皇帝の日記
目次もくもく|ぶらり過去旅|ぶらり未来旅
皇帝の朝は早い。 ラッシュを避けるので、始業よりも相当早く通勤しているのだが。
会社へ向けて一本道を下っていると、前を行く明らかに不審な男が、当社の駐車場へ入っていった。 あからさまに挙動不審なので、用心しながら門をくぐると、なんとというか、やっぱりというか、車の陰に隠れて、服を脱ぎ脱ぎしていたのだ。
早朝とはいえ、東京の中央高速道路周辺でございます。 車はびゅんびゅん通っているし、人も普通に歩いております。 なんと大胆な犯行手口。 ああ、でも露出狂なんだから、見られる人数が多いほうが良いのか。 とかなんとか走馬灯のように考えながら、しかしこの気まずい状況をどうにかしなければならない。 幸いにも、皇帝よりも10分ほど早く、郵便物管理の人間が通勤して、駐車場に水を巻く習慣になっているから、「Tさん痴漢がいるー!」と呼んだら、ホースを握ったまま、すっ飛んで出てきた。
Tさんは、元大工で、顔の怖さは社内一の人だ。
敵は、計画的犯行ではないために、開いてもいない会社に人が来るとは思っていなかったらしく、服をかき集めて、小走りに逃げていった。 わが社の車の陰に隠れながら、道行く人に露出を楽しもうと思っていたようだ。
それにしてもあの人は、「今日は露出をしにいくぞー」と早く起きたのか、それともたまたまあそこで突然露出したくなったのか、そもそも昨晩から寝ずに徘徊し、露出のチャンスを狙っていたのか、その辺の経緯が気になる。
皇帝

|