サッカー観戦日記

2020年09月05日(土) JFL 奈良クラブーヴェルスパ大分

ついにJFLも生観戦可能になった。今季のJFLは後期だけ。J3昇格?はあるが、地域リーグ降格はない。昇格についてホーム平均観客数2千人縛りもない。シンプルに4位以内かつ百年構想クラブで2位以内に入ればよい。その百年構想クラブの一つ、奈良クラブを率いるのは若干25歳の林舞輝さんであるヨーロッパでライセンスを取った理論派。日本の仕組みだと若くしてS級を取るのは難しい。したがって今期ヨーロッパを席巻したライプツィヒのナーゲルスマンのような選手としてのキャリアはなくても監督としての実力でのし上がる理論派は生まれにくい。80年代にプレッシングでフットボール界を変えたアリゴ・サッキの「名ジョッキーが名馬であった必要はない」にもかかわらず、「日本代表選手」出身の監督が幅を利かせているうち、つまり監督業が実力主義でないうちは、日本国内で指導のレベルアップは遅いだろう。そう言う意味でも林さんには日本のナーゲルスマンとして期待したい。
さてJFLはアマチュア最高峰である。今季の天皇杯予選はJ3が参加しないこともあってJFL16チーム中13チームが本大会に足を運んだ。三重と宮崎は2チームあるので、どちらかは必ず敗退するから、JFL以外に敗れたのは大阪決勝で引き分けPK負けのFC大阪だけである。むろんこの試合の奈良クラブもヴェルスパ大分も本大会に出る。
JFLは新型コロナウィルス対策の為、事前に席ゾーン指定を行った。私はアマチュア奈良招待券を受けられるJFA後援会である。今季使うのは初めてで、会費分使えるわけもなく、本来の精神に則り、JFAへの寄付行為と割り切っているが。
ヴェルスパ大分の須藤監督はU−16代表を率いていたことがある。その頃は評価しなかったが、しかし若き理論家だった頃と違い、経験を積んで洗練されているだろう。

この日奈良までの移動には意を用いた。密を避けるため、京都から特急を使ったのだ。自他ともに認めるケチに私には珍しいが、この時期安全第一と考え、なるべく空いている列車を使っている。出来ればビスタカーに乗りたかったが。スタグルでカレーライスの味をネットアンケートしてスパイシーカレーと決まった。むろん買った。量は多くないがピリッと辛いし、具も面白い。奈良クラブは昨年はハンバーガーが出ていたが、出来上がるまで時間がかかりすぎて食べられなかった。そういう意味では最初から狙っていたカレーライスを食べられて良かった。大人のゲームでは食べ物や飲酒をする方だ。この日はビール禁止なので、飲まなかったが。

奈良クラブ        ヴェルスパ大分 
−−−菅野−−水谷−−− −−−中野−−中村−−−
−−−−−吉田大−−−− −−−−−−−−−−−−
−山本−−寺島−−吉田− 利根−瓜生−−金子−−−
加藤−西村−−金−−中村 西埜植−福元−浦島−西村
−−−−−上田−−−−− −−−−−−−−−−−−

林
 1 上田智輝  181/79 96/03/03
 4 中村謙吾  170/68 92/05/05
24 金聖基   190/84 88/10/23
 5 西村洋平  181/75 93/06/01
11 加藤徹也  181/75 96/03/13
23 寺島はるひ 180/73 93/11/09
17 吉田直矢  166/60 97/12/19
27 山本宗太郎 185/79 96/02/07
 6 吉田大河  170/65 95/11/15
14 水谷侑暉  175/65 93/11/13
 7 菅野哲也  174/74 89/08/30



監督:須藤茂光

 4 西村大吾  178/71 96/03/14 
 3 浦島貴大  174/69 88/05/12
16 福元考佑  178/77 89/04/24
14 西埜植颯斗 174/70 96/02/21
 9 
15 金子雄祐  177/71 93/08/10
10 瓜生昴勢  166/63 96/01/08
11 利根瑠偉  176/68 93/02/15
18 中村真人  184/83 89/12/24
21 中野匠   170/62 95/10/14


さて、ゲームは双方理論派らしくバランスを保ち自陣から繋いでいく。ただ局面で戦っているのはヴェルスパ大分で、つまりディテールで優っている。球際に強いのも動き出しが早いのもヴェルスパ。奈良は中盤ダイヤモンド、というか80年代のように一人のストライカー、1人のウイング、1人のトップ下を置いた形である。林監督としては、最新理論のスタイルで行きたいのだろうが、古典を学んでこその最新理論というものだ。早々にヴェルスパが右を崩しクロスにファーポスト際に�加翅宍佑瓩瞳茲瓩襦�0−1。これで奈良は1トップを断念。交代させ、フォアチェックを一気に強める。しかしアリバイディフェンス的というか、人には行ってるが、奪うような寄せ方ではなく、またヴェルスパの受け手がスッと動いても意識がアラートではなく、難なくマークを外す。つまり個々の意識レベルで甘いのだ。これでは理論がどうであれ厳しい。攻撃時はサイドバックが大きく絞ったり最前線に現れたりと面白いが、相手が引いてくれないとなかなか厳しいのではないか?私は当初林監督が「理屈倒れ」になるのでは?と心配した。経験が浅いし、監督経験もないし。勿論JFLは4部リーグ。これからステップアップしていく人が監督職に据えられる。がネット観戦した時にはなかなかの攻撃サッカーだと思った。今後の課題は繋いでくるチームへの守備「理論」ではなく、選手への局面の意識付けだろう。何度もテクニカルエリアで首を姫ったり、眉間を押さえるシーンが見られた。つまり「理屈では正しいはずなのに、何故上手くいかないんだろう」という感触か。トップ下�Φ氾賃膕呂虜庸修狼韻�が、ボランチ㉓寺島が散らし2センターバックでビルドアップし、押し込む時間が長いので点は入るだろうが、失点の匂いもプンプンしていた。
これだと「低迷はしないだろうが、昇格は厳しい」という印象だ。逆に須藤さんのヴェルスパ大分は無茶苦茶楽しいです。須藤さんはそれこそ「理屈倒れ」タイプだったのが、現在では地に足のついた「理論派」になっている。選手の意識付け、素早い判断と集中力、攻守の切り替えなど常にアラートなのだ。個々の能力では奈良クラブだが、やるべきことが難しくなく整理され、選手が素早く判断できるヴェルスパ大分は優勝争いは無理でも、魅力的なフットボールを披露できている。正直ここまで強いとは思わなかった。前の週、ゲーム感覚を失った高校生のスーパープリンスリーグ関西を観ていただけに、「JFLは無敵なんだね」(原作マジンガーZ的)と思った。プロリーグ以外では最強リーグの看板に恥じない。フラットな中盤でヴェルスパはボランチ��瓜生が番号に恥じない組み立てを見せ、2トップはパスコースを消すことを意識してカウンターを常に狙い、右サイドバック�だ沼爾蝋況皸媼韻�高い一方で奈良クラブの左ウイング�Э�野をよく見ている。前半は0−1で終了。あまりにゲームを満喫し、のめり込んでいた。

後半開始。奈良クラブ、左コーナーキックを獲得。ここでサインプレー。つまりペナの角のほうにグラウンダーで出し、スルーして正面から㉓寺島が左足ミドル、これが突き刺さり1−1。奈良クラブは一層集中力が増す。しかしヴェルスパも��瓜生の左コーナーキックでサインプレー、ファーで�1催臉泙衒屬鍬だ沼璽縫△妊椒譟次�1−2。以降奈良クラブは2センターバックと㉓寺島で組み立て、圧倒的に押し込む。集中力もあるしまだまだ追いつける展開だが、攻守の切り替えが遅いこと、そして自らポジションを崩すスタイルなのに、守備になったらどこ行けばいいの?みたいなところがあって、個々の戦術眼の問題もあるのかな?と思った。㉓寺島の負担が大きすぎる。またヴェルスパ大分は自陣に大きく引きながらときおり左サイドバック��西埜植が俊足で加速して持ち出すなど、守勢に甘んじる気はないのだ。やがて奈良クラブはパワープレーを開始する。26番はほぼ高さで勝てるし、㉓寺島が左寄りから左足で入れて競ってこぼれを拾う攻撃に切り替える。しかしどうしてもこぼれを拾えない。能力では奈良クラブなのに個々の判断で劣勢で、一度は遠くからヘッドがバーに当たったシーンもあったが、何というか、勝てないときはこんなもんという雰囲気が漂い、さらに終盤カウンターを23番が故意に止めるプロフェッショナルファウルで2枚目の警告をもらい退場し、勝負は決した。結局1−2でヴェルスパ大分の勝利。

奈良クラブについて。個々の戦術眼アップや林監督の指導力アップには時間がかかる。時間をかけて成長を見守るしかなかろう。方向は正しいと思う。そして大分のファンは大分にはもうひと一つ魅力的なチームがあることを知ってほしい。

あと会場で家族連れとは言え3,4人隣り合って観戦すると家の中と同じとはいえ、普段から新型コロナウィルスへの意識が低いのでは、と思わされた。

なお、帰りも近鉄特急で帰った。いつもは有名な大仏プリンを買うのだが、30分に一本の特急がギリギリなので、余裕はなかった。なおビールは買った。


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T.K. [MAIL]