皇帝の日記
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5年ぶりくらいの学校でしょうかー。
そんなわけで、授業を受けて来た。 お絵描きのクラス(ジェスチャードローイング、とかいう)なので、はじめっからスケッチブックと鉛筆を持って、待機。 出かける前に、ジャバ夫さんが、自分が美術学校で勉強していた時に使っていた巨大なスケッチブックと、芯の柔らかい、チャイナマーカーと言う鉛筆を渡してくれた。 周囲の人も、皆そんな感じの装備。 ??なんで??誰も持ち物の通達なんかしなかったのに。 絵描きを志す人の、標準装備なの?
やがてモデルさんが来て、30秒ずつ違うポーズをとって行き、それをすばやく描き留めるのだ。 クラスメイトは10人以下。 先生は、時々説明しながら、生徒の後ろをぐるぐる回って、時々アドバイスをしていく。
30秒って短い。 その間に、人の全身を描くのだから、細部を描くと言うより、全体の動きをにょろにょろっとして、いかに単純な線で、対象を写し取るかである。 あーむずかしー。
ふと、休憩中に他の生徒のスケッチブックを覗くと・・・。
う、うまい!! 30秒で、ちゃんと絵が描けてる。
こりゃあプロの御技ですぜ、だんな。
と、思ったら、話してみたら、皆プロなのだ。 ディズニーのアニメーターとか、大手ゲーム会社のキャラクターデザイナーとか、ハリウッド映画のストーリーボード描く人とか。
なーにー。 どうりでー。 絵描きを志す人じゃなくて、絵描きなのかー。 つか、何でまた学校に来ているのー。
ということは、このクラスでへっぽこなのは、皇帝のみ。 うーん。 恥ずかしー。
まあいっか。 うまい人の絵が沢山見れるわけだし。 恥ずかしいったって、死ぬわけじゃないし。 絵だし。 間違えても、また描けば良いんだし。 つか、正解なんて無い(お、良い台詞だ)。
というわけで、せっかくの機会なので、モデルの休憩中とかに、周りの人の作業を凝視。 すると、彼らも「あ、この子は素人だ。かわいそうにアヒルちゃん」と思ったのか(どうかわからないが)、「まず背骨の位置をにょろっと描く」とか「足は重心の乗っている方から先に描く」とか、アドバイスをしてくれるのであった。
先生も、白鳥の中にアヒルがいるのに気がついて、自分の机を皇帝の隣にわざわざ運んで来てくれて、時々覗き込んで来ては「もっと柔らかく」とか教えてくれた。 そして、クラスメイトも、何故か皇帝を応援する事になったらしく、「今のポーズは良く描けたぞ!」とか「ナイス!」「ドンマイ!」と観戦モードに・・・。
うん、かける恥は全部かいた。 怖い物は無い。
週一回、10週で600ドルって、高いんじゃない?と思ったが、ほとんど個人授業状態で、これはお買い得だ。 プロのモデルさん(絵描きさん用のプロ)が入ってくれているわけだし。
途中休憩を挟みながら、3時間、とても濃い内容の授業だった。
充実してジャバ夫さんのオフィスに戻り、報告。 すると、とんでもない事実が、次々にわかった。
事実1:この学校に入学するには、本来ポートフォリオを見せなければならない。 事実2:面接で合格した者のみが、学ぶ事を許される。 事実3:基本、アートで生計を立てている者が、更なる躍進や、コンピューターソフトなどの新しい技術を身につけるためにやって来る。 事実4:だから授業の時間帯が夜中心。
なんと。 白鳥どころか、竜の巣にミジンコが入ってしまったのか。
では何故、皇帝は入学できたのか。 それは、毎日弁当に添えて持たせていた、猫のイラストから始まる。
流れ1:ジャバ夫さんが、校長に「俺の奥さん、イラスト描くのがうまいんだぜ」と自慢した。 流れ2:校長が「俺の素晴らしい学校で勉強すれば、もっとうまくなるんだぜ」と自慢返した。 流れ3:ジャバ夫さんが「じゃあ通わせてくれよ」と、とりあえず言ってみた。 流れ4:校長は「いいぜ」と安請け合いした。
そんな。 これで皇帝の絵がうまくならなかったら、どっちのメンツをつぶす事になるのか。 更に何と、ジャバ夫さんの口から、驚愕の事実が。 「だから、授業料免除なの」 なぬ!? 「じゃあ例えばこの、木曜日のストーリーボードのクラスを受けても只?」 「クラスが満員じゃなければ」 おお。
さっそくアプライしてみた。 満員でなければ、木曜日も天ぷら学生に。
上手になったら、イサムさんに絵本を描こう。
皇帝

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