| 2009年04月19日(日) |
プリンスリーグ関西 草津東−近大和歌山 野洲−大阪桐蔭 |
この日のプリンスの会場はアスパ五色、奈良産業大信貴山グラウンド。水口スポーツの森の3ヶ所。アスパ五色は淡路島。あわぢしまといえば、阿波の地なので私にとっては完全に四国。サッカー会場の中で最も優先順位の低い場所である。06年国体以来行っていない。奈良産業大と水口スポーツの森とで迷ったが、対戦カード的に水口のほうがよさそうなので、こっちにした。しかし水口に問題がないわけではない。
JR草津線貴生川駅(XPの辞書に入っていないので一文字ずつ入力)から徒歩20分だが、途中上り坂がきついのだ。峠を越えて今度は下るのだが、これが帰りには上り坂として立ちはだかる。はっきりいってしんどい。しかも昨年はこの会場、柵の中に入ってタッチライン際で観戦できたが、レフェリングの邪魔になると判断されたか、今年は柵の外からの観戦に変更された。本部やベンチのテントが邪魔で観戦しづらい。何とかハーフウェイライン付近とゴール前は観られる場所を確保したが、観戦困難この上ない。もちろんプレーヤー・ファーストだし、しょうがないが。
第1試合は2部。草津東といえば、小林前監督時代に低迷していた関西勢の壁を打ち破って選手権準優勝を果たし、関西でもやれるんだ、というムードを作り上げてくれたチームである。当時は組織優先のサッカーだったが、雨森監督になってから個人が前面に出たスタイルになってきている。
一方の近大和歌山は個人的に最も注目しているチームの一つ。「ナンバー」の676号に開成高校野球部のノンフィクションがあった。弱者の兵法がキーワードだ。開成はいわずと知れた東大合格者数日本一の、超進学校である。入学する選手は基礎体力に欠け、運動能力も低い。走り方からしておかしい選手もいる。しかもグラウンドは週1回、3時間程度しか使えないと言う。そのような環境でいかにして勝つか。
それによると、1番打者が出塁し、2番打者がバントで送り強打者でホームに返す野球のセオリーは開成野球部には当てはまらないという。すぐに大量失点するからだ。そもそもバントとは(豊富な練習量に裏打ちされた)高度な技術であり、開成には無理だと。かといって守備の強化も効率が悪い。猛練習で身につく守備力が発揮できるのは各個人で1試合に1度程度だと言うのだ。ならば正面付近に来るやさしい打球を処理できるだけの守備力があればよい。あとは打撃を磨き、大量得点を狙う。数年前東京大会でベスト16に進出したときは、コールド勝ちが多かった。
で、サッカーの話になるが、超進学校が高校選手権に出場できないか、ということである。ベスト16程度ならいくらでも例がある。強豪校と同じサッカーでは体力負けする。そもそも自陣で守備を固めてロングボールを蹴り出すサッカーをするにはパワーもキック力も足りない。どうしても「弱者の兵法」が必要になる。 基礎体力もパワーも高さもスピードもない。技術・スタミナは並、という条件ではやれるサッカーは限られてくる。強豪中学相手に弱小校が引いて守っては空中戦に完敗し、大量失点を食らう試合など見飽きている。引いて守っては守りきれない。かといってバックラインを上げすぎると、裏を取られると追いつけない。ゴールラインから25mくらいを目安にラインを定め、中盤で粘り強くプレスをかけ続けるしかないだろう。当たってもはね返されるだろうから、とにかく粘り強く身体を寄せ、密着させる。FWも守備重視で、相手バックラインからロングボールを入れにくくさせる。攻めはカウンターのパターンを決め、(チームの中では)俊足のFWに賭ける。普段の練習では判断力を磨き、攻守の切り替えを早くする。PKの練習も抜かりなく行う。まあこんなところだろう。
近大和歌山の話になるが、以前、160cm台のDF陣を高く押し上げる守備で、総体の出たことがある。予選成績は4試合で2勝2分、計2得点0失点。完全なる守備のチームで、図抜けた素材もいなかった。近大和歌山は進学校とはいえ、東大に何十人も送り出すほどの超進学校ではない。しかし、これはいいモデルだと思った。参考にすべき点の多いサッカーだと。超進学校がしっかりした指導者のもとでこういうサッカーができれば、県予選ベスト8以上も狙えるかもと思った。そういうわけで近大和歌山にはずっと注目している。しかし今年のチームは体格がイマイチだ。身長に比べて体重が軽すぎる。データが不正確でなければ、きっちり筋トレやっているのだろうか。個人の強さあっての戦術なのに。
プリンスリーグ関西2部第2節 草津東高校−近大和歌山高校 11時 水口スポーツの森 晴れ ピッチ人工芝
草津東 近大和歌山 −−−石黒�◆歉綺筺檗檗檗 檗檗歟翅辞◆歉称↓◆檗� −−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−− 吉田−古谷−−山元−藤永 福島−辻本�◆歟羶性⊂庄� 増野�∋核棔檗欅羮紂歟翅辞�其原−室屋−−佐藤−溝口�� −−−−−村上�◆檗檗檗檗 檗檗檗檗歸掴臓檗檗檗檗�
草津東 監督:雨森康 GK 1 村上昌謙 (2年・守山北中) 183cm71kg DF 18 中村真之輔(2年・甲南中) 171cm65kg 16 増野雄介 (2年・淡海JYFC) 169cm63kg 3 山本大稀 (3年・淡海JYFC) 175cm69kg 2 井上聡史 (3年・甲南中) 178cm63kg MF 5 山元寛 (3年・高穂中) 178cm60kg 7 吉田実成都(3年・甲西中) 170cm64kg 10 古谷大地 (3年・FC SETA) 178cm67kg 24 藤永峻介 (3年・J・FORZA) 169cm62kg FW 9 石黒拓也 (2年・京都サンガU-15)175cm66kg 11 上坂崇鉱 (3年・土山中) 180cm68kg
リザーブ GK 17 川村昭仁(3年・FOSTA FC) 178cm71kg DF 6 橋本克人(3年・オールサウスFC)172cm65kg 12 渡辺駿 (3年・オールサウスFC)176cm63kg 13 井上雄貴(3年・京都FC長岡京) 170cm58kg FW 14 八木譲治(3年・FC SETA) 170cm60kg 15 吉川哲平(2年・甲賀中) 170cm63kg MF 8 田辺政典(2年・J・FORZA) 171cm58kg DF 20 端拓也 (2年・FC−Mio) 166cm53kg MF 21 太田大貴(3年・瀬田北中) 169cm58kg
近大和歌山 監督:河合廣征 GK 12 田和大和(2年・紀ノ川中) 182cm72kg DF 3 佐藤琢 (3年・ミラグロッソ海南)178cm63kg 4 室屋廉 (3年・ゼッセル熊取FC)178cm70kg 5 其原正憲(3年・近大附族中) 180cm62kg 25 溝口修作(2年・長坂FC) 172cm60kg MF 2 松浦健人(3年・近大附族中) 171cm65kg 7 辻本直也(2年・大阪市立墨江丘中)172cm64kg 10 福島未興(3年・紀ノ川中) 174cm59kg 13 中神貴之(2年・一丘中) 180cm60kg FW 9 中村和也(2年・長坂FC) 176cm63kg 21 松裏典大(2年・東海南中) 173cm70kg
リザーブ GK 1 後藤政貴(3年・西和中) 178cm68kg MF 6 豊田航也(3年・ベローラ日高FC)175cm64kg 11 森口悠 (3年・久米田FC) 174cm61kg 15 北村凌 (2年・和大附属中) 167cm51kg
立ち上がりは大人しい。8分、近大、右FKをゴール前に上げてきたところ草津東GK村上触れず。しかし何とかクリア。10分、近大・佐藤のフィードをDFラインの裏で受けた松裏が抜けてハーフボレーで決める。0−1。12分、草津東・山本に警告。近大・松浦にサイドを突破されるところを止めた。近大ベンチからは「スピード生かしてタテに行け」と指示が出る。17分、草津東、左CKを短く繋ぎ、グラウンダーの左クロス、ニアで狙うがブロック。20分、近大・テントの陰から松裏が決める。0−2。近大ベンチからはコンパクトに保つよう指示。FWにも前から行かず、ハーフウェイライン付近まで引いて、高めのバックラインとの距離を短くとる指示が何度も出る。しかしFW陣は前から奪いに行きたがる。33分、草津東・上坂の右クロスを古谷がインサイドで決める。1−2。43分、草津東・右パスを石黒、ダイレクトで決定的シュート、セーブでCKに逃げる。点はこれ以上入らず前半終了。
シュート数は前半8対4だが、草津東が押しているわけではなく、近大の秩序あるプレスが光った。草津東はファウル数9とやや多く、苦しい守備が多かった。
ハーフタイム、草津東・増野→橋本。
後半開始すぐ、近大、右FK其原の左足のボールを辻本正面ヘッドもGK正面。超決定機。10分、目の前に第2試合の大阪桐蔭の部員が大挙して登場。ここは部員数を絞っていると思っていたが、50人くらいいる。18分、草津東・藤永→田辺、近大和歌山・溝口→豊田。21分、近大・中神のパスを中村が右上隅に決めて1−3。後半は草津東はなかなかシュートにいけない。近大はハーフタイムで意思統一を図ったようで、プレスが向上している。25分、近大・福島が右から切れ込み左足シュート、右に外れる。直後に草津東が裏へのパスで抜け出しシュートがバーを叩くシーンも。32分、近大・松浦→北村。33分、近大・左FK、ファーに流れる。届かず。35分、草津東・石黒→吉川。36分、草津東・山元に警告。ファウルの際相手にのしかかった。38分、近大。松裏→森口。42分、近大・福島の左シュートをGKセーブするもそのボールがDFに当たりゴールイン。1−4。直後に近大GK田和→後藤。結局1−4でタイムアップ。近大の完勝だった。
後半のシュート数は5対8だが、それ以上に近大がペースを握っていた。勝つべくして勝った。草津東は個人の能力は高かったが、まだ連携が取れていない感じ。
公式記録
第2試合は野洲−大阪桐蔭。関西の高校で今最も全国制覇に近いと思われるチームである。スタイルは全く異なるが、これまでの関西の高校サッカーとは大きく違う点も共通する。
野洲高校は個人が前面に出ているチームだ。前線は積極的にドリブルを仕掛けるし、ポジションチェンジも多用する。守備も1対1が強く、時に無茶なフォアチェックを仕掛け、無理やりボールを奪いに行く。
対する大阪桐蔭はJユースに近いスタイル。バックラインから楽な体勢にいる味方にどんどん繋ぎ、無難かつ確実なパスワークで前線に運ぶ。守備も組織立っていて、バランスを保って確実にボールを奪う。
ところで第2試合の前に、立って試合を観るよりも座ってみるほうが、テントの下から全体が覗けて見やすいことが分かった。第1試合よりは状況がつかみやすくなった。ただ、地面にどっかと座ると、イマイチ気合が入らないが。
入場時、桐蔭は横一列でそのままピッチに入る関西方式の入場。対する野洲はタッチライン際で横一列に並んでから、縦一列になって入場し、再び横一列に並ぶ。
プリンスリーグ関西1部第2節 野洲高校−大阪桐蔭高校 13時15分 水口スポーツの森 晴れ ピッチ人工芝
野洲 大阪桐蔭 −−美濃部�◆歿濛漆髻檗檗 檗檗歉綢次檗欷綟�−−− −−卯田−−−−梅村徹− −−−−−−−−−−−− −−−八田−−松田−−− 小川��永澤−−福村−江口 村松��中野−−星−−染川 宮川−中山−−大西−平川�� −−−−−松原−−−−− −−−−−永谷−−−−−
野洲高校 監督:山本佳司 GK 20 松原篤志 DF 2 染川浩太 (3年・大阪セントラルFC)177cm64kg 12 星克弥 (3年・ガンバ大阪) 184cm74kg 16 中野雄一朗(3年・野洲中) 177cm74kg MF 8 松田康佑 (3年・京都パープルサンガ)170cm66kg 15 八田元庸 (3年・福知山FC) 172cm54kg 3 村松隆晴 (2年・FC SETA) 166cm71kg 7 梅村徹 (3年・セゾンFC) 175cm56kg 10 卯田堅悟 (3年・セゾンFC) 174cm57kg FW 9 梅村崇 (3年・セゾンFC) 176cm56kg 23 美濃部寛貴(2年・セゾンFC) 165cm49kg
リザーブ GK 17 富永真言(2年・ヤスクラブ)168cm59kg DF 18 春日翔太(3年・セゾンFC)179cm67kg 21 竹内一希(2年・セゾンFC)170cm71kg MF 4 森下直哉(3年・セゾンFC)174cm63kg 5 前田大貴 6 竹本竜也(3年・セゾンFC)176cm57kg 11 久岡昴平(3年・セゾンFC)172cm68kg 14 佐藤拓弥(2年・セゾンFC)164cm53kg 19 北川貴章(3年・FC SETA)169cm59kg
大阪桐蔭 監督:永野悦次郎 GK 1 永谷圭汰(3年・豊橋デューミラン)163cm59kg DF 3 宮川貴史(3年・川上FC) 177cm69kg 7 中山勢二(3年・ガンバ大阪) 178cm68kg 4 大西泰裕(3年・ガンバ大阪) 175cm73kg 19 平川誠人(2年・ガンバ大阪) 168cm62kg MF 2 福村貴幸(3年・グリーンウェーブ)177cm68kg 13 江口直生(3年・高田FC) 167cm60kg 8 永澤圭祐(3年・奈良YMCA) 174cm65kg 11 小川雄生(2年・神戸FC) 163cm59kg FW 24 後藤剛志(3年・ヴィラル木花SC) 177cm63kg 9 上村直弘(3年・高田FC) 166cm60kg
リザーブ GK 21 堀永雅斗(2年・名張FCテコス)175cm65kg DF 16 山口晋也(2年・盾津東FC) 168cm65kg 15 今村友弥(2年・高槻FC) 178cm70kg 5 川口翔太(3年・枚方フジタ) 178cm75kg MF 27 小川和俊 17 家城雄大(2年・京都サンガ) 168cm62kg 20 根本雄貴(2年・龍野西中) 169cm60kg FW 18 中川淳輝(3年・城陽SC) 178cm74kg 28 田中淳一
3分、野洲が中央で美濃部がパスカット、決める。1−0。ちなみに徳島の美濃部監督の血縁者らしい。桐蔭も左CKでニアで後藤ヘッド、右ポスト。立ち上がりは互角。13分、梅村徹が決めるがオフサイド。17分、野洲・梅村崇からスルーパス美濃部の左足シュートが右隅に決まり2−0。昨年の野洲はDFラインからのつなぎにこだわり、隣にしかパスを出さない方針を守り、どうかと思ったが、今年は飛ばしのパスをどんどん出し、サイドチェンジも多用、この時期にはチーム作りをある程度進めていたようだ。桐蔭は自陣から繋ごうとして、野洲のフォアチェックにかかってしまっていた。こちらはロングパスはほとんどなく、状況判断が悪いと思ったが、これもチーム作りの方針なのだろう。32分、桐蔭、サイドチェンジでフリーの右の江口に、GKと1対1になるが、GK松原スーパーセーブ。決定機。大阪桐蔭は試合中に布陣変更。ボランチの福村がLB、LB宮川がCB、CBの中山がボランチに。
−−−上村−−後藤−−− −−−−−−−−−−−− 小川��中山−−永澤−江口 福村−宮川−−大西−平川�� −−−−−永谷−−−−−
野洲・卯田がDF2人の間を突破、左クロスは中でカット。左CKへ。終了間際・村松の左FKを中野スライディング、左に。決定機。前半終了。
シュート数は6対6、内容的には互角だったが、桐蔭にミスが出て、野洲が得点した。野洲の守備はグループで守るのではなく、基本的に一人一殺を前線から実行するもので、効率的ではないが、育成には適しているのではないだろうか。私は2人のDFがお見合いして間にボールが落ちるよりも、2人が同時にボールに行ってぶつかるほうが好きなのだ。
後半開始、6分、桐蔭・上村右シュート、右ポスト。12分、桐蔭のパス回しでミスがあり、野洲・梅村崇から左の美濃部へ、再び梅村に戻り右シュート、右に外れる。13分、桐蔭・上村ミドルDFに当たり、こぼれを上村が狙うがGKブロック。16分、野洲・村松→森下。そのままLB。18分、桐蔭・小川、後藤→家城・田中。ポジションそのまま。23分、野洲・松田に警告。遅延行為。25分、桐蔭・フォアチェックからカット、田中が左シュート、正面を突き左CKへ。この時間帯になると、野洲は無謀とも見えるフォアチェックがかわされ、桐蔭に一方的にパス回しを許すようになる。桐蔭のパスにもミスがなくなり、前後左右に美しくパスが繋がる。27分、桐蔭・平川→山口。30分、桐蔭・右CKから中央でそらし田中が押し込む。2−1。32分、野洲・染川→春日。右CKで梅村崇からファーヘッドで折り返すがDFクリア。38分、桐蔭のスルーパス、田中に通ったところを野洲・星がペナ内で倒し得点機会阻止で一発退場。PKを大西がG大阪・遠藤ばりにゆっくりとした助走からGKの様子を伺うが、野洲GK松原は動かず、ゆるいシュートにぴったりあってキャッチ。得点ならず。40分、野洲・梅村崇→竹内。CBに入る。直後に桐蔭・家城にスルーパスが通り、野洲DFが後ろから手を掛けるが、それ以上はまずいと判断したか、倒さず。左シュートはGK正面に。43分、野洲・美濃部→佐藤。桐蔭・永澤→今村。結局タイムアップ。
後半は桐蔭が完全にペースをつかんだ。現時点でのチーム力では大阪桐蔭が上回っている感じだ。伸び代も十分ある。DFラインのパス回しにミスがなくなり、もっと素早いものになれば、破壊力・安定感とも増すだろう。一方の野洲は組織力を上げていけば劇的に変わるのではないか。後半のシュート数は公式記録で1対10。まさに桐蔭の猛攻だった。しかしこれがサッカー。
公式記録
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