「硝子の月」
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2007年11月30日(金) <夕刻> 瀬生曲

 そこに映し出されてはいないが、彼女の後ろには『硝子の月』に関わる者達が事の次第を見詰めていることだろう。それを思い描いて、常に暇を持て余し気味の女性はまた笑う。
「よい、許す」
 水煙草の長い柄がゆらりと揺れる。
「連れておいで」
 艶(あで)やかな笑みを浮かべ、『英知の殿堂』の長は鷹揚に頷いた。


紗月 護 |MAILHomePage

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