皇帝の日記
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過激な表現が問題となって、当局から発禁処分を受けた「上海ベイビー」を読んだ。
作中の麻薬などが問題になった事になっているが、たぶんそれは違う。 問題は、上海を代表する優秀な大学の出身で、しかも良家のお嬢さんが、自由気ままに男を踏みつけにして生活している様が、検閲で働く男性諸君の脅威になったというところではないだろうか。 まあようするに、過激と言う程過激な事は、何もなかった。
それより、舞台となった世紀末の上海は、皇帝が過ごした上海の2年前。 出てくるお店やホテルの描写が、かなりなじみ深い。
例えば、政通路のバー「ハードロック」といえば、2、3回ビールを飲みに行った所だ。 そして、小説ではおしゃれどころになっているが、留学生の間では「ハードロックに飲みに行こう」というと、世界的チェーン店である「ハードロックカフェの」偽物という位置付けで、笑い話の一つになっていたものだ。
悪の巣窟のように描かれているマティーニのバーにもジャバ夫さんと行った事が有るが、そんな邪悪な酩酊感のある内装だったかどうか。 ただ普通に美味しいカクテル屋さんだった。 確かにお土地柄、外国人は沢山いたような気がするが、皆が異国情緒にあふれたちょい悪親父ではないので、実に健全なお店であった。
どちらかというと(現地人にとって)高級店に出入りする、若い地元民の方が、何かスネに傷持つ感じで、退廃的な雰囲気やデカダンスな様子だった気がする。 夜中に西洋風のお店に訪れる彼らは、確かにお洒落で、前衛的で、時代の最先端を行っちゃってるのよ、僕たちはもう、というオーラを、自分で積極的に出していた。
そんなわけで、世紀末の上海に郷愁を感じる人は、是非一読ください。 色んな発見があるかもしれない。
和平ホテルの女子トイレに抜け道が有るなんて、知らなかった。 ただバンドで一番綺麗なトイレに、只で入れるだけだと思っていたよ。
皇帝

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