即席珈琲エディクション/Instant coffee addiction...嶋紗雪

 

 

∧...PaST

 2003年01月20日(月) 

暗二郎


芽衣子メイコを迎えに行ってきた。
ガレージに車を止めて降りようとしたら、「降りちゃだめ!」と芽衣子が叫んだ。
「この車には爆弾が仕掛けられているみたいだわ・・・」
突然そんなことを言い出す。
「揺らしちゃダメ。そっとゆっくりと」
慎重に車から降り、車体を調べる。
が、整備も出来ないド素人なのでどれが爆弾なのかさっぱりだ。
とにかく、エンジンを冷やすと爆発するというので、助けを求めるためもう一度車に乗り込む。
近江八幡市に向かって田んぼ道を走っていたら、後ろに黒のセダンが尾行てきているのに気付いた。
それも2台。
振り払おうと、右へ左へハンドルを切る。激しいカーチェイス。
もうダメ、追いつかれる――!って時、突然、後方で爆発音。
白煙が巻き起こりセダンが飲み込まれる。
と、セダンを飛び越すように、見えない煙の中から一台の車が飛び出してきた。
 
 
飛び出してきた車は、私の車の前に着地し、急ハンドルを切って左の田んぼに突っ込んだ。
パジェロミニのような車は車体を半分田んぼに沈ませながらこちらを向いていた。
その車のナンバープレートに目をやると、普通、都道府県名が書いてあるはずの場所に「○○○暗二郎」と書いてあった。
「暗二郎さんだ!!」
助手席に座っていた芽衣子が叫ぶ。
これで助かる。ほっと、息をついた。
 




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 2003年01月17日(金) 

ゴマ団子


今日の夕御飯はゴマ団子。
居間に行くともう家族が揃っていた。
父母祖父弟妹達・・・皆が囲む食卓の上にはゴマ団子が、イイ感じに揚がってておいしそうだ。
皿に山盛りに盛っていて、「さゆちゃんも食べや?」と、母が差し出す。
取り皿には串の刺さったゴマ団子が3つ、取り分けられていた。
一つ手に取り一口食べる。
中のあんこがホクホクで、とても熱かった。
 




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2002年01月17日(木) 一月の振替休日
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 2003年01月15日(水) 

1丁目1-1


事件が解決して、妹を迎えに行った帰り、
「おっと。忘れ物をしてしまった。」と、
父が言ったので、仕事場に寄った。
高い高いガラス張りの高層ビルの前に車を止めて父は「すぐ戻る」と足早に中へ入っていった。
「珍しいですね、先輩が忘れ物なんて」
車に寄りかかり父の職場の後輩の男の人が言う。
「そうね。あの人は1丁目1-1・・・優秀な方ですもの。」
同じく同僚の女の人が言う。
走行するうちに父が戻ってきた。
と、私は父に向かって言った。
「父さん、この人と結婚してください!」
この人とは同僚の女性。
「私知ってるの。本当はこの人が好きなんでしょ?」
「っ!そ、そんなことは・・・っ」
狼狽する父を見て、私は古新聞の束からクロスワードの載っている新聞だけを取り出し、女性に無理やり押し付け、
「ほら、父さんの好きなパズルも持ってるのよ!」
困り果てた父に母も言う。
「そうよ。私のことは気にしないで。ほら、私にはこんなに可愛い子供たちがいるんですもの」
母は微笑んだ。
「・・・ね?」
渋々ながら、それでも嬉しそうに父は女性と腕を組む。彼女も嬉しそうだ。
母の笑顔だけが、寂しそう、だった。
 
そうして、私と母は父に背を向け歩き出した。
右斜め前に母の背中が見える。
流した黒髪が歩くたびにしなやかに揺れる。
私は早足で母の隣に並び小声で言った。
「・・・・・・ごめんね?」
 
いいのよ、と母は笑っただけだった。
 




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 2003年01月09日(木) 

ファンタジー風味_1


アーチャーは、魔物に襲われているパーティーを見つけた。
相互協力人助け。
魔物を狙った矢は見事命中。経験値を10稼いだ。
ダンジョンレベルが低いのでgoldも出ない。
助けたのはレベル5の新米剣士。
仲間とはぐれてしまったという。
「こんな屋内では力が発揮できないだろう?」
生意気な奴。
レベル差が20近くついてるんだから、私より自分の心配しろヨと思ったら、どうやら交換条件の提示だったらしい。
私を守るから、一緒に仲間を探して欲しい。
オイオイ。だから人の心配より自分でしょ?
―――結局私はその提示を受けた。
 




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 2003年01月08日(水) 

ファンタジー風味 武闘家


一介の武闘家。アーチャーと友達で、その弟の彼女。
仲のよい姉弟がうらやましくて、恋しくて、
一緒に旅してた頃は毎日が楽しくて。
幸せで。弟と互いに好き合ってからは、
もっと幸せで。人生で一番だった。
今このときも幸せで、ぽかぽか陽射しの様だけれど、
何の変わりのない毎日で。
―――戻りたい・・・。
でも戻れない。友達は前を向いて進んでいる。
自分も頑張ろう。私は一人じゃない。
 




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2002年01月08日(火) LOVE COFEE INN
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 2003年01月07日(火) 

ファンタジー風味 ハンター


一介のハンター。アーチャーの弟。
弱虫泣き虫毛虫の子、といわれて育ったけれど、
それでも立派に冒険者証を取得した。
開錠、罠解除、お茶の子サイサイ。
でも大きくなろうが毛虫の子。常に逃げ腰ではあったけれど。
 
パーティを組んでいた幼なじみを好きになった。
自分に剣士ほどの強さは無いけれど、
せめて、この人だけは守りたいと思った。
自分には知恵がある。例えそれが、
罠を張って待ち構えるような卑怯なことでも。
……彼女より弱くても、自分には知恵がある。
  




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2002年01月07日(月) 夜型人間、覚醒できズ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 2003年01月06日(月) 

ファンタジー風味 アーチャー


一介のアーチャー。
シングルパーティで遺跡を進む。
弓矢使いにとってこのような狭い場所は本来不得手だ。
それでも行かなければいけない。
―――探し物のため。
反応が、このダンジョンにあった。
幸い、ダンジョンレベルは低い方で、
そこそこベテランのアーチャーにとって
軽い冒険だった。
 




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 2003年01月05日(日) 

パターン2


「ねぇ、ちょっと」
声をかけられ振り向いたら、
後ろから伸びてきた手が私の胸をがしりと掴む。
 
鷲掴み。
 
そんなの、自分でもした事ないのにこの人は。
考えるも体は動かない。・・・怖い?
一刻過ぎて、お互い慌てて距離をとる。
分かってるよ。
周りの人がどう思おうが。私は、
分かってるヨ。
声をかけて肩を叩こうとしたら私が振り返ったからスカしたんでしょ?
そんな事。わかってるさ。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 2003年01月04日(土) 

パターン1


ドアの向こうにそっくりサンがいる。
目をまんまるにして見つめ合う二人。
我に返ったのはどちらが先か。
あわあわ言いながらお互い駆け寄り懐かしむ。
ふと、周りに人がいるのに気付いてか、
「ジツはイトコなんです」
え、嘘、と片割れが声を上げる。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 2003年01月03日(金) 

MIXed JUICE


カフェで待ち合わせ。
来たのはTVで人気のアカペラグループ。
向かいの席につき、ウェイターに注文する。
「ミックスジュース」
目の前には何故かミキサーが。
スイッチを入れるとオレンジジュース(っぽい)の出来上がり。
羽の人が「おいしそうだね」と笑みを向ける。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 2003年01月02日(木) 

火事


消防訓練士が私の前に立った。そして敬礼。
私も敬礼し返し、あたりを見回す。
そこはもうなにもかもが焼け焦げた跡。
もう、手遅れの場所。
奥から隊員二人がかりで運び込まれた箱がある。
どうしますか?と聞かれて、外に出せ、と指示をした。
私はどうしようというのだろう
火で清められたその場所を。
思わず手をついた柱は黒く炭化し、
私の手を汚した。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2002年01月02日(水) 行列のできる有名な場所
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 2003年01月01日(水) 

サイレン


朝起きたら隣にシュウがいた。
頬をすり寄せたら、おはようのチュウ。エロイ。
・・・そんなシチュエーションを夢見てたら、
12時を知らせるサイレンが鳴った。
街中に鳴り響くこのサイレンはすっかり私の目覚ましがわり。
定期の時刻に鳴らしている携帯電話やラジオは既にBGMと化し、
彼らに託した任務は遂行できなかったのだと思い知る。
さあ 訓練の時間だ。
布団をはねつけ、伸びをする。
 
夢見の時間はもう終わり





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



∨...WiLL

 

 

 

 








INDEX
past  will



* HISTORY *

2001/09/082002/06/14
……仕事師の私事

2002/07/052002/11/15
……百質目指せ100

2003/01/012003/05/25
……心の夢泉

2003/06/072003/09/21
……怠惰な日常の継続

2003/10/032004/10/02
……鋼と鎧と楽園の日々

2004/10/032005/04/29
……現実逃れの占術創作

2005/05/012019/08/23
……現実的な絶望と希望

2019/09/08
……人生アンロック



* FAVORITE *

EU…欧州連合?否、エンピツ大好き同盟☆エンピツユニオン

My追加

Mail