うちの主人は繊細に出来ているようで、しょっちゅうストレスで体調に異変を来たす。 最近は花粉症の薬の副作用も相俟って、頻尿に悩んでいた。 そこで八味地黄丸という漢方薬の小瓶を買ったところ、調子が良かったらしく、飲み続けたいと言うので、今度は大瓶を買い与えた。
ところが、いつまで経っても次を買って来るようにという要請が無い。 あの薬、飲んでいないの?と訊いたところ、 「あーあれね。トイレに行く回数は確実に減ったんだけれど、用を足す時、凄く痛いんだよね。ずーっとおしっこを我慢していた時のような痛みが」 という返事が来た。
下痢にしても尿にしても、体が外に出したいと欲しているのに、無理に薬で止めると良くないのだなあ、というお話。 今更言っても仕方ないけれど、瓶の底にあと数回分残った錠剤を見て、せめて大瓶に手を出す前に気付いて欲しかったなあと思うのであった。
朝、主人が開口一番にこう言った。 「疲れた……」 元々うちの主人は寝起きが悪く、ぐっすりすっきり眠れた!という事は少ないのだが、それにしても酷く疲れた様子である。 なんでも夢見が悪かったらしい。 どんな夢だったのかと問うたが、あまり話したくないと言って出掛けてしまった。
朝から話題にするような事じゃなかったからと言って、夜に帰宅した主人が話してくれた。 何故かうちで下宿屋のような事をやっていて、私が下宿人達に出すシチューの肉が、なんだかおかしい。 えーとこれはもしや……とこっそり私に訊くと、 「人肉だよ」 とあっさり答えるので、骨をどこかに埋めて来なきゃ……と仕方なく死体の後片付けをする主人。何故手伝うし。 そんな事が何度も何度も続いたある日、警察が訪ねて来たところで目が覚めたそうな。 「怖かったよう! シオンが人を殺しても平然としていられる人だったなんて。しかも何故殺したのと訊いたら、『だって楽しいから』と、これまた平然と答えるんだよ? 寝たのに余計疲れた……」 妻がシリアル・キラーとわかっていても警察に突き出さず、庇い続けるなんて。 いやー、夢の中でも私は愛されているのだなあ。(そうなの?)
というか、どうみても「クリミナルマインド」の影響です。本当にありがとうございました。
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