サッカー観戦日記

2004年04月11日(日) 関西学生春季リーグ 第1節 関学大−近畿大 大体大−桃山大

本来この日は鶴見に行く約束があった。しかしどうしても外せない所用のために急遽取り止めざるを得なかった。最近猫の手も借りたいほど、いや猫の手をせめて人間の子供の手にするべく忙しい。なんとか昼までに用事を終わらせたが、たまたま車がなく鶴見に公共交通で行っても第1試合は観られない。そこで昼食も取らずに萩谷へ走って向かう。(後日注:疲労と空腹の影響かこの日の日記には2ヶ所の大ボケと細かいミスがある。その部分は訂正せず注釈をつけた)キックオフから30分遅れで到着。結構暑くて額から汗が流れる。到着直前に歓声が上がり、スコアを見ると既に3−1と関学ガリードしている。ピッチ中央部の芝がはげているが他は問題なくいつものようにピッチ状態はいい。


関西学生春季リーグ第1節 関学大−近畿大
4月11日(日)萩谷 12時 ピッチ良 晴 並風



関学大             近畿大
−小松−−岡野−亀ケ渕− −−−江口−−浅野−−−
−−−−−橋本−−−−− −−−−−−−−−−−−
鈴木−−−岡村−−−古家 壽−−江本−−小寺−石橋
−−守生−春川−山口−− 吉居−佐々木−坂上−柿田
−−−−−水田−−−−− −−−−−土田−−−−−

関学大は3−4−3を採用。プログラムの予想布陣は当てにならないもの。特に春は。なのに珍しく関学大はほぼ一致している。右の小松創太(3年・広島皆実)の代わりに鈴木貫八(3年・藤枝東)が左に入り岡村(4年・藤枝東)が左から中、古家(4年・G大阪Y)が中から右に回っただけだ。GKと3バックは昨年からレギュラーで能力・連携とも問題はない。長身CF小松塁(3年・高知追手前)を左ウイングに起用しているがサイド突破を期待されているわけではなさそう。鈴木・岡村がレフティー。FKは右足が古家・橋本、左足は鈴木が蹴る。

近大は4−4−2。昨冬の新人戦では優勝しているもののタレント的に劣勢は免れない。中盤から前はほぼ昨年からのメンバー。FKは右足が石橋、左足が吉居担当。

前半残り時間は完全に関学ペース。近大としては粘り強く守り、出来れば中盤で激しいプレスを仕掛けたいところだが、あまりに淡白な守備が続く。パスミスも多くハーフタイムでの立て直しに期待するのみ。ルーキー江口(1年・G大阪Y)もポストをさせてもらえず。やはり山口(4年・松商学園)相手では荷が重い。浅野(3年・G大阪Y)も完全に消えている。

後半も立ち上がりから出足に優る関学ペース。近大は前線の守備が甘く、中盤も甘く、DFラインの連携も甘い。力で劣る近大がガムシャラに守備をこなさない以上当然実力的に一枚上の関学が次々にチャンスを掴むことになる。2分、関学大、正面35mFKを鈴木が左足で狙いDFに当たったこぼれを岡野(4年・愛媛FC)シュートも弱い。3分、関学大、岡野が右に引いて受け中央へ反転スルーパスに亀ケ渕(3年・国見)が反応するがGK土田(2年・桐光学園)が飛び出してキャッチ。5分、関学大、カウンター亀ケ渕が右からゴールラインまで切れ込みマイナスのパスが正面の小松の足元へ、しかしシュートが遅れGK土田セーブ。決定機。7分、古家のアーリークロスがファーの小松へ、届かず。8分、関学大左スローインを岡村がダイレクト左足アーリークロスに亀ケ渕が飛び込むがDFがギリギリ前でカット。12分守生(3年・広島Y)がクリアを浅野に当て、そのまま角度のないところからシュート、GK水田(4年・神戸Y)正面で防ぐ。決定機。15分、近畿大左CK、石橋(4年・桐光)のキックのこぼれを江本(4年・G大阪Y)が狙うが大きく上に外れる。16分、関学大・橋本(4年・清風)のミドルをDFブロック、さらに岡野オーバーヘッドもGK土田セーブ。決定機。17分、近畿大・江口→片山(2年・G大阪Y)。同じポストプレーヤー。関学DF陣に歯が立たなかったので仕方がない。しかし片山もまた苦戦するのだった。近大は両SBが亀ケ渕・小松に苦戦する上に単独ミスが多くDFラインが崩壊してしまった。また両ウイングに正確なパスが出るのは中盤の守備の弱さにあり、ならば中盤が引いて守ればいいのだが2点ビハインドでそうもいかない。しかもFWがあまり守備をしないので中盤のスカスカ感が目立ってしまう。どこから手を着ければいいのか分からない。リーグ戦の間に修正できるのか、とにかく危険なチーム状態だ。26分、関学大右クロスを受けた岡野が前を向いてシュート、こぼれを橋本シュートもバーを叩く。決定機。27分、関学大・鈴木が左からペナ右外の岡村へ好パス。岡村が中を伺いながらシュート、土田のニアを破りゴール!4−1とした。土田はクロスを予想したのか?防げた失点だと思う。28分クリアボールが鈴木と浅野の真上に高く上がる。鈴木(168cm)が事実上フリーでヘッド、味方へつなぐ。両者ともボールを確認するが浅野(170cm)はジャンプすらせず、かといって体を寄せもせず鈴木の1m横でただ見ているだけ。この無気力プレーを目の前で見た近大ベンチが当然浅野を下げるかと思ったがそのまま。30分近大・壽(3年・G大阪Y)→近江(4年・草津東)。近江が右のハーフ、小寺(3年・京都Y)が左で石橋が中に入る。関学大も守生→ルーキー小野原(1年・C大阪Y)。勝負は既についているのでテストだろう。強靭で左足フィードもいい選手。34分、関学大、中央左寄りから橋本が右へ展開、小松が受けて中に入りシュート、土田なんとかはじくがこぼれに関学の選手が二人突っ込み亀ケ渕が押し込んで5−1とさらに点差を広げた。35分、DFの裏で小松が受け佐々木(3年・桐光学園)のチャージにビクともせず体でブロック、前に出たGKの上をループで抜くが外れる。決定機。36分、関学大・鈴木→小松創太。右に入り古家が中、岡村が左へ。つまり中盤が予想布陣どおりになった。なおこの交代の際アナウンスは小松創太の出身校広島皆実(みなみ)を読めずに「広島…………、が入りました」40分関学大・岡野→米田(1年・市船)。近大・佐々木→杉本(3年・初橋)。江本がCBへ下がる。ロスタイムには関学大・岡村→大野(2年・清風)。結局5−1でタイムアップ。

関学大はDFが安定していた。相手に問題があったわけで連携面などはなんともいえないが個人能力の高さははっきりしている。山口はJFLなら確実に通用する。昨年からマークの受け渡しや状況判断が怪しかったのでまだ分からない。中盤の守備は緩かった。攻撃面ではサイドチェンジが有効で鈴木・古家の正確なミドルパスが活きていた。3トップは機能していたが、これもまだまだ。亀ケ渕がマン・オブ・ザ・マッチか。岡野も小松も大活躍。

近大はかなりまずい。チーム内の引き締めから始める必要があるだろうし、戦術面・フィジカルと戦える状況には見えなかった。リーグ戦の間に立て直すのは極めて困難な印象を受けた。

公式記録





関西学生春季リーグ第1節 大体大−桃山大
4月11日(日)萩谷 14時15分 ピッチ良 晴のち曇 並風


大体大               桃山大
−−−森前−−川越−−− −−−東條−−森−−−−
−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−
榎本−荒木−−梁−−麦田 −姜−今井−−美村−柳田
椿本−御厨−−前田−須藤 尾崎−江添−−木村−金光
−−−−−古田−−−−− −−−−−田中−−−−−

ともにDF・MFがフラットに並び激しくプレスを仕掛けるチーム。大体大は抜群の身体能力を誇りたまにポカもするが相手をあざ笑うかのようなスタイルのGK古田(4年・耳成・関西学生選抜・元U−18)を後方に強靭な前田(4年・初橋・関西学生選抜)と御厨(2年・長崎海星・関西学生選抜)と後ろは力強い。10番荒木(2年・登別大谷)が後方から組み立て梁がより高い位置での崩しを得意とする。左足FKも蹴るLB椿本のクロス、スピード豊かな麦田(2年・星稜)らのサイド攻撃に森前(3年・岡山理大付・192cm)、川越(4年・玉野光南・184cm)の長身FWが合わせる。ただしむやみにハイクロスをあげるチームでもない。昨年は麦田・荒木の守備の甘さが気になったが、大体大らしい激しい守備をもう身につけただろうか。

対する桃山大は副島新監督を迎えた。昨年までの激しいプレス主体のサッカーから攻撃重視に切り替えているという。GK田中(3年・大津)、江添(4年。玉野光南・03年ユニバー代表)、木村(2年・広島皆実・関西学生選抜)ら後方は昨年と同じ選手。RBは重光(3年・明徳義塾)ではなく金光(1年・玉野光南)で左もルーキー尾崎(1年・大分Y)でサイドの守備がどうなるか。エース森(4年・草津東・関西学生選抜)と組むのは東條(3年・初橋)となった。

序盤は大体大ペース。中盤で競り勝ちシンプルにトップに当てたりサイドに出してリズムを作る。5分過ぎから桃山大も少しずつ自分たちのプレーを見せるようになる。最初の決定機は桃山大。左に流れた森がライン際でDFの間を通す好パス、中で東條がスルー、ファーの柳田がシュート、外す。10分、桃山大、姜の左クロスが東條へ、シュートならず。11分桃山大左CK姜から中央ニアよりで木村がそらすがファーに外れる。決定機。15分桃山大・姜の左クロスがファーの柳田へ。ループヘッドでファーサイドネットを狙うが外れる。決定機。昨年も大体大は麦田の右サイドを狙われることが多かったが、今年もまだ守備は不得手のようだ。1対1であっさりかわされるシーンこそないがポジショニングに隙がある。また持ち味の右からの突破もない。桃山大は姜の中盤でのディフェンスのみならずルーキー尾崎のポジショニングが素晴しく、ミスもないために大体大の右サイドを押さえ込んでいる。スピードでは尾崎よりも優位に立つ麦田だがプレーの幅が狭いこともあり持ち味が出ない。一方重光の代わりに金光の入った桃山大右サイドは苦戦。ポジショニング・マーク・パスミスが多く落ち着かない。大体大・榎本が積極的に仕掛け木村・美村が守備に追われてしまう。17分、大体大、左FK、椿本がゴール前に上げたこぼれを梁が狙うが上に外れる。19分、桃山大、左FKで今井が右に展開し柳田がトラップで椿本をかわしタテに持ち込むが桃山大CKに逃げる。ショートCKが今井の頭に合うが弱くGK古田キャッチ。22分、桃山大・柳田のタテ突破をCKに逃げ、再びSCK。キッカーが2m後ろに戻し二人目がボールを止めてキッカーがゴール前に上げるというもの。こんなのオフサイドをとられるに決まっているのだが・・・・・・。なにしろパスの受け手はゴールライン上なのだから。ボールを前に出さず止めただけだろうが、あるいは後方に流そうがパスの受け手のポジションでオフサイドは決まる。(*後日修正 オフサイドは後方へのパスは対象外である。これこそ常識なのだが寝ぼけていたようだ。通常この種のセットプレーは受け手が後方へボールを流すのだが桃山大は前を向いてトラップしただけなので前方へのパスととられても仕方がなかった)常識と言いたいところだが意外と知られていない。もちろん主審はルールを知っておりオフサイドの判定。26分、桃山大・荒木が左に大きく開いて姜の外を回り込んでボールを受け好クロス、マーカーを外した森がフリーも痛恨のトラップミス。決定機になったはず。28分、柳田が切り返しで椿本をかわすがクロスはなんとかカットしCKへ。椿本は柳田との距離を詰めることでスピードを封じようとしているようだが中途半端に飛び込んでしまう印象。CKは古田キャッチしカウンターで梁が裏を狙う。33分、榎本が金光をかわしクロス、誰にも合わない。35分、田中のゴールキックを美村ダイレクトで前に出し、1バウンドで森ダイレクトシュート、古田好セーブ。決定機。36分、桃山大、左FKを右へ出し柳田が榎本をかわして中へ持ち込む。シュートはDFブロック。40分、大体大・椿本の左クロスにファーで川越が尾崎に競り勝って折り返し森前がオーバーヘッド、外れる。決定機。終了間際には桃山大が2本スルーパスを狙うが届かず。0−0で終了。

桃山大が押し気味。大体大のプレスをサイドチェンジでかわすシーンが目立つ。主に左の今井から右の柳田へ出る。もう少し大体大の麦田・梁が厳しく寄せるべきだった。桃山大・東條へのハイボールには大体大の前田・御厨がパワーを活かして完勝。東條はデンマーク代表トマソンのように前を向いてこそ生きるタイプだと思う。大体大の森前は良く動いていたが江添に封じられ起点にはなれず。川越も苦戦。CF<CBという前半であった。

後半から桃山大・美村→下山。姜が美村のところに入り、下山が右。美村は攻守に機能しておらず予想通りの交代。金光の交代も予想していたが我慢して使い経験を積ませるつもりなのだろう。大体大は交代なし。3分東條が落としたボールを大体大が奪って速攻、麦田のシュートは弱くGK田中が抑える。7分、大体大カウンター、榎本が長いドリブルから森前へ、再び榎本へパスミスだったがなんとか榎本に渡りクロスを荒木が落とすがしゅーとならず。8分、桃山大。スルーパスに東條飛び出す。GK古田が抑えオフェンスファウル。10分、大体大、榎本が左から強引に柳田・金光の間を破りクロス、ファーから中に入り込んだ麦田が決めて1−0と大体大先制!榎本の突破で決まった。15分、右に流れて受けた森が凄い突破、椿本をかわしゴールラインまで切れ込みファーへ柔らかいクロス、フリーの下山が痛恨のトラップミス。決定機。17分、大体大・榎本→山下(1年・和歌山北)。榎本の動きは落ちていなかったが、その前に交代しておこう、というひとつのやり方か?ベンチから荒木・柳田に山下を使うよう指示が飛ぶ。桃山大も東條→井上(3年・北陽)。昨年はボランチだったがFWへ。東條は確かに競り負けていたが井上も強いわけではなく、この起用は良く分からない。21分、桃山大・下山の左クロスは中央で跳ね返される。どうも桃山大は決定機を奪えなくなった。22分、大体大・麦田の右クロスニファーの山下がトラップから右に切り返しシュート、左に外れる。24分、大体大・荒木→元井(3年・久御山)。中盤の運動量を保つ狙いか。27分、大体大・御厨→中尾(4年・佐賀北)。分からない。御厨がケガしたわけではなかった。29分、大体大の右クロス、ファーで金光がクリア。29分、大体大左FK、椿本が上げたボールを古田パンチングで左CKへ逃れる。さらに麦田のCKからシュート2本。このあたりは大体大ペースが続く。30分、川越→夏田(3年・高松商)。状況的に長身FWは二人もいらないしカウンターで動き回れる選手を起用したのだろう。32分、桃山大の右クロスをDFカットも姜?がダイレクトボレー。DFにあたりCK。流れが変わりそうな鮮烈なプレーだ。ここで桃山大・金光→南(4年・近大附)下山がRBに下がり南はボランチへ。金光は疲れていた。最初からギリギリまで使うつもりだったのだろう。CKを大体大クリアし3対2の大チャンス、左の中尾に出しDFが追いつく前にファーへ左足シュート、GK届かず大体大も触れずゴールキック。38分桃山大CKをファーで折り返し押し込もうとするが大体大もなんとかクリア。副島監督も抗議するがノーゴールの判定。ラインは割ってなかったように見えた。41分、桃山大、右に大きく開いた井上がタッチ際からDFの裏、GKが出てこれないグラウンダークロスは森も届かず、しかし追いかけて左タッチ際で追いつきクロス、(*後日修正 森が戻し今井がクロス、メモにきっちり書いてあるが、寝ぼけていた模様)これを中まで走りこんだ井上にピッタリ合いゴール!大体大CB陣のマークが緩んでしまった。ここで両者選手交代を行なう。大体大・須藤→松田(4年・耳成)、桃山大・尾崎→櫛田(4年・峰山)。桃山大は井上へのシンプルな放り込みでリズムを掴む。ロスタイムには姜のクロスから井上のヘッドがポストを叩く。結局ドローに終わった。

実力的には桃山大がやや優位にあったか。ボールポゼッションを上げていこうという方向性ははっきりしていた。昨年の南茂のような気の利いたインサイドがいれば面白い。このゲームでは美村が期待されていたようだがどうも機能しなかった。ベンチに入っていた奥田(2年・奈良育英)もインサイドとして期待されているのかもしれない。ルーキーLB尾崎が大活躍しており、重光がRBに入ればバックラインは万全。よもや昨秋のように入れ替え戦行きはあるまい。優勝候補というには物足りない気もする。

大体大はいいサッカーをしていたとは思うのだが、なんというかディテールが甘いというか……。CBは分かりきったボールには強いのだがサイドからのボールとか虚をつくプレーとかに少しずつ甘い感じだし、中盤も少しずつ寄せが遅れてしまうというか。特に欠点はないが、全国レベルを考えると厳しい感じ。1部復帰から3期目(2年目)であることを思えば十分厳しいプレーをしていると思う。古田がいるだけに守備を厳しく追及すれば全国でもある程度通用するはず。

公式記録


 < 過去  INDEX  未来 >


T.K. [MAIL]