moonshine  エミ




2003年07月04日(金)  酔弱記、アウト オブ コントロール

 やっちゃいました酔っちゃいました。
 
 シズラーッ子(=学生時代のバイト仲間)きくちんが、仕事のため二ヶ月ほど帰福。ということで、早速飲みにいく。
 スーツ姿のきくちんは、なんかセンスいいネクタイをしててイカしてた。そうだ、この人、おしゃれな人だった。と、思い出した。

 サシ飲みしても何の心配もない気心の知れた男友だちって、良い。
 男の子、男の人って、やっぱり女友だちとはまた違った良さがある。
 むしろある種の女の子と話すより、よっぽど気を遣わないなーと思うときがある。
 きくちんと私は不思議に仲良し。
 話が弾み、お酒がすすむ。

 ワインのボトルが一本なくなりそうになる前に、
「これなくなったら、わたし『もう一本飲みたい』って言い出しそうだけど、止めてね。ぜったい。
 わたし、明日(土曜日)も朝から会社やけんさ。」
 と念を押した。

 が、その後、結局もう一本頼んだのか、どうなのか。

 すっぱり記憶がない。

 お勘定をした記憶も、お店を出た記憶も、駅まで歩いた記憶も、きくちんとバイバイした記憶も、電車に乗った記憶もない。
 
 はっと気づくと、私が降りるべき駅より一つ手前の駅前の路上で、寝てた。
 とても気持ちよく、寝てた。
 足を伸ばして座った姿勢から、上半身を横に倒して。

「ちょっとちょっとー。こんなところで寝てたら、危ないよ。」
 と、起こされた。3人組の、若い(でも私よりは年上そうな)男の人たちに。
 12時45分だった。一時間ばかり寝てたみたい。
「だって眠いんだもーん」
 酔っ払い継続中の私は、むにゃむにゃそんなことを答えた、と、思う。
 起こされてもまた、倒れこんで寝ようとしてた。
「危ないってばー。家、どこ?」
 そんなやりとりをしばらくしたあと、またしばらく記憶が途切れる。
 
 ふと気づくと、3人組の中の一人の人と、深夜の道を歩いてた。家まで。
 社名の入った作業服を着て、自転車を押しながら、私に合わせて歩いてくれるお兄さん。
 酔っ払い全開の私は、へらへらしたり急に立ち止まったりしながらてれんぱれんと歩いてる。

 エミ「何歳ですかー? ねえねえ。」
兄さん「31だってば。それ、5回目だよ聞くの」
 エミ「明日、仕事なんですよー。9時から」
兄さん「おれ、朝6時から」 
 エミ「水が飲みたい」
兄さん「・・・・」
 コンビニで水を買ってくれる。その間、私はコンビニの駐車場に座り込んで待っている。

 あたしの馬鹿! バカバカーーー!!
 自分をボコボコにしてやりたい。

 30分か40分くらい歩いて、家のほど近くまで着た。
「あーっ、わかったー、ここ、あたしんちの近くだー」
 というと、お兄さんは、「気ぃ付けてな」なんて鮮やかな引き際で帰っていった。

 ・・・酔っ払いながらも「あーこれって下心あるのかなー。今なら簡単だこんなオンナ、なんて思っててもおかしくないよなー」と思っていたのに、なんか全然そんな気配がなかった。
 家にたどりついて鏡を見たら、もんのすごく不細工だった。飲みすぎた顔。
 こりゃ下心も起きないよな、と納得。
 でも、深夜の妙な散歩をお兄さんも楽しんでたようでは、あった。私も、けっこう楽しくもあった。(楽しんでる場合じゃない!!)

 だいぶ歩いて少し正気にもどり、お風呂に入り、パソコンを開いて、くったりと寝る。

 朝。
 起きると、気分悪し。
 きくちんにも迷惑をかけただろうとメールすると
「えっそんなに酔ってたの? しっかりしてるみたいだったのに・・・」
 と驚いた様子。
 私、かわいい乙女心を次々と激白してたらしい。
 いったい、何を言ったんだろう・・・。
 まったく覚えていない。こわい。
 乙女人間ぶりが意外だと、きくちんはひたすら面白がっていたけど。
 ほんと、何を言ったんだろう!!

 食欲なく、お茶を飲んで歯を磨いていると、うっ・・・ときて、トイレへ。吐く。
 翌日に吐くのは、当日の夜に吐くのよりも、よほど苦しい気がする。

 猛反省。
 やっぱり一年に一度くらい、こんなことが起きてしまう。
 夏だ。夏は危険だ。
 前回、路上で寝たのは去年の8月。
 2万円以上入った財布をなくして、カード類も免許証も消えた。ついでにMDウォークマンも消えていた。
 今回は何もなくさなかったし、なんとなく人のいいヒトに拾われたけど、
 目が覚めたら輸送船に乗っていて、陸に下りたら違う国だった、なんてことになってても本当におかしくない状況。
 起きたら見知らぬベッドで横に見知らぬ男が・・・とか。しゃれになりません。
 
 泥酔するときは、さっきまで普通だったのに、あっという間に境を越えてしまう感じ。急に、くる。
 量の問題じゃない気もする。昨日はそれほど速いペースで飲んだわけでもない。ただ、体はけっこう疲れていたなあ。
 あー、こんな年して、泥酔っぱらいなんて。
 各方面に申し訳なく、恥ずかしく、もう、明るい道は歩けません、ってな気分になる。





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2003年07月03日(木)  曇った空に

 朝顔を見た。
 フェンスに蔓を絡ませていた。
 濃い濃い青が、いかにも野生という感じだった。わずかに、白のふちどり。一輪だった。
 もちろん朝の話である。
 だから電車を逃さないようにと立ち止まらなかったし、私は近眼でクリアな視界を持っているわけではない、もしかしたらそうあってほしいという無意識も作用してるかもしれないけれど。
 それにしても凛とした咲き方だった。と、思う。
 明日の朝も、見られるかなあ。

 空は雲って、昼には降りだしてしまったけれど、あの青。
 もう、夏だ。

 朝顔。
 ひとり一鉢をもらって育てた小学生一年生の頃、もう、18年も前か。
 ぱあっと咲いてくれたのは覚えているけど、その花びらが何色だったのかどうしても思い出せない。
 夏休みが始まる前に鉢を家に持って帰らなければいけなくて、それが重くて重くて、お友だちと一緒に少し歩いては下ろし、歩いては下ろししながら帰った記憶は鮮明なのに。

 そういえば、『源氏物語』に「朝顔の姫君」という登場人物がいる。
 高貴な宮家のお生まれ、お育ちで、物静かだけれど芯の強いひと。
 あまたの光源氏の恋のお相手の中で、色好みの彼の誘いに乗って夜を共に過ごさなかった女人は、この朝顔の姫君と、あともう一人だけである。
 千年の昔から、その花のイメージはやはり清冽なものだったのだろうか。

 ちなみに、“あともう一人”が誰だったか、少し考えて思い出した。
 そうそう、玉鬘の姫君だ。
 この姫は、夕顔の君の娘、忘れ形見なんだよね。
 夕顔の君というのは光源氏がまだ若い頃の恋人で、風になびくように源氏に身をまかせるのだけれど、ご存知、嫉妬に狂った別の恋人(六条御息所)の物の怪に殺されてしまうのだ。
 朝顔、夕顔、その娘。
 ちょっと面白いな、とひとり考えるわたくしでした。

◇◆◇
 さて、先日、『ふくろう』での演技で、大竹しのぶがモスクワ国際映画祭最優秀女優賞に選ばれた。
 その『ふくろう』、新藤兼人の監督作品であるという。
 がぜん、見たくなった。
 新藤兼人といえば、一昨年のマイベストビデオ『おもちゃ』の監督である。続けて3回見た。小説も買った。
 清らかさとみだらさ、明るさと物悲しさ、そりゃもうステキな映画だった。
 しかし、新藤さんて91才なんだって。監督って・・・できるんだ・・・。すごいなあ・・・。





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2003年07月02日(水)  フレンチキッス

 届けものがあり、珍しく平日昼間の天神へ行く。
 通りでティッシュを配るひとりの女の子を、しげしげと見てしまった。
 ひとりひとりに笑顔を見せて、声をかけながら手渡している。
 武富士やアイフルのお姉さんのティッシュ配りのように、ルーティンワーク感を漂わせつつ、ちょっとだけ媚をまぶしたような感じの良さとは全く違って、
 とにかく元気で、声がよく通って、パチンパチンと弾けるようなさわやかさ。
 とあるバンドでドラムを叩いてる女の子だった。
 私よりもちっちゃい子。でも、びっくりしない人はいない!と断言できるほどにおっそろしくパワフル、かつ感情のこもったドラムを叩く子。
 いつ見ても元気な子だなーとは思っていたけど、まさかティッシュ配りのときまでこうだとは、まったく、おそれいった。
 いつでも誰にでも誠実に正面きってあたっていってるんだなー。
 だからこそ、いつもあんなふうに胸を張っていられるのかも。
 ちょっと、感動的だった。

 仕事のあと、映画を見に行った。
『NOVO』
 説明が少なく少なくされていたのですっきり解決というわけではなく、
 登場人物たちの心の動きすらつかみにくく、
 終わってから疑問点を反芻してみたら後から後から湧いてくるのだが、わからないにしても後味のいい映画。
 後味だけじゃなくて、見ている間もとても楽しかった。
 深いものはないんだけどね、出てくる人がみんなコケティッシュで、セクシーさにいい意味で妖しさがない。
 フランス映画ってけだるいイメージあったけど、最近はライトなのも多いのかな。
 あ、でも、「フレンチキス」と言えば、チュッ、てやるかわいいやつのことだよね。





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