モクジ | 今ヨリ、カコへ | 今ヨリ、ミライヘ
| 2005年04月03日(日) |
昼下がりの情事 2005春 |
ずっと一緒に居られない。
いつかは別れる。
恋愛じゃない、私の片思い。
そんなことわかっているのに、どうしてそんなことを誓わされるのだろう。
どうして私は、こんなことを考えてしまうのだろう。
そんな考えが頭を巡る時が、たまに訪れる。
緊縛でムチ、という先日の逢瀬の前のこと。
3月20日。ウツウツとしていた私は、ご主人様に突然呼び出された。
「明日ですか。予定はないですけど、私、今、あまりよい状態じゃないですよ〜」
のらりくらりと逃げる私に
「調子が悪いならやめるか? 出てこられないほどか?」と。
今、私の体内時計はとても遅れ気味でとってもルーズだけど、
出て行けないほどじゃない。
それに明日はどっちにしろ外に出なくてはいけない用事があったし、
どうしてもご主人様は私を呼び出したい様子。
okを出すと、「鶯谷に13時」というメールが届く。
……鶯谷っていう気分じゃないんですけど……。
どうしよう。
そこで「ホテルのデイサービス」という考えが浮かぶ。
ビジネスホテル並みでいい。場末のラブホって感じの場所じゃなきゃ、どこでもいい。
そう思って、ネットで検索。
楽天トラベルでいくつか見つかる。
ご主人様に了解をとり、その場でネット予約。
最後にご主人様が
「あ、明日はノーパンでロビーに迎えに来い。
それと、明日は麻瑚にとって嬉しいことがもうひとつあるぞ」
と書いて送ってこられた。
当日、私はギリギリ時間より1時間早く、家を出る時間を設定した。
けれど、結局はギリギリ時間すらもアブナイ時間。
用事を一件済ませ、待ち合わせの地へ。
ご主人様のご要望により、今日はお昼ごはんになるようなものがいいとのこと。
おつな(いなり)寿司、すき焼き弁当、そしてデザートに小さな卵に入ったプリンを
デパートで買う。
慌ててホテルへ。
チェックインの時間を20分過ぎていた。
でもご主人様がくるには、まだ30分位ある。
部屋へ入り荷物を置くと、コートを脱いで近くのコンビニへ。
お茶と、なんかちょっと飲みたかったのでビールを買う。
ご主人様にチェックインした旨をメールしたら、すぐ返事が返ってきた。
「もうすぐ着く」
えええ……!!
お願いだからゆっくり来て下さい、あと10分は!せめて!とお返事。
速攻で部屋に戻り、汗だくになった身体を軽くシャワーで流して、
身体を拭くのもそこそこに、持ってきた服に着替えて、ロビーへ降りた。
ご主人様は既に待っていた。
……服装を見て「あああ〜!」と(笑)
そうなのかぁ、ご主人様ったら、普段と違う服装だから、私を呼び出したのね。
エレベーターに乗る。部屋は7階。
「その恰好だったら、やっぱり普通のホテルでよかったじゃないですか(笑)
私も着替えておいてよかった」
そんな会話を少し交わし、軽くキスをすると7階に着いた。
「本当に部屋は狭いですからね」
「……本当だ」
「仕方ないでしょ、急だったし、この値段ですから。我慢して下さい」
そう言う私の服……ニットのキャミソール型なワンピースの裾をめくる。
命令通りだな、と言わんばかりにご主人様が笑う。
そして胸。ボレロをよけ、ワンピースの中へ手を入れると
「ノーブラか?」
コクンと頷く。
ニットのボレロとワンピースの下は、ガーターベルトとストッキングしか着用していない。
「このまま散歩に行くか?」
私の片乳を出したまま、ご主人様が笑ってる。
「……あー、いーですよ。どうせですから、このまま片乳出してプリプリ歩きましょうか?」
「(笑)……いーよ。花粉が飛んでるから外出たくないし」
呆れたように笑ってらっしゃるけど、最初にそう言ったのはご主人様である。
「舐めな」
「ええ〜、"即"ですか」
「こういう恰好でフェラなんて、今日ぐらいしかできないだろ?」
しぶしぶスラックスのジッパーに手をかける私に、追い打ちをかけるように「服、汚すなよ」と。
ちょっと悩んでから、ベルトを外し、ジッパーをおろし、スラックスとパンツの両方を中途半端な位置までさげた。
昼はビールを飲まない、と言っていたご主人様だが、
買ってきた350ml缶のエビスビールを、結局は2/3飲んでしまわれていた。
お弁当を、なんだかんだと言い合いながら食べ、お茶を飲み、休憩。
「TVでもつけましょうか」
「つくのか? 外にプリペイドカードの自販機があったぞ」
「ええ〜、普通のチャンネルぐらい……つかない(涙)
じゃあ、せめて、ラジオか有線でも」
私がチューナーを弄っている横に来て「いいよ」と手をどかす。
ラジオをつけたりけしたり、チューナーを合わせたり消したり、下らないおふざけなやりとりが続く。
「なんで〜」
「いいよ! もうすぐ麻瑚の喘ぎ声が響くんだから」
「だから……イヤなのに……」
そう言う私を、ご主人様はベッドへ押し倒す。
そのまま抱き合ってキス。
でも……やっぱり気になる。ご主人様はこれからお出かけされる方だ。
「ご主人様、お洋服、シワになります」
「……そうだな」
ご主人様はちょっと残念そうに服を脱ぎ、ハンガーにかけた。
私だって着衣のまま犯されたいけど……そうはいかない。
昼下がりの普通のホテル。
「麻瑚、私たちはどういう人に見えるかな?」
「ん〜、不倫カップル(笑)」
ご主人様はまるで(萎えるなぁ……)と言わんばかりに苦笑。
そう、さっきお弁当食べながらお茶を入れたときも
「今日は主人が遅いから、ゆっくりしていらっしゃってね」と言ったら
リアリティありすぎるからやめろ〜、と根を上げたのはご主人様だし(笑)
「年下オトコをたぶらかす、人妻?(笑)」
「……私はたぶらかされてるのか?(笑)」
「……本当は逆です〜」
そんなことを言って笑いながらキスしていたけれど。
いつもの一部屋ずつ孤立したラブホとは違い、ここで大声は出せない。
声を抑え気味にしながらほにゃんとしていると
「麻瑚、気持ちいいか?」
「はい……」
「どんなふうに?」
「凄く……」
「どんな風に凄く??」
仕方ないなぁという感じで私が
「蕩けちゃいそうなぐらい……に?」と答えると、ご主人様が笑って再び動く。
「ご主人様……いやらしい」
「何が?」
「……部屋が、薄暗いのが」
ひとつしかない窓。
ご主人様がカーテンを締めた瞬間、部屋には間接照明の灯りだけになった。
明るい外を厚い布で遮断し、わざと作られた艶めかしい空間。
いつもは、窓から陽光がさしこんでいるか、
窓が閉まっていても照明が昼間のように明るく壁が白い部屋でなので
淫猥な雰囲気が全くない部屋なのだ。
「普通は、明るい方がいやらしいだろ?」
「だって、明るい方に慣れちゃってるんだもん。暗い方がいやらしい(笑)」
ご主人様もきっとそう思っている癖に。
いつもと違う場所で、違う雰囲気で、違う服装の二人が、
賑やかな通りに面した薄暗い部屋で抱き合うというのは
何故かこう、非常に後ろめたい淫靡さがあるのだ。
ここまではよかったのだけれど。
いろいろ頑張ったけど、頑張りきれない私がでてきてしまった。
ご主人様に、「麻瑚は誰のものだ?」といつものように問われた。
……答えられなかった。
先日、ちょっとしたことがあり、私はご主人様にワガママを言ってしまった。
他の男には言わなかった類のワガママだ。
ご主人様はそれを怒ったりせず「そうか、麻瑚はイヤなのか……」とだけ呟いた。
麻瑚がイヤなら、しないよ。無言の中にその気持ちを汲み取ることができた。
が、その瞬間、「私ったら何をいってるのだろう? 何をしているのだろう?」と気づいた。
後日メールでその非礼をお詫びしたのだけど、
ご主人様からは「麻瑚は私だけをみていなさい、私を信じなさい」とのお返事が届く。
信じていないとか、そういうことじゃない。
ご主人様も私も、きっと向かっている方向は同じだったのかも知れないけど、
互いが互いにそれを上手く言い表せない状態になっているような感じだ。
でも、私は決意する。
最近あまりに甘い時間が多すぎて忘れかけていたことを、思い出してしまったから。
「麻瑚は誰のものだ?」
何度も問いかけられるけど、答えたくない。もう私は……ご主人様だけのものではいたくない。辛いから。
「麻瑚、抜くぞ! 答えろ」
でも私は答えない。涙が流れてきた。
やっとご主人様が、私の状態が普通じゃないことに気づいた。
「誰のものでも……ないです」と私が必死に呟くのと、ご主人様が抱きしめるのは、ほぼ同時だった。
ウツウツとした心の状態が、今まで普通に答えられたことを、お遊びでは言えなくさせていた。
ご主人様は私を抱き起こすと、じっと目を合わせる。
「もうあまり長い時間一緒に居られないのに。そう言うと、後が辛いです」
そういって首に抱きつく。
「私が言わせすぎか?」
ううん、と首を横にふる。
「すまないな、先のことを約束してやれなくて」
ううん、とまた首を横に振る。
そんなこと分かってる。最初からそういう取り決めで、私たちは主従契約を結んでいるのだ。
そのことは変わっていない、最初も今も。
結婚して欲しいとか、一生ずっと一緒にいられることを約束して欲しい
と思っているわけではない。
でも今は、心の繋がりが余計に深くなっていて、いつかは別れるということが
そしてその日が確実に近づきあるということに、私が辛くなってきているだけなのだ。
ご主人様は相変わらずずっと私の目を見つめている。
私は辛くなって、視線をほんの数センチ、下にずらす。
「麻瑚は私のものだ、わかったな」
私は完全に俯き、何も言わずにいた。顔が持ち上げられる。
「麻瑚は私のものだ、わかったな……言え」
それは私が同じ言葉を繰り返すまで、続けられた。
その後も抱かれ、感じさせられながら思う。
この人と、身体だけの関係だったらよかったのに。こんなに辛くなかったのに。
でも私にはそれができないって、自分ではわかっているのだけれど。
座位の時に命令された
「ほら、麻瑚、もっとしがみつけ。身体が離れないようにしな」
肩に回した手を首へと移動させ、上半身を合わせるようにしがみつく。
「麻瑚、もっと腰を密着させな。私の身体から離れるな」
ずるいなぁ……と思いながらも、身体はご主人様の言いなりに動き、
唇から喘ぎ声が漏れた。
頭で考える前に、身体が反応させられてしまい、心が寄り添おうとしてしまっている。
ヘトヘトになるまで責められた。
最後のフェラチオ要請のときに「起きあがれなーい……」と呟くと
ご主人様は少し考え、そして仰向けに寝る私の口へペニスを挿入してきた。
「いいか、出すぞ」
しばし唇にピストンを与えたあと、告げられた言葉。
私は頷き、ペニスに吸い付く。
イラマチオ状態のフィニッシュは、初めてのことだ。
ご主人様にされる分には、こういうフィニッシュも全然イヤではない自分が居た。
いつもと違う展開に、ちょっと満足げなご主人様のペニスを
いつものようにキレイにすると、隣に横たわった。
腕枕をされ、抱き寄せられる。
私はそれにあわせて左手を伸ばし、ペニスをそっと掌で包む。
しばし会話をする。ご主人様から先に眠りについた。
先に目覚めたのは私。
眠るご主人様の顔をじっと見た。
肌がまだ若いよなぁ……とか。
ご主人様の奴隷になったあと、男友達と寝たときに、凄く感じたことだ。
肌が違う。もちろん年齢差だけではないだろうけど。
男友達の皮膚はざらざらとした感触で、私の肌と全く混ぜあわさらなかった。
ご主人様とはいつもすんなりと融け合えるのに……
そう思った瞬間から、私はご主人様を選んでいたのだ。
別れるならいつがいいのだろう。
いっそのこと、今日、今ここで……でもこれからお出かけされるご主人様に、
そんなことを言うのは自分勝手すぎる。
そう考えていたら、眺めているのも寄り添っているのも辛くなり、
そっとご主人様から離れ、背を向けた。
ほどなくしてご主人様が気づく。
「寝てるのか?」
ぼんやりした声でそういいながら、後ろから私に抱きついてきた。
「ううん」
覆うように後ろから抱きしめ、私の脚の間に自分の脚を入れるご主人様。
それだけで、さっきの決心は鈍る。
うとうとと眠り、目覚め、を繰り返す。
目覚めている時には、私の身体を触る。その時間が長くなる。
そして私の脚の間へと、手が伸びる。
「もう濡れてるぞ」
そうなのかな〜って思ってると、ゴロンと身体の向きが変えられた。
仰向けになり、ご主人様と目が合う。
ご主人様は私の首すじにキスをし、耳元で「淫乱だな」と呟き、
身体を少し起こして、再び私の目を見て軽く笑った。
それだけなのに、うっとりとする自分が居る。
「ここ、何時まで居られるんだっけ?」
「16:30迄です」
「あと1時間か……早く済ませないとな」
ご主人様はイタズラっぽく笑った。
少し油断すると、あっというまに1時間以上超過していることも多々。
ゆえに、最後のsexのあとは、バタバタと慌ただしく支度をすることも多々。
今日はきちんと服を着て出なきゃいけないので、そうもいかない。
愛撫され、フェラチオをし、挿入され、
ご主人様のペニスに酔いだした頃、言われた。
「麻瑚は私のものだ、わかってるな?」
困ったような顔をしていると、また繰り返された。
「麻瑚は私のものだ、わかってるな? 麻瑚も言いな。麻瑚は誰のモノだ?」
「……ご主人様のものです」
「誰が?」
「麻瑚が。麻瑚は全部、ご主人様のものです」
ヨシヨシというように、ご主人様が笑う。
その額に、自分の額を当てた。
「でも……ね、何かあったら、私がそれをちゃんと察知して、
先にご主人様にお別れを言わなきゃって……ちゃんと思ってますから」
覚悟はしている。
でも、どうなるのだろう、その日が来たら。
だけど、泣いて縋ってなんてみっともない真似だけは絶対したくない。
ちゃんと三つ指ついて頭を下げて、「ありがとうございました」とお礼が言える
そういう教育を、私はご主人様からうけているはず。
幸せな日々は、いつしか真綿で首を絞めるような日々になってきてしまったのかもしれない。
ううん、でもそれは、私の心が不調だから。
元気になったら、またいつもの私に戻れる。絶対に。
ホテルを出て、駅で別れた。
「ちゃんと、着いたらメールするように」
いつものご主人様のお約束に、笑って反発する。
「今日は逆ですよ〜。
ご主人様が次の目的地に着いたら、私に『着いた』ってメール送って来なきゃ」
ご主人様は苦笑して改札をくぐり抜けて行った。
そして夜、ちゃんとメールが届いた。
《 2005.04.05 16:05 記》
--***--
| 2005年03月28日(月) |
逢瀬キロク 〜 異様なる 興奮 〜 |
常宿(いつものラブホ)にて。
縄を胸上下にかけられ、後手に
股縄
アイマスク
両足首には縄
開脚状態で何処かに固定
長い時間、放置
そして、身体に何かが……垂らされる
ローション?
ううん、身体を流れ落ちていくこのサラサラ感は……水。
冷たいということは、冷蔵庫のミネラルウォーター?
次はどこに垂らされるの?という期待感
水が落ちてきたときの、ドキッとする感触
ひんやりと肌を打つ快感。
あ……んんっ、と言葉とも呼吸ともつかない声が出てしまう。
「どうだ?」
「あ……」
「イイか?」
「あ……はい。あの……それと……」
「ん?」
「ご主人様、喉が渇きました」
ご主人様が苦笑してる感じ。
でも本当なんですもん。喉がからからで、咳き込みそうなんだもの。
ご主人様の唇が近づき、私の口中にゆっくりと水が入ってくる。
不自由な体勢のまま、ゆっくり、一口ずつ飲み下す。
喉が湿り一息ついたところで今度は
肌を撫でる、硬いような柔らかいような感触が。
そして、痛み。
あ、……ムチ。
「どんな気分だ?」
上手く答えられないので黙っていると、またムチが飛んでくる。
両太ももの内側に、お腹に、股間に、胸に。
この前は、股間以外はさほど痛く感じなかったのに、
今日はどこを叩かれても痛い。
痛覚が鋭くなっていたのか、ご主人様のお力が強いのか、
はたまた両方なのか、わからないけれど。
ムチが肌を撫でるたびに不思議な快感が走り、
振り下ろされるたびに、身体がビクッと跳ねる。
ちゃんと覚悟しているはずなのに、打つ痛みに、思わず声が漏れる。
なるべく、はしたない声や言葉は出さないようにと、唇を噛んで努力。
せいぜい「あ」や「うっ」という、短いうめき声どまりに。
そんな私の努力を知ってか知らずか、
ご主人様のムチは、どんどん力強く振り下ろされる。
ムチの柔らかな先が、乳首を撫でた。
「こんなに、乳首を勃てて」
まるで屹立を叱るかのように、胸の先端めがけて、ムチが振り下ろされる。
……痛い。
「麻瑚。ムチで叩かれて、そんなに感じているのか?」
ううん、決して心地よい気持ちよさじゃない。
だけど。
どう答えいいかわからなくて無言でいると、イライラするかのように
乳首に振り下ろされるムチが、どんどん力強くなっていく。
刺激で更に先端が硬くなる。
そこにまた、力強い一打ち。
もう、アイマスクの下では、涙が溢れているのに、ムチは止んでくれない。
「いた…ぃ……」
強烈な一打に耐えきれず、小さく高い声で自然と呟いてしまった。
もう、少しでも気を許したら、号泣してしまいそうなほど、私は張りつめている。
胸の先端に、暖かく湿った柔らかい感触。きっとこれは、ご主人様のキス。
そして、まるで何かを労うかのように、痛む乳首を舌で撫でて下さっている。
「まだ痛いか?」
「……」
「まだ、痛いのか!?」
慌てて「あ、ううん」と答え、首を小刻みに左右に揺らす。
さっきまではムチ打にシクシク泣いていたのに、
ヒリヒリとした先端を、舌と唇で優しく転がされただけで、
腰が浮き、甘い吐息が漏れてしまっている私。
こんなのイヤ。自分が情けなさすぎる、なんだか本当に。
ご褒美の時間が終わると、ご主人様は
ムチの持ち手側を、私の股間に突き立てた。
亀裂に食い込む縄を押しのけるかのように、グリップがクリトリスめがけて攻撃をしかける。
「ここか? ここが気持ちいいのか?」
ご主人様の蔑むような、ぞんざいな問いかけ。
問いに対し黙っていると、ご主人様のお言葉がどんどん荒くなる。
ご主人様を怒らせてはいけない。
私は慌てて、やっとしぼりだした「はい」という小声と腰つきで、かろうじて答えた。
ひとしきり責めがおわると、股縄が解かれた。
でも脚は、固定されて開いたまま。
大開脚させられている脚の間に、ご主人様がいらっしゃる気配。
「これから何をするか、わかるか?」
ご主人様の行動について想像はつくけれど、
もしかしたら違うかもしれないし、それになんだか怖いし……と
ひとまず首を横にふる。
ご主人様はそれに対して無言のまま
私の太股を掴み、位置を直すとそのまま中へ……
いち。裂けるような痛みが走るけれど、それは一瞬のこと
にぃ。次の瞬間、私の身体はもう素直にご主人様を受け入れてる
さん。そして三回目のピストンで、私ははしたない声をあげてしまった。
見えない恐怖、固定されて動かせない両脚、
腕はまだ後手に縛られたまま。
私には全く自由がない状態。こんなに怖いのに。
なのに私は、
ご主人様が身体の中心に突き立てられたものを、待っていたかのごとく受け入れ、
そして喘ぎ声を上げているのだ。
「どうだ?」
「……怖い……です」
「怖いのに感じているのか? 自分で腰振ってるだろ? ん?」
ご主人様は更に私の身体をご自身の方へと引き寄せ、
さらに激しく犯し続ける。
いつもより、とてもぞんざいな扱いと言葉。
犯されているような雰囲気に、恐怖感と快感が入り交じり、
また声が上がってしまう。
その声は、どんどん大きくなっているのが自分でもわかるくらいだ。
喘ぎ声の合間を縫って「壊れちゃう……」と呟くと、
ご主人様が「もう壊れてるだろ?」と。
そして、「いいよ、もっと壊れな」とも。
その言葉に甘えるように、更に喘ぎ声が大きくなってゆく。
もう、自分で自分が止められない。
ご主人様の身体の下で、私の身体は
アイマスクと下で、私の感覚と頭は
崩壊していくような、人として駄目になっていくような、
恐怖感とも快感ともつかない、不思議な感覚を味わいっていました。
ほどなくして、脚の固定が解かれ
アイマスクが外され、涙で濡れた目蓋がキスで拭われ
手の縄も解かれ
繋がった場所以外、私は自由になった。
なのに、
さらに拘束されたがっているかのように
ご主人様の身体にしがみつき、
「もっと……もっと、下さい。ご主人様……下さいっ」
と、私は強請り続けていた。
対面座位の状態で律動がとまっても、
私はご主人様にしがみつき、喘ぎ声をあげながら
どうしていいかわからなくなった心と身体を、ただくねらせるばかり。
少しして
やっと激しい快感が引くと、
今度は、猛烈な恥ずかしさと後悔が全身に広がる。
……なんで私、こんなになっちゃったんだろう……
そう考えながら、「ごめんなさい」と呟く。
「なにが『ごめんなさい』だ?」
「……淫乱で……」
ご主人様の耳元に唇を近づけ、そっと伝えた、お侘びの言葉。なのに、
「別に今だけじゃないだろ? このところ、いつもこうだろ?」って。
たしかに、そうだけど。でも……。
「麻瑚、ムチはどうだった? 気持ちよかったか?」
「……痛かったです〜」
「でも麻瑚は、あんなに濡れてたぞ」
「ん……あのね、気持ちよくはないですけど、 凄く 興奮……しました」
それはなんか、
行っちゃいけない向こう側を見てしまったような、
そんな気分とでもいうのでしょうか。
しかし。本当に、自我が崩壊しちゃうかと思いました。
怖かった……自分が(苦笑)
ではまた、少し休みます。
《 2005.0331 02:10 記》
--***--