※白状します。仮すぴで一番好きなサブキャラは、がんがんじいです。 でも、動いてるがんがんじいはほとんど見てなかったりするんだな。色々良くない評判聞くもんだから(^^;;;) 今回の話を思いついたのは、実際にテレビ番組で「パンダの恵方巻き」の作り方を見たから。意外に簡単そうなので感心し、「これならち☆ にも出来そうだな」と思ったんですが・・・何故か 「ちょっと配置を換えたら、仮面ライダーにもなるな」 と思考変換してしまったのが、運のつき。 「ちょっと待て、誰が作るんだよ? ルミちゃんか? まさかおやっさんとか、滝さんはしないだろうし」 とツッコミを入れたくせに、 「けど、もともと恵方巻きって関西のものだから、少なくともルミちゃんは作らないよな」 ↓ 「関西? あー、がんがんじいはれっきとした関西育ちだよなー? 彼なら作るかも・・・」 と言う発想に行き着いてしまい、思わず書いてしまったという・・・。 だって、仮すぴ本編でも、テレビインタビューに答えるために? 手作り人形? 使ってるがんがんじいなんだし、そのくらいはちょっと努力すれば作ることが出来るんじゃないか、って思っちゃったんだもん・・・。あ、勝手に大阪出身、としちゃいましたが、さっき聞いた話によると、恵方巻きは元々大阪でしかやってなかったらしいから。同じ関西でも、京都ではやってなかったと聞いたもんでして。 で、本当は恵方巻きを作りすぎる、ってだけの話にするつもりが、家主にもかかわらず滝さんより喋ってくんない村雨に何か出番を、と思ったら、自然と『バダン壊滅後の、がんがんじいの身の振り方』にまで行き着いてしまったのには、自分でも驚いてます。 別に、筑波さんと行動を共にする、と言う説に異議があるわけじゃないんですよ。ただ、根は優しい男だから、街の復興に苦心する人々を目の当たりにしたら、思うことがあるんじゃなかろうか、と。でももちろん、これで筑波と縁が切れたわけじゃないです。時々はメールであれこれ、やり取りしてるんじゃないかな。その辺は、近日中に後日談ならぬ同日談書くつもり。 しかし、ライダーはずっと好きだったけど、こういう格好で二次創作書こうたあ、予想外だったよなあ・・・。
仮面ライダーたちの活躍によって、悪の組織バダンが壊滅し。 人々が復興へのささやかなる第一歩を踏み出し始めた───そんなとある日の物語。 「がーん がーん がんがらがんが がんがらがんがんがーん♪」 勇ましいはずの軍○マーチメロディーに反して、どこか平和的で、この家の住人たちにはおなじみの歌が、絶好調に鳴り響く。 元は村雨邸であり、現在は地元の病院として昼夜問わず忙しい、ここ海堂診療所は今日、随分懐かしい珍客を2人、迎えていた。 「が〜ん♪ ・・・っと。ほい、おまっとおさん」 そのうちの1人───がんがんじいは、訪ねて来るなり誰も使っていなかったのをいいことに「おっ久あ。ちょい場所貸してぇな」と台所へと押し入って、何やら一心不乱に作っていたのだが。 とりあえずはいい香りが漂ってくる気配に不安半分、期待半分の面持ちで待ち構えていた住人&客の前へ、彼は大皿に盛り付けたものを掲げて現れた。 一目見て皆───絶句。 「・・・・・・」 「どや! うまく出来とるやろ?」 「こ、これって・・・お寿司?」 そう。香ばしい海苔の上に、酢飯と色とりどりの具をバランスよく並べ、巻き簾でぐるりと巻いたその料理。一般的には「太巻き」と呼ばれる、古式ゆかしき『ジャパニーズ・フード』なのだが。 「この模様・・・スカイライダー、か?」 「お、さっすが良はんv よお分かったなv」 普通、かんぴょうだの厚焼き玉子だのの切り口が見えるはずのそれは、緑を基調とした丸型の図形───ぶっちゃけ、村雨良がつぶやいた通り、スカイライダーを模した柄を、皆に見せていて。 がんがんじいは意外に、手先が器用らしい。感心した海堂肇は一条ルミと共に、歓声を上げた。 「ほお、なかなか見事だな」 「ホント、こんな綺麗なお寿司、家で作れるのね」 「えへん、褒めたって、褒めたってv」 「・・・つまり、わざわざこれを作りに、ここへ来たのか? がんがんじい」 「はいな。今日は2月3日やろ? そやから良はんたちと一緒に食べたらええなあ、思うて」 「それは嬉しいんだけど・・・でも、どうして太巻きなの? 節分に関係あるの?」 「何や、知らんのかいなルミはん。まあ、関東にも進出したん、最近やちゅう話やからなあ」 どこか誇らしげに胸を張って、がんがんじいは本日訪問の理由を主張する。 「これ、恵方巻、っちゅうねん。ワイの故郷の大阪の方でやな、その年の、歳得神がおられる方角に向こうて、太巻き1本を目ぇ瞑って無言で食べきったら厄落としになる、言われとるん。 あ、今年の恵方は北北西やから、あっちな」 そう言いつつ指し示すのに、皆は思わず釣られてそちらを見やったのだが。 「あ〜ん。・・・ふむ、この味は青海苔と、赤紫蘇・・・は目の色か? 結構食えるもんだな。んまい」 ひょい、ぱく、と。 協調性を思い切り無視した上に、住人を差し置いて盗み食い、と言う暴挙に出たのは、この日偶然居合わせた珍客その2、だった。 「あったり前や。食えるもんやないと、人前に出したりせんわ・・・って、そやなくて! 滝はん! あんさんいつの間にっ!」 「いーだろーが。食うために作ったんだろ?」 「あんさんは想定外やあああああっ! 何、そのでかい態度!?」 食べて当然、とばかりに悪びれない滝和也がさらに手を伸ばそうとするのを、がんがんじいは体を張って止める。 止めたついでに、太巻きの皿を素早くルミに手渡しておくのも、忘れない。 「何で、滝はんまでココにおるん? あんさんアメリカへ帰ったンやなかったんかいな。仕事サボっとんのか・・・あ、ひょっとしてクビになったんやったりして?」 「てめえ何縁起でもねえコトを・・・★ 厄払いしに来たんじゃねえのかよ? これも仕事の一環だっつーの。事後処理とか、経過報告とか、事情も顔も分かってる俺の方が、何かと都合がいいだろうが。・・・しっかし、やっぱり米は日本が一番だなー」 ご飯粒のついた指を舐めながらそう答えた滝は、『スカイライダー太巻き』にまだ未練があるらしく、ルミの持った皿をちらちら眺めている。 そして村雨はと言うと、こちらもつられてつまみ食いを決行しようとしてルミに叱られ、海堂には呆れられていた。 ラップラップ、と台所へ取って返すルミを見送り、海堂はふと浮かんだ疑問を口にする。 「ところで、恵方巻きってさっきも言ってたけど、太巻き1本を食べ切るんだろう? さっきのがもう、切り分けてあったのは何故だい?」 「いやー・・・作るンがスカイライダーでっしゃろ? 平和をもたらした仮面ライダーを食う、言うて、逆にバチ当たりそうな気がするもんやさかい」 ネオショッカーの首領とかを作れたんなら遠慮なく一本かじりしてやったんに、と、苦笑するがんがんじい。 「だったら、最初からそっちを作ったらよかったんじゃないのか?」 村雨の疑問もごもっともだが、「わい、そこまで器用やないし」とがんがんじいは続けた。 「この間休み時間中にテレビで、パンダの巻き寿司の作り方やっとったんや。案外簡単な仕組みやなーって思うたんやけど、ひょっとしたら仮面ライダーに転用できるんやないか、て思いついて・・・やっぱうまくいったわ〜v」 「パンダ、ってお前・・・★」 ───似ているような気が、しないではないが、だが、しかし。 仮面ライダーをパンダになぞらえる、なんて、結構大胆だよなあ、と滝辺りは思ったりする。 ・・・ただ、平和の使者にも例えられる世界的アイドル? と肩を並べるのなら、まだ光栄な方だろう。彼らを知らない一般人にはむしろ、怪人呼ばわりされるのが常だったし。 一方、大皿にラップをかけて戻って来たルミは、ふう、とため息をついた。 それはどこか、落胆の色もこめられているようにも見えて。 「ルミはん、どないしたん? 口に合わへんか?」 「あ、ううん、そうじゃないの。ただ・・・」 口ごもりながら落ち着きなくチラ、と傍らに立つ村雨へと視線をやるのに、滝も、そしてがんがんじいも気がついた。 ───ははーん、ZXを象った太巻きも作りたい、と思ってんだな? もともと女の子は、可愛らしいものが大好きだ。売っていれば買いたくなるし、作ることが出来るのならば自分で作りたい、と思って当たり前だ。 それを察したのだろう。がんがんじいは自分の胸をどーん! と叩いて請合った。 「別の模様の恵方巻きも作りたいんやな? 大丈夫だいじょぶ、ワイもパンダ巻き寿司からヒント得た、言うたやろ? ちょっと配色とか変えたら、すぐ出来るて」 「ホント?」 「ホンマホンマ。そや、材料まだあるさかい、もっと色々作ってみよか?」 「うん! ちょっと待って、メモ用紙持ってくるから!」 「よっしゃ、ぎょうさん作るで〜」 嬉しそうに台所の準備をしに姿を消す、ルミとがんがんじい。 和気藹々とした2人を見送って、滝はぼそりと呟く。 「パンダの恵方巻き、か。そんなのをテレビで話題にしてた、ってのは、やっぱ日本が平和になった証拠だな・・・」 「そう、だね。去年はとても、それどころじゃない状況だったし」 海堂が答えるのに頷いて、滝は無言のうちに村雨の腕を軽く叩く。 それは、村雨たち仮面ライダーへの感謝の気持ちからであり、村雨のくすぐったげな、かつ誇り高き笑みは、滝からの賞賛をきちんと受け止めている証拠だ。 彼に不敵な笑みを返した滝は、ふと別の疑問に気づく。 「しっかし・・・何でがんがんじいもわざわざこっちに来て作ろう、なんて思ったのかねえ? 自分たちだけで食べてる方が、金だって時間だってかからないだろうによ」 「今、がんがんじいと筑波さんは別行動をとってる、って聞いてるが」 「え? そうなのか?」 「・・・筑波さんたちは治安維持のために、日本各地に散っているんだろう?」 SPIRITSの隊長ともあろう男が知らないのか? と村雨が眉をひそめるのに、滝は慌てて言いつくろう。 「あ、イヤ、ライダーたちが、バダンの残党たちの一掃に乗り出してるのは、知ってるぞ勿論。ただ、あいつが単独行動とってるとは、聞いてなかったもんだからよ」 バダンは壊滅したものの、下っ端たちが生き残りよからぬ野望を持たぬとも限らない。それで『一応念のため』、仮面ライダー及びSPIRITS隊員が各地方に飛んで、調査や探索に乗り出しているのだ。 むろん、バダンでなくても妙なことをしでかす犯罪者予備軍にも、ちょっとお灸を据えてやる任務を兼ねて。 だから、スカイライダーの相棒を自認するがんがんじいも、てっきり筑波洋と行動を共にしていると思い込んでいたのだ。 何せ、改造人間でもなければ、正規の訓練を受けた戦闘員でもないにもかかわらず───いくらSPIRITS隊員の助けがあったとは言え───バダンのピラミッド入り口の鍾乳洞へ突入するわ、巨大なキングダークへダイブかつ潜入するわと、無謀な作戦を敢行したのみならず、ほぼ無傷で生還しているぐらいの言わば『有限実行型』。 その2つが他ならぬ、滝を(結果的にだが)助けるためだったことを知っているだけに、まさか今更筑波と別行動を、とは考えつかなくても無理はない。 首をかしげた滝が「あいつら喧嘩でもしたのか?」と呟くと、村雨からのやんわりとした否定が入る。 「どうせなら自分の強力(ごうりき)を有効利用したいから、って、復興作業の方に協力しているらしいぜ。 残党一掃は筑波さんたちに任せておいても、もう大丈夫だろう。だから、今自分は、自分の手が届く範囲で人助けをしたいんだ───そう言って筑波さんを送り出したんだって、この間メールで聞いた」 村雨にそう言われ、滝はここへ来るまでに見た、少しずつ復旧しつつある街の様子を思い出す。 諍いつつ、文句を言いつつ、建設現場で働く人々は、それでもどこか前向きで、明るくて。バダンを倒したあの時より殊更、日本が平和になったんだ、と実感させてくれる彼らの姿。 がんがんじいも、だから、少しでも彼らの力になりたいと、戦線離脱を決意したのだろう。そして筑波もきっと、笑顔で送り出したに違いない。 ただ、それでもどうしても、筑波たちのことを思い出してしまう時もある。戦いにはケリがついたとは言え、ふとしたことで彼らの身を案じてしまう。とは言え、事情を知らない一般人の前で彼らの話題を持ち出しては、差しさわりが生じる。 だから、心置きなく話が出来るここへ来たのだろう。恵方巻きの厄落としを、半ば口実にして。 「ほ〜い! おまっとうさん! 出来たで、ワイらの最高傑作!」 「見て見て良さん! 綺麗なの出来たんだから」 それでは、遠慮なく。 厄落とし効果抜群そうな、英雄たちの恵方巻きを戴こうか。 《終》 ◆おまけ◆ 「で・・・どーするんだよ、こんなたくさん作って。そんなに食えねえぞ俺は」 「そやかて、せっかく酢飯が仰山あったから、使い切らんともったいいし」 「そ、それにZXとスカイだけだと、偏り過ぎでしょ?」 「まあまあ。万が一食べ切れなくても、診察所に来る患者さんたちに配ればいいだろう?」 「配るのか? 俺が全部食うのは、ダメなのか?」 「・・・村雨、お前どんな食欲してんだよ・・・」 ---------------- ※一日遅れのネタでごめんなさい。後書きは翌日名義の欄にて。
イヤー、久しぶりの更新がこれとは(^^;;;) けど、今を逃したら、多分UPすることもかなわなくなるんだろうな、現在の原作の流れじゃ、と、思い切って更新することとなりました。 あれは、確か原作にて藍染編に差し掛かった頃。マイPCにロムってあるデータ内にどれだけコンのことが書いてあるか把握したくて、「コンちゃん」の言語を含む文書ファイルを検索したんであります。何で単純に「コン」じゃなかったのかというと、「パソコン」とか「■リコン」とかで引っかかってくるのが目に見えるんで。ついでに言えば、「ちゃん」付けするのは多分織姫辺りだろうから、ピックアップされるのは贔屓のイチオリものになる、とせこい目論見したんですよ。 が、実際に検索してみたら、明らかにBL■ACHとは違うものが出てきまして。「他のジャンルでも『コン』って愛称のキャラがいたっけか??」と読み進めたところ・・・それが一護曰くところの『夜の家族計画』に必要なもの、だったワケ。いやー、笑った笑った。 で、気持ちがある程度落ち着いた時分に、ふと「コンがこの事実知ったら、どう思うかな? 怒るかなあ?」と考えたことが、今回の話を書く発端となりました。 ・・・まあ、一護がうろたえるであろうことは、原作で夜一さんのすっぽんぽん見せられた時の反応で、想像出来たんですよね。けどさあ一護。正直それは、君のネーミングセンスが原因だから。「カイ」にしておいた方が良かったんじゃないのかね、今にして思えば。(^^;;;) しかし、この話を思いついた前後に、原作の番外編にて浦原氏がコンのこと「ちゃん」づけしてた、って話を聞いたんで、おまけに書き足しておいたんですが、ホントですか?? 未だに確認できてないんですけど(^^;;;) 今一番の懸念。この日記、ちゃんとUPされるのか? コンちゃん、なんていうのが、所謂カキコ禁止用語になってないか? ってことなんですよねえ。
「俺さあ・・・一護たちが学校行ってる間、ずっと暇だろ? 縫いぐるみの姿じゃ、外も出歩けねえし。だから、部屋にある本とか雑誌とか、良く読んだりしてるんだけどよ・・・」 「それが一体、何だというのだ?」 「結論を急がないで下さいよ、姐さん。順序、ってもんがありますから。 俺はどっちかって言うと、特盛の女の子のグラビア写真とか、見たいなとか思ってるんだけど、あいにく一護の野郎はほとんど持ってないしよお・・・」 「放っとけ☆」 「ちょっと待て。『ほとんど』と言うからには、極少数ではあるが、一護も持ち合わせているということなのだな? 『とくもりのおんなのこのぐらびあしゃしん』とやらを」 ・・・そこで何で鋭いツッコミ、するんだよルキア。 「断っとくけどな。アレは啓吾が押し付けてきたんだ。俺は、その、ちょびっと見ただけで・・・」 「ほお、見たのか」 「だから、ちょびっとだけだって!」 「言い訳する辺り、怪しいではないか。・・・よもや一護、貴様の頭の中で、井上にぐらびあしゃしんと同じ姿をさせたりしているのではあるまいな?」 水着姿で挑発的なポーズをとる、プロポーション抜群の井上・・・!? 「だあああっ、思わず想像しちまったじゃねえかっ! てめえルキア、そうやっていらん煩悩の種をばら撒く方が、よっぽどタチ悪いって知ってるのかっ!」 「私は井上の心配をしたまでだ! 友人の身を案じて、何が悪い!」 理性を必死に保とうとする俺と、一応あくまでも純粋に井上を心配しているらしいルキアは、その場で一触即発の状態に陥ったのだけれど。 ダンッ!! すさまじい音にたじろげば、そこには完全に目の座ったコン。 デオドラントスプレーの底を渾身の力で机に叩きつけて、俺たちの口論に割り込んだのだ。 それこそ、もしヤツが握力増加型の改造魂魄だったら、さっきの勢いでスプレーを握りつぶしかねないような、とてつもない剣幕を漲らせて───。 「・・・話、続けていい、よな? 一護。姐さん」 「お、おう、悪かったな」 「ど、どうかお話を、続けてください〜」 いつになく静かな殺気に満ちた形相で、たちまち消えうせるのは俺の煩悩。 静かになった俺とルキアを一瞥してから、コンは話を再開させた。 「・・・特盛のグラビア写真はなくても、暇持て余してりゃつい読むってもんだよな? それで俺もあれこれ読んでたんだけどよ、そのうち記事の部分も読み飽きてよ。所謂読者コーナーにも目、通したんだ」 「読者コーナーって・・・アレかよ? 投稿で本音暴露しまくってる」 「一護も読んだのか?」 「た、確かに読んだけどな。女の本音ってヤツがちょっとヤバ過ぎて、中途で読むのやめちまったよ!」 「ヤバ過ぎるって・・・そんなに際どい話題ばかりだったのか?」 「そうだよ! はっきり言って、男の夢とか理想とかぶち壊す代物だったんだよ!」 「そう言うヤバい投稿文章を、貴様も何だかんだと読んだ、と」 「あのなあ・・・」 コホン。 「・・・スミマセン。話の腰を折ったのはワタクシです」 「ちゃんと聞きますから、続きお願いします・・・」 さっき以上に不機嫌なコンの視線に、俺もルキアもつい下手に出てしまう。 ───しかし、ここまでコンのヤツをマジにさせる話題って、一体何なんだよ? 「とにかく、その読者コーナー読んでたらよ。ちょっと気になる固有名称があってよ」 「気になる固有名称?」 「おう。変だな、って思って、他の雑誌も読んでみたら、そっちにも何箇所かあってさ。話の前後から察するに、どうやらやっぱり同じもののこと指してるみたいで」 コンの長ったらしい話も何とか、本題にたどり着いたらしい。 「『買いだめする』だの『財布に隠す』だの書いてあるから、どうやら何かに使う道具だ、ってことは分かったんだけどよー。その後ほとんど決まってHな話になってんだよ。やれ、彼女を連れ込むだのなんだの」 「・・・その、何冊かの雑誌に共通して登場する道具とやらが、コンが気になっているものなのだな? それで、一体それは何なのだ?」 いい加減焦れたルキアが、話の要点を絞って、一気に畳み掛ける。 俺は少しヒヤリ、としたが、さすがにコンも彼女のやり方をそれ以上は、非難しなかった。 ただし、ふと見ればコンのやつ、何故か顔の辺りが赤くなってる。・・・いい加減、その仕組みと素材に疑問が残るぞ、縫いぐるみ。 「だから、その・・・『コンちゃん』・・・です」 「「───はい??」」 俺とルキアは、見事にハモった。 さっきまでの剣幕はどこへやら。俺たちの視線を浴びたコンは何やら、身の置き所がなさそうな、いたたまれなさそうな雰囲気になっている。 「あちこちの雑誌で、やたら『コンちゃん』って言葉が多用してありまして・・・」 「ええと、それってひょっとして、さっき井上にお前が『君』付けて呼んでくれ、って頼んでた理由なのか?」 「・・・まあな・・・」 「だからどうして、そんなにコンが恥ずかしそうにしているのだ? 犬や猫の名前に同じ名前をつけていても、別におかしくはないと思うのだが」 「だよなあ。どっちかって言うとその名前、キツネにつけそうな感じだけど」 実際、俺がコンのことをそう呼ぶたび、事情を知らない奴らは首を傾げてたっけ。コンのヤツはどこからどう見てもライオンの縫いぐるみで、キツネには見えないもんな。 が、コンはそんな俺たちの様子に、深々とため息を付いたのである。 「やっぱりか・・・ひょっとしたら、と思ってたけどよ、一護。お前、全然知らなかったんだな・・・。 ま、知ってたら絶対、井上さんのこと止めただろうけどよ・・・」 「はあ? 何をだよ?」 「姐さんが知らないでいてくれたのは、ある意味ホッとしたなぁ・・・」 「どうして私が知らないと、コンがホッとするのだ?」 「いえ・・・姐さんはいっそ、そのままのアナタでいてください・・・」 何故か遠い目で、昔を懐かしむようなコンの様子に、俺は唐突だけどイヤーな予感がしたのだった。 ───あのコンが、持って回った言い方でなかなか本題に入らなかったぐらい、デリケートな問題らしくて。 どうやら一般的に、俺くらいの年齢の男子なら、知ってて当たり前。付け加えれば、Hな話題にはつきものらしい代物で。 ついでに、コン的にはルキアには、出来たら知らないままでいて欲しいもの。 それが、あちこちの雑誌の読者コーナーで、一様に『コンちゃん』と呼ばれている・・・。 そこまで推理したところで。 「・・・・・・・・・っ!?」 俺の顔面は、一気に沸騰寸前に陥った。 イヤ、顔面だけじゃない。体中の血液が一瞬で逆流したように思うのは、絶対錯覚なんかじゃないぞ! 「ココココ、コンっ! ひょっとして、ひょっとしてお前の名前をカタカナにして『ちゃん』づけすると、所謂『夜の家族計画』に必要なものになる、のか!?」 「そうなんだよ・・・。俺も最近までは知らなかったんだけどよ・・・しかも、一護の世代がその呼び方、ドンピシャらしくってよ・・・」 「なんでだあああっ! い、いくら頭2文字が同じだからって、何でアレを指す名称になるんだよっ!?」 「知らねえよっ、てめえら人間の考えてることなんざっ!」 「俺が考えたんじゃねえよっ!」 「俺の名前付けたのは、一護じゃねえかっ! あン時も安直過ぎるとは思ったけどよっ、もっと盛大に反対しとけばよかったって、後悔してんだぞ俺はっ!」 「・・・・・・っ! 過去の俺の大馬鹿野郎おっ!!」 ───そりゃ、コンとしても気まずさ大爆発だったろう。必死こいて、井上に『君』付けしてくれと頼むわけだ。 ここまで名前が馴染んでしまっては、今更改名するわけにもいかないし。 ある程度叫びまくって気が済んだのか、いつしかコンの背中に漂うは、そこはかとない哀愁。・・・イヤ、マジで。 「フッ・・・何も知らなかったあの頃が、今となっちゃ懐かしいぜ・・・けどアレ以来、井上さんに『ちゃん』付けされるたびによお、俺は・・・俺はなあ、気が気じゃなかったんだぞ」 「うっ★」 「だってよお・・・あれじゃまるで、純粋無邪気で何も知らないいたいけな女の子に・・・身近な存在で言えば遊子辺りに、スケベな言葉を言わせて悦に浸ってるド変態、みたいじゃねえか・・・!」 そ、それはあまりに嫌な例えだな、をい。言いたいことは分かるけど。 とは言え。 「コン・・・俺は少しだけ、お前を尊敬するぞ。お前がそこまでの変態じゃなくて、一応は理性ってモンを持ち合わせてる改造魂魄で、ホントーによかった」 「分かってくれるか、一護」 「今だけだけど、理解してやるぜっ」 ガシッ! と派手に大げさな抱擁? を交わす俺とコンを、しばらくルキアは不思議そうな顔をして見ていたのだが。 唐突に思い当たったらしく、ぽむ☆ と手を合わせてから口を挟んできた。 「・・・ああ! なるほど。さっきから何を言ってるのかと思ったら、ひょっとして、避・・・」 「だあああああっ! 頼むから、頼むから姐さん、皆まで言わないで下さいいいっっ!」 「確かに気まずかろうな。あの井上に呼ばれる度、コ▲ド・・・」 「ルーキーアー! 俺たちは千本桜の錆にはなりたくねえんだよっ! 口を謹めっ!」 卑猥と言うほどのものではないが、うら若い? 女の口から簡単に飛び出ていい固有名称では、決してなく。 ましてや、妹可愛さが度を過ぎる某・義兄が聞きつければ、その一因を作った者を生かしておくはずもない。 俺とコンは、わが身可愛さの意味も込めて、ルキアの暴言を止めるべく、躍起になったのであった。 ◆おまけ◆ 「ねえねえ。この間浦原さんに会ったら、コン君のこと『ちゃん』付けしてたよねえ? いいの? 子供っぽいのイヤなんじゃなかったの?」 「あいつはヘンタイだからいーんだ。俺は子供で結構☆」 「ヤツが変態だと言う意見には、反対しないな私も」 「てか浦原さん、絶対確信犯で言ってるよな? アレ。何考えてんだか」 「? 何のこと?」 「「「井上(さん)は知らなくていーんだ!(まだ)」」」 「??????」 【おしまいv】 後書きは翌日名義の日記にて。
※くれぐれも念押ししますが、これは劇場版第3弾とは何の関連もありません! その辺、妙な期待をしないで下さい。 ※下ネタと言うにはささやかな下ネタ、あります。万が一意味が分からなくても、家族や異性のお友達には質問しないこと。ましてや教師になど、絶対聞かぬよう。未成年者は年齢が成年に達するのを、素直に待ちましょう・・・つまりは、そーゆー方向の話題です(ーー;;;) ※ち☆ はイチオリ派です。この話もイチオリ前提です。現在連載中の原作とは、かーなーりー食い違った内容となってます。だって思いついたの、藍染編の時だったんだもん・・・☆ 「悪いけど井上さん! これからは俺のこと、『君』付けで呼んでくれねえか!」 とある日のこと。 ウチの縫いぐるみの居候がいきなり、遊びに来ていた客にそう持ちかけた。握りこぶしつきの気合いと共に。 君の名を呼べない 確かアレは、俺が一緒にテスト勉強をしようと、井上を俺の部屋へ呼んだ日だった。 まあ試験勉強と言うのは半ば口実で、本心は「テスト中も井上に会いたい」からなんだが、彼女は嫌がらずに・・・どころか、ひどく嬉しそうに来てくれた。 で、その事態にもっと喜んだのは、件の居候・コンなわけで。 一応はテスト勉強が建前なだけに、俺たちが勉強中はおとなしくしていたものの、休憩に入るとイロイロと騒々しくなった。俺を差し置いて(!)井上に飛びつきかけたり(むろん足蹴にして阻止した)、教科書を眺めて分からなかったことを尋ねたり(教科書の大半が該当したが)。 その間、井上はコンのことを『コンちゃん』と呼んでいたのだが、どうやらそれが気にいらなかったらしく───唐突に、先ほどの発言が飛び出したんだ。 本人曰く「子供っぽい」だそうで、俺達同様是非『君』付けで呼んでくれと、しつこく念を押していたっけ。 当の井上は、と言うと、コンの意図が今ひとつ分からないまでも、 「じゃあ、今度からコン君って呼ぶね?」 と快くその申し出を受けてくれ、その場はとりあえず収まったのだが。 「・・・おい一護。ちょいと男同士の話し合いをしようぜ?」 井上が帰り、部屋の後片付けをしていた俺にコンが、ヤケに神妙な顔つきで話しかけてきたのである。 ---------------------------------------------------------------- 珍しく、奴の眉間には皺。「縫いぐるみがどうやって眉間に皺を寄せるんだ?」との意見も出ようが、そんなことを気にしていたらコンの存在自身ありえねえことになるんで、この際は棚へ上げておく。 ・・・まあつまりは、いつものおちゃらけた雰囲気じゃなかった、って意味さ。 しかし、常日頃の行いが行いだ。少なくとも俺は、奴の言い分を言葉通りに受け取る気分にはなれない。 そして、俺と同じ心持ちの奴が、実は室内にもう1人いたのである。 「何だ、男同士の話とは。コン、私は除け者なのか?」 たまたま今日俺んちに来ていて、当然井上との勉強会にも参加していたルキアだった。 彼女にはいろんな意味で弱いコンのこと、思わぬ方角からの横槍に、途端にうろたえ始める始末だ。 「そ、そんなつもりはありませんぜ、姐さん。ただ、その、男同士じゃないと分かり合えない事情って奴も、あるってことで・・・」 「だから、その『男同士でないと分かり合えない』事情とやらは何だ? と聞いておるのだ、私は」 「う・・・」 「私に、隠さねばならないことなのか?」 ───知ってる奴もいるとは思うが、念のため。 ルキアはいたく、井上のことを気に入っている。彼女を助けたいがために、尸魂界からの制止も何のその、恋次と一緒に虚圏へ、俺たちと合同すべく乗り込んだぐらいだ。 ひょっとしたら所謂『女のカン』で、何かよからぬことをコンが企んでいるのでは、と懸念したのかもしれない。だから───今になって思えば、だが───自分がこの場にとどまることで、コンの企みとやらを阻止しようとしたのではないだろうか。 ルキアの『私を出し抜いて井上にチョッカイ出そうとしても、そうはさせないぞ』を言わんばかりの視線に、さすがのコンも折れた。 が。てっきり『男同士の話し合い』をやめるのかと思いきや。 「・・・だあああっ! 分かった、分かりましたよっ、姐さんも聞いててイイですからっ。 けど、今のうちにくれぐれも断っておきますけど、『聞くんじゃなかった』だの『女の私に聞かせる話題ではなかろう』とか言うの、絶対にナシですからねっ! マジっすよっ!」 コンは予想に反して、ルキアを同席させてまでも、自分の意志を貫く道を選んだのである。 ・・・これには俺にも困惑するしかねえ。 だって、コンの今の言い草じゃ、あまり人には聞かれたくない話題であることは明白。なのに、ルキアが居合わせるのを許すなんて。 よっぽど切羽詰った事情があるのか───自然、眉間にいつもの倍、皺が寄る俺に、だがコンは、なかなか本題に入ろうとしなかった・・・・・。 (後編に続く・・・)
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