加藤のメモ的日記
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2021年03月20日(土) 自殺未遂した女性から「コロナ」で苦しむ貴方へ

生きることを諦めないで

新型コロナウィルス感染者が国内で初めて確認されてから1月15日で1年。経済的に困窮したり、人との接触が減るなどするなど生活は激変し、「コロナ欝」という言葉も生まれた。因果関係は不明だが、コロナ禍で自殺者が増えている。20代の時に自殺未遂がしたことがある九州在住女性(45)から「あなたの匿名取材班」に「コロナの影響で命を絶とうと考えている人がいれば、思いとどまってほしい」との声が寄せられた。

女性は幼少期から人前に出ると強い緊張に襲われ、手や声が震えた。20代で就職した後も震えを隠すために同僚と食事もできず、孤立。「死ぬことしか考えていなかった」拒食症になり、リストカットをした。精神科でうつ病と診断され、睡眠薬を多量に飲んだ。3か月入院し、職場から退職を促され、実家に戻る。震えは続き、「漠然と生きていることが辛かった」。自宅に閉じこもった。

「元気になるいい歌だよ」。妹からある歌手のCDをもらう。♪一人じゃないから、あなたの顔が見たいと思うから♪。「最近笑っていないか」。寄り添ってくれる妹や両親の存在に気付き、涙が止めとなく流れた。30代で結婚し子供にも恵まれた。40代で再び調子が悪くなり通院。病名は、注目の集まる状況で強い不安や恐怖を感じる「社交不安障害」だった。対人関係などが苦手な自閉症スペクトラム障害とも診断された。原因がわかりありのままの自分を説明できることで少し楽になった。精神障碍者保健福祉手帳も取得した。説明しても「気持ちの甘さ」と捉える人もいる。疲労がたまり「頑張れない」と思う日もある。

それでも家族や医師に支えられる日々を重ねる。好きなアニメ映画や新聞の風景写真を見ると心が和らぐ。被災者等辛い体験をしながらも踏ん張る人の話を聞くと、「自分だけじゃない」と勇気をもらえる。知ってほしいのは追い詰められた人の気持ち。行政は「一人で悩まず相談を」と呼びかける。でも「死にたいと考える時点で相談する判断力は残っていないんです」。「『あなたが生きてそばにいるだけでいい』とメッセージを送り続けて」

コロナ過で増える、死にたいと思い悩む人に伝えたい。「死を考えている自分自身を受け入れ、周りに助けてと伝えて。寄り添ってくれる人や場所が必ずある。私はあの時死ねなくてよと今は思える。生きることを諦めないで」


『西日本新聞』1.16


加藤  |MAIL