| 2006年12月28日(木) |
女子インカレ 第3日 |
今日から冬休み、ということでいきなりサッカーを観に行く。3年ぶりに女子インカレに足を運ぶことにする。この3年間でインカレの状況も変わった。かつては日体大や大体大に代表されるフィジカルを前面に押し出したサッカーが主流だったが、3年前に初出場した神奈川大が技術・戦術・スピード・パワーとバランスの取れたレベルの高いサッカーを披露し、同じ大会でベスト4に勝ち上がった早稲田大が毎年有力選手を数人ずつ集めてパスをつなぐサッカーで頭角を現し昨年のこの大会を制した。大学女子サッカーも質的変化しつつあるという期待に胸を膨らませつつメイン会場の神戸ユニバーへ足を運ぶ。
プログラムは入手できなかった。この大会はあらかじめ兵庫県サッカー協会に連絡を取ってプログラムを確保してもらう必要があるのだが、直前まで予定が立たなかったためにその作業を怠ったのだ。まあいい、来月の国立の決勝で入手できるだろう。
会場ではすでに大体大−福岡大の試合が始まっていた。大体大の猛攻が続くが福岡大も良く耐えている。福岡大は男子こそ全国的な強豪だが、女子は例年サッカー未経験者がおり、全国の高校トップクラスである鹿児島2強には歯が立たないのが現状だ。地元高校とレベル的に大差無かろう。この大会でもこれといった実績はない。今大会は山形大2−0、武蔵丘短大0−6。
一方好選手を集めてフィジカル面を鍛え上げた大体大はこの大会で2度の優勝を誇り、しかも近年はグラウンダーの強いパスも交え、自陣に引いた相手もある程度崩せるようになっている。レベル的には全国トップクラスである高校の兵庫2強と同等以上だ。今大会は山形大12−0、最大のライバル・武蔵丘短大2−0と連勝している。試合前から勝敗は想像できる。
15分頃、大体大右CKから直接ゴール、さらに1点追加し猛攻を続けて前半終了。ユニバーメイン競技場に移動する。ちなみに最終スコアは4−0。
全日本大学女子選手権 吉備国際大−日本体育大 11時 神戸ユニバー 晴れ ピッチ並
吉備国際大 日体大 −−−−−谷下−−−−− −−−相澤−−川澄−−− −−−−−伊井−−−−− −−−−−−−−−−−− 坂本−渡部−−高橋−中島 船川−秋葉−−有吉−中村 池田−三根−−西田−山口 高橋−菅山−−藤本−池田 −−−−−有馬−−−−− −−−−−大友−−−−−
吉備国際大(適切な略称がない)は今大会、中京女子大6−0、武庫川女子大1−0と連勝、この試合に勝てばベスト4進出となる。サッカー経験者が多く、中国地方では湯郷に次ぐ実力チームとなっている。湯郷からも近く、普段から練習試合をしていると思われる。格上チーム相手のサッカーもできるだろう。
一方日体大は圧倒的な優勝回数を誇る強豪である。今大会中京女子大8−0、武庫川女子大2−0という結果を残し、この試合引き分けでもベスト4が決まる。普段から厳しいゲームにもまれ、経験的にも今大会随一の存在だろう。
吉備国際大は4バックを高めに保ちプレスをかけるサッカーでカウンターを狙う。守備時には4−2−3−1、攻撃時は2トップになることが多い。キックオフすぐに日体大シュートがバー直撃、こぼれに詰めるがGKセーブ。決定機。7分、カウンターから川澄がウラをとり1対1を決めて日体大先制。前半は6分4分で日体大ペースだが、多少力の差があっても、身体的にも鍛えられていて守備のいい相手をなかなか崩せないのが、フィジカル重視のサッカーというものである。吉備国際大のラインコントロールはおおざっぱで、ある中盤で程度パスを繋げれば簡単にウラを取れそうだが、そう上手くいかない。27分には日体大の左クロスがポスト直撃、こぼれ球をシュートもGKキャッチ。30分過ぎには日体大が右クロスのこぼれをシュート、これもバー。日体大の猛攻も実らないまま前半は0対1で終了。その場を後にし、補助競技場へ移る。ちなみに最終スコアは0対2だった。
全日本大学女子選手権 山形大−武蔵丘短大 12時 神戸ユニバー補 晴れ ピッチ並
山形大 武蔵丘短大 −−−田中−−坂本−−− −−−奥田−−長谷川−− −−−−−宮川−−−−− −−−−−−−−−−−− 十三−誰々−−誰々−須藤 植木−三上−−田本−中村 −−片山−阿部−大池−− 源内−田中−−柴田−寺平 −−−−−草苅−−−−− −−−−−才田−−−−−
プログラムがないので名前の漢字を間違えている可能性大。山形大は発表と異なり13番が出ている。いつの間にか交代したのだろうか?分からない選手も2人いる。
山形大は今大会大体大に0−12、福岡大に0−2と連敗している。毎年東北代表として出場してくるが、経験者が少なく、組織力で戦ってきた。全国トップクラスである高校の宮城2強には歯が立たない。
一方武蔵丘短大も常連。短大ながら準優勝したこともある。今大会大体大0−2、福岡大6−0。大体大が3連勝したのでグループリーグ敗退が決まっているが、最終戦を締めて終わりたいところ。
山形大は阿部をスイーパーとして後方に余らせてマンマークで守る。マークの受け渡しはなし。FWに入ったボールをストッパーが徹底的に潰しにかかるが、サイドに振られるとマークがずれる。大体大に大量失点を喰らったのも相性の悪さゆえか。しかし武蔵丘短大は中央でつなぐチームだから、マークする相手がはっきりしている分守備が機能し、大量失点は喰いそうにない。16分、奥田のミドルが決まり、武蔵丘短大が先制。23分には右クロスを長谷川が決めて0−2。内容からみて勝負ありとみてメイン競技場に移る。なお最終スコアは0−8であった。
残りわずかで間に合い、日体大の勝利を確認する。
全日本大学女子選手権 中京女子大−武庫川女子大 13時 神戸ユニバー 晴れ ピッチ並
中京女子大 武庫川女子大 −−−進藤−−安藤−−− −−−有馬−−宮地−−− −−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−− 北條−杉本−−家田−三上 島津−阿漕−−蔦間−渡辺 川村−西岡−−竹田−栗本 三宅真三宅希−山根−堀辻 −−−−−吉田−−−−− −−−−−小森−−−−−
武女大の三宅真は三宅由真、三宅希は三宅由希子。
中京女子大は東海地区の代表常連。しかしこの大会では特に目立つ実績はなく、戦力的にも関東勢や大体大には及ばない。今大会は日体大0−8、吉備国際大に0−6と大敗している。東海地区の高校突破レベルには苦しいレベル。
一方、武女大は大体大に次ぐ関西ナンバー2。大体大や高校の兵庫2強よりは落ちるが全国では毎年まずまずの結果を残している。今大会は日体大に0−2、吉備国際大に0−1。
武女大が一方的に押すかと思われたこのゲームだが、意外と互角の展開。細かくつなぐ中京女子大に対しフィジカル重視の武女大という印象。20分、中京女子大、スルーパスに北條が抜け出し決めて先制。戦力的に上回る武女大が押し始めるが、なかなか崩せない。しかし34分、阿漕が豪快にサイドを突破しそのまま切れ込んで逆サイドネットに突き刺さるシュートを決めて1−1の同点に。残り6分間もペースは変わらないが決定機には至らず。前半を終了。再び補助競技場へ。
全日本大学女子選手権 早稲田大−北海道浅井学園大 14時 神戸ユニバー補助 晴れ ピッチ並
早大 浅井大 −−−佐藤−−渡辺−−− −−−鈴木−−誰々−−− −−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−− 中村−松長−−今井−後藤 菅野−北野−−庄司−誰々 −澤−深沢−−山本−大脇 瀬戸−石川−−工藤−広瀬 −−−−−天野−−−−− −−−−−田中−−−−−
浅井大の選手名を聞き取りにくかった。早大の選手名は公式サイトで確認済み。
早大は前回覇者。今大会も最大のライバル、東女体大に3−1、京教大に9−0と連勝している。全員が経験者で、
一方浅井大のレベルは北海道最強高・北海道文教大明清よりは明らかに落ちる。全国レベルでは厳しいところ。今大会は東女体大に0−14、京教大に0−2と連敗している。
早大は序盤からショートパスをつなぎ、浅井大を崩しにかかる。伊賀FCフロイラインでプレーしていたボランチ松長がパス回しの中心で、身体能力の高い元Lリーガー佐藤(元U−19代表)と技巧派・渡辺(元U−19代表)の超強力2トップにどんどん入る。しかし浅井大も集中した守備で何とか耐える。右サイドの後藤はスピードがある。まあ、個々の能力はこれまでの大学女子レベルを超えているチームである。その個の能力を土台に、レベルの高いサッカーを志し、見ごたえのあるサッカーをしている。21分、松長のクロスが直接ゴールイン、意外な形で早大が先制する。22分にも松長から左の澤へ展開、GKかわして決めるが判定オフサイド。20分過ぎからは浅井大の中盤の守備が消失し、一方的に早大がボールをまわす。37分、パス回しから渡辺が決めて2−0。前半で早大の凄さは分かったし、勝負もついているので会場を後にする。ちなきに最終スコアは5−0だった。
結局この日はベスト4進出チームのうち3つを観られた。日体大・大体大はまあ昔ながらの大学女子サッカーをしていたわけだが、昔よりはレベルが上がってるし、早大も求めるレベルは高い。これに神大を加えた4強がどういうサッカーをするのか。来月の決勝が楽しみになってきた。
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