サッカー観戦日記

2016年01月17日(日) 奈良県高校新人戦 ブロック決勝 郡山ー東大寺 奈良育英−高田



年々リーグ戦の普及に伴い、各地で新人戦は縮小されている。関西では大阪と滋賀が廃止、奈良は高校総体のシード校を決めるため7ブロックに分けてそれぞれ優勝を決め、勝者と高校選手権予選を制した香芝がシードとなる。そのブロック決勝を観に行った。

郡山のユニは白地に蛍光色の背番号で判別困難なので、間違っている可能性が高いことを断っておく。

奈良県高校新人戦 ブロック決勝
郡山高校−東大寺学園高校
奈良県フットボールセンター 10時 晴 人工芝

郡山           東大寺学園
−−−−−十六−−−−− −−−九番−−十番−−−
−二五−−七番−−十八− −−−−−−−−−−−−
−−−八十−−九番−−− 二二−二五−−二三−十八
二十−十一−−八番−十番 十七−七番−−六番−十五
−−−−−十二−−−−− −−−−−一番−−−−−

立ち上がり、東大寺が固い。2分、郡山、PK獲得。これを誰か?決めて1−0。8分、右裏を突き切り返して左足で逆のサイドネットへ、2−0。9分、25番の左クロスをボレー。3−0。12分、攻め込んでこぼれ球を正面でシュート、右に外れる。13分、16番が左シュート、4−0。おかしい、と思った。郡山は全国にもいく強豪である。しかし東大寺だって地元奈良開催の全国高校総体の時には予選で4校による決勝リーグまで生き残ったことがあり、コンスタントに結果を残しているチームである。失礼ながらこんなに弱いはずがない、と思っていたが、ここからがゲームになった。まず東大寺はかなり明確なゾーンディフェンスのチームである。バックラインを押し上げフォアチェックを仕掛けショートカウンターを狙う。守備もサイドに誘い出して一斉に囲んで奪ったり、逆にサイドにスペースがあると中に追い込み囲んで奪ったりと、今度な戦術理解度は高校生離れしている。よほど監督さんが優秀な人なのだろう。そしてその戦術を消化している選手たちも。これに対し郡山は無理やり自陣で繋ぐ技術の高さ、そして罠にかかって囲まれたにも関わらず、強引に罠を踏み破り、突破するシーンもあるのもさすがである。東大寺が裏を突き、郡山DFが触るもゴール右隅に飛び、GKセーブ。あわやオウンゴールである。決定機。このコーナーは7番が担当。32分、東大寺のプレスの罠にはまり、右から中に囲まれた郡山が強引に突破、決めて5−0。気づいたが副審が珍しい眼鏡である。東大寺は10番がなかなかの技術とアイディアだが、スピードがないため仕掛けが甘く、ショートカウンターの威力が弱い。39分、ショートカウンター、東大寺15番シュート、セーブを10番蹴り込む。5−1。前半はこのまま終了。

前半シュート数10(6)対3(1)、CK数2対1、GK数1対6、オフサイド数2対1、クロス数1対2、ファウル数4対5、FK数2対2。

45分ハーフの後半、東大寺、素晴らしいプレスから10番抜け出し突っ込むが奪われる。53分、東大寺、裏を取り10番1対1も抜けきれず。54分、東大寺、左クロス、ファーに合わず。57分、東大寺10番がカットスルーパスは9番に合わず。58分、郡山、細かくパスを繋ぎ左CKをゲット。ヘッドは左隅もセーブ。決定機。アゲインの左CKを左足で蹴るが逸機。59分、郡山、スルーパスに抜けたFWがシュート、右ポストに当たり跳ね返りを蹴り込む6−1。70分、郡山のゴールキック、繋ぐところを東大寺フォアチェックでカット、10番が1対1もセーブされる。決定機。72分、東大寺、左クロス23番はボレーはセーブ。決定機。しかもオフサイド。78分、東大寺、左CK、ニアでカットも左クロス、これもカット。79分、郡山正面25mFK、25番の左足が右を襲うもキャッチ。82分、東大寺、10番のスルーパスに左で9番
仕掛けるが抜けず。85分、郡山、左CKを25番のキック、中でヘッド、右ポストに当たりイン。7−1。結局7−1で郡山がブロック優勝。

後半シュート数3(2)対2(2)、CK数3対1、GK数2対1、オフサイド数3対1、クロス数3(1)対3(1)、ファウル数3対5、FK数1対0。

雑感としては4−0になってからの勝負なので実力的には3−1くらいの差かな、と。東大寺はせっかく囲んでもまとめて突破されるシーンが目立ったので、個人の守備をもう少し厳しくすれば奪える。戦術理解は超高校級だが、個人能力あっての戦術なので。なかなか興味深いチームだった。郡山は今年も繋ぎ倒すサッカーを志向しているようだ。こちらもプレスにかかっていたので、小さく小さくつなぐのではなく、バックラインで大きく回せば、東大寺のプレスにかからなかったかと思う。ややサッカーが細かすぎた。いずれにせよ、夏までには両者大きく成長するだろう。




奈良県高校新人戦 ブロック決勝
奈良育英−高田
奈良県フットボールセンター 12時 晴 人工芝

奈良育英         高田
−−−十番−−十六−−− −−−九番−−七番−−−
−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−
七番−八番−−六番−九番 十一−四番−−八番−六番
十七−二番−−四番−五番 三番−五番−−三九−二四
−−−−−一番−−−−− −−−−−二一−−−−−

まずは体つきが全然違う。圧倒的に奈良育英のほうがたくましい。10番は力強いダッシュ、17番は大胆な飛び出し、5番はいい距離感でバランスを保ちつつ、味方を鼓舞する。高田は11番がキーマンで仕掛けがある。奈良育英、2分、4分と右CKを8番担当。6分10番の折り返しを16番蹴り込む。1−0。高田も7番から9番へのパスはカットされる。10分、奈良育英10番力強い左突破、マイナスに折り返し8番シュート、上に外れる。決定機。直後にも10番左突破からクロスを5番シュートも高田11番戻ってブロック。13分、高田FKから4番ミドル、右上に外れる。17分、奈良育英2番→13番。ボランチに入り、6番がCBへ下がる。右CK8番が蹴るが逸機。18分、奈良育英5番の右クロスを9番シュートは左ポスト。決定機。19分、左CK、8番のキックを5番シュートは上に外れる。決定機。21分、高田11番ポストから9番シュートに行くが届かず。23分、奈良育英10番スルーパスに8番シュート、左隅に決まる。2−0。この辺りで高田の息が上がっている。奈良育英は速い攻撃一本やりで緩急がないが、スピードとスタミナに絶対の自信があるのだろう。例年と比べるとずば抜けた選手はいないが、全体の質は高い。あとはテンポを代える選手がいれば面白い。26分、17番のフィード。8番の左クロスを16番トラップしてサイドネットに決める。3−0。28分、5番の鋭い上がりからシュートは上に外れる。決定機。29分、9番の右クロスに16番ヘッドは郡山GKキャッチ。決定機。7番の左クロスに9番落とし7番押し込む。5−0。38分、7番の左クロスに16番シュート、セーブ。決定機。FKを9番シュート、決まって6−0.ロスタイム、右クロスを17番決める。7−0。前半終了。正直既に高田は力尽きている感がある。走り負けしていて、しかもバックラインが下がっているので奈良育英が後方からどんどん上がり、スペースを与えて攻め込まれる一方で、スタミナも消費していた。

前半シュート数16(11)対2(0)、CK数4対0、GK数1対7、オフサイド数1対0、クロス数16(8)対3、ファウル数5対0。まさに一方的だった。高田はこのまま負けると何も収穫のないゲームになってしまう。せめて奈良育英の素早い攻撃の起点のドイスボランチ8番と6番に激しくいくとか、出来なくていいからバックラインをコントロールしてオフサイド取りに行くとか、サイドハーフが奈良育英サイドバックにきっちりついて行くとか守備のやり方を工夫しないと。

後半開始。46分(後半1分)奈良育英16番に警告。距離不足。無駄な警告と言えばそれまでだが、細部に至るまで奈良育英が警戒している証明でもある。高田6番のキックに7番ヘッド、左CKへ。これは逸機。奈良育英6番はカバーがいい。51分、奈良育英右クロスを10番ボレー、8−0。奈良育英は選手を入れ替え、10番、14番の2トップ、20番左になっている。58分、9番シュートはカット。左CKは右に流れクロスに16番ヘッド、決定機。高田3番→誰か。奈良育英はこの時間帯になっても全力を尽くす。多分このゲームのテーマである。61分、10番の右クロスを14番シュート、左に外れる。62分、左クロスを9番シュート、キャッチ。決定機。67分、20番左シュート、キャッチ。決定機。奈良育英9番→誰か。71分、20番の左クロスを14番スライディングシュート、決まって9−0。74分、奈良育英17番→21番が左サイドバックに。75分、20番シュートはセーブ。決定機。GK1番→12番。78分、奈良育英右パスを受けた14番がGKと1対1も触られる。超決定機。81分、奈良育英右クロスを処理ミス、14番が蹴り込む10−0。奈良育英4番→22番。右CBに。残る井時間帯も一向に手を緩めない奈良育英の猛攻が続き、10−0で終了。

後半シュート数17(10)対1(0)、Cksuu 7対2、GK数2対11、オフサイド数1対0、クロス数13(6)対1、ファウル数2対0、GK数0対2。後半は3点しか入らなかったが、シュート数から分かるように奈良育英の怒涛の猛攻が続いた。ちょっとミスマッチだったかな?と言うのが正直な感想だ。


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T.K. [MAIL]