| 嗚呼… |
夢路いとし師匠が亡くなられた。 戦前のエンタツアチャコ師匠の代から続く 生粋の漫才師であられたお方だ。 私がいとし・こいしの漫才を始めて見たのは 小学4年生の時。その時の天ぷらそばの話は 実に軽妙でみごとなしゃべくりであったのを 鮮明に覚えている。正統派の漫才であり、 子供ながらに「嗚呼、これが正しい漫才かぁ」 と妙に納得したのを覚えている。 紫綬褒章を受章されたり、精力的に舞台にテレビに 出演し、その名人芸を披露されておられたが、 私が最後にいとし師匠の姿を見たのは玉造の 寄席劇場に関するインタビューであった。 後進を温かく見守るまなざしが印象的であった。 年寄りの説教のように聞こえるが、最近の若手は 奇をてらいすぎていたり、少し売れると漫才をせずに バラエティのみに出演するようになるような嘆かわしい 現状が続いている。決してそんな若手ばかりではないが、 いとし師匠の死をきっかけに自分をここまで大きくしてくれた 漫才という芸をもう一度見直して欲しいと思うのは 時代に逆行した考えだろうか?
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2003年09月28日(日)
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