サッカー観戦日記

2021年02月06日(土) 滋賀県U−15リーグ1部 京都サンガ瀬田−FC湖東 セゾン−RESTA

わたしのような奇人にとってはオフシーズンなど本来存在しない。高校選手権が終わったら通常一週間置いてU−18の大阪府1部リーグ開幕である。が今年は緊急事態宣言が出ていて、おそらく前期は中止か延期である。少なくとも日程も結果も更新されていない。他の府県も新人戦は中止または無観客試合である。サッカーにおいて新シーズンは高校選手権が一区切りである。今シーズンの場合、今年度限りの大学全国大会、アタリマエニカップがあり、あと四国の1部2部入れ替え戦があったが基本的には一区切り。しかしフットサルシーズンは3月まで続く。

さてU−15カテゴリーも年末にU−15選手権、年明け3連休にフットサルがあって、新シーズンである。滋賀県U−15リーグは基本無観客試合だが、公式サイトでも県協会に電話してもネットの外からは観戦可能とのことである。そこで実際にいってみたら追い返されること前提に、足を運ぶことにした。会場は水口スポーツの森。いわゆるサッカーの街・水口の会場である。行き方は草津線貴生川駅から徒歩。貴生川駅は近江鉄道近江本線と第3セクターの信楽高原鉄道の起点である。貴生川駅から急坂を上って会場につく。目当ては初見の京都サンガ瀬田、およびセゾンである。京都サンガ瀬田は最近できた京都の育成部門。瀬田は大津市に編入された旧瀬田町にある。Jアカデミーは大抵ユースは一つだが、ジュニアユースは大抵複数持っている。広く人材を探す意味でも、また地元で育成して高体連のレベルを上げる意味でも重要な施策だ。京都は長らく一つだけだったが、ついに滋賀県に支店を作った。対するFC湖東はレベルの高い滋賀県にあって決してレベルが高いとは言えない滋賀県東部のチーム。山本悠樹(ガンバ大阪)を輩出した。山本悠樹は野洲市出身でSAGAWAのアカデミーに通っていたが、FC湖東に魅力を感じたのだろうか、中学生はFC湖東出身である。

滋賀県U−15リーグ1部
京都サンガ瀬田−FC湖東
2月6日 11時30分 水口スポーツの森サッカー場 人工芝 晴


京都サンガ瀬田       FC湖東
−−−九番−−二六−−− −−−二番−−十番−−−
−−−−−−−−−−−− −−二十−−−−二六−−
三十−二五−−二八−七番 十六−−−四番−−−三五
二三−三番−−十三−二番 −−二三−二七−三四−−
−−−−−十六−−−−− −−−−−四二−−−−−

立ち上がり、FC湖東が徹底的に蹴るチームということが分かる。技術で劣る湖東地区で勝つにはこれしかない。ただし昔ながらのガチガチの勝利至上主義というより、選手たちが蹴るサッカーを楽しんでいる。またフィジカルコンタクトも圧倒的に強い。体つきがまるで違う。1学年差があるようにも感じた。逆にいうと京都サンガ瀬田はJアカデミーあるある、線の細い選手たちに技術と個人戦術を叩き込む印象だ。立ち上がりからずっとFC湖東が押し込み、決定力があればサッサと先制している内容である。しかし京都サンガ瀬田はことごとく当たり負けしながらもカバーがしっかりしていて組織で守れていて、失点は許さない。そしてタテ一本ロングカウンターから26番が決めて京都サンガ瀬田が先制した。京都サンガ瀬田はエース26番のほかに相方の9番もドリブルがありなかなかいい。とは言えユースに上げるには厳しいだろう。後半もFC湖東が圧倒。しかし運動量が落ちると京都サンガ瀬田も繋げ始めて、前半ほどの勢いがない。結局耐えて1−0で京都サンガ瀬田が勝利した。湖東ではボランチ4番がなかなか良かった。前を向けて正確なキックがある。エース10番はドルブルで仕掛けられ、交代出場の35番は小技を見せた。


滋賀県U−15リーグ1部
セゾンFC−RESTA
2月6日 13時 水口スポーツの森サッカー場 人工芝 晴


セゾン          RESTA
−−−六六−−七七−−− −−−二六−−八番−−−
−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−
六一−六五−−七五−五七 九番−十番−−十九−三一
五九−七六−−六八−七四 五番−六番−−三七−四五
−−−−−四六−−−−− −−−−−二一−−−−−

セゾンはもともと西武百貨店大津店がスポンサーのクラブだ。西武のカードをセゾンカードという。テクニックに特化した育成の名門で、静岡学園や野洲の初全国制覇時に大量に選手を送り込んだ。育成ノウハウには絶大な信頼があり、現在では岡山や愛知、東京にも進出している。あまたのドリブラーを育成し、繋げるセゾンはあくまで育成チームで、中学年代では基本的に結果は出ないが、何せ育成面での実績が素晴らしいのでブランドの信頼感は絶大だ。相手はRESTAだ。

立ち上がり早々セゾンが左を崩し、ファーに詰めた75番が決める。1−0。今年のセゾンは体格もあり、一方でGKは声変わりもしていない小柄な選手で、やはり育成チーム感が強い。さらに右45度から75番がシュート、左ポストを叩き入る。2−0。RESTAも組織で守る力はあるが、セゾン相手では局面を打開されてしまうので分が悪い。セゾンは66番が特にドリブルに秀で、またサイドバックも上がり、今年はパスチームよりもドリブルチーム色が強い。コーナーキックはシンプルに57番がゴール前に上げてくる。これも体格で分があることと、セットプレーを仕込まず、あくまで選手たちの創意工夫で何とかしろ、というセゾンらしいやり方である。57番の右コーナーにファーでスタンディングヘッド、バーを叩くシーンも。前半は2−0で終了。耐えたRESTAもさすがは1部リーグだった。

後半もセゾンの猛攻が続くが、徐々にRESTAも順応していく。セゾンのドリブルに対する術を学んでいく過程を見られるのは大きな喜びだ。とは言え攻め手まではなく、ただ耐えるだけで終わってしまう。結局後半はスコア動かず、2−0でセゾンが勝利した。

私ははっきり言ってセゾンファンなので、観ていて楽しかったが、RESTAの適応力にも感心した。あとセゾンは上手かったが、トリッキーなプレーは少なかった。遊び心あってこそのセゾンだが、シーズン序盤で緊張もあったのかな?そういえばRESTAのコーチがゲーム前に「緊張を楽しめ」と話していた。しかしそれは中学生にはなかなか難しい。


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T.K. [MAIL]