| 2003年08月09日(土) |
大阪招待2日目 長崎選抜−ウエストハム 大阪選抜−慶尚南道選抜(晋州高校) |
この日足を運んだ大阪招待は国体選抜の強化の一環として例年近畿国体の一週間前に行われる大会である。今年はウエストハムU−18、慶尚南道選抜として晋州高校(韓国)、長崎選抜を招いて行われた。それにしても略した表記が「英国U−18」「韓国U−18」というのはちょっと無理があるのではないだろうか(笑)。パッと見ただけなら確実に誤解する人もいるはずだ。有料試合だし。そもそも「英国」という時点でサッカー的ではない。実質イングランドのユニバー代表以外に英国代表は存在しないし、そもそもFAだって「代表」と認知していないのだった。早朝5時には大阪付近に上陸した台風も通り過ぎ、天候も悪くはなくこの時期にしては暑さもそれほどでもない。
第一試合は長崎選抜−ウエストハム。長崎は実質国見で、総体決勝でもスタメン出場したGK関だけが「元国見」となっている他は全員国見の選手で構成されている。一学期末で転校?ミスプリだとは思うが。大久保監督も国見高校の先生で、内田コーチだけが国見町役場となっているが、もちろん勤務先であって国見高校指導スタッフの一人である。主力の兵藤・平山・中村はU−18日本代表のため外れている。 対するは2年連続の来日となるウエストハム。トップは一部(実質二部)に降格したものの、下部組織は数多くのイングランド代表を輩出した名門であり、今回の遠征メンバーにも5人の各年代イングランド代表経験者(おそらく候補含む)がいる。
大阪招待2日目 長崎選抜−ウエストハムU−18 8月9日(土)長居第2陸 13時 ピッチ並 曇時々雨 並風
長崎 ウエストハム −−−出崎−−渡邉−−− −−−十番−−十六−−− −−−−−七番−−−−− −−−−−−−−−−十七 −横田−−八番−−川口− 十二−六番−−七番−−− 城後−坂上−−益永−木村 三番−四番−−十四−二番 −−−−−関−−−−−− −−−−−一番−−−−−
プログラムでは国見の7番は中村北斗、8番は兵藤となっているがもちろん別人。場内放送を聞き逃したので誰だか分からない。スコアボードも国見サイドは見てない。ウエストハムのスタメンは以下のとおり。こちらは確実です。 1 GK George SEALEY 85.03.12 2 DF Trent McCLENAHAM 85.02.14 3 DF Brent TATTAM 84.09.21 4 DF Darren BLEWITT 85.09.03 14DF Liam PARRINGTON 86.05.01 イングランドU−16 6 MF Philip LUMSDEN 84.09.23 7 MF Sam WRIGHT 86.07.14 12MF Daniel BUNCE 86.04.30 17FW Tony STOKES 87.01.07 10FW Greg PEARSON 85.04.03 16DF/MF Chris COHEN 87/03.05 イングランドU−17
交代メンバー 9 MF/FW Graeme CARRICK 85.04.03 11MF/FW Mitchell COLE 85.10.06 イングランドU−18 15DF Jemel HENRY 87.05.31 イングランドU−16 8 MF Mark NOBLE 87.05.08 イングランドU−17
長崎は本来坂上をSW、城後・益永をストッパーに配する3バックのはずだが、ウエストハムRHのストークスが上がりっぱなしで実質3トップなので城後がマークにつき、木村がRBに下がる4バックとなった。
序盤いきなりウエストハムペース。サッカーをよく知っている。あの国見がゲームの入りで圧倒され、動揺するのを見るのは初めてだ。2分、素早いFKからラムズデンがウラに抜け角度のないところからシュート、関はじく。4分、バンスの左クロスをピアーソンがヘッド、坂上が何とかブロック。5分、左のFKバンスからラムズデンのヘッド、外れる。
ウエストハムは技術的には不恰好で、大柄な選手がモタモタとボールコントロールに苦しんでいるわけだが、各選手とも国見より先の展開が読めており、攻守ともにここぞという場面には必ず誰かが現れる。プロ予備軍としてはかなり物足りず、スタメンにはおそらくトップ昇格の選手はほとんどいないが、イングランドの恐るべきレベルの高さを感じさせた。昨シーズンのFAユースカップは確か第3ラウンドで消えたはず。(ちなみに昨シーズンの出場資格は84年9月1日以降出生)このレベルのチームがイングランドには50〜100もあるとしたら・・・・・・。
国見はフィジカルでは歯が立たず、スペースを狙いたいところだが、スペースを潰す感覚に秀でたウエストハムの前に攻撃の起点を作らせてもらえない。風上なのに。この分だと日本の暑さにウエストハムがバテる後半までは耐えるしかないかな、と思い始めた15分、川口が国見初の右クロス、ファーで折り返したボールはクリアされるが、頑張って出崎が追いつき左クロス、不正確だったが国見もこのプレーで動きがよくなる。21分、RBマクレナハム右クロスがファーのバンスへ、決定的なチャンスもなんとトラップミスで逃す。 23分、バンスの左クロスをピアーソンがヘッド、高さが足りず上に外れる。24分、渡邉目の前のDFが居ないかのように強引にシュート、GK正面でキャッチ。渡邉のイライラが伝わってくるプレーで実は国見としては前半唯一のシュートだった。35分、コヘンが強引にシュート、DFブロックのこぼれをライト豪快なシュート。40分ハーフの終了間際ウエストハムは点を取りに来ている。37分にもライトはロングで国見ゴールを脅かす。38分にはライトのスルーパスがDFのウラへ走るラムズデンに通り、狙い済ましたシュートはポストにはじかれる。39分、左に流れたライトのクロスをピアーソンが押し込みついにウエストハム先制!と思いきやファウルの判定でノーゴール。このあとピアーソンと益永がどつきあい。結局0−0で前半終了。
シュート数9対1、流れの中でのクロス13対6、完全なウエストハムペース。国見とすれば前半スコアレスで済んだのは上出来だった。レフェリーは韓国の帯同審判の金氏だったが、ややレベルに問題があり疑問の残る笛が多かった。しかし両チームとも異議を唱えることはなかった。金氏の笛は上手く鳴らないことが多く、プエーと情けない音を立てていた。
後半国見は川口→深浦。ウエストハムの左サイド攻撃対策か?バンスの左右両足でのクロスが何本も入っている。ウエストハムは気合が入っている。開始すぐピアーソンのペナ外でのキープを坂上引きずり倒しFK。バンスの左足は上に外れる。CBブレウィットが前半よりよく怒鳴る。「ソーソー」「ダー!」ベンチからも「スクイズ」の指示が出る。日本ではオフト英語の影響でラインの押し上げを「プッシュアップ」と呼ぶが、FAではスクイズという。ブレウィットとパリントンのCBコンビは圧倒的な高さとマーク技術があり、パリントンはカバーリングスピードも十分。ブレウィットの左足キックはさっぱりだが、自分をよく知っていてミスがない。8分、バンスの左足シュート、DFに当たる。9分、ピアーソン、ストークス→キャリック、コールをそのままのポジションに投入。キャリックは前線に高さが欲しいからか?ストークスは運動量が落ちていたのと、コールがU−18代表なので本来のレギュラー投入なのだろう。ウエストハムは中盤もよく動くようになる。12分、渡邉ロングシュート。「とりあえず撃っとけ」シュートで可能性は全くない。 14分、ライトがドリブルで中央をスルスルと抜け出すが最後のタッチが大きくGK関キャッチ。17分、タッタム→ヘンリー。19分、バンスの左クロス、マークをはずしたキャリックの頭にピタリのコースだがGK関パンチング。21分、右からのFKを素早くスタートして左へ展開、バンスのクロスをキャリックがヘッドで落としラムズデンが決めてついにウエストハム先制。22分、そのラムズデンを下げてノーブル投入。別に貴族系ボランチではなくきっちり中盤で労働する選手。右足FKも担当する。これで代表経験者が全員ピッチに立った。24分、右サイド深いところからのFK、ノーブルからパリントンがマーカーより頭一つ抜ける打点の高いヘッド、左スミに飛ぶがGK関スーパーセーブ、こぼれを押し込むが微妙なオフサイドの判定。29分、横田、深浦→14番、比嘉投入。14番は平山の番号だが無論別人14号である。後半は入ったばかりの深浦だがバンス、ヘンリーには歯が立たず交代させられてしまった。ただあの二人と渡り合える高校生はほとんどいないはずだが。残り10分、ウエストハムはペースを落としまずはきっちり守ることを優先する。ただし露骨な時間稼ぎはない。国見も放り込みが通用しないだけに攻撃が行き詰まり、決定機が奪えないまま時間が過ぎてしまう。結局1−0でウエストハムが逃げ切った。
試合終了後ウエストハムの選手は何人もがユニフォーム交換を申し出、国見の選手に自分のユニフォームを渡す。しかし当然国見からの返礼はない。「何て失礼な奴等だ」などと誤解してなければいいのだが。強く速いCBパリントンは面白い。来年のトップ昇格も十分ありそう。ノーブルも覚えておこう。
第二試合は大阪選抜−晋州高校。大阪からはU−18代表で三木・寺田・山城が外れている。晋州高校は全国大会で優勝11回を数える名門で、韓国代表も数多く輩出している・・・・・・、といったことはプログラムを読むまでもなく大体知っているが、恐るべき一文が載っていた。「後援会の活動も活発で年間1億ウォンを集めたという」 1億ウォンといえばKリーグトップ選手の年俸なみの額だ。一高校サッカー部の予算とは信じがたい。
大阪招待2日目 大阪選抜−慶尚南道選抜(晋州高校) 8月9日(土)長居第2陸 15時 ピッチ並 曇時々雨 並風
大阪 晋州 −−−−−江口−−−−− 金仁−−−朴−−郭−−− −家長−−日比−−島本− −−−−−−−−−−金珍 −−−丹羽−−竹林−−− −−−金文−−百−−−− 久野−−牧−−楠本−脇− −安−季雪−−金東−劉− −−−−−東−−−−−− −−−−−季昌−−−−−
晋州のメンバー;GK季昌�Α■庁動遜埀福�季雪�Α�金東永、劉原�Α■唯洞睚互紂�百洙賢、金珍煕、FW金仁景、朴廷鎭、郭(吉吉)鎬、ただし(吉吉)は実際にはひとつの漢字。
大阪のメンバーは発表時には3バックやMF出身の楠本がボランチ、丹羽がCBの布陣も予想したが放送通り丹羽は中盤での起用となった。晋州はおそらく4−4−2だが、金仁景が自分の判断で高いポジションを取っている。なおプログラムでは晋州のポジション表記にFBやHBの文字がある。言葉じりというか表現にケチをつけるようだが、なかなかの時代錯誤ぶりである。長身FW郭(吉吉)鎬と金東永はU−17代表の経験があるがフィンランドには行けなかった。
開始すぐ島本(清風)がオフサイドラインのウラをとりフリーでシュート、しかしGK季昌�Ε后璽僉璽察璽屐�3分には家長単独ドリブル突破でまたもGKと1対1、しかしシュートはGK正面。技術で優る大阪がパスを回して中盤を支配にかかる。LH家長が上がったまま守備時に下がらないのでRH島本が下がり、左上がりのシステムとなる。丹羽のボランチ起用はチームメイト家長の面倒を見るためか、と思い始めた15分、金仁景がRB脇をスピードでかわしてクロス、右に流れたところをRH金珍煕がクロス、郭(吉吉)鎬が189cmの長身を活かしたヘッドで決め、先制。金仁景がスピードで脇を圧倒し、晋州は大阪の右サイドに狙いをつける。19分には島本必死の戻りからのファウルで警告。逆サイドでは家長が歩いていたがRH金珍煕が完全にフリーだった。しかし家長は攻撃面でファウルをもぎ取るドリブルを再三見せ、チームの流れとは無関係に局面ではいいプレーも見せる。家長を怒鳴るべき丹羽も、他の選手も静かで、理想的なお盆の過ごし方という印象。SBは守備に忙殺され、攻守が分離したサッカーとなってしまった。お隣の某さんとおしゃべりしていた32分、なんと日比が無人のゴールに決めている!GKがもたついた間にかすめとったらしい。35分、牧が鼻血をふいてピッチ外へ。すぐ戻るかと思っていたらベンチに戻ってくる。38分、馬場(金光)がLBに入り久野(関大一)がCBへ。まさか鼻骨骨折か!?とても心配だ。物足りない内容のまま前半終了。
後半大阪は何人かメンバー交代。フォーメーションを理解した時には思わず踊りたい気分になった。
−−−−−松岡−−−−− −−日比−−−−島本−− −小野原−丹羽−−野村− 馬場−楠本−−久野−脇− −−−−−東−−−−−−
ちなみに丹羽と野村はG大阪のCBコンビ、小野原はC大阪のCBである。監督の狙いは前線の選手3人が互いにポジションチェンジを繰り返して相手を混乱させるものだろう。その意味ではクレバーな松岡のトップも、また流れの中でポジションを交代できる日比・島本の起用も理解できる。家長は他者とポジションを入れ替えながら崩す動きは不得手だし、どちらかといえば「やあやあ我こそは山城の・・・・・・」といった個人戦で力を発揮するタイプであって、このサッカーをこなせない以上外れるのも仕方がない。小野原の中盤起用は他に適任者がいないだけだと思うが・・・・・・。川角監督は明らかに自分のサッカーに選手を当てはめるタイプのようだ。このスタイルなら家長は居なくても特に影響はなさそう。後方はほぼ守備に専念。攻撃面に特徴のある馬場、脇の働きはイマイチだが、前線の能力で攻撃面は活性化した。ご一緒に観戦させていただいた方の話では前日の試合でも前線は流動的だったらしい。しかしシュート数は一向に増えず、結局1−1のまま後半終了。PK戦で大阪が勝利した。
家長や三木など流動性には欠けるものの能力は高い選手が多い今年の大阪。選手層が厚いだけにどんなサッカーでもある程度の結果は出せるだろうが、ちょっと国体優勝の目はないかもしれない・・・・・・。
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