衛澤のどーでもよさげ。
2005年09月30日(金) 天高く。

帰国してから二度目の心療科受診の日です。受付してから診察までの待ち時間を利用してのホルモン注射にも行ってきました。こちらは帰国後はじめてです。

いまの病院に転院してから注射が痛くないのでとても有難いです。二週間に一度、薬液が身体の中に入ってくる痛みに歯を喰いしばって耐えていた六年間がうそのようです。
内性器摘出を済ませたので投与量もこれまでの半量程度で済みますし、手続きに着手しはじめた戸籍訂正が叶えば、健康保険が適用されるらしいです。

帰国後は心身ともにすこぶる調子がよく、長時間外出していると頚周辺の筋肉がひどく緊張して目眩を感じることがあるのと、睡眠が浅く短時間を継ぎ合わせた睡りしか得られないことを除けば、何も不都合はないと報告すると心療科医先生は頷いて仰いました。
「ほんとうに元気になりましたね」
話し方や態度を、渡航前と変えたつもりはまったくありません。けれどもいまのぼくを見て心療科医先生が感心したようにそう言ってしまうほど、渡航前のぼくは見るからにしんどそうだったのでしょうね。

もともと、年が明けてからのぼくはとても調子が悪く、その上渡航直前には手術に備えてすべての服用薬を断たなければならず、そのため動けない日もめずらしくはありませんでした。
でも、いまは気分も体調も良好です。御陰さまで眠剤と目眩予防の漢方薬以外は服まずに済んでいます。いろんなことに挑戦したい気持ちで一杯です。これはきっと、気候がさわやかなせいだけではないでしょう。
心療科医先生には「でも、無理はしないように」と釘を刺されてはいますが。

いま一番何をしたいかと言えば、何処かへ出掛けて高い空と涼しい風の秋を満喫したいというのもありますが、やっぱり書きたいです。「衛澤」として御話を書きたいです。

いま、衛澤への執筆依頼があれば、きっとふたつ返事でお引き受けすると思います。稿料が限りなく安くても。


【今日の残念】
CATVで「キューティハニー」(サトエリさん主演の方)を観る。……銀幕で観たかったよう。と泣きそうになるほどのでき映え。1800円支払っても惜しくない愉しさ。
「FFAC」のティファもすんごくかわいくて吃驚したけどサトエリさんもめっさかわいいぞ。

2005年09月28日(水) 練習だけが平凡を非凡に変える。

企画書とか相関図とか紹介文とか……苦手なんですよ。書かなくてはならない機会は何度もやってくるので何度も書いてはいるのですが、難しいです。物語のかたちをしていないものは、書いていてとても疲れます。

企画書を書くことになると、出版の場合は大抵、梗概というものを添えることになります。長い御話を短くまとめたもののことです。粗筋とは違って結末まで書くことがほとんどです。これもぼくは不得意で……梗概が書けないなんて作家として致命的です。自分が書いたもの(これから書くものではなく)の梗概ですら巧く書けないって、いったいどういうことよ、おれ?
書き上がってもいないのにくたくたに疲れています。うー。

もともと長編型で短くまとめるのが下手、という自覚はあったのですけどね。でも梗概と短編とは違うし、梗概を巧く書けてこそ作家ですからねえ。
はふーんがっくり。
キテレツなギオンを発している暇があったら、練習練習。ほら。


【今日の募集中】
バンコク土産プレゼント、ちょろっとでもほしいと思われたらどうぞ御応募を。今月末日まで受け付けてますよー。

2005年09月26日(月) 結構な勢いで。

現在、渡航中の体験をWeb用の記事にまとめる作業をしております。細密なことを書いても読む人が大変だろうから、と、あまり細かくならないように、しかし大雑把過ぎないようにと書き進めていますが、それでもかなりテキスト量が多いです。今月中にテキストだけでもまとまるといいなと予定を立てていますが、果たして間に合うでしょうか。

締切がある訳ではないので今月中に仕上がらなくても構わないのですが、あまり時間が経つと体験したことの記憶も薄くなってしまいますし、月が変わったらそろそろ収入に結びつく原稿にも手を付けなくてはなりません。
ほんとうのことを言えば、渡航記なんぞよりも仕事の原稿を先にまとめるべきなのですが、そこはそれ(どれ)。

遅筆の私にしては結構な勢いで書き進んでいますよ。現在の仕上がり具合いは全体の約3分の1です。……まだ3分の1か(がっくり)。
これを書いている間は、当記事の更新が滞りがちになると思います。御了承ください。


【今日の待ってます】
バンコク土産プレゼント応募、今月末日までお待ちしております。いまのうちですよー。

2005年09月24日(土) ほのかな寂寞を。

ぼくはいま抱き枕を使っています。開腹手術を受けた痕が僅かながら疼くので、仰臥するよりはヨコ向いて枕を抱えて、枕に体重を預け気味にして寝ると幾らか楽なのです。このことには、渡航先のホテルで気付きました。

渡航先で滞在していたホテルには抱き枕などありませんでしたが、ぼくが利用していた部屋には何故かダブルベッドが置いてあって枕もふたつあったので、もうひとり用の枕を抱えて寝ていました。客観的に考えてみると少々寂しい構図ではあります。

さて、帰国してからは自宅にある長さ1mほどの枕を抱っこして寝ています。だいたい、右腹を下にして。昨夜の寝入り端もその恰好でした。
今朝、目覚めてみると、ぼくは仰臥していました。右腕を真横に広げた恰好で。ぼくに添うようにベッドの上に横たわる枕の端っこが二の腕に乗っかっています。

つまりぼくは抱き枕に腕枕をしてやっていた訳です。
……かーなしいね、かなしいね、かなしいねー……♪(by 渡辺美里)

そんな、秋という季節に相応しい(?)もの寂しい目覚めでしたが、今日はよいこともありました。昨日買った炊飯器で御飯を炊いてホットケーキをつくって、何れも以前使っていた炊飯器とは比較にならないほどの出来映えによろこんで小躍りしていました。しかし今日はもっとすばらしい結果を見たのです。
炊飯器を使って牛すじ肉のシチューをつくりました。普通にコンロで煮込んでいるのではなかなか煮えない牛すじがとろけるようにやわらかく煮えて、こくのあるビーフシチューに仕上がりました! 炊飯器万歳! もうコンロは不要!
思いつきで放り込んだロールキャベツ(出来合い)もほろほろとやわらかく。こりゃー次回は自分でキャベツくるくる巻いてつくるべきだと思いました。調理器具が整うと料理が愉しくなるってほんとうだったんですね。

でも、新炊飯器の内蓋が外れなくて洗いづらいことが判って、ちょっとだけしょんぼり。


【今日のいまも募集中】
バンコク土産プレゼント今月末日までほしい人募集中ですよー。ほーらどんどん要求してください。

2005年09月23日(金) いろいろきた。

渡航中は何かともの要りだろうと多めに貯金をして持っていきました。しかしタイという国は物価が安く、その上思ったよりも買いものをしなかったので大幅に予算が余りました。
余った分はそのまま貯金して次回の手術費用にまわしてもよかったのですが、この際だからと、いい加減旧くて使えなくなりはじめていた布団と炊飯器と洗濯機を新しく買い換えることにしました。

布団は掛け敷き両方購入し、自力で運ぶのは難儀なので配達して貰いました。枕も新調。布団カバーは格子柄です。
という話を友人にしたところ、
「カバーはどんな柄?」
「格子柄」
「イナバコウシ柄?」
「そんな柄の布団では寝たくないな」
というネタ合わせをしたかのような会話になりましたとさ(伝聞形)。

続いて炊飯器と洗濯機が一緒に到着。近隣の家電屋に頼んで配達といままで使っていた機体の引き取り、新しい洗濯機の設置をして貰いました。新品の白い洗濯機がベランダに据えられて、以前の洗濯機より少しコンパクトなその姿ににやけたりしました。
配達の兄さんたちがいなくなってから、炊飯器を開梱しました。ぼくが知っている或る兄弟のお兄ちゃんの方が新品の炊飯器を買ったときに弟くんに「釜だけを洗え」と言われていたのを思い出して、そのようにしようと内釜を手に取りました。いまどきの炊飯器の内釜はとても軽いねー、とちょっと驚きながら御約束通り頭に被ってから、ちゃんと洗いました。
被ってみるとケブラーヘルメットそっくりで吃驚。

買った品物が届いて浮かれていると、国勢調査の人が来ました。マークシートの調査票と封筒、封緘紙をくれて、「御願いしますね」と丁寧な御挨拶。
調査票を見てみると、一番最初に早速性別欄があります。これは戸籍上の性別を記入すべきなのか「実際」を記入すべきなのかと迷っていると「こちらにはおひとりでお住まいですよね……男性ひとり住まい、と」と何やら記録を取られてしまって、「10月1日頃にまた回収に来ます」と調査員氏は去ってしまわれました。とても御機嫌がよさそうです。
マンションの一ト部屋一ト部屋を訪ね歩いて調査票を渡している調査員氏は、なかなか住人と顔を合わせられないらしく、そんな中ぼくが応対に出たので気分がよろしかったようです。ぼくは内釜を被っているときに会わなくてよかったと思いました。

うちに洗濯機を届けてから3時間後くらいに、同じ家電屋から電話が入りました。
「違う品物を配達してしまったので、交換に行かせてください」
直ぐに来て貰って、ぼくが買った洗濯機を設置し直して貰いました。先刻来て貰ったときに、ぼくが品物が違うことに気付いて指摘していれば家電屋の兄さんたちも手間取らずに済んだのにな、と思いながら、白い洗濯機が搬出されていくのを見ていました。
改めて搬入された「ぼくが買った」洗濯機は、白じゃなくてグレーです。白い部分なんて少しもありません。しかもメーカーも違います。気付けよ、おれ。
販売店で展示品を見たときには型番しか判りませんでしたが、取扱説明書を見てみると「シングルズウォッシャー」という品名が書かれていました。独身者専用ですか。

陽が落ちた頃には高校生時代からの友人ふたりから連絡が入り、無事帰国&無事手術終了祝いに食事に連れて行って貰えることになりました。何とも有難いことです。
「タンシチューが食べたい」と数日前に言ったので、それを目当てに旨いと評判の店に連れて行って貰ったのですが、現在牛タン不足らしくて店員さんに謝られてしまいました。代わりと言ってはナニですが、ポークチャップを注文。久し振りに分厚い肉を喰って上機嫌です。旨いものを喰うと気持ちがゆったりしますよね。
連れて行ってくれて喰わせてくれた上に友人たちは写真も撮ってくれました。

旨かったんだよポークチャップ

こうして見るとぼくのナイフとフォークの使い方はやっぱり変だなあ。

旨い肉を喰ったことと旨い食事に連れて行ってくれた友人たちを、ここで自慢します。こんな風に大切にしてくれる友人がいるぼくはほんとうに倖せ者です。ぼくの周辺の人はどの人もどの人もみんな善良で、これは自慢するべきでしょう。
何れ報恩できるようにがんばらないとな、と改めて思いました。

会計のときに友人ふたりが「払わなくていいよ」とぼくに言ってくれたのを聞いた店員さんが「モテる男性はいいですね」などと仰いました。そう言えば誘ってくれた友人はふたりとも女性です。傍目に見るとそういうことになるのか、とこのときやっと気付きました。
だって高校生のときはぼく等3人とも同じ制服を着ていたもので。


【今日のまだまだ続きます】
バンコク土産プレゼント応募まだまだ募集中です。衛澤が他人さまにモノを差し上げることなど滅多にないので、この際ぜひどうぞ。

2005年09月21日(水) うずうず。

帰国してから一週間も経っていませんが、動きたくてたまりません。いや、術後5日めには既にトレーニングジムに行きたいと思うようになっていたのですよ。渡航少し前からジムに行かなくなったので、ここ半年でやっと発達してきた筋肉もすっかり落ちてしまいましたしね。

一昨日には久々にライヴで身体を動かして、それがとても爽快だったし、ステージ上の親方や兄貴たちは立派な筋肉をつけていて、それはやっぱり見ためにも力強くて「こりゃーわしも怠けちゃいられん」という気にもなるし、身体は動きたがっていてむずむずするし、あー動きたい。

でも、手術部位が下腹部なもので、下手に力むと腹筋に力が入って手術創がぱかっと開きそうなんですよ。開いた口からひみつ道具が出たらどうしようって。
傷がなくてもウエイトを挙げるときは腹筋や腰を痛めないようにベルトを着けたりするくらいですから、重々注意しなければなりません。

試しに自宅にある10kgのダンベルを少しだけ持ち上げてみたら、手術創近辺が引きつって危険窮まりないことが体感できました。……だから「向こう2箇月間は重いものは持ち上げないように」って言われただろって。でも、10kgなんて「重いもの」の範疇ではなかったのですよ、ぼくにとっては。

しかし筋肉は使わなければ確実に衰えていくし、少しずつでも動かしていれば発達はしていくものなので、ダンベルのウエイトを減らしてせめて3kgから挙げてみることにします。これくらいなら腹筋にも負担が掛かりません。
今月一杯は軽いウエイトと1時間程度のウォーキングで慣らしていきましょう。


【今日の引き続き】
バンコク土産プレゼントほしい人まだまだ募集中ですよー。タダですからどんどん応募してくださいねー。

2005年09月19日(月) 本望だ。

行ってきました「LIVE-GYM 2005 "CIRCLE OF ROCK"」!
今日の当記事はとても長いですよ。お読みの方は覚悟してくださいね。

今年参加したのは9月18日(日)。大阪ドーム公演2日め、3daysの真ん中の日です。大阪ドーム公演に参加するときは大抵この日程です。ドームツアーはいつも大阪が最終地で、千秋楽が一番盛り上がるのだろうなというのは判ってはいるのですが、手に入るチケットがいつも中日なのですよ。

ここで大阪ドーム基本情報。
アリーナ面積約13200平方メートル、容積は約120万立方メートル。大阪城がすっぽり入ってしまう大きさだそうな。
1997年開業。ここで公演したアーティスト概ねすべての手形が2階に展示されています。勿論、ギターの親方や歌の兄貴の手形もあります。ぼくはまだ見たことがないけど。
収容人数は約55000人。野球のときは48000人と言いますから、グラウンド部分(アリーナ席)が7000席ということになりますね。
1日借りるだけで1400万円かかるそうです。ここにトラスを組んだり特効で火を燃やしたり火薬を爆発させたり50000人超の観客を誘導整理する人を雇ったりすると、最早や天文学的な金額が必要になります。ここで公演する人は大変なお金持ちなのですね。

さて、その大阪ドーム前で同行の友人に写真を撮って貰いました。

開場5分前第6ゲート前

真ん中のおじさんがぼくですが、それは気にしなくていいです。御覧頂きたいのは立地条件です。直ぐ傍に巨大なガスタンクがある素敵なヴューですよ。
ここでテロリストに爆弾のひとつも爆発させられたらひとたまりもありません。最寄り駅はJR大阪環状線大正駅。環状線も大阪の中心地を走っていますし、ドームも50000人以上の人が入れる施設ですし、呼べば聞こえそうなほど近くにガスタンクが鎮座していて、これは「テロを起こしてください」と言わんばかりの配置です。大正駅からドームまでの途上でタンクを眺めながら、いつもぼくはちょっと怖いなあと思うのです。

また、55000人が音楽に合わせてジャンプをすると周辺地域はちょっとした地震になってしまうそうで地域住民からの苦情が相次ぎ、一時は「大阪ドームでのコンサートは禁止」ということになっていました。でも、いまこうしてライヴが開かれているということは、ここを本拠地としていた在阪球団がなくなって赤……むにゃむにゃ。

開場1600時、開演1800時。丁度開場時間にドーム到着。
会場内は空調が効いていると言っても暑いし可能な限り動きやすくするため、当日の服装は半袖半丈。但し足許は足首を保護し疲れにくく脱げにくいハイカットのトレッキングシューズ着用。開演2時間ほど前に消化しやすく直ぐに熱量に変わる軽い食事を摂ってから(腹一杯喰ってはいけない)、こまめに水分補給ができるように飲みもの持参で入場。水分は最低500ml以上確保しておくべきだ。会場や会場周辺で必要物資を購入できることは当てにしない方がいい。50000人以上が集まる場所なのだから購入には時間が掛かってしまうし、品物にありつけないかもしれない。
たかだかライヴ、たかだか2時間と侮ってはいけない。ちょっとした登山くらいの運動量と過酷さを覚悟していくべき。事前の体力づくりは当然のこと。特に心肺機能の向上は心掛けておく方がよい。
……というのが、ぼくが過去10年間に経験したライヴから学んだことです。

席は一塁側スタンド席9列249番。これまでの大阪ドーム公演ではアリーナ席にしかすわったことがないので、スタンド席はあまりステージがよく見えないのだろうなとチケットを手にしたときには少々がっかりしましたが、実際にすわってみるとなかなかどうして、視界良好です。
いつもステージ傍に設置されているオーロラヴィジョンもこれまでのプロジェクタとは違ってLEDなので画質がクリアー。席についてステージを眺め次第に埋まってゆく客席を眺めているとテンションのゲージがどんどん上がっていきます。
今回も変わったトラスを組んであるなと思ったら、よくよく見ると円形のステージ上で巨大な人がふたり向かい合って、互いの両手を繋ぎ合わせて輪っかをつくっている姿を模している様子。開演前にオーロラヴィジョンに流れていた映像でもそれが判る。映像の、ステージを歩く人型がかわいかった。でもね、手前の「人」の片脚がステージを隠してくれていたよ。透けてるけど。

グラウンドのど真ん中に円形のステージがどんと据えられていて、今回のセットはそのセンターステージだけ。ぼくがよく参加していた5年くらい前のライヴではフロントステージとセンターステージのふたつを設置してあって、歌の兄貴たちがあっちこっち移動してくれてその移動も見ものだったのだけど、眺める限り花道やセリも見当たらなくて入退場などの移動はどうするのだろうとわくわく。
観客の頭上には機雷(トゲトゲが出っぱった球状の爆弾)が幾つか浮いていて、「あれが破裂して中から親方(松本さん)たちが出てくるに違いない」「あんなところで待機してるんだね、大変だね」というネタを友人と披露し合う。……それくらいのことをして笑かしてくれるだろうな、という予想も希望も含めて。毎回真面目に笑かしてくれるから。

開演時間5分遅れで開演。客電(客席の照明)が半分だけ落ちて「THE CIRCLE」が流れる中、バックスクリーン直近の入口からB'z&サポーター御一行がグラウンドを歩いて入場。
……と。
ステージの内容を書いてしまっても大丈夫ですよね? 今日が千秋楽だし。
客席と彼等が歩く通路スペースとの間をフェンスと警備員が隔てているとは言え、そんなに観客の近くをゆっくり歩いてよく暴動が起きないなと感心。アイドルファンと違ってB'zファンはオトナだなと思う。みんな手を振るだけで満足している。さわろうとか叩こうとか狙撃しようって人はいないんだね。

いつものように両の拳を頭上に挙げて声援に応える松本親方の笑顔とがっしりした体格に惚れ惚れする。あの筋肉の付き方はとてもうらやましい。ギタリストなのにどうしてドラマーのようにごつい身体つきなのかいつも不思議に思う。
続くイナバ兄貴はやっぱり変な衣装で笑かしてくれる。スーツはいいのですが、そのつやつや光沢の生地とムラサキって色はないでしょ、って。いつも何処かひとつ外してくれるところが好きだ。取り立て屋みたいで恰好いいぞ(誉めている)。
シェーンさんの身体の何処かに必ず「大阪」の文字があるはずだと探してみるが、このときは見つからず。後のメンバー紹介のときにシャツを脱いだ背中一杯に大書されていました。流石だ。
徳ちゃん細! 大田くんはもっと自分をアピールしなさい。この若者ふたりを見た後に増田さんの姿を見ると何だかほっとするのでした。

全員がステージに上がると客電がすべて落ちて、第1曲め「X」、続いて「パルス」。「パルス」でアドレナリン分泌量がMAXまで引き上げられてしまう。
ぼくは今月4日に開腹手術を受けました。手術創がくっついたばかりです。執刀医師から「向こう2箇月間ははげしい運動は控えるように。重いものを持ったり、ジャンプも駄目」と言われていましたが、そんなことは既に忘却の彼方ですよ。痛みも怖れも感じている場合ではなく、ステージから全力をぶつけてくる彼等との対決に精一杯です。
大阪ドームの屋内各所には「ジャンピング禁止」と書いてあるのでジャンプはしないように、またストンピングも可能な限りしないように気を付けましたが、じっとしているのは無理って話です。

メニューは先月末の福岡ドーム公演から変わっていないようです。途中から夢中で正しく憶えているかどうか定かでないのですが、こんな感じでした。

(入場:THE CIRCLE)
1.X
2.パルス
(暗転)
3.Fever(ステージ火を噴く)
4.イカロス
(MC)
5.アクアブルー
6.睡蓮
(暗転)
7.Mannequin Village(マネキン多数登場、イナバ兄貴マネキンにセクハラ)
8.哀しきdreamer
9.BLACK AND WHITE(松明一杯、ステージが何だかバースデーケーキのよう)
(MC)
10.ALONE
11.今夜月の見える丘に
(MC)
12.誕生日のうた
(メンバー紹介)
13.love me, I love you
14.ねがい
15.juice(ステージ大回転。まわり過ぎ)
16.IT'S SHOWTIME!(火薬爆発)
17.愛のバクダン(飛行船登場、愛のバクダンばらまく)
------- encore -----------
(MC)
1.OCEAN
2.BANZAI
3.ultra soul
(おつかれー!)
(退場:Dear my lovely pain)

3曲め「Fever」でジャケットを脱いだイナバ兄貴、下のシャツはノースリーブでまた笑かしてくれる。袖なしでネクタイか……(ぷ)。露わになった三角筋(肩口の筋肉)と、シャツ越しに窺える向背筋(背中の筋肉)の発達具合いに「それ、狡いわ」と呟いてしまいました。済みません筋肉フェチで。
TVに出演したときにはよくマグネシウム発火(どかーん!と大音量で爆発するやつ)を使用していますが、今回は爆発でなく炎がステージの端っこから高く噴き上がりましたよ。後で「IT'S SHOWTIME!」でどかーん!とやりますが。
火を噴き上げるために消防法上の許可を取るのが大変だったんだろうななんて思ったり。

MCは1回ずつはそれほど時間を取らず、小分けに沢山、という感じ。MCに入るたびに「どうも有難う」と言ってくれるのは、かなりめずらしいのでは? こんなに沢山「有難う」を言うアーティストを、ぼくはほかに知りません。
デビュー16年、CD売上記録保持、発売CDすべてランキング1位と輝かしい記録と実力とキャリアを持つ彼等ですが、少しも驕ることなくいつも謙虚なのがさわやかですらあります。終演時には毎回、深々と腰の位置くらいまで頭を下げて御辞儀してくれますしね。
「今日は空っぽになっていってください」と淡々と、そして毎度の如く咬みながら話すその口調は、相変わらず教師口調。ホームルームみたいです。10年以上やっていても喋りだけはあんまり上手にならないのは御愛嬌。流暢にならないでほしいな、とも思います。
声を出したのがイナバ兄貴だけだったのが、ちょっと寂しかったですね。メンバー紹介のときだけでも松本親方やサポーターのみなさんの声を聞かせてほしかったなあ。

アルバム「THE CIRCLE」を聴いていて、「睡蓮」の出だし部分のイナバ兄貴の声に毎度毎度とろけそうになってしまうぼくですが、この日の生音では松本親方のギターの色っぽさに魂を抜かれました。頭頂部から魂がすう……っと抜けていくのが判りました。だもんで、虚空に両手を伸ばして「待ってー返してー」とあわあわやってしまいました。
弦楽器一本で人の動きを封じてしまう。すごいや親方。

「Mannequin Village」ではステージの周囲にずらりとスタイルのよろしい女性マネキンが並び、その間を縫って歩きながら、そしてその胸や尻をさわりながらイナバ兄貴が歌います。きちんと「エロい」さわり方を心得ているところが憎い。こういうエロ演出をさせたら日本一なのかもしれない。
「Mannequin Village」だからマネキンが並んだのですよね。違う曲で同じ演出をするとすれば、やはり生お姉さんが並んだのだろうか、と「RISKY」の頃に水着のお姉さんがステージ上に大量に現れたことを思い出しました。同行の友人は「これがほんとの"LADY-GO-ROUND"だね」と言っていました。ステージが回転鮨のようにくるくるまわっていたので。

「BLACK AND WHITE」の曲はじめに、ほんものの炎が点った松明を掲げた人が何人もステージに上がり、例のステージのくるくるまわる部分(円形ステージの真ん中は固定されていて、縁の部分だけが回転する)に松明を立てて、ステージからぞろぞろ降りていきました。客電が落ちた闇の中に真っ赤な炎が幾つも点って揺らいでいるのを見ていると、怪しい気分になります。
円形のステージにぽつぽつと火が並んでいるさまは、ろうそくが立ったケーキのようでもありました。この曲のときにこそステージを高速でまわして火を消してみればよかったのに(笑)。

「誕生日のうた」は未発表曲。「BUZZ!」(95年)の「LOVE PHANTOM」、「FIREBALL」(97年)の「DO ME」みたいなものですね。後にアルバムに収録されるとうれしい。
「よく考えてみると僕たちの曲には御誕生日を御祝いする歌がないので、つくってみました」とのイナバ兄貴のコメント。兄貴が「今日、誕生日の人」と片手を挙げて客席を見渡すと「はーい、今日誕生日!」と挙手する乙女たちが何と沢山沢山いることいること。今年だけ9月18日が誕生日になった人も多数。
「それじゃ、今日が誕生日の人のために。今日誕生日じゃない人も赤の他人のために御祝いできる広い心を持って、一緒に歌いましょう」とやっぱり先生口調で導かれ、55000人大合唱。とてもかわいい詩の、歌いやすく憶えやすい曲です。「Wonderful Opportunity」や「恋心(KOI-GOKORO)」に続く観客参加型の定番曲になるといいな。

「love me, I love you」以降はノンストップ。どんどんはげしい曲になっていくので昂奮も最高潮に達します。ここで特筆すべきは「juice」ですよね。これはきっと語り種になると思うのですよ。
えー、あのですね。
これまで何回か「ステージが回転する」と書きましたよね。その回転速度は、一定ではないのですよ。曲のテンポや演出に合わせて変わるのです。で、「juice」。……尋常でない速度でまわります。どれくらい速いかというと、ステージ上に立てている旗(かなり大きい)がたなびくくらい。ここは笑うところですよね。……ね?

曲に対しては勿論ノリノリなのですが、ステージに対しては「そんなに猛烈にまわらんでええやろ」と突っ込まずにはいられません。この回転体上に立っていたのはイナバ兄貴だけだったのですが、よく立っていられるものだと思いました。立っているだけでなく、確かな歌唱もします。これがプロかと、笑いながらも惜しみなく賞賛の拍手を贈りましたよワタクシ。
あんな猛速度の回転体の上に、捕まるものがあったとしても、ぼくならきっと立っていられないと思います。くるくるくるくるまわりながらも声がびびることも息が切れることも歌い損じることもないイナバ兄貴。素敵だ。「IN THE LIFE」(94年)のときは自力で回転して目をまわしていたのに(しかもその様子がライヴビデオに収録されてしまっている←蒸し返してやるなよ)。

ラスト曲「愛のバクダン」で、客席上に浮いている機雷の正体が明かされます。演奏中に飛行船が2機現れて、観客の頭上を旋回して、機雷に次々と体当たりしてゆきます。すると機雷が破裂して中から「愛のバクダン」(ハート形の風船)が沢山、紙吹雪とともに飛び出して、観客の許に落っこちてゆくのです。勿論、このときは客電が点いています。
ステージや飛行船の行方を見るとともに、このときぼくは客席も見まわしてみました。眼に入るどの顔もどの顔も、例外なくとてもうれしそうな満面の笑顔で、きっと55000人のみんなが笑っていたのだと思います。ぼくはその笑顔のひとつひとつがとてもうれしくて、こんな場にぼくを招いてくれたステージ上の彼等に感謝せずにはいられませんでした。何度も何度も「有難う」を言ってくれたけれど、ぼくたちはお金を支払った上で時間を割いてここに来ているのだけれど、それでもほんとうに心から有難う。そういう気持ちになりました。

アンコール待ちの間は恒例のウェーブ。手拍子よりもウェーブ。アリーナ席とスタンド席では別々にウェーブが発生して順序よくまわっていくのだけど、スタンド席のウェーブは些か不調で途中でたびたび消えたりしていました。
そこで、ぼくがすわっていた席の周辺の人が「つくりましょう!」と団結。見知らぬ人同志が数十人単位で気持ちを合わせて一斉に身体を動かします。こういうのもライヴの醍醐味ですよね。

アンコールは「OCEAN」でコーラスのうつくしさを堪能した後に、拳を振り上げる曲が2曲続きます。思いきり諸手を挙げて、高く拳を突き上げて、完全燃焼。大満足です。
終演後、ぼく等の後ろの席にいた若いお嬢さんが「B'zって元気なおじさんたちだね」と言っているのが聞こえました。
ほんまやね。
でも、「ただの」元気なおじさんじゃないんだと、ぼくは思います。無駄な年の取り方を決してしていない、素敵に年令と経験を重ねた、尊敬できる大人ですよ。だから姿もうつくしいんだろうな。うん。飾り立てたうつくしさじゃなくて、内面から滲み出るうつくしさ。

近頃いろいろと振るわなくて腐っていたりもしたけれど、そんなことしている場合じゃないと、もっとがんばらなくてはいけないと、がんばれるのだと、元気が湧いてきました。「魂に火が点く」ってこういうことか、と。
一ト晩で55000人を相手にしてひとり残らず満足させた上に、生命力を焚きつけてしまう親方や兄貴たちは、ほんとうに「いい男」なのだと思います。こういう男にならなきゃだよねえ。……目標にするくらいは、許されるでしょう?

帰宅してから手術部位に少し痛みを感じたのでそこを見てみたら、少しだけですが内出血が見られ、前日よりも少し腫れているようでした。身体の表面の傷はくっついているけど内側はまだくっついていないから気を付けるようにと言われたのをそのときにやっと思い出しました。派手に動きすぎたかなとちょっとひやりともしました。でも。
もしもライヴに参加したために何か身体に不具合が表れたとしても、ぼくは本望ですよ。決して誰にも文句は言いません。むしろ「有難う」です。


【今日の告知】
バンコク土産プレゼントほしい人大募集中ですよー。御応募くださいね。何せタダですから。

2005年09月17日(土) たまには謝恩。

昨日は夕方に帰国しまして少々ばたばたしていましたが、今日は何とか一ト息ついて荷物の整理などもすることができました。買いものしてきた品も鞄から出ましたので、日頃ごひいきくださるみなさまに感謝の意を込めて、バンコクの御土産を大放出であります。

おみやげ3人


ウィークエンドマーケットにて発見した謎の人形です。身長5cm前後(まちまち)。
タイの人に「これはこちらではポピュラーなキャラクタなのですか?」と訊いてみましたが、「特に人気があるキャラクタとかではないです。でも沢山の場所で売られています」という回答で、何を表している人形なのかはよく判りません。でもかわいいので買ってきました。

この謎人形を、1名さまにつき1体、計3名さまにプレゼント致します。3色ありますが、どれが御手許に届くかは到着までのお愉しみ、ということにしておいてください。

更に、衛澤が現地で使用しましたバンコク市内ガイドブックに衛澤直筆サインを入れて1名さまにプレゼント致します。もの好きな方(失礼)はお申し込みください。鞄に無造作に突っ込んでいたのでよれよれです。それでもよろしければ。

「貰ってやるよ」という方がもしもおられましたら、当サイトのメールフォームから、御名前と連絡が取れるメールアドレス、御希望の品名(「人形」もしくは「ガイドブック」)を明記の上、件名を「バンコクみやげ」としてお申し込みください。「人形とガイドブックの両方くれ」という欲張りさんには対応できませんのでよろしく御願い致します。

お申し込み期間は本日9月17日(土)から9月30日(金)PM11:59まで。申込者多数の場合は抽選にてお届け致します。なお、当選された方には品物をお届けするために御本名と御住所、電話番号をお訊ねすることになりますのでその旨御了承ください。

と、一ト通りの告知をしておきまして、明日は待ちに待った某有名アーティストのライヴに行ってきます。腹の手術創が開く覚悟で暴れてくる心づもりです。執刀医先生に「はげしい運動はやめてね。ジャンプも駄目」と言われていますが、やる気満々です。いやっほう。


【今日のそれもよし】
たまに雨に濡れながら道を行くのもよろしいでしょう。

2005年09月16日(金) かーちゃんいまかえったよ。

本日無事に帰国致しました。多くのみなさまから励ましなど沢山頂きまして、とてもうれしく思っております。まことに有難うございました。御陰さまで経過はすこぶる良好順調、渡航前よりも幾らか元気なくらいです。
頂いたメールその他への御返事は、順次させて頂きますので、暫くお待ちくださいませ。

彼の国ではおもしろそうなものの写真をばしばし100枚ばかり撮って参りました。これも追ってみなさまにお見せしてゆきます。先ずは1枚め。

謎のかぶりもの in Bangkok


バンコク市内シーロム(若者が集まる繁華街)の映画館の前に謎のかぶりものの人がいたので激写してきました。上の写真は後ろ姿です。正面から見ても同じ顔でした。音楽に合わせてゆんらゆんらしているのがかわいかったです。

……いえ、こんな写真ばっかり撮ってきた訳ではないです。


【今日の新しい智識】
病院食って、他所の国でもやっぱり旨くないんですね。

2005年09月03日(土) ずしらせ。

ただいま衛澤は性別適合手術を受けるためにタイ王国に滞在しております。

異国の地におります故、記事の更新をはじめ、サイト管理の一切が叶いません。そのためお越しくだすったみなさまに愉しんで頂けない、不快な思いをさせてしまうなどもあるかもしれませんが、どうか御容赦ください。

九月二〇日(火)を過ぎたら、ぼちぼちとネット上に出てこられるものと思いますので、その頃に再度お越し頂けるとうれしいです。

また、メール等を送って頂いてもメールチェックができませんので、御返事は帰国後暫くまでお待ち頂くことになります。衛澤宛てにメールを送ろうという方は、できれば二〇日以降に送信して頂けると管理がしやすくて助かります。

ではでは。ドウゾフタタビヨクイラツシヤイマセ。

2005年09月02日(金) びっくりしたでござるよ。

今日中に届かなかったら些か難儀なことになると少々焦りながら待っていたものが、やっと届きました。
某有名アーティスト9月18日大阪ドーム公演のチケット。
郵便屋さんから受け取った途端にいやっほー!だとか雄叫びを上げそうになりましたよ。

と言いますのも、ぼくは明日9月3日から16日までの間(予定)、国内にはいないからです。帰国して中一日でライヴに参加という強行軍を敢行する訳です。チケットが今日届かなくても、渡航中に無事に届いていたら郵便局に受け取りに行くだけで済みますが、郵便事故等で紛失されたりしていたら当日までに入手できないかもしれないので、ひやひやしていました。
そのチケットも無事に手許に届き、一ト安心。これで明日は心残りなく空港へ向かうことができます。

このように浮かれておりましたら、いつもはとても静かなぼくの携帯電話が何通ものメールを次々と受信しはじめました。どうしたことかと思えば、実にいろいろな人が「いってらっしゃい」のメールを送ってくだすったのです。

送り主には、血縁の者や学生時代の同級生などの御近所さんもいれば、他府県等遠方ににお住まいの方もおられます。さまざまな場所に住むさまざまな職種のさまざまな年令の人が、さまざまな立場で一様にぼくを気遣ってくだすっているのです。そのことにぼくは驚きもしたし、不思議にも思いました。ぼくは他人さまに何かして差し上げることなどほとんどないのに、どうしてこんなにも沢山の人がぼくに何かをしてくれようとするのかと。有難いと同時に、何か申し訳ないような気もしています。
みなさまの御期待に背くことのないよう、きっと無事に帰国しようと思います。

改めまして。
ぼくは明日から2週間の間、異国の旅に出掛けます。その間は当頁をはじめサイトの更新が一切止まりますことを御了承ください。

では、行ってきます。


【今日のポジション】
海苔。海苔はいいね。海苔になりたい。


エンピツユニオン


Copyright © 2004- Soh Ezawa All Rights Reserved.