サッカー観戦日記

2014年09月23日(火) 高校女子選手権大阪大会決勝リーグ 追手門ー大商 桐蔭ー学芸

まず最初に。引き続き代えの古い眼鏡なので選手判別の精度が低いことはご容赦ください。

高校女子選手権はかつては府県大会をする必要のないほど参加校が少なく(16チーム以下)、いきなり関西大会だったが、近年は参加校が増え、県予選が行われる。大阪のタイトルは桐蔭と大商の2強に集中していて、一度新人戦で星翔が勝ったくらい。しかしなでしこジャパンのワールドカップ優勝と高校総体の女子種目が加わったことで女子サッカー部が激増。関西でも大阪や兵庫は参加校が増え、とてもいきなり関西予選という状況ではない。大阪は3回戦を勝ち上がった4校による決勝リーグ方式で2校が関西大会に進む。関西は現在京都(精華)と兵庫(日ノ本)、大阪2校の4強体制が確立しており、この4校がシードになると思われる。関西枠も4。そしてほかの高校は八幡商がやや戦えるのと兵庫2位が今年は楽しみという以外はシード校が差をつけて勝つ可能性があるので、大阪2枠を勝ち取るのは大きな意味がある。

大商は初戦の大阪学芸戦を5−1で大勝。追手門が桐蔭に0−2と惜敗。大商は勝てば第2試合の結果いかんで関西大会行きが決める可能性が高い。


9月23日 高校女子選手権大阪大会決勝リーグ第2戦
追手門−大商学園
堺S11 9時30分 人工芝

追手門          大商
−−−二十−−十四−−− −−−九番−−七番−−−
−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−
十六−二二−−二四−七番 八番−六番−−二十−三番
十五−五番−−四番−十七 二番−十番−−四番−五番
−−−−−一番−−−−− −−−−−一番−−−−−

大商は緑地のユニフォームに金色の背番号で分かり易い。しかし追手門は青地のユニフォームに青銀色の背番号で判別しづらいことこの上ない。大商10番はU−18女子代表の三浦桃。

大商は20番が正確なキックでセットプレー担当。9番は大柄でポストプレーが得意でパワードリブルにも威力がある。三浦は左足のフィードで後方から組み立てる。これに対し追手門は粘り強く追い掛け回す。三浦にまでプレッシャーをかけ、後方からの組み立ても自由にさせない。8分、大商、プレスをかいくぐり8番が左裏を取る。しかしクロスは中でカット。17分、大商、右CK、ペナ中央遠目に一団を作る形からファーに走りこんだ三浦?がループヘッド、決まって0−1。20分、大商、右FKを中で三浦がこぼれをシュートもオフサイド。24分、大商、9番、右から突っかけシュートも弱い。決定機。9番の重量感あるドリブルは止められない。26分、カウンターから大商9番と7番が抜け出すも、DF一人なのにまんまとオフサイドになり逸機。29分、大商最終ラインから三浦がオーバーラップ、ワンツーで前に出て左の8番へ、カットインから鋭いシュート、GK好セーブも9番押し込む。0−2。34分、右クロスのこぼれを4番?がロング、きまって0−3。前半は0−3で終了。35分ハーフ。

前半のシュート数は0対5、CK数0対5、GK数2対0、クロス数0対5、ファウル数1対4。全ての数字が大商有利を示す。シュートが意外に少ないが、崩しきるまでなかなか撃たないからだ。追手門は意外に崩されていないためシュート数は伸びなかったが。普通に粘れる好チーム。大商は三浦が主将で中心のチームだが、常に固いCBコンビに加え、アタッカー陣も強烈。20番は攻守の中心だが背番号の大きさから言って下級生?だとしたら凄いが。

後半も追手門が粘り強い守備で大商の攻撃を封じにかかる。大商は6番がすばやく腰の低い守備で奪い、20番が攻撃面でアクセントをつける。そして20番の右足右CKをファーで落とし中にこぼれるがGKキャッチ。50分、追手門誰か→6番が右のハーフに。大商、いつの間か布陣変更。

−−−八番−−七番−−− 
−−−−−−−−−−−− 
十一−十番−−二十−十四 
二番−四番−−五番−三番 
−−−−−一番−−−−−

三浦は夏までのボランチ起用。52分、大商、左の山なりクロスをファーで11番ヘッド。0−4。64分、大商」20番が右突破、右クロスはGKナイスキャッチ。66分、8番が高速突破から左クロス11番落とし14番が右ペナ内でシュート、わずかに左に外れる。超決定機。結局0−4でタイムアップ。

私は強豪校に5点差以内負けなら十分戦えるチームだし、全国も目指せるチームになるという経験則がある。追手門は桐蔭にも大商にも0−4負けだから十分合格点だ。今後が非常に楽しみ。

大商は三浦は代表だし上でやれる選手。守備センスと左足ロングフィード、高さを考えればCBかという気もするが、国際レベルだと高さはやや足りないし、攻撃力を考えたらボランチかもしれない。20番の攻撃に絡む能力は高かった。8番の高速突破や4番の力強い守備。9番のポストプレーもよかった。一人二人個人能力が高くても全国では戦えない。その意味で大商は全体のレベルが高いし、なかなか楽しみなチーム。ただ上位を狙うなら三浦の能力を最大限生かしたチーム作りがカギでしょう。


9月23日 高校女子選手権大阪大会決勝リーグ第2戦
大阪桐蔭−大阪学芸
堺S11 11時30分 人工芝 晴れ

桐蔭           学芸
−−−十番−−十一−−− −−−七番−−十番−−−
−−−−−−−−−−−− −−−−−十四−−−−−
七番−八番−−六番−十四 十一−二番−−六番−十五
三番−二番−−四番−五番 −−四番−五番−三番−−
−−−−−一番−−−−− −−−−−一番−−−−−

立ち上がり、両者繋ごうとする。学芸は3バックなので守り倒すサッカーかと思ったら攻撃意欲十分。パスを丁寧に繋ぎ前線も動き方に工夫がある。5分、桐蔭、右CKをファーで折り返し9番がスライディングシュート、決まって1−0。9分、桐蔭、裏へのボールに学芸主将5番が身体の入れ方が甘く、10番(呉屋)に奪われ、2−0。この失点は学芸の5番のミスだが、のちに随所で好プレーを見せ、タレントであることがわかる。まず対人守備が安定している。リーダーシップもある。そして身体能力が高くロングフィードもある。高いレベルでのサッカーに慣れていないだけで、関西のインカレ圏内のチームでも即戦力の力がある。10分、学芸14番、いいドリブルから右クロスも合わず。13分桐蔭7番(持田)が左をスピードでぶっちぎる。20分、桐蔭、左CKをファーでヘッド、右に外れる。決定機。26分、学芸11番→19番。ケガ。34分、学芸、裏を取った14番がDFを抜き切らずシュート、弱い。決定機。結局前半は2−0で終了。

前半のシュート数は6(3)対3(29、CK数3対1、GK数1対9、オフサイド数3対1、クロス数2対2、ファウル数3対6。桐蔭が押していたのは確かだが、学芸も攻める気満々だったし、オフサイドを取りに行く積極的な守備も光った。5番だけでなく前線も強力で、ドリブルこそないが、パスサッカーへの理想の高さも感じさせる。技術的なミスも少ない。普通に全国レベルのチームでしょう。

後半開始。39分、桐蔭7番、左クロスに10番競り勝ち大外で11番折り返すもライン割る。7番は切り返すイメージが強かったが、タテ突破から左足クロスを上げられれば、相当な脅威になる。44分、学芸5番がハーフ付近からのFK、ペナ内で競り合い10番ダイレクトボレー、決まって2−1。46分、学芸2番に警告。桐蔭、左CK2番の右足で入れて中でヘッド、上に外れる。ワンタッチありアゲイン。50分、学芸、15番が左から突っかけ11番がペナ内で倒れるがノーPK。気が付くと7番と14番が2トップで10番がトップ下に移っている。学芸はポジションをいろいろ変える戦術眼まであるのか。53分、15番→8番。6番が左WBに。61分、桐蔭、7番と11番が構える。7番入れるがカット。67分、学芸7番→13番。トップ下に入り10番がトップに。68分、桐蔭のカウンターを学芸GKが倒し警告。71分、桐蔭10番、切り返しから右クロス、GK弾く。決定機。結局2−1で終了。

シュート数4対2、CK4対0、GK3対6、オフサイド3対0、クロス数2対0、ファウル数8対5。
双方丁寧な繋ぎと必死な守備がかみ合った死闘でした。学芸はすでに全国レベルだと思った。
そして桐蔭は得失点差こそ稼げないが勝ち切る強さを感じた。2−0、2−1という勝ち方は強さを感じないかもしれないが、全国制覇射程圏内だと思いますよ。


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T.K. [MAIL]