サッカー観戦日記

2014年10月15日(水) テストマッチ 京都ーベトナム代表

サッカーファンでない一般的な日本人は欧米よりもアジアを低く見る戦前的な考えを引きずっているものだ。スポーツにおいてもアジアは欧米とくらべてほぼ五輪種目なら全競技が普及しておらず、力も足りない。だから同じ感覚でサッカーを観るときもアジアを舐める。しかしサッカーは唯一のワールドスポーツである。私のワールドスポーツの定義はシンプルだ。たとえばアジアなら東アジアにも東南アジアにも南アジアにも中東にも中央アジアにもくまなく普及している。各大陸にもくまなく普及している。くまなくとはつまりアフリカならマグレブ諸国にも西海岸にも中西部にも東アフリカにも南部にも普及している、ということだ。そしてもう一つ、普及しているだけでなく各国が強いということだ。サッカーは普及だけでなく指導体制スポーツ科学も資金力もプロ組織も整備されているスポーツ。だから頂点に立つことは他のスポーツよりはるかに難しい。ましてアジアとアフリカは大半の国が1960年前後に独立している。その前は現地の宗主国の人間のためのサッカーがメインに行われていた。たった50年やそこらでは大人のワールドカップ優勝は難しい。だが五輪やアンダーエイジ、女子ならワールドカップ優勝も可能だ。U−23の五輪ではナイジェリアやカメルーン、メキシコが優勝しているし、女子ならアジアも優勝している。優勝国を輩出していない唯一の大陸はオセアニアだけだ。そしてオセアニアは小さな国が多い。オーストラリアがアジアに移籍した今、ある程度大きな国はニュージーランドとパプアニューギニアだけで、その両国にせよ人口は1千万人もいない。これでは苦しい。

日本人はベトナムを甘く見ている人も多い。しかし人口9千万人以上、経済的にもVISTA(ベトナム・インドネシア・南アフリカ・トルコ・アルゼンチン)の一角に数えられるほど発展していて、熱狂的なサッカー国でVリーグは盛況で、育成もしっかりしていて、これでレベルが低いはずがない。FIFAランキング、現在142位、最高84位というのは決して侮れない力があることを示している。一般スポーツなら十分世界大会で優勝できるレベルだろう。
そのベトナムに三浦俊也監督が就任した。日本人トップクラスの実績があり、しかも日本には珍しいトップレベルの選手経験を持たないたたき上げで、ベトナムには合っているのではないかという期待感がある。10年前の日本人監督では個人的にマンマークの石崎信弘、ゾーンの三浦俊也というイメージがあった。妥協しない指導力にも期待が持てる。

この日は京都が相手ということで、何とかサンガタウンにたどり着く。京都はサテライトと言っていいメンバー。

テストマッチ
京都サンガ−ベトナム代表
13時 サンガタウン ピッチ良 曇り


京都           ベトナム代表
−−−三根−−三八−−− −−−二七−−十番−−−
−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−
石田−横谷−−十六−伊藤 十九−十四−−二九−二一
−黄−内野−−高橋−下畠 五番−三番−−二八−十五
−−−−−山田−−−−− −−−−−二二−−−−−

山田大地、黄大城、内野貴志、高橋裕治、下畠翔吾、石田雅俊、横谷繁、16番、伊藤優汰、三根和起、38番

立ち上がり、圧倒的なプレスで京都がペースをつかみ、7分、左クロスを㉘三根がヘッド、1−0。ベトナム代表は来日3試合目だが、日本の早いサッカーに適応できていないように見えた。若手主体の京都よりもおそらく年齢が上のベトナム代表の方が試合運びも拙い。13分、ベトナム14番のスルーパスに19番、左シュート。決定機。ベトナムは3番を中心にバックラインを押し上げ、逆に京都を潰し、細かい技術も高く、バランスを保ちつつ攻める。15分、京都、�伽佚頂献轡紂璽函■韮烹横家屮察璽屐�20分、京都、CBから奪われ、ベトナム10番カットからシュートはDFライン上ブロック。決定機。24分、ベトナム21番快速で突破、右シュート、決定機。25分、京都㉘三根裏を取り、左で1対1、カットされる。決定機。28分、ベトナム21番、右フリーシュートは右に外れる。決定機。完全にベトナムが京都のサッカーに適応し、支配する。33分、ベトナム、10番が右へ、21番の右クロスを27番。合わせる。決定機。その右CK、ニアで逸らすも上に外れる。決定機。41分、ベトナム15番の右クロスを21番シュート、決まって1−1。結局前半は1−1で終了。

ベトナムは7回の決定機を迎えるなど、明らかにペースを握っていた。10番が変化をつけ、14番のパスだし、両サイドの突破などが光る。バックラインも安定。攻守にバランスを保ち適度な距離感を保ち、局面で数的優位を保ち、無理のない攻撃を繰り出す。つまり単純にベトナムの方が京都サテライトより強い。

後半メンバー。京都は同じ。

−−−−−−−−−−−− −−−九番−−二四−−−
−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−
−−−−−−−−−−−− 二十−七番−−六番−八番
−−−−−−−−−−−− 三五−十六−−二五−十九
−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−

再びベトナムはリセット。入りが京都がよく、ペースを握る。ベトナム代表、三浦俊也監督は「シンプル。プレス」と声をかけるが、京都の方ができている。ベトナムは引いて守り、プレスもかからない。つまり戦術理解の低いグループが後半のメンバーだ。20番は左足キックの精度が高い。15分、セットプレーから16番がヘッド、フリーだが外れる。超決定機。18分、京都ゴールキックから前に出て、㉖下畠右フリーシュート、決まって2−1。20分、ベトナム9番(レ・コンビンらしい)に警告。ラフ。22分、京都、放り込みをベトナムがクリアできず、左シュートが決まる。3−1。23分、ベトナム9番がフリーミドル、上に外れる。決定機。25分、京都㉘三根左ミドル、上に外れる。決定機。26分、京都左でキープして出して誰かがシュート、左ポスト。ベトナムはまったくオフサイドが取れない。ズットきょつおペースが続く。34分、京都、左シュート、GK足でセーブ。決定機。38分、ベトナムゴールキックが24番に当ててしまいシュート、決まって3−2。42分、ベトナム24番の右クロス、9番ヘッド。3−3。46分、ベトナム、7番の右クロスを9番スライディングシュート、決まって3−4。結局ベトナムが勝利した。

勝ったもののベトナムの後半の戦術理解は低かった。試合運びも全然ダメだった。Jが始まった当初外国人監督や選手が何度も言っていたことだからわかるが、経験がなさすぎる。技術も身体能力も高い。ベースはある。しかし効果的に発揮できていない。力だけならきょつおサテライトより数段上だが、来日3試合目ということを考えると、試合運びのまずさは学習能力的にどうなんだろう?と思う。強さはさすが三浦監督、というより単にポテンシャルが高いだけの話に見える。


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T.K. [MAIL]