ちゃんちゃん☆のショート創作

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君の名を呼べない 後書きv
2011年04月13日(水)

 イヤー、久しぶりの更新がこれとは(^^;;;)
けど、今を逃したら、多分UPすることもかなわなくなるんだろうな、現在の原作の流れじゃ、と、思い切って更新することとなりました。

 あれは、確か原作にて藍染編に差し掛かった頃。マイPCにロムってあるデータ内にどれだけコンのことが書いてあるか把握したくて、「コンちゃん」の言語を含む文書ファイルを検索したんであります。何で単純に「コン」じゃなかったのかというと、「パソコン」とか「■リコン」とかで引っかかってくるのが目に見えるんで。ついでに言えば、「ちゃん」付けするのは多分織姫辺りだろうから、ピックアップされるのは贔屓のイチオリものになる、とせこい目論見したんですよ。

 が、実際に検索してみたら、明らかにBL■ACHとは違うものが出てきまして。「他のジャンルでも『コン』って愛称のキャラがいたっけか??」と読み進めたところ・・・それが一護曰くところの『夜の家族計画』に必要なもの、だったワケ。いやー、笑った笑った。

 で、気持ちがある程度落ち着いた時分に、ふと「コンがこの事実知ったら、どう思うかな? 怒るかなあ?」と考えたことが、今回の話を書く発端となりました。
 ・・・まあ、一護がうろたえるであろうことは、原作で夜一さんのすっぽんぽん見せられた時の反応で、想像出来たんですよね。けどさあ一護。正直それは、君のネーミングセンスが原因だから。「カイ」にしておいた方が良かったんじゃないのかね、今にして思えば。(^^;;;)

 しかし、この話を思いついた前後に、原作の番外編にて浦原氏がコンのこと「ちゃん」づけしてた、って話を聞いたんで、おまけに書き足しておいたんですが、ホントですか?? 未だに確認できてないんですけど(^^;;;)

 今一番の懸念。この日記、ちゃんとUPされるのか? コンちゃん、なんていうのが、所謂カキコ禁止用語になってないか? ってことなんですよねえ。



君の名を呼べない(後編) BL■ACH
2011年04月12日(火)

「俺さあ・・・一護たちが学校行ってる間、ずっと暇だろ? 縫いぐるみの姿じゃ、外も出歩けねえし。だから、部屋にある本とか雑誌とか、良く読んだりしてるんだけどよ・・・」
「それが一体、何だというのだ?」
「結論を急がないで下さいよ、姐さん。順序、ってもんがありますから。
俺はどっちかって言うと、特盛の女の子のグラビア写真とか、見たいなとか思ってるんだけど、あいにく一護の野郎はほとんど持ってないしよお・・・」
「放っとけ☆」
「ちょっと待て。『ほとんど』と言うからには、極少数ではあるが、一護も持ち合わせているということなのだな? 『とくもりのおんなのこのぐらびあしゃしん』とやらを」

 ・・・そこで何で鋭いツッコミ、するんだよルキア。

「断っとくけどな。アレは啓吾が押し付けてきたんだ。俺は、その、ちょびっと見ただけで・・・」
「ほお、見たのか」
「だから、ちょびっとだけだって!」
「言い訳する辺り、怪しいではないか。・・・よもや一護、貴様の頭の中で、井上にぐらびあしゃしんと同じ姿をさせたりしているのではあるまいな?」

 水着姿で挑発的なポーズをとる、プロポーション抜群の井上・・・!?

「だあああっ、思わず想像しちまったじゃねえかっ! てめえルキア、そうやっていらん煩悩の種をばら撒く方が、よっぽどタチ悪いって知ってるのかっ!」
「私は井上の心配をしたまでだ! 友人の身を案じて、何が悪い!」

 理性を必死に保とうとする俺と、一応あくまでも純粋に井上を心配しているらしいルキアは、その場で一触即発の状態に陥ったのだけれど。

 ダンッ!!

 すさまじい音にたじろげば、そこには完全に目の座ったコン。
 デオドラントスプレーの底を渾身の力で机に叩きつけて、俺たちの口論に割り込んだのだ。
 それこそ、もしヤツが握力増加型の改造魂魄だったら、さっきの勢いでスプレーを握りつぶしかねないような、とてつもない剣幕を漲らせて───。

「・・・話、続けていい、よな? 一護。姐さん」
「お、おう、悪かったな」
「ど、どうかお話を、続けてください〜」

 いつになく静かな殺気に満ちた形相で、たちまち消えうせるのは俺の煩悩。
 静かになった俺とルキアを一瞥してから、コンは話を再開させた。

「・・・特盛のグラビア写真はなくても、暇持て余してりゃつい読むってもんだよな? それで俺もあれこれ読んでたんだけどよ、そのうち記事の部分も読み飽きてよ。所謂読者コーナーにも目、通したんだ」
「読者コーナーって・・・アレかよ? 投稿で本音暴露しまくってる」
「一護も読んだのか?」
「た、確かに読んだけどな。女の本音ってヤツがちょっとヤバ過ぎて、中途で読むのやめちまったよ!」
「ヤバ過ぎるって・・・そんなに際どい話題ばかりだったのか?」
「そうだよ! はっきり言って、男の夢とか理想とかぶち壊す代物だったんだよ!」
「そう言うヤバい投稿文章を、貴様も何だかんだと読んだ、と」
「あのなあ・・・」

 コホン。

「・・・スミマセン。話の腰を折ったのはワタクシです」
「ちゃんと聞きますから、続きお願いします・・・」

 さっき以上に不機嫌なコンの視線に、俺もルキアもつい下手に出てしまう。
 ───しかし、ここまでコンのヤツをマジにさせる話題って、一体何なんだよ?

「とにかく、その読者コーナー読んでたらよ。ちょっと気になる固有名称があってよ」
「気になる固有名称?」
「おう。変だな、って思って、他の雑誌も読んでみたら、そっちにも何箇所かあってさ。話の前後から察するに、どうやらやっぱり同じもののこと指してるみたいで」

 コンの長ったらしい話も何とか、本題にたどり着いたらしい。

「『買いだめする』だの『財布に隠す』だの書いてあるから、どうやら何かに使う道具だ、ってことは分かったんだけどよー。その後ほとんど決まってHな話になってんだよ。やれ、彼女を連れ込むだのなんだの」
「・・・その、何冊かの雑誌に共通して登場する道具とやらが、コンが気になっているものなのだな? それで、一体それは何なのだ?」

 いい加減焦れたルキアが、話の要点を絞って、一気に畳み掛ける。
 俺は少しヒヤリ、としたが、さすがにコンも彼女のやり方をそれ以上は、非難しなかった。

 ただし、ふと見ればコンのやつ、何故か顔の辺りが赤くなってる。・・・いい加減、その仕組みと素材に疑問が残るぞ、縫いぐるみ。

「だから、その・・・『コンちゃん』・・・です」

「「───はい??」」

 俺とルキアは、見事にハモった。
 さっきまでの剣幕はどこへやら。俺たちの視線を浴びたコンは何やら、身の置き所がなさそうな、いたたまれなさそうな雰囲気になっている。

「あちこちの雑誌で、やたら『コンちゃん』って言葉が多用してありまして・・・」
「ええと、それってひょっとして、さっき井上にお前が『君』付けて呼んでくれ、って頼んでた理由なのか?」
「・・・まあな・・・」
「だからどうして、そんなにコンが恥ずかしそうにしているのだ? 犬や猫の名前に同じ名前をつけていても、別におかしくはないと思うのだが」
「だよなあ。どっちかって言うとその名前、キツネにつけそうな感じだけど」

 実際、俺がコンのことをそう呼ぶたび、事情を知らない奴らは首を傾げてたっけ。コンのヤツはどこからどう見てもライオンの縫いぐるみで、キツネには見えないもんな。

 が、コンはそんな俺たちの様子に、深々とため息を付いたのである。

「やっぱりか・・・ひょっとしたら、と思ってたけどよ、一護。お前、全然知らなかったんだな・・・。
ま、知ってたら絶対、井上さんのこと止めただろうけどよ・・・」
「はあ? 何をだよ?」
「姐さんが知らないでいてくれたのは、ある意味ホッとしたなぁ・・・」
「どうして私が知らないと、コンがホッとするのだ?」
「いえ・・・姐さんはいっそ、そのままのアナタでいてください・・・」

 何故か遠い目で、昔を懐かしむようなコンの様子に、俺は唐突だけどイヤーな予感がしたのだった。

 ───あのコンが、持って回った言い方でなかなか本題に入らなかったぐらい、デリケートな問題らしくて。
 どうやら一般的に、俺くらいの年齢の男子なら、知ってて当たり前。付け加えれば、Hな話題にはつきものらしい代物で。
 ついでに、コン的にはルキアには、出来たら知らないままでいて欲しいもの。

 それが、あちこちの雑誌の読者コーナーで、一様に『コンちゃん』と呼ばれている・・・。

 そこまで推理したところで。

「・・・・・・・・・っ!?」

 俺の顔面は、一気に沸騰寸前に陥った。
 イヤ、顔面だけじゃない。体中の血液が一瞬で逆流したように思うのは、絶対錯覚なんかじゃないぞ!

「ココココ、コンっ! ひょっとして、ひょっとしてお前の名前をカタカナにして『ちゃん』づけすると、所謂『夜の家族計画』に必要なものになる、のか!?」
「そうなんだよ・・・。俺も最近までは知らなかったんだけどよ・・・しかも、一護の世代がその呼び方、ドンピシャらしくってよ・・・」
「なんでだあああっ! い、いくら頭2文字が同じだからって、何でアレを指す名称になるんだよっ!?」
「知らねえよっ、てめえら人間の考えてることなんざっ!」
「俺が考えたんじゃねえよっ!」
「俺の名前付けたのは、一護じゃねえかっ! あン時も安直過ぎるとは思ったけどよっ、もっと盛大に反対しとけばよかったって、後悔してんだぞ俺はっ!」
「・・・・・・っ! 過去の俺の大馬鹿野郎おっ!!」

 ───そりゃ、コンとしても気まずさ大爆発だったろう。必死こいて、井上に『君』付けしてくれと頼むわけだ。
 ここまで名前が馴染んでしまっては、今更改名するわけにもいかないし。

 ある程度叫びまくって気が済んだのか、いつしかコンの背中に漂うは、そこはかとない哀愁。・・・イヤ、マジで。

「フッ・・・何も知らなかったあの頃が、今となっちゃ懐かしいぜ・・・けどアレ以来、井上さんに『ちゃん』付けされるたびによお、俺は・・・俺はなあ、気が気じゃなかったんだぞ」
「うっ★」
「だってよお・・・あれじゃまるで、純粋無邪気で何も知らないいたいけな女の子に・・・身近な存在で言えば遊子辺りに、スケベな言葉を言わせて悦に浸ってるド変態、みたいじゃねえか・・・!」

 そ、それはあまりに嫌な例えだな、をい。言いたいことは分かるけど。
 とは言え。

「コン・・・俺は少しだけ、お前を尊敬するぞ。お前がそこまでの変態じゃなくて、一応は理性ってモンを持ち合わせてる改造魂魄で、ホントーによかった」
「分かってくれるか、一護」
「今だけだけど、理解してやるぜっ」

 ガシッ! と派手に大げさな抱擁? を交わす俺とコンを、しばらくルキアは不思議そうな顔をして見ていたのだが。
 唐突に思い当たったらしく、ぽむ☆ と手を合わせてから口を挟んできた。


「・・・ああ! なるほど。さっきから何を言ってるのかと思ったら、ひょっとして、避・・・」
「だあああああっ! 頼むから、頼むから姐さん、皆まで言わないで下さいいいっっ!」
「確かに気まずかろうな。あの井上に呼ばれる度、コ▲ド・・・」
「ルーキーアー! 俺たちは千本桜の錆にはなりたくねえんだよっ! 口を謹めっ!」

 卑猥と言うほどのものではないが、うら若い? 女の口から簡単に飛び出ていい固有名称では、決してなく。
 ましてや、妹可愛さが度を過ぎる某・義兄が聞きつければ、その一因を作った者を生かしておくはずもない。

 俺とコンは、わが身可愛さの意味も込めて、ルキアの暴言を止めるべく、躍起になったのであった。


◆おまけ◆

「ねえねえ。この間浦原さんに会ったら、コン君のこと『ちゃん』付けしてたよねえ? いいの? 子供っぽいのイヤなんじゃなかったの?」
「あいつはヘンタイだからいーんだ。俺は子供で結構☆」
「ヤツが変態だと言う意見には、反対しないな私も」
「てか浦原さん、絶対確信犯で言ってるよな? アレ。何考えてんだか」
「? 何のこと?」
「「「井上(さん)は知らなくていーんだ!(まだ)」」」
「??????」


【おしまいv】

 後書きは翌日名義の日記にて。


君の名を呼べない(前編) BL■ACH
2011年04月11日(月)

※くれぐれも念押ししますが、これは劇場版第3弾とは何の関連もありません! その辺、妙な期待をしないで下さい。

※下ネタと言うにはささやかな下ネタ、あります。万が一意味が分からなくても、家族や異性のお友達には質問しないこと。ましてや教師になど、絶対聞かぬよう。未成年者は年齢が成年に達するのを、素直に待ちましょう・・・つまりは、そーゆー方向の話題です(ーー;;;)

※ち☆ はイチオリ派です。この話もイチオリ前提です。現在連載中の原作とは、かーなーりー食い違った内容となってます。だって思いついたの、藍染編の時だったんだもん・・・☆



「悪いけど井上さん!
これからは俺のこと、『君』付けで呼んでくれねえか!」

 とある日のこと。
 ウチの縫いぐるみの居候がいきなり、遊びに来ていた客にそう持ちかけた。握りこぶしつきの気合いと共に。


君の名を呼べない


 確かアレは、俺が一緒にテスト勉強をしようと、井上を俺の部屋へ呼んだ日だった。
 まあ試験勉強と言うのは半ば口実で、本心は「テスト中も井上に会いたい」からなんだが、彼女は嫌がらずに・・・どころか、ひどく嬉しそうに来てくれた。

 で、その事態にもっと喜んだのは、件の居候・コンなわけで。
 一応はテスト勉強が建前なだけに、俺たちが勉強中はおとなしくしていたものの、休憩に入るとイロイロと騒々しくなった。俺を差し置いて(!)井上に飛びつきかけたり(むろん足蹴にして阻止した)、教科書を眺めて分からなかったことを尋ねたり(教科書の大半が該当したが)。

 その間、井上はコンのことを『コンちゃん』と呼んでいたのだが、どうやらそれが気にいらなかったらしく───唐突に、先ほどの発言が飛び出したんだ。
 本人曰く「子供っぽい」だそうで、俺達同様是非『君』付けで呼んでくれと、しつこく念を押していたっけ。

 当の井上は、と言うと、コンの意図が今ひとつ分からないまでも、

「じゃあ、今度からコン君って呼ぶね?」

と快くその申し出を受けてくれ、その場はとりあえず収まったのだが。

「・・・おい一護。ちょいと男同士の話し合いをしようぜ?」

 井上が帰り、部屋の後片付けをしていた俺にコンが、ヤケに神妙な顔つきで話しかけてきたのである。


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 珍しく、奴の眉間には皺。「縫いぐるみがどうやって眉間に皺を寄せるんだ?」との意見も出ようが、そんなことを気にしていたらコンの存在自身ありえねえことになるんで、この際は棚へ上げておく。

 ・・・まあつまりは、いつものおちゃらけた雰囲気じゃなかった、って意味さ。

 しかし、常日頃の行いが行いだ。少なくとも俺は、奴の言い分を言葉通りに受け取る気分にはなれない。
 そして、俺と同じ心持ちの奴が、実は室内にもう1人いたのである。

「何だ、男同士の話とは。コン、私は除け者なのか?」

 たまたま今日俺んちに来ていて、当然井上との勉強会にも参加していたルキアだった。
 彼女にはいろんな意味で弱いコンのこと、思わぬ方角からの横槍に、途端にうろたえ始める始末だ。

「そ、そんなつもりはありませんぜ、姐さん。ただ、その、男同士じゃないと分かり合えない事情って奴も、あるってことで・・・」
「だから、その『男同士でないと分かり合えない』事情とやらは何だ? と聞いておるのだ、私は」
「う・・・」
「私に、隠さねばならないことなのか?」

 ───知ってる奴もいるとは思うが、念のため。
 ルキアはいたく、井上のことを気に入っている。彼女を助けたいがために、尸魂界からの制止も何のその、恋次と一緒に虚圏へ、俺たちと合同すべく乗り込んだぐらいだ。

 ひょっとしたら所謂『女のカン』で、何かよからぬことをコンが企んでいるのでは、と懸念したのかもしれない。だから───今になって思えば、だが───自分がこの場にとどまることで、コンの企みとやらを阻止しようとしたのではないだろうか。

 ルキアの『私を出し抜いて井上にチョッカイ出そうとしても、そうはさせないぞ』を言わんばかりの視線に、さすがのコンも折れた。

 が。てっきり『男同士の話し合い』をやめるのかと思いきや。

「・・・だあああっ! 分かった、分かりましたよっ、姐さんも聞いててイイですからっ。
けど、今のうちにくれぐれも断っておきますけど、『聞くんじゃなかった』だの『女の私に聞かせる話題ではなかろう』とか言うの、絶対にナシですからねっ! マジっすよっ!」

 コンは予想に反して、ルキアを同席させてまでも、自分の意志を貫く道を選んだのである。

 ・・・これには俺にも困惑するしかねえ。
 だって、コンの今の言い草じゃ、あまり人には聞かれたくない話題であることは明白。なのに、ルキアが居合わせるのを許すなんて。

 よっぽど切羽詰った事情があるのか───自然、眉間にいつもの倍、皺が寄る俺に、だがコンは、なかなか本題に入ろうとしなかった・・・・・。



(後編に続く・・・)



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