サッカー観戦日記

2017年06月01日(木) 高校総体滋賀大会準決勝 近江−草津東 比叡山−綾羽

準々決勝でプリンスリーグの野洲を破った近江は強化2年目で下級生主体のチームである。昨年の選手権予選登録メンバーは3年生一人を除き全員1年生だった。対する草津東は言うまでもなくプリンスリーグの強豪である。近江は昨年と背番号変わっている可能性が高いし、草津東も明らかにプリンスリーグのプログラムとは違うので、背番号だけ。

高校総体滋賀大会準決勝
近江高校−草津東高校
6月1日 11時 布引陸上競技場 ピッチ良 晴


近江           草津東
十四−−−九番−−−十一 −−−−−九番−−−−−
−−−十六−−七番−−− −−−−−十番−−−−−
−−−−−十番−−−−− 二二−十二−−六番−十八
六番−二番−−三番−十九 三番−四番−−五番−二番
−−−−−一番−−−−− −−−−−十七−−−−−

近江10竹村俊二 CB山内舟征、長ヶ原陸矢 1土屋ヒロユキ 11槙山佳佑 12誉田旅人 9岡崎藤吉

10葉賀洸 3向井鋭斗


近江は超守備的4−3−3である。10番はフォアリベロとしてバックラインまで下がり正確なパスと展開力で組み立てる。11番はレフティーの右ウイングで、スピードがある割に案外突破力はないがセットプレーも担当。9番は強靭なCFというより単独ドリブルでシュートにいく迫力がある。こちらもレフティー。草津東はCB4番が堅実な守備で近江9番に対処。6番は展開力があるがミスも散見される。22番は左足でシンプルに上げてくるのが良い。10番は下がってきて勝負パスを狙う。個々の能力では明らかに草津東が上だが、相変わらず噛み合っていない印象を受ける。

4分、草津東3番の左クロスに大外で9番飛び込むが届かず。6分、草津東3番から9番に当て落とし6番が裏に出すが飛び出した10番に届かず。草津東が立ち上がりから押し込み、近江は自陣で耐えるのみ。7分、9番が突っかけるが、最後カット。11分、草津東10番、鋭く仕掛けるが最後近江2番がカット。右CK22番の左足はGKキャッチ。近江はギリギリの守備が続く。給水タイム挟み、草津東の右クロスに12番ヘッド、こぼれ22番シュートはブロック、右CKへ。決定機。20分、草津東10番ドリブルから右の18番へミドルは左に外れる。22分、草津東の右クロスを6番シュート、右隅襲うがセーブ。決定機。拾って10番シュート、ブロック。決定機。近江のGKはなかなか安定感がある。28分、近江16番→8番。草津東のボランチを封じられなかったので、やむを得ない交代かな?29分、草津東、右CK。22番の左足は4番の前でGKパンチ。30分草津東5番に警告。激しくぶつかったしラフとの判断かな?近江の左60度35mFK。11番が左足で狙うが難なくキャッチ。前半初シュートだが可能性はなかった。その後も草津東が攻め続けて前半終了。

前半シュート数1(1)対5(4)、CK数0対3、GK数11対0、オフサイドなし、クロス数0対9、ファウル数3対4、FK数1対0。あらゆる数字が草津東の圧倒的攻勢を示している。FK数に近江の一本を入れているが。直接シュート撃ったからカウントしただけで、普通狙えるFKにカウントする位置ではない。近江は超守備的戦略が当たっており、また一番の基本、ギリギリで身体を入れる、身体を張ってブロックすることができているので、現状戦力で勝つための出来ることは全て実行している。

後半開始。37分(後半2分)、草津東10番切れ込むも最後近江2番がカット。39分、草津東18番右クロスは上のネットへ。場内どよつく。42分、近江、9番がゴールライン際を突破、7番正面シュートはセーブ。超決定機。こういう最初の決定機で決めていれば劣勢のチームの勝つ形なのだが。45分、近江、9番仕掛けて左の14番へ、しかし止められる。近江は両サイドの突破力自体はそれほどでもない。48分、草津東、じっくりキープから3番シュート、上に外れる。49分、草津東18番受けてターンからスルーパスも9番に届かず。52分、近江、40mFK、11番左足で狙うも上を襲ったボールはセーブ。この位置からでもゴールを脅かすことはできるが、しっかりしたGK相手では脅かすだけで絶対にゴールは割れない。右CKから7番シュートは上に外れる。58分、草津東10番→7番。足攣った。変化をつけるパスを出していただけに痛い。この時間で10番を任される選手が足を攣るということは試合前から問題を抱えていた?草津東はサイドバックが強力だが、右サイドバック2番のタフネスが光り始める。踏み込んだ守備、守備に重点を置きながらも攻めあがる姿勢。近江は右FK、11番の左足をファーで10番落とし3番スライディングシュート、ブロック。超決定機。近江は勝算も見えてきた。とは言え、草津東が支配しており、その中からかすかな勝算を見出す形が見えてきているのに過ぎないが。65分、草津東9番ヒールで落としシュートはブロック。終了間際、草津東7番ミドルは上に外れる。70分間終了。10分ハーフの延長戦へ。

後半シュート数5(3)対2、CK数2対0、GK数5対4、オフサイドなし、クロス数1対9、ファウル数5対4、FK数1対1。押し込んだ草津東が次々にクロスを入れるが全部拾われ、逆にシュート数では近江が多いという内容。つまり草津東が単調になっている。10番の交代も痛い。近江は守備陣の奮闘が光る。9番が決定的な仕事ができるタイプだが、カウンターに行けず、繋ぎもそれほどではないので、セットプレーに活路を見出すか、PK戦狙いか、とにかく割り切ったサッカーをしている、。

延長開始。77分(延長前半7分)、近江14番→17番、草津東18番→13番。明らかに近江は守備的な意図、草津東は攻撃的な意図だろう。草津東の左サイドは22番の存在が大きいが、右はサイドバック2番との連動で崩しており、18番は疲れていたが、攻撃の圧を高めたい。逆に近江の14番は攻撃面で持ち味を発揮できないので、守備的な選手を入れて、攻撃は9番と11番に託す、といったところか?近江はGKがとにかくミスしないので守備が締まる。79分、近江11番の40mFKが上を襲うがセーブ。精度は高いが絶対にセーブできる距離だ。その右CK、10番ヘッドは左に外れる。ミスヘッドだろう。延長前半終了。
延長後半開始。いきなり草津東、13番が右から突っ込みこぼれをシュートは左に外れる。82分、草津東、13番カットからクロス、7番撃てず。85分、草津東、カットから9番へ、近江スライディングタックルで奪う。86分、草津東13番カットイン、中で繋ぎ9番シュート、ここも近江体を張ったブロック。ロスタイム、草津東7番シュートも決まらず。近江、GK1番→12番。明らかにPK戦用キーパー。タイムアップ。0−0で引き分けPK戦へ。

草津東:22番、成功。左足で逆を突いて左に。
近江:9番、成功。左足で真ん中上に。
草津東:9番、成功。逆をついて右へ。
近江:11番。成功。左足で左上へ。
草津東:7番、失敗。上に外れる。
近江:10番、成功。左足で左上に。
草津東:3番、成功。左。
近江:2番、成功。左。
草津東:6番、失敗。セーブ。

結局PK戦の結果、近江の決勝進出が決まった。

プリンスリーグでも懸念していたが、草津東は高い個人能力がまるで噛み合っていなかった。守備は個人能力頼みで攻撃は雑だった。押すことはできても、攻勢を勝ちに結びつけるところまでは行かなかった。能力から言って冬にはかなり強いチームを作れるだろうし、小林先生も実績十分だ。全ポジション穴がない。しかしクロスを入れまくるなら9番には高さがほしいし、ボランチにも飛び込んでほしい。10番は変化をつけられるが、いなくなれば9番まで機能しなくなるとはチームとして幅が足りない。22番は素晴らしいクロッサーだが、飛び込んで決める意識を持ってほしい。脇役に徹していたが、エースになれる力はあるのだから。

近江は狙い通りだろう。前田先生は若いが、草津東を術中にはめた。とは言え、力でかなり劣っていたのは否めないし、11番のセットプレーと9番のドリブル以外形がなかったのも確かだ。能力の高そうな10番もずっと守備に追われていた。決勝も耐えるサッカーで何とかするほかあるまい。声があまり出てなかったのも気になる。




高校総体滋賀大会準決勝
比叡山高校−綾羽高校
6月1日 13時40分 布引陸 ピッチ良 晴 





比叡山          綾羽
−−−十番−−七番−−− −−−九番−−八番−−−
−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−
十三−六番−−八番−十一 十番−十四−−七番−十一
二番−四番−−五番−三番 四番−二番−−二四−三番
−−−−−十二−−−−− −−−−−一番−−−−−

激しい守備が身上の比叡山だが、このゲームの主審はコンタクトに辛いタイプだった。4番は強靭なCB。5番は素晴らしいカバーが光る。10番はタテに仕掛けパスを狙うも読まれている。綾羽は14番がどこにでも現れる運動量の持ち主。両サイドの10番と11番はタテ突破を多用。9番は長身CF。
開始いきなり、綾羽9番がポストからターンシュートは左に外れる。綾羽3番はシャツ引っ張られ破れる。やむを得ず19番のユニを着る。7分、比叡山、左FK、2番が左足で入れるがクリア。12分、綾羽、右CK、10番が右足で蹴ることを確認も逸機。16分、比叡山、11番の右パスに6番シュートブロック。決定機。左CKに。こぼれるがクリア。直後に綾羽も10番左クロス、11番に届かず。25分、綾羽、10番、スルーパスに8番流れて受けて左クロス、11番ヘッドが決まり綾羽先制。0−1。比叡山2番の左FKから左CKへ。2番が担当、ここでトリックプレーを仕掛ける。グラウンダーでゴールからやや離れたところに出し4番スルーして11番シュートに行くも届かず。立正大淞南のトリックプレーみたい、というかたぶん完全コピーでしょう。30分、綾羽10番タテに仕掛け左クロス、ニアで8番シュートもセーブ。決定機。その左CK10番の右足に4番ヘッド、左に外れる。直後には綾羽スルーパスに8番抜けかけるも比叡山4番が素晴らしいスライディングタックルで奪う。綾羽は9番が中で踏ん張り、空いたスペースを8番が狙う形がはっきりしている。35分、綾羽9番ポストプレーから8番左に出し10番シュートは右に外れる。結局前半は0−1で綾羽リード。

前半シュート数1(1)対5(2)、CK数2対3、GK数7対0、オフサイド数0対1、クロス数2対5、ファウル数11対6、FK数1対1。ファウルが多いのは汚いのではなく主審の判定基準の辛さにある。しかし危険な位置でのファウルは少なく。両者よくコントロールしている。主審も基準は一貫している。

後半開始。比叡山がいきなりいい入り。13番が突っ込みファウルゲット。というか綾羽が苦しくファウルしてしまった。左80度18mFK、2番(左足)、5番(右足)が構え、2番は上に外れる。決定機。38分(後半3分)、比叡山13番に警告。ラフ。突破を止めた。綾羽はハーフタイムの指示か、サイドハーフがカットインを多用する。前半タテ突破が効果的だったが、一辺倒だし、相手に狙いを絞らせない意図だろう。44分、綾羽14番が左に出し10番カットインシュート、バーを叩く。決定機。GKも触っていた。素晴らしい反応。その右CKも比叡山GK12番キャッチ。47分、綾羽サイドチェンジ、11番カットイン左足ミドル、これも比叡山GK12番ナイスセーブ。右CKへ。10番がキックも中でファウルで逸機。49分、比叡山2番の左クロス11番突っ込むがわずかに届かず。決定機。51分綾羽10番のスルーパスに9番抜けるもオフサイド。綾羽の10番と11番はプレーの幅も広く能力が高い。14番と7番も含め中盤の能力が高く、観ていて楽しい。54分、比叡山13番→9番。綾羽2番足を攣る。59分、比叡山2番に警告。足を上げた。61分、比叡山2番の右CK、これも綾羽クリア。63分、綾羽10番左クロス9番落とし8番シュート、ワンタッチで決めて0−2。65分、比叡山10番警告。綾羽GKのパントキックに足上げて突っ込んだ。66分、比叡山9番に警告。綾羽の選手のシャツを引っ張った。苦しくなって感情をコントロールできなくなったか?67分、比叡山10番の右パスに8番突っ込むがカット。綾羽18番に警告。綾羽9番いいシュートも正面。決定機。ロスタイム綾羽9番→16番。結局0−2で綾羽が勝利した。

後半シュート数2対6、CK数1対3、GK数3対4、オフサイド数0対1、クロス数6対2、ファウル数11対8、FK数1対1。

綾羽の強さは明らかだし、比叡山の激しいプレーが結局主審の判定基準と相性が悪かったこともあり、かなり綾羽が押していた。綾羽は守備陣の能力があまり分からないほどペースを握った。比叡山は普段から強度の高い練習をしているのか、激しい守備が光ったが、綾羽が一枚上だった。CBコンビはかなり能力が高いのではないでしょうか?

観戦した時点で決勝の近江−綾羽戦はかなり綾羽有利だと思ったが、スコアレスドローでPK戦の結果近江が全国に進んだ。綾羽は攻撃の幅があるチームだが、近江の守備力を崩せなかったか。近江は野洲・草津東・綾羽をPK戦を含めると破っての全国だ。全国では正直極めて厳しいが、健闘を祈る。


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T.K. [MAIL]