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セキララな思考。
安井 文
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2013年02月27日(水)
思いのままに

久しぶりに会った先輩に小型音楽再生機は何がいいのかとたずねられる。

なんでも、小学校高学年になった息子さんが音楽をじっくり聴きたいと言っているそうだ。
何を聴くのかと尋ねたら、ゆずやコブクロなどを聴くという。
流行りものにはとんと興味のない変わり者なのと先輩が言うので、いやいや私も似たようなものだったよと言ってみた。



私の小学校高学年と言えば、まずオフコース。
それからチューリップ、イルカ、さだまさし、松山千春、アリスなどが続く。
FMラジオから流れる音楽を片っ端から録音してカセットテープに蓄積していったものだ。
決して子供向けではない彼らの音楽は私の自我に大いに影響を与えた。
これまた子供向けではない「新譜ジャーナル」や「ギターブック」なる音楽雑誌を立ち読みし、熱心に彼らのインタビューを読んだものだった。

小学校高学年は、ちょうど自分というものに目覚める時期なんだろうなと思う。
自分とそれ以外の人間の違いに気が付き、なぜうまくいかないのだろう、どうしてわかってもらえないのだろう・・・などというシンプルかつ高尚な疑問が次々湧いてくる。
音楽、ことに歌はそれらの疑問に的確に答えてくれるような気がしたものだ。

親や周りの友人以外にそういったものを持てるのはとても幸せなことだと思う。
たった一人で何かに向き合うとき、心の中に流れる音楽があるのとないのでは、力の湧き方は絶対違うと思うからだ。
それが自分一人にしか良さがわからないものでも構わない。
自分で見つけ、大切にできる何かがその息子さんにできたのは本当に素敵なことだと思ったので、先輩にはそう伝えてみた。

そんなわけで、我が家で処置に困っていた林檎印の小型音楽再生機をその息子さんに譲り渡すことにした。
動く画像や流れる字幕が表示されるものはついていない、ただ単純に音楽だけを保存して聴くためのもの。
幸い、わたしが耳に突っ込むイヤホンが嫌いなので、新品のまま仕舞い込んでいた付属のイヤホンもいっしょに渡せた。

彼は何を一番最初に聴くのかな。
そんなことを想像しながら、私もドキドキしていたりする。
「思いのままに」
WORDS&MUSIC BY 小田和正、PLAY BY オフコース