サッカー観戦日記

2010年07月26日(月) 高校女子選手権2回戦 常盤木−広島文教

まずは前夜の話をしよう。Jヴィレッジからの帰り、青春18切符を利用して鈍行で常磐線を東京に向かう。しかし途中雷が長期間光り、不安に襲われる。ケーズスタジアムのJが中断しているという。そして水戸の次の駅に止まったところで、予想された車内放送が流れ、信号が雷のため故障し、電車が止まることになった。そのまま3時間経過し、ようやく動き出す。しかし鈍行が土浦止まりとなり。後続の鈍行はまだ水戸だという。駅員の判断でスーパーひたちに乗り、1時間弱で上野到着。すでに午前2時だった。乗車予定の夜行快速ムーンライトながらはとっくに発車。翌日の高校女子選手権に間に合うためには、新幹線を使うか、品川始発の鈍行に乗る必要がある。どうせ寝る時間はないのだから、品川移動を決断。上野でJR手配のタクシー(もちろん運賃はJR負担)を待つが、目的地別に客をまとめるのに手間取り、あちこちで怒声が飛び交う。ヨーロッパから帰国するとき、関空行きに間に合わず、成田に着いたことはあるが、修羅場にはならなかった。今回は修羅場とまでは言えないが、大変だった。JRは対策が甘いと思う。上野駅の駅員は手慣れていない感じだった。横浜や大宮など大きな駅行きにバスを用意すれば、もう少し状況はマシだったと思う。品川駅に3時半に着き、そこで1時間待ち、始発鈍行で磐田に向かう。磐田駅からは送迎バスが出ている。キックオフ5分前に会場到着。プログラムを購入すると、アンケートを求められるが、時間がないので後にしてもらう。メイン側では観戦できないので、早足でバック側に回り、かろうじてキックオフに間に合う。試合は35分ハーフ。


高校女子選手権2回戦
常盤木学園高校−広島文教女子大学附属高校
9時30分 磐田市陸 晴れ ピッチ並


常盤木          広島文教 
−−−道上� 欅豸供檗檗檗 檗鬱彿歸牒◆鬱斑��◆檗�
−−−−−高畑−−−−− −−−−−−−−−−−−
権野−木下−−坂本−二宮�◆蘖��∨榮��◆歸�邊−丹羽��
−−永井−小野田−鈴木�◆)蠍供殤尊蝓檗欟盪魁歔卷�
−−−−−青柳−−−−− −−−−−笠井−−−−−


常盤木 監督:阿部由晴
GK 12 青柳麻理鈴 3年 161/62
DF  2 小野田莉子 3年 168/63 元U−15代表
    4 永井聖乃  3年 159/50
    6 鈴木里奈  2年 168/58 元U−16代表
MF  5 木下愛   3年 160/53
    7 坂本理保  3年 162/51
   19 高畑愛梨  3年 156/59
   14 一原梓   3年 168/59
   23 道上彩花  1年 167/63 NTC U−15
FW 18 権野貴子  3年 161/55
   21 二宮早紀  2年 153/48 元U−16代表 
リザーブ
DF  3 繁浪由希  3年 164/56
FW  9 松山智   2年 161/51
   11 仲田歩夢  2年 160/61 元U−16代表
DF 13 阿部紗也加 3年 160/61
MF 16 松浦渚   1年 156/52

広島文教 監督:松木俊博
GK  1 笠井芙記  3年 152/54
DF  2 倉本さえ  3年 155/57
    5 槙原葵   3年 163/58
    3 和崎朝恵  3年 154/52
MF  4 奥優    2年 154/48
    6 本藤理佐  2年 161/53
    7 久保田香織 2年 156/48
FW  8 丹羽瑞穂  2年 160/52
DF  9 金山美輝  3年 156/48
FW 10 吉谷茜音  2年 163/52
MF 11 渡邊和美  3年 154/49
リザーブ
GK 12 柳澤春花  1年 159/54
FW 13 松岡芳実  2年 157/51
DF 16 市原佳菜  1年 152/46
DF 18 野原玲奈  1年 160/54
MF 19 小林美菜  1年 157/51


常盤木は3バックで、小野田がスイーパー、というか、後方に余ることが多いが、3バックはマンマークではなく、ゾーン。小野田が下がるのは癖なのかもしれない。ストッパー的な永井・鈴木はガンガン上がる。小野田以外の全員が攻め上がる意識が強い。WBは中に切れ込みを狙う。また体格データを見て欲しいが、常盤木は圧倒的な高さと重量感を誇る。一方でスピードも運動量も凄い。ここまで身体能力差があれば、なかなか対抗は難しい。15分くらいまで常盤木が一方的にパスを回すが、崩せない。しかし文教もクリアばかりで、カウンターに行けない。文教・和崎が痛む。ドリンクタイムをはさみ、文教・和崎→松岡。左ハーフに入り、奥がLBに下がり、槙原が左CBへ移動。↓の布陣となる。
一方常盤木も二宮→阿部。トップ下に入る。

文教
−−久保田�◆鬱斑��◆檗�
−−−−−−−−−−−−
松岡−本藤�◆歸�邊−丹羽��
−奥�∨蠍供檗欟盪魁歔卷�
−−−−−笠井−−−−−

しかしこの交代が機能する前、27分、常盤木の放り込み、高畑競り勝ち、阿部が流し込む。1−0。常盤木はパスでなかなか崩せないとみて、身体能力差を活かし、放り込みが多くなる。28分、常盤木スイーパー小野田が下がりすぎてオフサイドを取れず、文教・久保田が左を抜け出す。切り返して右足に持ち替えてシュート、しかし5mまで詰めていたGK青柳が超反応でセーブ。ビッグプレーだった。31分、常盤木・道上が右を突破、中央フリーの阿部が流し込む。2−0。権野は左から中への突破を再三見せる。木下には絶妙なスルーパスがある。文教では丹羽が読みのよさで3度ほどパスカットを見せる。結局前半は2−0で終了。

シュート数3対1、CK数1対0、GK数0対0、クロス数6対0。常盤木は途中から力攻めに切り替え、ペースを掴んだ。

ハーフタイムで常盤木・高畑→松山。↓の布陣。

常盤木           
−−−道上� 欅豸供檗檗檗�
−−−−−阿部−−−−− 
権野−木下−−坂本−松山��
−−永井−小野田−鈴木�◆�
−−−−−青柳−−−−− 

0分、常盤木、右80度25mFK、鈴木がインサイドで狙うが壁。2分、常盤木。道上がDFの前で受けて1人かわしてGKと1対1、流し込んで3−0。道上はトラップが柔らかいし、柔軟性があり、スピードもあって、手のつけようがなかった。一原は、突っ立った姿勢から独特の深い切り返しでDFを外す動きがいい。坂本は集中力が素晴らしい。7分、常盤木、キック力を活かした一気のサイドチェンジ、松山が右サイドをスピード豊かに一気に破り、GKと1対1を左隅に決める。4−0。13分、文教・奥→野原。18分、常盤木・一原→松浦� �トップ下に入り、阿部がFWへ。23分、常盤木、裏へのボールに道上抜け出し、GKをかわし、必死にカバーに入るDFを外し、流し込む。5−0。25分、常盤木・鈴木→繁浪。27分、文教・渡邊が巧みにナナメに走ってスルーパスを受け、左シュート、右に外れる。決定機。29分、常盤木、右CKがファーに流れ、永井が左45度弾丸ミドル、決まって6−0。30分、常盤木、カウンターからタテに入れたボールを阿部ヘッド、GK正面へ。決定機。34分、常盤木、4点目と同じようなナナメのサイドチェンジ、松山右シュート、左隅に飛ぶがGK笠井セーブ。決定機。結局6−0で終了。

後半のシュート数は9対2、CK数3対1、GK数1対5、クロス数8対0、ファウル数1対2。常盤木の猛攻が続いた。ただ文教も決定機は作った。

常盤木は今年のU−20W杯に大量に人材を送り出した2年前のチームが強烈だった。今回はそこまでスーパーなチームではない。しかし言い換えれば、常盤木のベーシックなレベルの高さが感じられた。道上は「怪物」と評しては女子に悪いので、「スーパールーキー」と表現しておこう。しかしチームの中で突出しているわけではなく、周囲のレベルの高さが感じられた。常盤木は高さ・パワー・瞬発力といった身体能力に加え、自在にパスを回す技術もポジションチェンジを多用する戦術眼もある。オールマイティなチームだ。

高校女子選手権については2003年にこんな記事を書いている。同好会のようなチームの多かった初期の大会、本庄第一など厳しく鍛えられてはいるが、サッカー未経験者が多く技術も戦術も不足した時期、聖和学園など技術は高いが身体能力が不足した時期、そして01年にトータルバランスに優れた湘南学院の台頭。しかし日テレ・メニーナなどクラブ勢とは差があった。しかし常盤木がメニーナに追いつき、豊富な練習時間を武器にトップクラスのトータルバランスで、大学以上の力を手に入れた。私の目には早大や日体大、日テレ・メニーナ以上の力に見える。常盤木の天下になると、今度はドリブルやワンツーを多用するメニーナのようなサッカーの逆襲を期待したくなる。それが日本の女子サッカーを豊かなものにする。そうなればコンスタントにFIFAランキング5位以内の力を手に入れられるようになるだろう。


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