解放区

2012年01月08日(日) 父と旅をする夢を見た

父と旅をする夢を見た。行先は沖縄だった。野郎二人で車での旅だった。もちろん、夢の中の父は正気だった。

詳細は忘れたが、途中から父が姿を消した。必死で探したが行方は知れず、携帯電話も繋がらない。夢の中では二日ほど探し回っていた。

探し回って、ある場所でふらふらと彷徨う父を見つけた。本当であれば、てめえは怒り狂っていたはずだが、その場面でてめえは自分でも驚くほど冷静だった。きっと父は、息子に迷惑をかけたくないという理由で消えたのだろうとなぜか確信していた。

「どないしてたんや」
「お金が無くなったんや。携帯電話も切れてしまって、どうしていいかわからんかった」
「そうか、お金やったらわしが持ってる。心配せんでええ。…ところでご飯食べてへんやろ、おなかすいてないか」
「せやな、おなかはすいてるけど、とりあえず水族館に行きたいわ」
「水族館は飯食ってから行こうや。まずは腹ごしらえやろ。何か食べたいものはないか」

しばらく考えて彼は、パンが食べたいと言った。本当に食べたいものを言っているのではなく、とりあえず浮かんだ安いものを思い付きに口にした、という感じだった。

「パンはどこでも食べられるやろ、せっかく沖縄に来たんやし沖縄のものを食べようや。沖縄そばにしようか」
夢の中で、なぜか金を持たず安いものにこだわる彼に、単価の安い沖縄そばを提案した。我ながら良い案かと思ったが、彼は日本(ヤマト)で育った同世代の人間同様沖縄そばを知らないようで、あまり乗り気ではなさそうだった。

まあ、ラーメンみたいなもんや、とてめえは父に言った。きしもと食堂にするか、それとも八重善にしようか。そう呟きながら、てめえは夢から覚めた。

行先はやっぱりやんばるやったんや、とてめえは半分眠りながら思った。そして、やっぱり宮里そばでもよかったな、と思った。でも本当にやんばるに帰ったら真っ先に行くのは間違いなく前田食堂やな。豚肉を食べてはいけないイスラム教徒も足しげく通ったあの店や。



2012年01月05日(木) 正月料理

年末年始、父はずっと眠っていた。たまには起きるまで寝かしておこうと思い放置していたら、早くても昼過ぎ、さらに放置していたら夜まで眠っていた日もあった。声かけにも反応はなく、もしかしたら・・・と思わないでもなかったが、それはそれで運命なので放っておいたらトイレにだけは起きてきた。

マラソンが趣味の人なので「箱根駅伝やってるで」と先日購入したばかりのテレビをつけておいたが覚醒せず。やはり生活のリズムという点からも、無理やりにでも起こしておいた方がよいのだろうか。今回はだれも損していないのでまあいいかと思っているが。


年末からはいろんな店も正月モードになり、普段見ないような野菜などが売られていた。棒だらと海老芋については前にも書いたが、他にも頭芋や祝い大根、クワイ、筍の水煮、などなど。

どうしようか、と考えているうちに大晦日の日を迎えてしまい、夕方にスーパーに行ったところ棒だらや頭芋や海老芋などが特価で投げ売りされていたのであるだけ購入した。

さっそくいもぼうを作ってみた。初めてで、しかも食べたことすらなかったが、レシピサイトの通りに作ったところ意外と美味しくできた。まともに購入したらええ値段するので正月くらいの楽しみでちょうどいいのだろう。


正月近い街を歩いていると、街の餅屋に「餅は餅屋で!」とののぼりがはためいていた。正月に餅を食う習慣がなかったので横目で見ているだけだったが、大晦日の日に「やっぱ世間並の正月を送るためには餅がいるかも」と思い、餅屋に行った。家の近くの餅屋は、すでに近所の予約でいっぱいだった。来年は予約しておこう。2番目に近い餅屋はすでに売り切れていた。3番目の餅屋で餅をゲットした。しかし京都以外の都市でこんなに餅屋はあるのだろうか。

正月に、さっそく雑煮を作ってみた。てめえの育った家は雑煮を食べない家だったので、どう作っていいものか悩んだ末、作ったことも食べたこともない京都風の白みそではなく関東風の醤油味にしてみた。普段よく作っている煮物風なわけだが、これが思っていた以上に美味かった。ので、三が日は毎日具や出汁を少しずつ変えて雑煮三昧。あっという間に餅を食べきってしまった。醤油と出汁と餅ってこんなに合うものだとは知らなかった。来年は京都風に白みそに挑戦してみよう。

いもぼうと雑煮で幸せな正月だった。食事以外は眠り続けた父からは感想はなかったが、まあええわ。



2011年12月25日(日) Happy Christmas

クリスマスソングは巷に溢れているが、てめえが好きなのはこの曲だけ。オノヨーコとのコラボレーションの中で好きな曲もこの曲だけ。そう考えると奇跡のような曲だな。

初めは普通のクリスマスを祝う歌として始まるが、徐々に「戦争が終わった」というメッセージが入ってきて、最後には「戦争が終わった」の大合唱で終了する。

戦争が終わっていなければ、クリスマスは祝えない。新年もやってこないのだ。今もいろんな原因で戦争している国や地域がある。てめえらの国はもう長いこと戦争の惨禍に巻き込まれず、今年も平和な冬となった。



2011年12月21日(水) パン屋再開/海老芋

以前に書いた「燃えたパン屋」が復活した。さっそくパンを求めに行ったが、速攻で売り切れていた。再開を待ち望んでいた人がこんなにたくさんいたわけですね。また出直すことにしよう。

プチメックも金土日営業その他休みというわがままな店で今日は休みだし、他のパン屋に行く気も起きず、家で父の朝食用の食パンを焼いてオリーブオイルをたっぷり浸していただいた。


海老芋という芋がある。海老のような外観をしている里芋のような芋なのだが、これがまたねっとりとしていて大変美味い。お値段がそれなりにすることが唯一の欠点だ。だが美味いので、安くで売っている時を見計らって購入し、鰹出汁で炊くのが楽しみだ。

数日前に海老芋を購入していたので、一昨日は下ゆでをしてから味噌味の鍋に放り込み、昨日は鰹出汁で炊いた。いずれもとてもおいしかった。昨日はそれに加えて、縞ホッケの干物を焼き、キャベツとカイワレ大根とミックスビーンズに塩とオリーブオイルだけのシンプルなサラダ。てめえはオリーブオイルとごま油を多用するので、両方とも大量に買いだめしている。ちなみにオリーブオイルはこれで、ごま油はこれ。両方とも美味すぎて何の変哲もない料理がとたんに豪勢な味になる。食事のうまみ成分の多くは油が占めているので、良い油を使うのがよいだろう。肉や野菜は安物でよい。

海老芋は、棒だらと炊いた「いも棒」が有名だが、てめえは一度も食べたことがない。エセ京都人であることがばれてしまう。まあ味を知りたければ平野屋に食べに行けばいいのだろうがええお値段しはるしねぇ。

味も知らないのでつくるのもどうかなあ、と思っていた。棒だらもええ値段しはるし。京都では正月料理なのだそうで、この時期になると店先には海老芋と棒だらが山積みされているわけだ。去年はもんもんと考え続けた挙句、やっぱり一度は作ってみようぜ京都料理だし! と一大決心をし、正月明けに材料を買いに行ったが、なんと正月を過ぎるとどの店からも棒だらが消えていた。なんてこった。正月過ぎたら誰も買わないわけね。なんとなくやる気をそがれてしまい、今年も店先に棒だらが並んでいるが買う気が起きないのだ。



2011年12月20日(火) 気持ち

普段通りに仕事をしていると、とある看護婦さんが患者さんに「今日限りで辞めます」と挨拶しているのを聞いて仰天した。全く知らなかったからだ。てめえのところにも挨拶に来られた。子供さんが病気を持っておられ、仕事を辞めて子供さんの世話をするとのことだった。家族のことが一番です。しかし仕事のできる方だったのでてめえだけではなくみんなが困るだろう。

挨拶に来られた時にお菓子をいただいた。本来であればこちらが「今までお世話になりました」とお菓子を持っていく立場なのだろうが、ありがたくいただくこととした。

患者さんからも、お菓子や場合によってはお金をもらうことがある。この仕事を始めた当初は頑なにもらうことを拒んでいたが、その後の残念そうな表情を見ていてなんだか気持ちまで拒否したような気になってしまい、今ではありがたくいただくことにしている。

お菓子は同僚たちとわけあい、お金はてめえの手持ちからいくらかを加えてすべて寄付することにしている。いただいたお金は浄財として社会に還元できればよい。怪しげな団体に渡るのも悲しいし、なによりこれからの社会は子供たちを大切にすることで成り立つと思っているので、寄付先はすべて
"Save the children Japan"にしている。

貧困な大人にはいろんな事情があるのだろうが、貧困な子供には本人の事情などまるでない。てめえも貧困な子供だった。だからというわけでもないが、貧困な子供たちに手を差し伸べるのがよいと思うのだ。

てめえは仕事を始めて給料をもらうようになってから、同様の考えで"Save the children Japan"に毎月の定期的な寄付をすることにして、それは今も継続している。これは、学生の時にベトナムに行き、ベトナムの無医村の状況をつぶさに見てきたときに密かに決めたことだ。

この団体は、定期的にレポートを送ってきてくれる。それを読むのも一つの楽しみ。

寄付を行うことには利点もある。まず、確定申告の際に寄付金控除ができることだ(もちろん全額ではなく上限も決まっている)。まともな使い方をされていない税金を払うより、その分がきちんと仕事をしているNPOに行った方がよいに決まっている。

もう一つは、クレジットカードでの支払いができるのでマイルを貯めることができる。

というわけで、今後も寄付を続けていこうと考えている。


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