高校選手権はここ10年、大阪と滋賀の準決勝を最優先に足を運ぶことにしている。準決勝なら2試合観られるし。府県内トップクラスの情勢を見られるからだ。本当はベスト16から抑えたいのだが、何でも観る観戦者としてそれは不可能だ。今年の大阪はプリンス1部上位の桐蔭の2部優勝の近大ふのマッチレースと見られている。しかし夏の総体予選を制したのは桃山だったし、マークの薄かった関大一が選手権全国大会でベスト4、ベスト8と大健闘している。層が厚いがどんぐりの背比べだった大阪もレベルが上がっているのだ。そういうわけで、最悪準決勝はチェックしたかった。
高校選手権大阪大会準決勝
阪南大学高−近畿大学附属高校
11時 キンチョウ ピッチ両 曇り
阪南大高 近大附
−−−−−平井�◆檗檗檗檗 檗櫺�−−刈谷−−荒金−
正木−木下−−木邨�∧疹将◆檗檗檗檗汞�谷�◆檗檗檗�
−−−−−吉藤−−−−− 平阪�◆檗欅妥牒◆檗歹睫�
箕岡−青木�◆歉鏖�−菊池 −−白井−鈴木−佐々木−
−−−−−大西−−−−− −−−−−高田−−−−−
阪南大高
GK 12 大西将 3年・上野芝中
DF 6 菊池竜輝 3年・東淀川FC
13 常岡峻矢 3年
3 青木佑輔 2年 ディアブロッサ高田
4 蓑岡公祐 2年 セレッソ大阪U−15
MF 17 木下裕太 3年 東百舌中
8 木邨竜馬 2年 セレッソ大阪U−15
7 平松瞬 2年 セレッソ大阪U−15
5 吉藤夏弥 2年 セレッソ大阪U−15
FW 10 正木勇輔 3年 川上FC
9 平井直人 2年 千里丘FC
リザーブ
GK 1 高木翼 3年 セレッソ大阪U−15
DF 15 村上佳太
MF 14 古橋亮祐 3年 川上FC
20 池田力 2年 セレッソ大阪U−15
2 阪上里樹 2年 セレッソ大阪U−15
19 松田直道 2年 港中
FW 18 遠山陽平 2年 国分中
11 松下和貴 2年 長野FC
16 松田吏王 1年
近大附
GK 1 高田航輔 3年 京都サンガU−15
DF 3 佐々木健人 3年 天理FC
4 白井秀典 3年 吹田JFC千里丘
5 鈴木崇史 3年 セレッソ大阪U−15
MF 6 安田大樹 3年 摂津パルティーダFC
14 平阪謙太 2年 岩田FC
15 苺谷光将 2年 岩田FC
16 内野圭 2年 南千里中
FW 7 荒金照大 3年 FC B2
8 黄将健 3年 東大阪朝鮮中
10 刈谷聖哉 3年 岩田FC
リザーブ
GK 17 河内裕介 2年 柏田SC
DF 13 島田康平 3年 南千里中
23 吉野晃基
MF 9 大西峻太 2年
11 今木彰宏 3年 長野FC
18 宮崎
FW 2 飯田真人 3年 東百舌中
12 藤田修司 3年 FCグリーンウェーブ
21 木田敬太 3年
阪南大高は昨年と同じ4−1−4−1。しかし昨年は河田という傑出したCFあってのフォーメーションだったので、今年はどう機能させるかに注目した。近大附は書き方が難しい。3−4−3なのは確かだが、鈴木が後方に余るマンマークの3バックは阪南大高の1トップに合わせて、ストッパーがしばしば上がるし、ボランチも2ボランチと言えなくも無いが、苺谷が上がり目。3トップだが、刈谷のCFの下、2シャドーに黄と荒金が位置する。だから縦に長い、3−3−1−2−1みたいな形になっている。
3分、近大附、�┣�が右FK、大きくミスキック。10分、�案睫遏▲侫蝓爾留Ε�ロスも大きく外す。11分、今度は��平阪がフリーの左クロスも大きく外す。序盤両者ミスが多い。阪南大高の1トップ��平井は大柄でもなく、キープ力を生かして、味方の上がりを待ち、追い抜いた味方にパスを通すプレーが得意。阪南大高は攻守の切り替えが早い。��木邨は力強いプレーが目立つ。23分、近大附��刈谷が左クロス、�┣�の上を抜けて�案睫遒�折り返し、��刈谷シュートもブロック、左CKへ。25分、近大附��刈谷キープを倒され、左80度28mFK獲得。金(右足短距離)、荒金(右足長距離)が並び、荒金が狙うが壁で左CKへ。近大附は�で魄罎�左足ロングフィードで組み立てつつ、抜群の寄せの早さで相手アタッカーに仕事をさせない。この選手は大学でも期待できると思う。29分、阪南大高、��平井が落とし、��平松へ出すがカットされる。さらに拾った��平井が今度はヒールで��平松へ出すが、これもカット。阪南大高の距離感がよく、連動したプレーだった。34分、阪南大高��平井キープから��正木裏へ、しかしパスをカット。近大附3バックは時々流れで並びを変える。結局前半スコアレス。
シュート数1対1、CK数0対1、GK数3対2、クロス数2対2、ファウル数4対3。
4分、��平阪が切り返し、左クロスを��ヘッドも右に外れる。5分、近大附��佐々木思い切って上がって右クロス、カットされ右CKへ。6分、阪南大高、バックパスミス、近大附、左CKへ。12分、近大附��刈谷が右クロスに�Ч啅發�ファーでヘッド、ブロック。12分、近大附��苺谷→��大西。�Ч啅發�ボランチに下がり、大西がシャドーへ。ボランチの形も横並びの2ボランチになる。16分、阪南大高�洩擴滋��∈緇紂1Δ離蓮璽佞貌�り、スピードあふれる突破力を見せる。18分、近大附、左スペースにパス、��刈谷が走りこみ、左シュート、バーを叩く。こぼれを�案睫逎瀬ぅ咼鵐哀悒奪匹眈紊乏阿譴襦D況萃蟲 �20分ごろ、近大附がピッチを大きく広く使い始める。2ボランチが起点になってWBを走らせる。阪南大高は攻守の切り替えが鈍くなり、1トップを2列目が追い越せなくなり、攻め手がなかなか無くなる。24分、近大附��大西の右クロス、ファー�┣�にわずかに届かず。決定機。更に��平阪の左クロスを��刈谷ヘッドも上に外れる。もし枠に飛んでいても、GK��大西がいい反応をしていたので防いでいただろう。決定機。28分、阪南大高、左クロスを��平井ボレー、左に外れる。決定機。30分、近大附�┣�→21木田敬太。阪南大高��平井→�鮎湘塚�王。近大附��刈谷から左の木田へ、撃てたが戻しカットされる。�鮎湘弔魯謄�ニシャン系だが、プレーが読まれていて、なかなか突破できない。近大附、荒金、スローインから切れ込み、左足シュート右上襲うもセーブ。この右GKを荒金が右足で蹴るが逸機。結局勝負つかず10分ハーフの延長へ。
後半シュート数は1対10、クロス数1対9と近大附が押しに押していた。体力差が大きい印象。延長では近大附が��平阪→��今木、�案睫遐��乙楮蝓7覿評”蕕弔�ずPK戦へ。
近大附�ノ詭據�右隅へ成功。時間がかかったが冷静だった。
阪南大高��正木、成功。右隅へ
近大附�Ч啅癲�右上隅に決める。
阪南大高��青木、左足で左上隅へ決める。
近大附�で魄罅∈限�で逆を突いて左上に決める。
阪南大高�潅單帖�右隅に決める。
近大附��刈谷、成功。逆を突いて右に決める。
阪南大高�┣�が逆を突いて右に決める。
近大附�乙楮蝓�右に蹴り、GKはじくが左方向にコロコロ転がる。ゴールイン。成功。
阪南大高�Π妥帖⊆最圈�左ポスト直撃。
レベルの高いPK戦だった。5人目のGKがはじいたボールがゆっくり転がったときに流れが変わったと思う。阪南大高5人目のキックも冷静かつ正確で悪くは無かったが。なんとなくシドニー五輪準々決勝の中田英寿のPKを思い出した。
阪南大高は昨年度のチームも新人戦1回戦で金光にPK負けし、選手権予選準決勝で金光にリベンジのPK勝ちをしている。そのときには、相当PK練習していると思った。対する近大附も、あれだけ勝ちにこだわるチームがPK練習を積んでないわけが無い。Jリーグ開幕後日本サッカーのレベルは劇的に上がっている。PKもその一つだ。隅に強く蹴ったりは昔もあったが、上隅を狙ったりと相当レベルが高いPK戦だった。チーム力としては近大附のほうが上だったし、結果は順当だった、しかし阪南大高も守備陣がよく耐え、あと一歩まで行った。阪南大高が全国に出る日も遠くないと思う。
第2試合はともにパスをつなぐチーム同士の対戦。大阪桐蔭はかつてはパスをつなぐことにこだわる一方で勝負に淡白であっさり負けてしまうことがあった。しかし今では全国慣れする中で、勝負弱さもなくなり、守備でもめいいっぱい粘り強く戦えるようになった。今一番関西で全国制覇に近いチームだと思う。
高校選手権大阪大会準決勝
興國高校−大阪桐蔭高校
13時 キンチョウ ピッチ両 曇り
興國 大阪桐蔭
−山本�◆殤妥牒◆歔暗隋檗 檗檗歸鎮罅檗殍抔�−−−
−−−−南�◆歐群悪◆檗檗|翅次檗檗檗檗檗檗檗蘖�座
−−−−−青山−−−−− −−−−筏−−和田−−−
竹本��宮崎�◆殍銘��/緲遶�紀田−元澤−−福井−眞野
−−−−−井上�◆檗檗檗檗 檗檗檗檗鬱楮蝓檗檗檗檗�
興國
GK 1 井上優 2年 吹田千里丘JFC
DF 2 水落絢暉 2年 デポルターレFC
3 北谷史孝 1年
13 宮崎修人 2年 IRIS生野
11 竹本裕大 2年 セレッソ大阪U−18
MF 4 青山晃氣 3年 ガンバ堺
6 新屋晴輝 2年 リベルタFC
16 南健哉 2年 岩田FC
FW 7 前島聖司 3年 セレッソ大阪U−18
8 和田達也 2年 長野FC
10 山本祥輝 2年 ガンバ堺
リザーブ
GK 1 辻和樹 3年 柏田FC
DF 20 三谷大輔 3年 ガンバ堺
5 吉田修亮 3年 香芝東中
22 山下智大 2年 平野FC
FW 19 金容輔 1年 IRIS生野
14 中村太一 1年 ヴィッセル伊丹
18 国領美勇 3年 川上FC
17 古橋匡梧 2年 アスペガス生駒
9 井上雄樹 3年 ???
桐蔭
GK 1 宮崎悠平 3年 奈良YMCA
DF 2 紀田宰 3年 セレッソ大阪U−15
5 元澤槙之介 3年 イルソーレ小野FC
3 福井秀 3年 奈良YMCA
4 眞野寛規 3年 岩田FC
MF 6 筏修造 3年 神戸FC
8 中尾元基 3年 京都サンガU−15
17 羽座来飛 3年 ヴィッセル伊丹
10 中村真輔 3年 岩田FC
FW 9 田中淳一 3年 サルパFC
11 堀口巧 3年 神戸FC
リザーブ
GK 12 宮西佑弥 3年 ディアブロッサ高田FC
DF 14 村川亮太 2年 ヴィッセル伊丹
20 田淵大貴 2年 ヴィッセル伊丹
MF 7 俵石直哉 3年 FC長岡京
15 松木政也 2年 奈良YMCA
18 長谷佑磨 3年 セレッソ大阪西
FW 13 白井裕弥 2年 城南FC
16 丹羽詩温 2年 城南FC
22
序盤、興國はバルサ・スタイルでパスを回そうとする。しかし�だ鳥海�下がりすぎてバックラインのちょっと前でボールを受けるなど、相手のギャップでボールを受けて2,3人引き付けて、空いた味方に次々につないでいくような部分が足りない。つまりボール回しがスムーズじゃない。技術が足りないから相手の間でトラップして次につなげないのか。ギャップで受ける意識が足りないから、技術が磨かれないのか。いずれにせよ、こういうチームはレベルの高いゲームでは格好のハーフカウンターの餌食となる。12分、��南から�袷暗腓縫僖后■餌丕韻癸韮鉾瑤喀个兄澆瓩襦7萃蟲 �14分、桐蔭、右で奪ったボールを大きく開いた左で受けた��田中が切れ込み、左ペナ内で切り返し逆足の右足で右上隅に決める。0−1。27分、桐蔭�θ気坊拗陝�ラフ。足を上げた。30分、桐蔭、中央でのつなぎからスルーパスに��堀口右突破、決めて0−2。38分には桐蔭のスルーパスに興國GKが出るのを躊躇してしまい、桐蔭��田中が猛スピードで追いつき決める。0−3。39分、桐蔭��堀口に警告。結局前半は0−3で終了。
前半のシュート数は0対4シュートの少ないゲーム。
興國を見ていると、かつての桐蔭を思い起こさせる。桐蔭は理想からやや現実寄りに舵を切った。タイプは違うが野洲や久御山は理想にこだわった。興國がどういう成長曲線を描くかは分らないが、後半のゲーム運びは一つの判断基準になるだろう。このままパス精度を高めていくのか。私の持論として、ドリブルを得意とするチームは相手のドリブルに強く、パスを得意とするチームは相手のパスに強い。パスとはスペースを見たり効率的に作って生かす作業だから、守備時にも危険なスペースを見つけられるからだ。前半の大阪桐蔭はまさにそうだった。しかし興國は守備面で甘かった。つまりパスセンスが磨かれておらず、相手の狙いを察知できていないのだ。ここをどう修正できるか。
ハーフタイムで大阪桐蔭�θ帰���俵石。3分、興國��竹夲→�姥填供�3バックに変更。中盤をダイヤモンド型に組みなおす。古橋をCFにして前島を中盤に下げる3−4−3。しかしこれで中盤を支配できたかと言えば、そうでもなかった。12分、桐蔭��田中のグラウンダー左クロスに�臼�座ファーフリーもトラップミス。超決定機。羽座はウイングタイプで突破力はあるが、こういうミスもあるので、中央のスペースの無いエリアでは生きないタイプ。17分、桐蔭、前線へのフィードが��堀口へ、DFに競り勝ち前が空いた状態でミドルも右ポスト直撃。18分、興國��山本が奪って左スペースへ、相手が寄ってきたところをペナ正面の�Я暗腓悄▲肇薀奪廚房蟯崋茲襪�右に流れながらターン、決めて1−3。18分、桐蔭��堀口→�庵葦�。19分、興國�案遒坊拗陝�シャツを引っ張った。21分、桐蔭��紀田の左クロスに��田中がファーでフリー、得意の左足シュートは右に外れる。決定機。興國�案遐��涯癲�26分、桐蔭��田中の左足右CKに�J^罐瀬ぅ咼鵐哀悒奪鼻�外れる。決定機。30分、興國�Я暗腆��温駑痢�31分、桐蔭、��田中、��中村→�可甲�、��白井。32分、興國��新屋→�屋羮紂�
興國の布陣をまとめると↓の感じ。
−山本−−古橋−−和田−
−−−−−井上−−−−−
−国領−−青山−−金−−
−−宮崎−北谷−水落−−
−−−−−井上−−−−−
40分、興國�温駑里坊拗陝�その後たくみに桐蔭が時計を進め、1−3で終了。
後半のシュート数は1対11と完全に桐蔭ペースだったが、決定機3回に迎えたと言えなくも無い。興國はパスを回せなかったが、回させもしなかった。桐蔭が意図的にロングパスを使い、興國3バックのサイドのスペースを狙ったサッカーでゲームを支配した。しかし、興國は下級生がほとんどなので、来年以降が楽しみだ。理想へのこだわりがどう出るのだろうか?魅力と言う点ではベスト4中随一だったと思う。このサッカーで全国に出られれば、好素材も集まり、一層強くなるだろう。
近年の関西は魅力ある、と表現すれば主観的になるが、技術志向のチームが増えてきた。もちろん近大附や関大一のようにフィジカル重視のチームがあってもいいし、多様なチームの存在が大阪のサッカーの層を真の意味で厚くすると思うが、興國という、桐蔭以上に技術志向のチームの台頭が大阪をかき混ぜることによって、様々な化学変化が起きるだろう。今後が楽しみだ。