自分の手の届かない所にある何かを思って胸が苦しくなる。こんな生き方をしていても涙はひとつ手に負えない物を連れて僕の心臓に揺さぶりをかけるのだ。動悸、速くなる呼吸、鮮やかなのは色ばかりで形はいつまでも曖昧だ。欲しくない訳じゃない、ただそのために失う何かを怖れているのだと知る。纏わり付いて離れない停滞の二文字が温かい泥のように全てを塞いでしまうのを黙って見ていることを恥じなければならないのに本当は。