| moonshine エミ |
| 2003年01月17日(金) 会社がちょっと楽しかった日 | ||||
| 今後の打ち合わせのために、午前中、監査法人の事務所へ。 普段はめっきり会社に引きこもっているので、代理が私を気晴らしに連れて行ってくれた、という感じ。 わざわざ私服に着替えて、出かけた。打ち合わせが終わったら、寄り道しようという魂胆だ。 たまの外出は楽しい。 おりしも今日は久々の青空、空気もあったかい。 向こうの主任と代理の話を、横で聞く。 なかなか報われない仕事の打ち合わせだ。 大変そう。あんまりやりたくないなぁ。やるけど。 いつもはうちの会社でばかり会っている向こうの主任さんは、若いけれどかなり出世頭で、人当たりが柔らかく、如才ない。 でも、確かに切れモノなのだ。 あんまりセカセカして見えないけれど、相当な量の仕事をこなしてる。 というのが、よくわかる。 向こうの事務所で会ったのは今日が初めてで、ますます「切れモノ・・・」に見えた。 一つ一つのしぐさ、話の進め方、どれをとっても、いやみなくカッコいい。すてきだなあ。 打ち合わせを終えて、岩田屋でやってる「花まるマーケット」の“おめざフェア”に寄った。 試食のお菓子を、ちょこちょこつまみながら、迷子になりそうになりながら、まわる。 何故おめざフェア?というと、 私の隣の席の先輩(34歳男、既婚、子ども二人あり。)に、 「豆源」の塩おかきを買ってきて、と頼まれていたのだ。 彼は食べ物にとっても詳しい。私なんかよりもずっと、おいしいお菓子のお店をたくさん知ってて、おいしいものを心底愛している。かわいいなあ。 でも、彼も仕事ではエキスパート。うちのチームの屋台骨だ。 塩おかきと、うちへのお土産に「花豆」を買って、会社に戻る。 私を今日の外出に連れて行ってくれた代理は、たぶん後輩を教育するのが好きな人。 それでたぶん、私のことも(後輩として)けっこう好きでかわいがってくれている、と、思う。 行き帰り、会社ではできない会社の話など、いろいろ聞かせてくれる。私もあれこれ、話した。 おしつけがましくないし、年の離れた後輩の言うことも、まずは肯定しようという雰囲気にあふれていて、意見を引き出すのが上手なのだ。 会社に戻り、さっそく打ち合わせをふまえて、仕事にかか(らされ)る。 先週のハイペースが効を奏して、今週はヒマを謳歌していたが、この仕事が本格的に始まるとまたちょっと厄介だな。 まあ、今月中はまだのんびりだろう。 1時間ほど残業して、今日のところの予定はクリア。 夕方、隣の席の塩おかきの先輩が、 「明日、実家に帰るから(正月は帰っていなかった)、実家への手みやげにお菓子を買いに行く」 と、言う。 「ええっいいなー、私にも買ってきてくださいよー」 と、すかさず頼む。 おいしいものを愛するがゆえに、 おいしいものを愛する人にまで同じように愛情をかけてしまう彼は、 すごい量のおせんべい(というのかな?)を買ってきてくれた。 私が彼に頼まれて買ってきた、ちょびっとの塩おかきと交換する。 これは儲けたかも。ほくほく。 もう一方の隣の席には後輩の女の子が座っていて、 彼女からは社内メールで長い愚痴が届く。 愚痴とはいえ、彼女、なかなかの文才で、ちゃんとオチもついており、思わず席で笑いそうになりながら、楽しく読んだ。 退社前に、返信メール。 検定の合格証を提出し、自己啓発奨励金を受け取る。 5000円ではあるけど、資金繰りの厳しい給料日前なので、たいへん助かります。 |
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| 2003年01月16日(木) 悲しみの同行者 | ||||
| ゆうべは、大変だった。 日記も書いて、明日の洋服も決め、さあベッドで少し本を読んで寝よう。 と、いつもの幸せなパターンをなぞったのだが、 しばらく本棚で眠っていて、最近、妙に気になっていた本 『夢見通りの人々』(宮本輝 新潮文庫) を手に取ってしまったものだから、もうもうもう。 号泣だった。 感動して涙が・・・ということは、映像にしろ本にしろ、割とよくあるんだけど、この本はもう、違うの。 涙で文字が見えないどころか、ちょっと落ち着こうと思って本を置いて、タオルで顔を拭っても拭っても、涙があとからあとから泉のように。 小さい子が、泣き終わってもヒックヒック言って止まらないような、そういう泣き方になる。 嗚咽しながら寝た。 「夢見通り」という商店街を舞台にした連作長編。 メルヘンで幸せそうな名前とは裏腹に、大阪の下町の、さびれて生活感にあふれてる、小さくてコキタナい商店街。 貧乏で生活にくたびれた、人間だれでも持っている汚い心を、容赦なく描いていて、それでいてあたたかく、圧倒的に哀しい。 そう、哀しいのよ!! 第2章「燕の巣」という話、短いんだけど、すごい。 人生ってなんて悲しいんだろう、それでも命ある限り生きていかなきゃならなくて、それはなんて悲しく、ひとかけらの喜びさえも、なんて儚いんだろう。 ぐるぐるぐるぐる、考えた。 この地味な小説に魔力のような鋭さがあるのは重々わかっていたので、覚悟して読み返しを始めたけれど、とてもじゃないけど平静な気持ちでは読めなかった。 いや、悲しい。悲しいよ。生きていくのが嫌になるくらい。 本は、私の道連れ。すなわち人生の同行者。 沢山の道ゆきを同じくするものたちの中でも特別な位置にあるもののひとつ、『夢見通りの人々』。 ゆうべは2章まででやめといたけど、また必ず続きを読むよ。覚悟して、タオルも用意して。 今夜は同僚と食事に行った。 わーっと騒ぐのも面白いけど、のんびりおしゃべりしながら過ごす時間も好き。 いろいろ話して、話しながらまた考え、含蓄ある夜だった。 話したこと、考えたこと。 それはまた、次のお話。 |
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| 2003年01月15日(水) 街の中の公園 | ||||
| パソコン上で日記を書き始めて、もうだいぶ経つ。 原稿用紙に換算したら、どれくらい書いたことになるんやろ? いい加減、自分の文章がイヤになってくるときがある。 イヤっていうか・・・飽きるんだよね。自分の語彙に。展開もパターン化されてるし・・・。 こう、(自分にとって)目新しい、ハッとするような語彙が、ここぞ!というところで使えないものだろうか。 かといって、人の文章を読んで「あ、このフレーズ、いい感じ」と思っても、それを自分のモノにしないうちにそのまま使うのも、なんか面白くないし・・・。 語彙とか文体って、積み重ねだよねー。 なにも難しい語彙、奇をてらうようなボキャブラリーが欲しいんじゃなくて、平明でも、こう、ハッとしてグーって感じの、ピシャリくる語彙が欲しいのよ。もっと。もっと。 ああ、くだらないこと書いてるな。 いま、家で読んでる本は、『天皇家の人々』(神一行 角川文庫) 電車本は、『海の鳥 空の魚』(鷺沢萠 角川文庫) どちらも読み返し。 昼間、検定の合格証を受け取るために、商工会議所まで歩いて行った。 朝がたに、みぞれでもあられでもない、でも水分の多そうな雪が降ったけれど、会社を出ると青空も覗いてた。それほど寒くもない。でも、制服の上からコートを着込み、しっかりマフラーも巻いて、外へ出た。 目的地までは、会社から、徒歩10分あまりだ。 道々。大通りには、みんな耳にしたことがあるような会社の名前が入った大きなビル。そこから一本、道を中に入ると、無数の雑居ビル。大小いろいろな会社や、会社員向けの居酒屋や定食屋や喫茶店が入ってる。 生活の匂いのあまりない、まして子どもの気配なんてない町だ。 ぽつんと、小さな公園があった。 なにげなく突っ切ろうとして、私は背が低いくせにけっこう猫背で、視線はいつも地面なので、ふと、気づいた。 公園、ベージュに舗装された地面に嵌め込まれて一体化した、枕くらいの大きさの石。童謡が刻まれていた。 「ゆきやこんこ あられやこんこ・・・」 あら、今朝、福岡では珍しい雪が降ったばかりなのに。なんで雪のこと?こんな偶然って? そうして、今度は視界を広くもって、ゆっくり公園を歩いてみた。 いろんな石に、いろんな歌の刻印があった。 なんだかじんわりした。 公園イコールいいものだ、なんて、そんなふうに割り切れるものじゃないとしても。 こうやって、見つけた人がほんの少し、優しい気持ちになることを、ほんの少しくらいは願われて作られたんだろう。 でも、午後2時、冬のちょっとの晴れ間でも、相変わらず子どもの姿とか、のんびり日なたぼっこする人とかはいなくて、公園はしんとしてる。 青いビニールやダンボールが、ここに住んでいる人がいるって、教えてるけれど。 何枚かシャッターを切って、会社に戻った。 |
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