| 2006年11月25日(土) |
関西学生リーグ最終節 阪南大−京産大 桃山大−大院大 |
関西学生リーグも最終節である。優勝は関大に決まったが、残留やインカレ出場権争いはこの節にかかっている。まず下の表を見てほしい。
7位 京産大 勝ち点8 得失点差−2 8位 阪南大 勝ち点6 得失点差−2 9位 関学大 勝ち点5 得失点差−5 10位 同大 勝ち点3 得失点差−11
8位以下が入れ替え戦出場、10位が自動降格である。最終節第1日は京産大と阪南大の直接対決、同大は立命大とのライバル対決である。同大は勝たない限り入れ替え戦出場はなく自動降格となる。そして京産大は引き分けで残留。阪南大は勝てば残留である。
阪南大はここ10年ほどの間、関西の常勝チーム、とまでは行かなくても上位常連チームだった。昨年まで総理大臣杯に6年連続出ているし、インカレ常連でもある。ところが今期は6分け2敗といまだ勝ち星がない。引き分けが多いのが阪南大らしいが、こんなことは前代未聞である。もともと関関同立当たりと比べて社会的評価の高い大学とは言えない。選手集めや強化にありとあらゆる創意工夫を重ねても、ライバルたちも同じ策をとってくる。ここ数年、追撃に耐えかねている上に今期は不運とけが人による低迷。ついに残留が危ないところまで来てしまった。
春にはプロへ行く選手が出ないのではないか、という不吉な予想もしたが松岡が神戸入を決めた。しかしユニバー代表・伊藤和也のケガなどベストが組めない状況である。対する京産大もエース桜井が出場停止である。
試合にはうっかりというか25分も遅刻。すでに京産大が1点リードしている。
関西学生リーグ 最終節 阪南大−京産大 11時40分 西京極陸 曇り ピッチ良
阪南大 京産大 −−−釜田−−吉田−−− −−−木付−−太田−−− −−−−−−−−−−−− −−−−−馬場−−−−− 山下−中島−−松岡−木原 −−日下−櫛田−笠原−− 李晟賢松岡吉−寄井−森山 桑野−山領−−古里−山田 −−−−−李彰剛−−−− −−−−−吉本−−−−−
阪南大 GK 李彰剛(4年・愛知朝鮮)DF 森山正一(2年・G大阪Y)寄井憲(4年・広島Y)松岡吉紹(4年・久御山)李晟賢(4年・滝二)MF 木原正和(1年・広島Y)松岡亮輔(4年・C大阪Y)中島徹(3年・広島皆実)山下優一郎(4年・日章学園)FW 吉田将之(3年・北陸)釜田圭吾(4年・境)
京産大 GK 吉本哲郎(4年・金光大阪)DF 山田嵩洋(4年・V神戸Y)古里純一(4年・初橋)山領真都(4年・京都Y)桑野裕二(4年・京都Y)MF 日下亮(3年・C大阪Y)櫛田一斗(2年・桂)笠原裕二(1年・笠岡工)馬場悠企(2年・草津東)FW 太田章雄(3年・奈良育英)木付雄大(1年・築陽学園)
電光掲示板を見ると京産大は17番の選手がいるが、どうみても背番号7が正しい。 五分の展開。35分、阪南大右クロスがペナ左コーナー付近の山下へ、左45度強シュートを右隅に突き刺して1−1の同点。山下の左足の精度は素晴らしい。しかしロスタイムに山下→柏木。ケガではなさそうだが。
ハーフタイムに交代なし。2分、阪南大、右FK。GK吉本が飛び出すが触れず。こぼれをボレー、DFに当たり山なりになってゴールへ飛ぶがライン上クリア。決定機。8分、阪南大、正面25mFK獲得。しかしルーキー木原のキックは右に外れる。18分にも同じような位置からFK。しかし木原のキックは右隅に飛ぶがGK吉本好セーブ。20分、京産大・太田→金本(1年・野洲)FWを下げて展開力のあるボランチを入れるということは、守備的な意図か。一方阪南大も釜田→久野。CBの選手だがFWに入り、阪南大はそこめがけてハイボールを蹴りこんでくる。30分、阪南大は左CKのこぼれだまを次々に拾いクロス、ペナ内で誰か倒されPK獲得。これを吉田が決めて2−1と逆転。京産大は反撃に出たいはずだが、なかなか前に出ることが出来ない。34分、日下・馬場→東岡(1年・松山工)・稲本(2年・洛南)。40分、阪南大の右CKで木原→吉田へニアでヘッド、上に外れる。残り時間を巧みにボールキープして阪南大が逃げ切った。なんとか残留確定。
阪南大は中盤のプレスをまずまず効いていたが、FWに納まらないため速い攻めが出来ず、なかなかチャンスが作れなかった。京産大は後半守勢に回り、後手を踏んでしまった。しかしこれが残留争いのプレッシャーというものだろう。エンターテインメント性は恐ろしく高いゲームだった。
さて今度は上位のインカレ争いである。、順位表は以下の通り。
1位 関西大 勝ち点22 得失点差14 2位 立命大 勝ち点16 得失点差8 3位 近畿大 勝ち点15 得失点差−1 4位 桃山大 勝ち点12 得失点差−1 5位 大院大 勝ち点11 得失点差0 6位 大体大 勝ち点10 得失点差0
総理大臣杯優勝の立命大を含む4位までがインカレ出場権獲得である。すでに3位の近畿大までは出場権を獲得しており、第4の椅子を争っているわけだ。この日桃山大と大院大が直接対決し、勝ったほうがインカレ、引き分けた場合大体大にもチャンスが回ってくる。桃山大はエース姜が出場停止。
桃山大 大院大 −−−武田−−池田−−− −−−坂本−−笹垣−−− −−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−− 國田−田中−−船津−高橋 樋口−濱田−−前川−妹尾 尾崎−木村−−井上−北江 −浦−池内−−上田−永倉 −−−−−金−−−−−− −−−−−佐々木−−−−
桃山大 GK 金永基(4年・神戸朝鮮)DF 尾崎雄二(4年・大分Y)木村允彦(4年・広島皆実)井上俊(4年・鳴門)北江進吾(2年・北陽)MF 船津卓也(2年・初橋)田中祐樹(2年・広島Y)國田直志(1年・玉野光南)高橋章(2年・熱田)FW 池田昌弘(3年・静学)武田充展(2年・C大阪Y) リザーブ 北井太陽(1年・清風)梶原寛人(4年・鹿実)牧野太郎(1年・玉野光南)金光栄大(3年・玉野光南)渡部泰征(2年・日章学園)奥田智(4年・奈良育英)辻和帆(2年・鎮西学院)
大院大 GK 佐々木将貴(3年・横浜)DF 永倉元気(3年・日章学園)上田貴典(3年・広島皆実)池内龍志(4年・愛媛FCY)浦央弥(3年・桂)MF 濱田佳孝(3年・尽誠学園)妹尾隆佑(3年・岡山理大附)樋口和也(4年・C大阪Y)前川敬介(3年・C大阪Y)坂本勇一(4年・C大阪Y)笹垣亮介(4年・磐田Y) リザーブ 稲田康志(3年・C大阪Y)奥田拓巳(2年・高取)岡村和哉(1年・C大阪Y)加藤健太(1年・横浜FMY)馬場悠(2年・大淀)小森智貴(2年・柏Y)林宏行(3年・京都朝鮮)。
桃山大はフラットな4−4−2。長身CF武田の周囲を池田が動き回る。大院大の2トップはともにポストに良く入る。
序盤は様子見だったが、すぐに活性化。6分、桃山大の左クロスにファーの船津がドフリーで飛び込むが外す。決定機。8分、大院大ファウル、さらに坂本がFKのボールを蹴って警告。12分、大院大の前川の右サイドからのシュートはサイドネット。18分、桃山大のロングボールに池田飛び出し、抜け出かかるが。チャージに吹き飛ばされる。23分、桃山大・高橋、右から切れ込み後方の船津へ、ミドルは右に外れる。全体的に桃山大ペース。35分、桃山大、右60度35mFK、田中が狙うが跳ね返される。39分、右75度30mFKで池田と田中が構える。田中のシュートは左に惜しくも外れる。姜がいれば、と思った。ロスタイム、大院大の右クロス、ニアに笹垣が飛び込むがDFに当たりオウンゴール。ずっと押していた桃山大とすれば、ワンチャンスを決められた形。ロスタイム國田→金光。抜群のスピードで左サイドからよく突破していたがクロスを上げられなかった。戦術眼に問題がありそう。
後半も桃山大ペース。9分、大院大・坂本がミドルレンジからループ、上のネット。GK落ち着いて見送った。しかし桃山大GK金はキック精度が低くパントキックも相手に渡してしまうことが多い。10分、桃山大・左CKで田中から飛び込んだ武田にわずかに届かず。15分にも武田のポストから池田ボレーシュート、これはブロック。大院大も18分、前川ミドル。決定機。22分、桃山大、正面18mFK獲得。しかし田中のキックはカベ。29分、大院大・妹尾に警告。故意ハンド。30分、桃山大、左45度FK、しかし田中のキックは大きく直接ゴールラインを割る。31分、桃山大、正面20mFK。今度は桃山大が有利に。このままだと桃山大は大院大よりは上位に行くが、インカレ出場権は確定しない。逆に大院大は全く可能性がなくなるので攻めなければならない。金光が蹴りゴール左隅に決まる。これで35分、大院大・上田に警告。抜かれたところを倒した。37分大院大・永倉→林。サイドバックを代えたということは非常時のスクランブルか。直後ペナ内のハイボール、桃山大が倒されてPK。これを木村が決めて2−1。さらにサイドでボールキープと見せかけて金光が左クロス、正面で武田がキープし前を向いてシュート、右隅に決まり3−1。これで勝負がついた。42分、桃山大・池田→奥田。大院大に終了間際のチャンスもあったが得点ならず。結局桃山大が逃げ切りインカレ出場を決めた。
桃山大は終始ゲームをコントロール、失点シーン以外のピンチはわずかで、内容どおりの結果だったと思う。木村は抜群の安定感を見せた。大院大は4バックが良く機能していたが、中盤がやや引いてしまい、FWを孤立させてしまった。
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