HIDEの日記
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2006年09月11日(月) 9・11

「今すぐテレビをつけなさい!」、受話器越しに指導教官の声が飛び込んで来た。ここは理系修士棟A502号室、指導教官もここにテレビがないことくらい百も承知だ。ただならぬ気配を感じ慌ててインターネットをつなぐ。どうやらアメリカで航空機を使ったテロが発生したみたいだが、みながアクセスしてるらしく、詳細な記事にアクセスできない。その時、研究室では、翌12日にパラグアイへ調査へ向かう後輩(4年生)の調査票作りの手伝いの真っ最中であった。仕方なくテレビを見ているであろう友人に電話で状況を伝えてもらいながら、作業を進める。そのうち、アメリカへ飛行機は当分飛ばない、ということが判明し、後輩の調査出発も延期となり、その夜は家に向かってテレビにかじりつき、これから世界が暴力的な方向に進んで行きそうな気配に震えていた。しかしまだこの時、この1年半後に、このテロから連鎖した戦争の舞台、ヨルダン・イラク国境上の難民キャンプで自分が働くことになるとは思いもよらなかった。



これは、ヨルダンからの帰国後に出版に向けて書き始めた手記の書き出しの部分(結局書き終わらなかった…)。

あの5年前のテロがなければ、今頃なにをしてたんだろう…。フツーに働いていたかもしれないし、ニートをしてたかもしれない。少なくとも医者を目指そうとなどとは決して思わなかったと思う。そして9月11日とか3月20日といった日が来るたびに、自分は今なぜここにいて、なにをするべきなのかと振り返り、そして5年後、10年後の世界を想像してどんよりとした気分になってしまう。


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