出掛けた先の待合室で本を読んでいると、女性2人の会話が聞こえて来た。 1人は訛りの強い地元民、もう1人も訛ってはいるものの聞き取れる程度の方言で、老婦人の扮装をしたエリック・アイドル(@モンティ・パイソン)のように矢鱈と声のトーンが高かったので、2人連れの老女と見た。 私は本から顔を上げず、聞くともなく2人の会話を聞いていたのだが(声が大きいので自然と耳に入る)、兎に角セブン・イレブンがお気に入りらしく、あそこのおにぎりは上等だと言っているのが聞こえた。 時々呂律が回らないので、田舎の老人はカタカナが苦手だなあと思っていたら、今度は話題がコンビニからファッションに移った模様。 甲高い声の方(ほう)が、 「オレンジの服が……」 と言うのを聞いて、おや?と思った。 私が着ているのはまさにブラッディ・オレンジ色のカフタン・シャツ。この場では人目に付く。 顔を上げると、声の主と目が合った。
老女じゃなかった。
私より若い、太った女性。 身形の構わなさと、会話の内容から推察して、軽い知的障害があるのだろう。 なるほど、同じ会話を繰り返すのは、年のせいではなかったのか。 もう1人の訛りの強い方は、母親なのか祖母なのかわからないが、身内と思われる。こちらもやはり知的障害がありそうだ。 まあそれは、構わない。こちらに実害が無い限りは。 ただ、彼女はオレンジ色の服がかなり気になるようで、その場を離れるまで3度は「オレンジの服」という言葉を発していた……。
帰宅して主人にその話をすると、 「やっぱりお仲間と思われたんじゃ」 て、またかよ!
どこから探して来たのか、こんなのあるよと主人が教えてくれた。
何じゃこりゃ! 可愛い〜欲しい〜!と言ったら、え、欲しいの……?と呆れ顔で言われた。 そりゃ欲しいに決まっとるではないか! ただ、問題は置き場所が無い事……広いおうちに住みたいよう。
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