サッカー観戦日記

2020年11月03日(火) 高校選手権京都大会準々決勝 福知山成美−久御山 向陽−龍谷大平安





この日の会場は太陽が丘。私は新型コロナウィルス禍では徹底的に密を避けている。この日も会場の太陽が丘まで、みやこ路快速を避け鈍行で移動しようと思ったが、乗換不便な先頭車は空いていたので、二人掛けに1人座ろうとしたら、前の席の人が二人マスクを外している。ノーマスク推奨というか常識のこの時代にあって、ノーマスクの非常識は決まって「おっさん」である。非常識に性別は関係ないかも知れない。しかし、ことマスクについては「おばさん」よりも圧倒的に「おっさん」のほうが悪い。わたしもおっさんだが「おっさん」に生まれなくてよかったと思っています。宇治駅から太陽ヶ丘公園行きのバスはすぐだが、混んでいたため徒歩で向かう。登り坂を30分ほど。健脚だし、密のバス車内よりましだ。



高校選手権京都大会は当初、保護者以外、無観客試合だった。準々決勝以降は公式サイトで準備中表記が続き、それが前日まで続いたので、京都府協会に電話して、観戦可能との裏を取った。ちなみに太陽が丘陸と太陽が丘球技場である。球技場Bは外から丸見えで無観客試合は困難だが、それでも無観客要請があれば行かないつもりだった。

第1試合は福知山成美対久御山。福知山成美は近年好調な京都府北部勢の雄。一方、久御山は全国準優勝経験があるが、そのときの監督の先生は定年退職されている。しかし外部コーチとして残り、下級生を鍛えているという。極めてテクニカルなチームだ。



高校選手権京都大会準々決勝
福知山成美高校−久御山高校
11月3日 11時 太陽が丘球技場B 良芝 晴



福知山成美        久御山
−−−九番−−十番−−− −−−八番−−十一−−−
−−−−−−−−−−−− −−−十四−−十七−−−
十一−六番−−七番−十三 五番−−−十三−−−七番
二番−三番−−四番−五番 −−六番−三番−四番−−
−−−−−一番−−−−− −−−−−一番−−−−−

久御山のフォーメーションには驚愕である。86年デンマークの「ダニッシュ・ダイナマイト」だ。つまり3−5−2で1ボランチしか置かない超攻撃的布陣だ。当時デンマークはキャプテンのリベロ。M.オルセンが守備の要かつ攻撃にもアクセントをつけ、中盤のエースがJ.オルセンだ。そして2トップは超強力で、得点力が高くポストプレーも得意なセンターフォワードのブレペン・エルケーア・ラルセンとヴィッセル神戸でもプレーしたドリブラーのミカエル・ラウドルップだ。この超攻撃的チームはグループリーグでウルグアイを�Ε粥璽詈敢佞靴燭�、スペイン戦では中盤を寸断され、5失点惨敗で敗退した。肝は1ボランチの脇を使われるか、ということだ。福知山成美はアフリカ系の10番が止まらない。深い切り返し、トリッキーなポストプレー、そして競り合いの強さ。日本国籍なら間違いなくプロに行く選手だ。外国籍ならバスケス・バイロンのような選択肢もいいかもしれない。久御山のエースはJ.オルセンの役割を果たす14番だ。細かいターンが鋭い。立ち上がり、久御山のリベロ3番は右ウイングバック7番に対し、「いいところ一つもない。緊張しいやから」と声をかける。その3番が両コーナーキックを担当する。福知山成美はコーナーキックを狙いに行く。28分、福知山成美はファウルで警告をもらいながら左70度25mFKを洗えるが3番、のキックは外れる。33分福知山成美のフィードが9に通り撃てず。35分、福知山成美、30mFKに10番短い助走でいきなり蹴るがキャッチ。38分、福知山成美8番左シュートもセーブ。決定機。40分、久御山14番がタメて5番の左クロスに大外で7番ボレー、左ポストに当たり入る。0−1。ロスタイム、久御山7番仕掛けて11番が右フリーシュートは上に外す。前半は0−1。

後半4分、福知山成美、バイタルでどんどん回し11番を狙うがカット。47分(後半7分)、福知山成美11番の左クロスを9番落とし10番蹴り込み1−1。52分、福知山成美、クロスを久御山DFはね返し10番鋭い切り返しから右アウトでシュート、外れる。決定機。直後にも左スペースに10番を走らせるが久御山GK素早く飛び出しクリア。徐々に福知山成美10番が裏を取り始める。久御山は5番→19番。直後に19番ミドルは右に外れる。決定機。さらに久御山は9番と10番がFWに入る。21分、福知山成美9番に警告。繰り返し。さらに12番が左ハーフに入る。以降選手交代が激しくなるので割愛。久御山は繋ぐが14番のターン多用のドリブル以外大きな武器はない。一方福知山成美はいよいよ10番のスピード、高さ、切り返しの深さ、トリッキーさが前面に出て、久御山の注意が集まる。そして後半36分、福知山成美、右コーナーにたぶん4番がループヘッドで2−1と勝ち越し、勝利した。

福知山成美について。10番は高校生のDFではまず止められないだろう。選択肢の注目だ。仮に留学生としたら現地のアカデミーの目に留まらなかったのが不思議だ。よく手放したな、と。日本で体格が伸びたのだろうか。ただし福知山成美としては周囲と噛み合っておらず、あくまで個での崩しだった。チーム力自体は必ずしも京都橘や東山ほどではないだろう。

久御山について。超攻撃的スタイルは相変わらずだが、今年はスキルがやや不足していた。ドリブルで一人はがしてこそ久御山のパスサッカーが活きるというものだが、剥がせる選手が14番しかいなかった。この高校は常に過激なまでの攻撃的スタイルを貫くが、今年のダニッシュダイナマイトもそうだが、久御山以外がすれば、無謀との批判を受けるだろう。しかし「君はキミらしく」、が久御山のスタイルだ。




第2試合は向陽対龍谷大平安。向陽は女子サッカー部は毎年見ているが、男子サッカー部は久しぶりだ。全国に出た年以来か?向陽は無論向日市の高校だ。京都市と長岡京市の間。龍谷大平安はいつも京都でいいところまでは勝ち上がるが、なかなか全国には行けない。

高校選手権京都大会準々決勝
向陽高校−龍谷大平安高校
11月3日 13時30分 太陽が丘球技場B 良芝 晴
向陽           龍谷大平安
−−−七番−−十六−−− −−−十番−−十一−−−
−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−
十四−十番−−十九−九番 八番−六番−−七番−九番
十八−八番−−四番−二番 三番−四番−−十三−五番
−−−−−二二−−−−− −−−−−一番−−−−−

向陽は相手が自陣深くで持っているときはバックラインを押し上げ、ハーフウェイラインの10メートルくらい後ろのラインを保ち、その前に中盤のラインを作り、龍谷大平安が前に運んだ時も下がり過ぎず、コンパクトな中盤を保ち、奪ったらタテに蹴る。エース14番はカットインドリブルがあり、攻撃のアクセントだが、基本的に繋ぐ力はない。対する龍谷大平安は左センターバック4番の左足ロングフィードがあり、また10番は快速で裏を狙ったり、足元で受けて加速するドリブルがあったりとアクセントになるが、向陽守備陣のためにいい体勢では受けられない。中盤はプレッシャーを受けるので後方で回すことになる。ただ徐々に10番が向陽のバックラインと中盤のラインの間のギャップにポジショニングして攻略し始める。37分、ポジションチェンジを織り交ぜ右を攻略し、7番のグラウンダー右クロスに11番がダイレクトで右隅に。0−1。39分、向陽も9番がゴールを決めるもオフサイド。
前半は0−1だった。

ところで単調な向陽はベンチに切り札があるはずである。でなければゲームにならない。ギアチェンジするタイミングが見どころである。

後半に入り44分(40分ハーフ)、龍谷大平安11番ドフリー右クロスは10番の前でカット。しかし46分、8番の左グラウンダーミドルシュート、右隅に。0−2。こうなったら向陽はバックラインを常に押し上げショートカウンターを狙うが、龍谷大平安は一切隙を見せない。そこでタイミングを見計らい、向陽は切り札の快速左ハーフ11番を投入し、14番をトップに上げる。そして62分、19番から14番ミドル、こぼれを7番決めて1−2。以降も攻勢に出るが、71分、龍谷大平安は左コーナーから中でヘッド、左隅に決まり1−3と勝ち越し、勝利した。

メリハリのある、いかにも京都の準々決勝だなあ、という印象のゲーム。レベルが高くて楽しめた。第2試合はいい。しかし第1試合は残念なのが観客が密集していたこと。子供たちはまだ仕方がないが、分別がついているべき保護者も密集しておしゃべりしているのだ。クラスターが発生したら大会が中止になりうる。保護者は密集するものだが、理性を持ってほしかった。何度も運営サイドから注意があったが、指示を守らなかった。そんなことでは困る。大人なのだから。


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T.K. [MAIL]