皇帝の日記
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朝起きたら停電していた。
そのうち復旧するだろうと思って、近所のコーヒー屋さんで朝ご飯を食べ、ジャバ夫さんを送り出してアパートに戻ったら、なんとオートロックで閉め出されて、中に入れない。 電動だから。 別の住民が出てくるのを待って、するりと中へ。
帰ってからも、全く電気の気配がない。 サンタバーバラに行くから、掃除して洗濯しないとな〜と思っていたのに。 困った。 と、思いながらも、服やら哺乳瓶やらおむつやらをパッキングし、電気の要らない掃除をしていたら、近所に引っ越してきたお婆ちゃんがやってきた。
お婆ちゃん、多分90近いんじゃないかってくらいよぼよぼしているので、玄関のベンチを勧めたら、それから延々とおしゃべりを初めてしまい、伝記が書けるくらいにお婆ちゃんの人生に詳しくなってしまった。
お婆ちゃんの両親はギリシャ系移民。 お婆ちゃんは昔ヒッピーだった。 サンタバーバラでマリファナを吸って、ハイになって、海岸でハイヒールを無くした。 その時将来の夫に出会った。 子供は6人。 でも6人も産むと、骨が曲がる。 子供は3人で良い。 パクチョイは茹でると美味しい。 夫が7年前に亡くなったときは、死にたいと思ったが、6人の子供が支えてくれたから、乗り切れた。 妊娠中はソファーで居眠りしない方が良い。
というような事を、皇帝の返事とは関係なく話し続けていた。 途中で、記憶の中の誰かと皇帝が混じってしまったらしく、韓国でスチュワーデスをするのは大変でしょ?とか言われた。 そんな素敵なキャリアは持って無い。
やがてお婆ちゃんは隣の家に襲撃をしに行ったので、夕方昼寝を決め込んで、起きたら暗闇。 なんと、日が落ちても電気が戻っていない。 仏壇のロウソクと、結婚式のお祝いにもらったキャンドルに点火して、暗闇の中に座っていたら、外の人が「水が出ない!」と叫んだ。 そいつあ大変だ。 と、蛇口をひねったら、確かに水が出ない。 おーのー。
ジャバ夫さんに電話をしようと思ったら、電話の充電も切れそう。 おーまいがー。
トイレにも行けないぜ。 それから1、2時間くらい、更にふて寝を決め込んだら、突然拍手の音で起こされる。 どうやら、電気が蘇ったのであった。
あーびっくり。 そして、すっかり元通りになった頃、何も知らないジャバ夫さんの帰宅。 大変だったんだからねー、と言っても、あんまり大変な感じが伝わらなくて、がっかり。
話の大半がお婆ちゃんの情報だからか。
今日は母の月命日なので、仏壇にはミカン。
皇帝

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