皇帝の日記
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こないだ、海外のメーカーが来ていたので、会社のデザイナーのために、通訳で商品会議に出席していた。
デザイナーが、メーカーの扱っているワニ革を見たいと言い出した。 だが、ワニは材料として一匹輸入することを、ワシントン条約によって禁止されている。 それなら、丸々一匹製品にして、サンプル品として輸入させたらいい。 バッグの蓋部分を、ワニにしたらどうだろう。
と、そこまでは良かったのだが、「丸々一匹ワニを使う」というアイディア自体に、デザイナーの目がきらりと輝いてしまった。
「ここをこうしてこうして、こんな風に作りたいのです」 と言いながら、デザイン画を書き始めるデザイナー。 そんな彼が書いたワニは、どう見てもツチノコ。
「彼はワニを丸ごと一匹使って、このようにバッグを作りたいと言ってます・・・」 と訳していると、メーカー側からどよめきが。 明らかに、ツチノコみたいな物体が、「クロコダイル」だったことに、驚いている。 しかし、デザイナーは斬新なアイディアに、賛美の声が響いたと思ったのか、うれしそうに絵を続ける。 彼の要求を、訳す皇帝。 「とにかく、頭のてっぺんから、足の先まで、手も全部つけて、製品にします」 またしても、メーカーからどよめき。
手も足もねえじゃん、その爬虫類。
と思っていたに違いない。
皇帝

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