この番号を覚えなきゃならない。 復唱したところで、トイレに行きたくて目が覚めた。 でもその前に、居間に行って数字をメモした。 それからトイレ。
翌朝、数えてみると数字は6つだった。 困ったな、ロト7を買うには1個足りない。 私のものになる筈だった60億円は、先月誰かに搔っ攫われてしまっていたので、今はそこまで血眼になっていない。 なので適当に1つ選んで書き足してロト7を一口買ったが、数字は2つしか当たっていなかった。 残りの5つは少しずつずれていて、惜しいんだか惜しくないんだか微妙な所。 礑と気が付いた。 数字が6つって事はロト6なのでは?(遅いよ) ネットで最近の当籤番号を調べてみたが、この組み合わせはまだ出ていないので、ロト6を一口買ってみた。 そして抽籤日、半分だけ当たっていた。 夢のお告げにしては上出来なのかも知れないが、ロト6で数字が3個一致というのは、末等1,000円。 200円が5倍になったのは良かったが、800円の儲けと考えると、物凄く微妙である。
霊能者への道のりは、遥かに遠い。
10年前の震災の年に比べると、今年は随分と暖かくなるのが早い。 3月も殆ど雪が降らなかったし、例年より早めにタイヤ交換をしたら、その翌日に限って急に寒くなるって一体どういう事なの……。
雪の予報は出ているが、その日は外せない予定があって山越えをしなければならないので、タイヤ交換をキャンセルしたいと主人に言ったのだが、また予約入れるの大変だよーと押し切られた。 ふーんじゃあノーマルタイヤで雪の山道で事故って私に何かあってもいいんだな?と多少ムッとしていたら、主人が体調を崩した。 正月と同じ症状。という事は4箇月振りか。 まーたこんな忙しい日に限って……送りはするけど帰りはタクシー使いな!じゃあね!と主人を病院に置き去りにして、私はそのまま目的地へ向かった訳だが、隣町に入った途端に雪が降って来た。 往きは昼間だし積もるほどの量ではないが、問題は復路だ。 暗くなったら気温が下がって雪が解けずに積もる危険がある。 用事が済んだら寄り道せずにさっさと帰らないと……と思っていたのに、こんな時に限って長引いたり、どうしても買わなきゃならない物があったりして、帰途に就いた時にはもう夕方になっていた。 そしてあっという間に暗く、しかも寒くなって来る。 高速に乗るべきか、それとも下道を行くべきか。 どちらも山越えには変わらないが、高速道路の方が標高が高かった筈。下手したら氷点下だ。ここはちんたら下道で行くべし。 そう判断して、高速ルートではなく国道ルートを選択。 いつもなら一台ぐらい、地元の老人が運転する軽自動車が時速40kmでノロノロ走って私を苛々させるのだが、こういう時に限っていない。 何故か皆さん結構なスピードで軽快に走る。 まだ冬タイヤ履いてんのかな、いいなースピード出せて……と羨ましくなってしまった。 山の中に入ると、本格的に吹雪いて来た。 道路が白い。これはマズい。 ……どうしよう、雪が止むまでどこかで停車して待つ? いや駄目だ、雪が止んだとしても陽が差すまでは溶けない。停まったらその分雪が深くなるだけ、時間をロスするだけ。今夜中に道路状況が改善する事は無い。下手したら車中泊だ。 一瞬の自問自答の後、私は決断した。進め進め! 雪国の人間なので知ってる、急ブレーキと急ハンドルは命取りだという事を。 それさえ避けて、法定速度以下で走れば何とかなる筈。頑張れ私。
無事に家に辿り着いた時にはもう、肩がガチガチに凝っていた。 あーこりゃお風呂で温まって、後でロイヒつぼ膏かフェイタスを貼って貰わなきゃなーと思いつつ、ただいまーと寝室のドアを開けると、主人は布団の中でウンウン唸っていた。 そしてやっぱり正月の時と同じく、3日間寝込んだのであった。 実はこの日、主人はとある仕事の責任者だったのだが、朝から使い物にならなかったので他の人に丸投げ、現場は予想外の出来事があって割と大変だったらしい。 とは言え、そのアクシデントは主人の出欠に拘わらず、どうにもならないものだったらしいので、まあ仕方ないよねーとしか。 そんな事もあるさー。
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