子連れが「後半は府中が突き放すだろう」と話しているが、力はあっても勝負は分からない。しかし結果的にはその通りになり、府中が逆転、突き放し、じかんの都合上、途中で会場を後にして帰路に就く。最終スコア6−4。岐阜も健闘したが快進撃もここまでだった。
公式記録
さて、今大会出場の非Fリーグクラブについて触れておこう。
北海道のノヴァントゥーノ。初出場。地域チャンピオンズリーグには1回出場。
ヴォルビエント郡山。初の全国。サッカーからの転向組が多そう。
マルバ茨城FC。ここはフットサルを知っている人なら知らぬ人はおるまい。名門である。サッカースクールのコーチ・スタッフからなる。サッカースクールは関東や東北で展開し、Jリーガーも何人も輩出し、スクールチームも全日本少年フットサルに出場している。
オーパ。千葉で活動。関東フットサルリーグ2部。O−PAとはポルトガル語で「驚く」「驚かせる」という意味。上のフットサルチームからの移籍組が多い。大学フットサルの雄・順天堂大フットサル部ガジル出身者もいる。
長岡ビルボードFC。89年「サッカー不毛の地」新潟県長岡市で誕生。といっても今では北信越大会にレジスタ長岡というクラブも参加しているし、むしろ「サッカーの街」になりつつある。ただしビルボードは北信越フットボールリーグに参加する11人制サッカーチームだ。もちろん前所属もサッカー部ばかり。高度に専門化したこの大会にあってサッカーチームの出場は珍しい。防衛大学校サッカー部まである。防大卒の一般就職と言ったら大都会の一流企業のイメージが強いが。
コンフィアンサFC。奈良県香芝市。ポルトガル語で「信頼」の意味。奈良県勢で16年ぶりの全国、って藤井健太のASPA FC以来か?サッカー部出身者中心。
立命館大学体育会同好会オールワン。初出場。前所属は立命館大学体育会同好会オールワンセグンドが多い。つまり大学フットサル部にサテライトチームがあるのか。立命館宇治高校フットサル同好会もいる。立宇治サッカー部出身者も二人。大学フットサル界ではトップクラスとは言えないが、これから上っていくチームなのだろうか。
ラック ザ ドライブ。府中は府中でも広島県安芸郡府中町のクラブ。中国リーグ1部。2年連続出場。
ミラクルスマイル。愛媛県新居浜市。四国初のFリーグを目指す。前所属がスペインのクラブもいる。99番だから特別な選手かもしれない。
クレセールフットサルクラブ。福岡県フットサルリーグ2部。無名チーム出身だらけ。
エスポルカーナMFC。宮崎県都城市のチーム。無名チーム出身者だらけだが、スプリーム高槻って…。もちろん大阪府高槻市のフットサルチームだが都城との縁は?
そのほか、名古屋オーシャンズサテライトやフウガドールすみだバッファローズというサテライトチームも出場。