サッカー観戦日記

2020年10月25日(日) 高校選手権大阪大会ラウンド16 大産大附−大阪偕星 東海大仰星−賢明学院

大阪のラウンド16はなかなか厄介だ。観客が多く、二重三重の人垣を覚悟せねばならないのに、普通のグラウンドで開催されるからだ。今年は新型コロナウィルス禍で観客の少なさは予想できた。しかし朝の住之江公園駅はバス停が混んでいる。とてもバスに乗れない。これあるを予想し、徒歩で向かう余裕を見ていたので、無事歩いて堺に到着出来た。カードはピッチで決めた。全周観戦可能な堺S11。大阪大会ならばラウンド16ならどこでもいいゲームを期待できる。高体連の先生と話すたびにラウンド16の観戦難を何とかしてほしいということは伝えている。何なら前は準々決勝の観戦難も伝えていた。しかし数年前から鶴見緑地球技場開催になり、しっかり有料で観戦環境が格段に上がった。ちなみに今年は堺S1開催である。さて堺の第1試合はS11のバック側中央付近で観戦可能なコンディションだった。

さて第1試合は大産大附−大阪偕星学園である。大産大附はプリンスリーグの強豪。一方の大阪偕星学園もコンスタントに強い。




高校選手権大阪大会ラウンド16
大阪産業大附属−東海大仰星
10月25日 11時 堺S11 人工芝 晴


大産大附         大阪偕星
−−−八番−−十三−−− −−−−−十三−−−−−
−−−−−−−−−−−− −−−−−十番−−−−−
十番−七番−−十七−十一 二十−八番−−十七−十一
二番−十六−−四番−二一 三番−四番−−二番−五番
−−−−−十二−−−−− −−−−−一番−−−−−

大産大附の特徴は小柄でFWもサイドに寄り、人数をかけてサイドを完璧に攻略すれば、中に高さは必要ないという考え方である。これに対し大阪偕星はキャプテンマークつけてないのに、まるでキャプテンの様にバックラインをきっちりコントロールする4番、髪が短く激しい闘争心で中盤を締める17番、そして寡黙にチームを引っ張り中盤で攻守に奮闘する10番と中心選手がしっかりしている。大産大附はサイドに10番と11番という突破力と判断力に優れた選手を置き、単独突破も良し、細かい崩しも良しと何でもござれである。されを操る17番の左足も見事だ。そしていいタイミングで裏にボールも出すが、大阪偕星学園の素晴らしいラインコントロールの前に、ことごとくオフサイドになってしまう。13分、大産大附右クロスに左足ダイレクトボレーで先制。1−0とする。しかし大阪偕星学園も規律を守り、一向に崩れない。そして徐々に右ハーフ11番が生き始める。大産大附の左サイドバック2番も攻守に能力が高く。丁々発止のやり合いになる。前半は1−0。

後半、大阪偕星学園は6番を左サイドバックに入れて3番を右センターバックに移す。2番がアウトかな?センターバックの高さを犠牲にしても地上戦の強さを増した。さらに50分(40分ハーフ)、大阪偕星学園は11番→7番。なお大阪偕星学園は交代した左サイドバック6番が左足で右コーナーも蹴る。そして大阪偕星学園、右クロスに7番ボレーで1−1に追いつく。さらに16番を入れ、攻撃の厚みを加える。これに対し、大産大附は長身のFW9番を入れる。ここで高さのミスマッチが生じた。結局後半は攻め合い、しのぎあいで終了。1−1で延長に入った。

延長後半1分、大産大附、放り込みに競ってバーに当たり9番が頭で押し込む。2−1。様々なタイプの切り札をベンチにおける大産大附が層の厚さを見せつけた形だ。結局大産大附が2−1で逃げ切った。

流石に大阪のラウンド16だ。レベルが高かった。大阪はプリンスリーグの高校が7校もある超激戦区だ。力だけなら全国制覇しうる高校はたくさんある。しかし激戦区ゆえに全国経験を積めない。大産大附もまさに強い高校の一つだ。これに対し、大阪偕星学園も互角に渡り合い、力を見せた。




第2試合前、バック側が混んで「密」になったので、不安を感じゴール裏に移動した。当然見えにくくなるので、観戦環境は落ちる。新型コロナウィルス禍での観戦ポリシーは「リスクを避ける」ことで、しかも保護者の方は結構油断していて、密集しておしゃべりしたりしているから。

高校選手権大阪大会ラウンド16
東海大大阪仰星−賢明学院
10月25日 堺S11 13時 人工芝 晴


仰星           賢明学院
−−−十七−−二十−−− −−−二九−−三十−−−
−−−−−−−−−−−− −−十番−−十七−−二四
十番−七番−−四番−八番 −−−−−八番−−−−−
十一−三番−−六番−五番 二番−二五−−三番−十一
−−−−−一番−−−−− −−−−−誰々−−−−−

賢明学院はどうも左右非対称だ。最初4−1−4−1かな?と思ったが、左ハーフではなくFWだ。仰星は得てして守備的だの勝利至上主義で育てないだのという批判があるが、私の意見としてはその批判は当たらない。まず選手は育っているし、毎年スタイルを変えて、ゲームプランもゲームごとに変えて柔軟だ。これを可能にするのは選手のクレバーさ。つまり戦術眼が備わっている。そして今年の特徴は超攻撃的だ。特に左。10番の攻撃力、テクニックに加え左サイドバック11番も攻撃面に特徴がある。だからこそ事前スカウティングで賢明学院は右を厚くして攻撃で東海大仰星の左を押し込み、たぶん苦手な守備を強いる策かと思った。東海大仰星4番は攻守に効いているキーパーソン。どうも賢明学院のプランを東海大仰星の狙いを外している印象だ。賢明学院のボランチ脇8番の横を使い、右からも攻める。この辺り、自在なスタイルの東海大仰星の良さが出ている。賢明学院の悦勝先生は大阪屈指の名将だが、策士策に溺れる、か。それでも耐え、攻めてもいたが、東海大仰星の武器の一つ、セットプレーで左コーナー、10番のキックに中でヘッドで先制。1−0とする。東海大仰星は関西では珍しいロングスロー使いのチームだが、今年はスローワ―がいないらしい。そもそも今年の東海大仰星のサイドバックはタフなアップダウンとロングスローというタイプじゃない。右の5番は守備的なタイプに見えるが、攻撃のフォローは怠らない。8番は単独で崩せるタイプ。そして後半18分、東海大仰星、8番の右クロスに7番ボレーで追加点。2−0として、賢明学院は終始噛み合わないまま、地力があるから特に守勢にもならず2−0と普通に負けたが、柔軟性で劣った。とは言え攻撃の高い東海大仰星相手に渡り合い、プランを外されながら2−0負けなら上出来だろう。普通に強かった。東海大仰星には上を行かれたが。




さて大阪は準々決勝以降は観戦不可能になる。これで関西の高校選手権予選で観戦可能なのは京都府の上のほうだけだ。なかなか観戦先を探すのは難しい。


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T.K. [MAIL]