よく眠れなかった。 明日はちゃんと何時に起きて何時に出掛けなきゃ!という前の晩は、大抵そんなものなのだ。
予定より少し遅れて家を出発。これもいつもの事。 それでも今回は余裕がある。義妹の家には夕方着けばいいらしいから。 新車で高速に乗るのはちょっと不安と主人が言うので、ゆっくり下道で行く事にした。 暫く走ったところで、運転していた主人があっと声を上げた。 ぱたぱたとポケットを探って曰く、
「免許証忘れた……!」
(゚Д゚)ハァ? 「カードとお財布も置いて来た……」 て。どこに。 「家の通勤鞄の中……」 としょんぼりする主人。良かった、どこかに置き忘れたんじゃないならいいよ。 しかし、私は貴方が腰痛等でどうしても運転が苦しくなった時のための交代要員のつもりだったんですが。 ゆっくり寝ていた貴方じゃなくて、殆ど眠れていない私が全行程運転しなきゃならないって事ですか。 しかも慣れない車で山越え……これが1番厳しいんですが。 昼食後に運転を交代して、ショッピング・モールで白いYシャツと日用品を買い、義妹の家に向かった。 暫く見ないうちに、甥っ子が大きくなっていて驚いた。もう中学生だしな。 甥っ子とその父親はそれぞれ学校と仕事で行けないと言うので、義妹だけ拾って、夜の山道へ。 私の運転で3人仲良く谷底に落ちるよりは、免許不携帯で主人だけ捕まった方がマシなので、夜の山道コースは主人に運転して貰った。
お巡りさんに捕まる事無く現地入りし、美味しい夕食でお腹一杯になって宿に戻った。 明朝は8時集合と言われ、6時半には起きなきゃと思っていたら、また眠れない私なのだった。 今度こそ山道を運転しなきゃならないのに、眠らなきゃと思うと眠りが浅くなってしまう……繊細なのね、私って。
どようび。 主人は仕事。 明日は休みだというから、一緒にドライブ・レコーダーを買いに行こうと思ったら、夜になってから主人の親から電話が。
身内が死んだそうで。
主人の父方はどうも縁が薄く、家族仲が宜しくないようで、私も数えるほどしか会った事が無いのだけれど、葬式には出た方が良かろうと。 しかし忌引きが貰えるとは言え、主人の仕事もそう穴を空ける訳には行かないので、火曜日の葬儀ではなく月曜日に行われる火葬の方だけ出る事にした。 ぎりぎり日帰りはきついかなーと思ったら、火葬は朝から行われるそうで。これで前泊確定である。 足の無い主人の妹を途中で拾って行かなければならないが、これは遠回りでも何でも無く、通り道だからどうって事は無い。 問題は宿の確保だ。我々夫婦と義妹の2部屋。 私は荷造りに専念し、宿の手配と実家との連絡は主人に任せた。 前述の通り仲が宜しくないので、喪主側が部屋を用意してくれるとは思えない。 地図で周辺の適当な宿を探し、ネットか電話で予約をと思っていたら、主人の父からまた電話。 親戚が勤めている宿があるから、そこに頼むかと言う。 しかし以前、主人の父経由で(と言うより主人の父が勝手に)親戚に物を頼んで結果双方あんまり良くない思いをした苦い経験があるので、直接ホテルに頼んだ方がいいと思ったのだが、私が口を挟む間も無く、主人がOKしてしまった。あーあ。 幸いその宿が最大候補だったのでまあいいけれど。でもきっとお義父さんの事だから、話が向こうに伝わるのは明日になると思うよ……田舎の宿だから、満室で泊まれないと言う悲劇は多分無いとは思うけれど。 料金を調べて義妹に伝えると、高いと言って難色を示したと言う。そしてそれをそのまま私に伝える主人。 このご時勢、義妹の所も家計が大変なのだろう。 それはわかるが、宿代は1人6,000円程度だ。それより安い宿って? 「じゃあどうしろと? うちにも宿のレベルを下げろとでも言うの? 私ゃ御免だね。 もっと安い宿がいいのなら、自分で探すように言いなよ、うちは連れて行ってやるけれど、そこまで面倒見ないよ。車中泊したいってんなら、自分で毛布と寝袋は用意してよね。アイドリングは迷惑だから、勿論エンジンはかけないで。或いは宿代は兄である貴方の小遣いから出すか。 まあ、話し合って決めたら? 私は付き合わないよ」 と突き放した。知るか。
義妹は結局、最初に決めた宿に泊まる事にしたらしい。 お金は自腹を切るのか、主人の親が出すのか、そこは知らない。 ドライブ・レコーダー購入はお預けである。長距離ドライブ前に欲しかったのに……!
|