サッカー観戦日記

2007年09月01日(土) 世界陸上 アメフト神戸大−関西大

いままでスポーツで世界大会といえばW杯と、他にはちょっと苦しいがF1(世界選手権)しか行ったことがない。サッカーの予定もないし一つの経験だと思って長居で行われる世界陸上へ足を運ぶことにした。陸上競技を観に行くのは駅伝・マラソンを除くと高校のとき西京極に観に行かされて以来のことだ。

世界陸上は直訳すれば、「世界陸上選手権」となるので、「陸上の世界選手権」と表現すれば良さそうなところをあえて「世界陸上」と意訳するところがいい。独自色を出したい意図の表れか。そもそもサッカーにあやかって「W杯」と名づける競技団体が多い中、あえて平凡な「世界選手権」を名乗るところに陸上界の意地を見た気がした。

会場に入る前に金属探知機でチェックがあった。サッカーでは形式的なチェックはあったが徹底していない。この辺も陸上はしっかりしている。もっとも危険人物はサッカーのほうが多いと思うが(笑)。ペットボトルのお茶もコップに入れ換えて中に入る。

会場に入る前に場内FM放送をやっていると聞きラジオを借りる。ラグビーなどではよくやっている。陸上には無知なので役に立つだろう。

プログラム収集家の私はすぐに販売所をチェックする。観戦記を書く目的もあるが、もはや一種の趣味となっており、全中の中身の無い2000円もするプログラムも迷わず買っている。しかし世界陸上のそれは2000円、マッチデープログラムも1000円もしている。陸上という種目そのものには興味が無いので買わないことにした。さらに弁当をみると800円。昼食抜き決定だ!

買ったチケットは一番安い2500円の自由席のものだが、指定席のチェックは無かったし、空いていたので、遠慮なく指定席に入る。この日は朝7時に50キロ競歩がスタート。十種競技の円盤投げをやっている。10時到着。30度くらいの角度に投げる空間があり、そこから外れればファウル。野球と違いライン上に落ちてもファウル。カメラマンが線ギリギリのところにいるが、重い円盤が当たれば大変な事になると思うのだが。40mを少し越えたあたりまで飛ぶ。そうこうしている間に30分が立ち、競歩のトップがマラソンゲートから入ってくる。リズミカルな歩みを続け、完歩(完走にあらず!)。日本人の山崎は8位だが、大幅にペースが落ちているらしい。しかしなんと5位でマラソンゲートをくぐってきた。場内FM放送も戸惑いながら実況を続け、ゴールイン!同時に倒れこみ、担架で運ばれて医務室へ。しかしどうやら様子がおかしい。どうも審判員が誘導を間違い、一周2キロの周回コースで1周早く競技場内に誘導してしまったらしい。失格、または棄権となってしまう山崎。こんなミスが世界大会であるとは。もっとも競技場内では明らかに調子がおかしかったし、正しく誘導されていても8位入賞は無理だっただろう。しばらく競歩と円盤投げが同時進行となる。そして円盤投げでジャマイカのスミスが2投目で50mオーバー。段違いの強さである。他種目あわせてもダントツに見える。しかし十種競技の8種目目なので、実はギリギリらしい。参加者がヨーロッパと北米とジャマイカ、それに開催国・日本だけなのはワールドスポーツの常識にとらわれた人間からすれば奇異に映る。11時30分、競歩のビリのアメリカ人が入ってくる。余力はありそうに見えるのだが。11時50分、円盤投げも終わり、1時間の間が空く。まあ、この辺でいいだろうと思って会場を後にする。



さて予定には入っていなかったが急遽万博に向かうことにした。大学アメフトを観戦するためである。テレビ観戦を含めれば、サッカーの次に好きなスポーツはF1やアメリカズカップである。しかし生観戦スポーツとしては学生時代に見始めたアメフトが最も好きだ。次いでラグビー。要するにフットボール系、サッカーの弟分スポーツである。しかしここ数年サッカー以外のスポーツはなかなか観る機会がなかった。調べると2005年9月4日にサッカーとアメフトをはしご観戦する予定だったが雨でアメフトを止めている。それ以前となると分からないが、3年くらい見ていないのではないか。

万博には球技場があり、以前はここでアメフトが行われていた。しかしフラッシュフィールドという日本初の専用競技場を関西学生アメフト連盟が3億5千万出資して建設(リッチだ)、昨年に竣工し、関西の聖地となっている。そのスタジアム見学の意味もあった。チケットは1200円、神戸大と関西大のカードである。どちらも私とは何の縁も無いが、神戸大側のスタンドに入る。すぐに神戸大のメガホンを渡された。拒否するわけにも行かず受け取る(笑)。アメフトは国立大が強い。サッカーも国立大は結構強いが、アメフトのそれは事情が異なる。要するに大学スポーツとして十分普及していないから、大学の規模の大きい国立大が相対的に強くなるのだ。この辺、バスケあたりも事情は同じである。しかしアメフトは関西では人気ナンバーワン大学スポーツであり、関関同立も強化してきて、国立大が落ちてきた。なんとなく国立大に肩入れしたい私としては少し残念な気分である。神戸大スタンドに入ったのは、そういうところもあった。ちなみにフラッシュフィールドでは両チームが両サイドに陣取り、応援団も両サイドスタンドに向かい合って陣取る。関西大は暑いのに学生服の応援団が応援を指揮する。暑苦しい。シャツの神戸大とは対照的である。私は学生服応援団というものが大の苦手である。合理性に欠けるし、その競技を応援する、という気持ち以上に応援団独自の価値観で行動しているとしか思えないのだ。Tシャツ応援団やチアガールのほうが好きだ。それにスポーツの試合ではピッチに背を向けてほしくない。

試合は驚異のロースコアゲームだった、前半を終わって0−0。こんなのアメフトのスコアではない。試合は後半逆転に次ぐ逆転となり、神戸大リードで迎えた残り20秒、関西大逆転タッチダウンが決まり、劇的勝利。試合後の整列で呆然としている神戸大の選手の表情が印象的だった。双方学歌や応援歌を歌い、エール交換する。1500人くらいは入っていただろう。大学サッカーもこれくらい盛り上がれば、と思いながら帰路に就いた。


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T.K. [MAIL]