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セキララな思考。
安井 文
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2015年01月09日(金)
切手のないおくりもの

ラジオが好きだ。

用事を片づけながらラジオを流していると、不思議とはかどる。

私のことなどお構いなしに喋り続けるラジオに時々つっこんだり、感心したりしながら、手は動き続ける。
そういう時間はどこか愉快で心地いい。

朝の通勤時間、自動車の中はいつもAMのNHK第一放送と決めている。

ニュースに天気に時事問題。
間に昔の“今日の出来事”を紹介したり、思いがけない曲を流してしばしお休み。
そして、そのまた合間にお便りを紹介する。

彼らの声はとても落ち着いていて、耳触りがいい。
高くも低くもなく、感情的でもない、かといって、冷たいわけでもない。

おたよりを読む声はどこか優しくて暖かい。

日本のどこかでぽつりとつぶやかれたさびしい気持ちを優しい声で紹介する。
彼らはやさしい言葉を掛けたりしない。
それらをただ紹介するだけなのだ。

すると、忘れた頃にまた別のどこかの誰かが慰めのおたよりを送り、彼らはまた優しい声で紹介する。

見知らぬ人たちのおたよりを代弁するだけの存在なのに、彼らが間に入るだけで無駄なものがそぎ落とされて純度が増していくように感じる。

そして、そのやり取りを聞いている私の心も、いつの間にか暖かくなっているのだ。

今日は、そんなやり取りの合間に懐かしい曲が流れた。
子供のころから、聞いてるこの曲が聴けて、ちょっとうれしかった冬の朝。

「切手のないおくりもの」
WORS & MUSIC & PLAY BY 財津和夫