凪の日々
■引きこもり専業主婦の子育て愚痴日記■
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とりあえず、温泉に行ってきた。
田舎のひなびた温泉街はうちの郷里に似ている。 温泉の匂いに微かなすえた生ゴミのような臭いが混じっている所とか。
シミだらけのカーペットを敷き詰めた老舗旅館の薄暗い廊下を通って大浴場へ行く。 こんな田舎なのに妙に若い人が多いなぁ…と思っていたら、専門学校の卒業旅行の団体さんが入っていたらしい。 脱衣場は若い女性ばかり。 子供連れは私だけだ。 二十歳前後の若いオーラにちょっと圧倒されながら湯船につかる。
アイとアユムは広いお風呂にはしゃぐ。 アユムは背丈が足りず、湯船でおぼれそうになる。 慌てる私と硬直するアユムをみてアイが笑う。
ふと、こちらに背を向けて上半身を乗り出し、外の景色を見ているお嬢さんの後姿が目に入る。 つややかな背中。ツンと張りのある形の良い乳房。 あぁ、確かに、これらは私からは失われているものだ。
お嬢さん方は脱衣場でなるべく己の裸体が人目に触れないよう服を脱ぐ。 タオルで隠せるだけ隠し、洗う時も人と隣りあわせでは座らない。 そういう恥じらいも、もう無くしてしまった。
アユムがゆだってくる。 体積が小さいと熱の伝わりも早いわけだ。 まだ遊び足りない(?)アイを促し風呂を出る。
無くしたものはたくさんあるだろう。 でも、得たものも同じ数だけあるはずだ。 それを、見つめていけば、生きていくのは容易いのだろう。
とりあえずお風呂上りは牛乳だ。 コーヒー牛乳は却下。 お前達子供に選択の余地はないのだ。アイよ。(←暴君)
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温泉に行ってリフレッシュ!するかと思いきや、なんというか、非日常に一時的に自分の身を置いても、日常に戻れば問題は相変わらずそのままで、単なる現実逃避でしかないんだなぁと思ってしまった。 そうとしか思えない自分が情けない。 気分一新明日からまた頑張ろう…と思えよ。自分。
暁
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