【ザレゴト・タワゴト・ササメゴト】


2006年12月20日(水) 年の瀬だもの

みんな疲れているのは判っているのだけど。

 満員とまではいかないまでも、そこそこ混んだ電車の中で、おじさんが二人分のスペースをとって寝こけていました。自分が乗りこんでしばらくすると、そのおじさんは急に立ちあがり、後ろを向いて窓枠に手をついて俯きました。「(え、吐く!?)」と思って身構えつつ見ていましたが、どうやらそう言う訳でもなさそうです。そしてまたしばらく。おじさんは上体を起こすと、今度は網棚の手前の棒を掴んで揺れ始めました。 ・・ストレッチ? しかしおじさんは周りの人にぶつかったり、足元には鞄のショルダーストラップが絡んでいるしで、単に眠いのかそれとも酔っているのか、どうも正気には見えません。僕の後ろに立っている御婦人も、苦笑いをかみ殺しています。
 それから二駅。おじさんはまたもやいきなり、倒れこむようにシートに座り直しました。今度はどうにか一人分の枠に収まっていましたが、やっぱりグラグラと上半身を揺らし、隣の人が微妙に迷惑そうにしています。さらに一駅。おじさんはのそりと立ちあがり、何事もなかったように下車していきました。席には携帯電話が置き忘れてありましたが、自分を含め周囲の人は皆、ぼんやりと温い気持ちでおじさんの背中を見送り、何も言い出せないまま「ああ・・」という顔で携帯を見、そして二人分空いた席には誰も座ろうとはしませんでした。

風さえ人恋しと鳴く十二月。どこへ行っても忙しくはありますが、どうぞ皆さん頑張り過ぎませんようお気をつけください。


 < マエ  モクジ  ツギ >


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天瀬紺太(仮) [ 俺 ]
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