| 2005年08月15日(月) |
そこから目を逸らすな |
父方、母方ともに祖父が身体をこわしている。 実家にいる父の父は夏前まで腎を患って入院していて、退院後も排尿困難のため体に管を通している。母の父は以前から血圧が不安定だったのがいよいよ芳しくなく、病院と老人ホームを兼ねたような施設に入院中。 二人とも驚くほど痩せて、ああなんだか悲しくて切なくてやりきれなくなった。 母の父など昨年会った時はまだ本当にかくしゃくとしていたのに。白いベッドに横になり「リハビリで100mくらい歩いて疲れた」と話す姿が痛い。 痛いのはどこだ。誰だ。俺か。じいちゃんも痛いのか。母さんは。医者の言うことなんかアテにならないと笑う人だった。 母に見舞いに連れられて、結局あいさつの一つもできずに俺はただ黙ってつっ立っていた。母が意識的にゆっくり、はっきり、「父ちゃん、紺太(仮)連れて来た」「眺めのいい部屋だねは」「きょう花火大会だんね?」話しかけた言葉に「ああ」「んだ」「んだのが」細い声で応える祖父を。ただ、見てるしか出来なかった。何も出来ないのが怖くて情けなかった。なんで部屋を出る時に「また来るよ」と言えなかったんだ。 墓参りで先頭に立つ祖母の背中も年を追うごとに小さく低くなってゆく。靴のかかとに市から配られた反射材のシールが貼ってある。一張羅のワンピースにはいくつものシミ。
「歳は取りたくない」そう思っていたけれど、現実を目の当たりにするとそれどころじゃないんだと思い知らされる。年寄りなんて嫌いだとそんなことを言っている場合ではないんだ。
どうにも出来ないことはわかってる。でも。どうしたらいいんだ。
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