サッカー観戦日記

2014年05月11日(日) 高校総体大阪予選5回戦 槻の木−興国 芥川−桜宮 泉陽−高槻北

この日は朝自宅でのんびりしすぎて住之江公園からバスを使わざるを得なくなった。しかも相当混んでいる。キックオフに間に合うバスは満員で乗れない。高校総体予選時は混むのだから、増便してほしい、とイライラしつつ待つ。前に並んだ年配の男性は落ち着きがなく、絶えずキョロキョロしていて面白いので、心の中で「キョロ君」と名付けて観察する(笑)。そのうち、臨時バスが到着する。回送としか書いてないけど、待機列の前のほうが乗り込むところを見ると、クラブハウス前行きなんだろう。無事乗り込みクラブハウスに向かう。到着時間は第2試合のキックオフ時間。そこからS13まで移動だから10分近く遅刻することになる。


高校総体大阪予選5回戦
槻の木高校−興国高校
堺S13 5月11日 11時10分 ピッチ人工芝 晴れ 

槻の木          興国
−−−十番−−十一−−− −−−−−九番−−−−−
−−−−−−−−−−−− −−−−−十番−−−−−
十五−八番−−六番−十九 十五−十六−−八番−十一
三番−四番−−五番−二番 六番−四番−−五番−二番
−−−−−一番−−−−− −−−−−一番−−−−−

10分近く遅れて到着すると、槻の木が得点を決めていた。得点板を見ると1−1となっている。しかし直後に興国も2番の右クロスを9番がニアで合わせて1−2。興国9番は大柄でパワフルでキープ出来てクサビになれて槻の木が身体をぶつけるとターンもできて、相当なタレントだ。5番は強靭なCBで寄せが鋭く激しい。興国はこの二人が攻守のキーマン。16番は好パスを出せる。8番もなかなか。11番の突破力も見事。これに対し槻の木は秩序だったプレスで1対1にさせない。しかし16分、興国がミドルで3点目。1−3。5番はフィードもいい。18分、興国9番、豪快に右隅に決める。1−4。なんか個人能力の差でやられているなあ、と思いつつも槻の木もチーム力では負けてない、と思って観ていた。18分、槻の木、19番→17番、15番→7番。24分、槻の木10番が右からクロス、ファーで7番シュートも右に外れる。決定機。槻の木の10番はなかなかのドリブラー。30分、槻の木10番突っ込み、GKを右に外して倒れるもPKならず。33分、槻の木、パスに抜け出した17番が右から決める。2−4。35分、興国2番→18番。結局前半は2−4で終了。

前半は個人能力の差で興国がリードしているが徐々に槻の木ペースになっていたので勝負は判らない状況だった。非常に面白いゲーム。

後半4分、問題のプレーが出る。興国のパスミスをカットした槻の木が裏にだし、飛び出した興国GKを10番が外した瞬間、興国GKがペナ外で故意にシャツを引っ張って倒す。決定機阻止で普通当然一発レッドだと思うだろう?ところが警告すら出ない。主審は距離もあったし、見えていなかったのかもしれない(この時点で力量に問題あり)が、副審の目の前のプレーだが、注進すらない。この審判団にはこの試合を裁く力量はないように見える。しかも槻の木と言えば、元国際主審、つまり高校レベルからすれば超一流もいいところ、雲の上のレベルの奥谷先生のチーム。自分のチームのことだけでなく審判も含めてさぞがっかりされただろう。しかも奥谷先生の薫陶が効いてか、抗議すらしないし。このFK、正面22mを11番狙うが壁。その後槻の木、右CKに興国GKパンチ、それを17番シュートはバー。興国はGKがやや不安定。16分、槻の木は右CKでファーで折り返し中でヘッドで押し込む。3−4。ちなみにこのゴールも問題の審判団は見逃しかけるが、アピールで副審の判断によりゴールが認められた。19分、興国、8番→15番。はっきりアンカー。23分には興国は16番から13番に代えてストッパーに入れて5バック。4番が余り気味で15番もしばしばバックラインに入り、ガチガチに守る。槻の木も3番→16番と攻撃的なサイドバックを入れて、興国も19番を投入。逃げ切りを図る。槻の木の猛攻が続く。31分槻の木、2番→9番。興国7番→17番。結局3−4のままタイムアップ。

非常に後味の悪いゲーム。力不足の審判が試合に決定的な影響を与えてしまった。興国もGKがシャツを引っ張った以外はフェアなサッカーだっただけに惜しまれる。9番と5番は上のレベルでもやれるでしょう。中盤も曲者揃い。ポテンシャルが相当あるチームなのは確か。

槻の木は10番が多少目立つ以外は傑出した選手は見当たらなかったが、ずば抜けた走力で後半は圧倒した。勝ちゲームを落とした感が強い。残念だ。


高校総体大阪予選5回戦
芥川高校−桜宮高校
堺S13 5月11日 12時50分 ピッチ人工芝 晴れ 

芥川           桜宮
−−−−−二十−−−−− −−−−−九番−−−−−
−−−−−十四−−−−− −−−−−十番−−−−−
十三−八番−−七番−十九 十四−十七−−六番−七番
二番−五番−−十五−四番 二番−五番−−四番−三番
−−−−−一番−−−−− −−−−−一番−−−−−


お互いに鍛え抜かれた走力を武器にプレス合戦となる。そして徐々に蹴り合いに。6分、芥川13番のハイボレーは右上を襲うがキャッチ。14分、芥川7番のFKは正面へ。芥川はやや長身の20番を狙い始める。桜宮では10番がFKを蹴るなどキック精度が高い。芥川は左SB2番が右足で好フィードを見せる。20分、桜宮10番、左シュートは左に外れる。決定機。双方チャンスが極端に少ない。前半はスコアレスで終了。どうも得点の雰囲気がしない。芥川は高さ・パス・ドリブルとも傑出してはいないが、基本レベルは高い。全国高校総体ベスト16チームにも引けを取らないのでは?と思うが、当時よりも大阪全体のレベルが上がっているので。桜宮はベンチが試合中細かく指示。攻撃の選択肢は極端に少ないが、守備の統率はさすがだ。

ハーフタイムで芥川13番→10番。14番が左ハーフに。もはや4−2−3−1と言っていいだろう。8分、桜宮7番→8番。3番が右ハーフ、2番が右SB、8番が左SB。直後に桜宮が右50度20mGK5番右足、10番左足で構え、10番が左で狙うが正面。こういうゲームではセットプレーが大きなカギになる。芥川奈良7番のキックに5番か20番の高さ。16分、芥川7番、左突破からのクロスを19番シュート、正面。決定機。35分、芥川10番→9番。ケガではなかったと思うが。PK戦要員?かと思ったが、結果的に蹴らなかったし、どういう意図なんだろう?結局スコアレスでPK戦へ。まあ得点の予感はほとんどなかったので順当でしょう。

桜宮、5番、成功。真ん中に決める。絶対一人目は5番だと思っていた。それくらい精神的に強い選手。
芥川、5番、成功。逆をついて左に決める。こちらも5番だと確信していた。
桜宮、10番、成功。逆をついて右に決める。
芥川、7番、成功。逆をついて左。
桜宮、14番、成功。左足で左上に決める。
芥川、4番、成功。左上に決める。土のグラウンドで練習する両校にとって上隅は高度な技術だ。
桜宮、3番、成功。左隅。
芥川、2番、失敗。右のコースが甘かった。
桜宮、6番、成功。逆をついて左に。

結局PK戦で5−3で桜宮が次戦進出を決めた。芥川が基本のベースが高かったが、強烈な個性に欠けた。双方システムとしては4−2−3−1のつもりなんだろうが、両サイドが引き気味なので、4−4−1−1と表記した。そのため攻撃が薄くなり、サイドを崩せず、1トップは潰された。とはいえ10年前なら双方確実に大阪トップクラスのチームなわけで、大阪のレベルアップを実感した。高槻勢が全国によく出たときと比べると、当時の大阪最強クラスが今のベスト32クラスになっている。

高校総体大阪予選5回戦
泉陽高校−高槻北高校
堺S10 5月11日 14時30分 ピッチ人工芝 晴れ

泉陽           高槻北
−−−−−十番−−−−− −−−九番−−十一−−−
−九番−−七番−−十一− −−−−−−−−−−−−
−−−八番−−六番−−− 八番−七番−−六番−十番
二番−三番−−四番−五番 五番−四番−−三番−二番
−−−−−一番−−−−− −−−−−一番−−−−−

高槻市内の公立高校としては阿武野・三島・大冠・高槻南・芥川の5校が全国経験がある。高槻南は槻の木に統合されたので、現在の高槻の公立6校としては槻の木を除くと高槻北だけが全国経験がない。コンスタントにレベルを保っているのにこれは大きな謎だ。

さて試合は立ち上がりから高槻北がバックラインでじっくり回し、ゆっくりと押し上げ、FWに当てて、こぼれ球を2列目が拾って波状攻撃につなげる展開。FWの競り方がうまいし、2列目もいい位置にいる。7分、高槻北のパス回しに泉陽がたまらずファウル。ハーフライン付近のFKを左利きの5番が入れてゴール前にこぼれ、ゴールエリア内正面3番の前に落ちて前の空いている状況でボレーを放つが右に外れてしまう。超決定機。泉陽はクリアが多いので、高槻北はスローインが多いのだが、これがまずい。スローイン練習をしていないかのように連動していないのだ。東福岡なんかは見事な動きでチャンスにつなげるのに、高槻北はみすみす相手に奪われる。スローインも立派なセットプレーなのに。24分、高槻北8番左足フィードに9番突っ込むもGKキャッチ。33ふん、高槻北9番左に流れ切れ込みシュートは左に外れる。結局前半は0−0で終了。

ハーフタイムで高槻北6番→12番がFWに、11番→20番がボランチに。前半のペースなら後半いつかは点が入るだろうと思っていたが、交代でノックアウトを狙ってきた。9分、泉陽11番に警告。ラフ。そのFK、高槻北、5番の40mFK、ゴール前でワンバウンドして上を襲い、GK弾いてバー。決定機。高槻北2番→14番。泉陽もいつの間にか12番がFWにイン。高槻北も16番が右ハーフにイン。10番と9番の2トップで7番が左、12番がボランチに。いじりすぎでは?と思っていたら23番、泉陽、カウンターから一発のスルーパスに12番抜け出しGKとの1対1を右隅に決める。1−0。その後も両者選手交代を交え高槻北が攻めるが決定機は奪えず、1−0で泉陽が勝利した。

何というか、力そのものは高槻北にあったと思うが、泉陽も不利な妥協点上でよく我慢して、チャンスをうかがった。高槻北はこのままではPK戦に持ち込まれると思ったのだろうか?選手交代で前がかりになり、かえってバランスを崩したかのように見えた。この辺は判断の別れるところだと思うが、せめて40分ハーフなら高槻北は焦らずじっくり試合を進められたのにと思った。真夏の連戦の全国大会が35分ハーフなのは理解できるが、日程に余裕のある予選まで全国大会と同じルールで行う必要があるのだろうか?40分ハーフに延長戦でよかったのではないか?強いチームが勝つ確率を上げるべきだと、こういう試合を見るたびに思う。


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T.K. [MAIL]