| 雪と自転車 |
朝、学校に行く時に雪が降っていた。 さすがにこれはまずいと思ってバスで行ったのだが、 すぐにやんでしまった。 まぁ仕方ないかと自分で納得させていた。 普通なら自転車で行くはずの自分が、雪が降っていると 自転車を使って学校に行かないのは訳がある。 それはある約束をしたからだ。 大学に入って初めての年の夏、ある人と話をしていた時に 自転車通学の話が出た。その人は滋賀県でも雪が多い地方の 出身で、雪の怖さというものを知っていた。 だから雪が降っても自転車で行くという僕に対して。 「絶対にダメ!」 ときつく言われてしまった。確かに雪の日に自転車に乗る事自体 自殺行為みたいなものなのだが、雪の怖さを知らない僕にとって その反応は意外だった。でも、心配してくれているんだから、 これ以上心配させるのも嫌だし、少し前に自転車でこけて 怪我をしていたために少し怖くなったのもあり、 その約束を守ることにした。。それから季節は過ぎて冬になり、 雪が降るようになっていた。 ある日、晴れていたので自転車で学校に行ったところ 帰る頃になって天気が怪しくなってきた。 自転車で帰る時間くらいは持つだろうと思い坂道を降りていると 急に吹雪いてきた。それからが大変だった。 どれだけ大変だったかというのは筆舌に尽くしがたいが、 怪我をしなかったのが不思議なくらいである。 その時にきつくいわれた意味がやっとわかったのである。 今ではその人が忙しくなり話す機械もほとんど無くなってしまったが、 そのときの約束は今も守っている。
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2002年01月09日(水)
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