初日 最新 目次 MAIL HOME


セキララな思考。
安井 文
MAIL
HOME

2009年07月23日(木)
どしゃぶりジョナサン

一昨日の朝は、雨と風の音で目覚めた。

幸い私の住んでいる街と勤めている会社のある街では、利用している産業道路が陥没したことを除けば大きなニュースになるほどの事故などはなかった。

とは言うものの、雨が降っている最中はいたるところで冠水していて、会社の工場構内も、自宅の近所も通行不可能な状態だったらしい。
仕事中は工場内の警戒情報は随時放送されているが、それ以外の街でのニュースは伝え聞く程度で、さなかにはその悲惨さはまるで伝わってこなかった。
仕事を終え、自宅に戻ってTVニュースではじめてその凄まじさを知り、驚いてしまった。



朝、音だけを聴いているとまるで台風のような騒ぎだったので、飛び起きて窓の外を見てみた。
音で感じたほどの荒れようではなかったけれど、とにかくこれは急いで準備しなくてはとカーテンを開けた。

これほど雨が降っていると、普段電車組の通勤者が自家用車通勤に流れるので、工業地帯を横切って通勤する私は出勤時間の1,2分の違いで会社到着が20分以上も変わってしまうこともある。
そんなわけで、急いで出勤の準備を始める。

雨はどんどん強くなっていて、一瞬会社を休むことも頭をよぎった。
その直後、時計代わりにつけていたTVの映像が切れた。
ケーブルTVが切れてしまったのだ。
台風のときはよくあることで、このときも次は停電だなと感じたので、"これは会社に行ったほうがよさそうだ"と判断して、電気がついている間に身支度を整えなくては、とよりいっそう準備を急いだ。

自宅前は緑地公園があるのだけど、昔その先は海だった。
そんなわけで、冠水が予想されるので、いつもは使わない山側の道を走る。
案の定、後で聞いたところによるとやはりいつも使う海側の道は広範囲にわたって冠水したため通行不可になり、いつもはにぎやかな自宅付近は電車も止まり、雨音だけが聴こえていたらしい。

雨の割には順調に進んでいたけれど、雨脚はどんどん強くなる。
会社のある街に入った頃にはやはり冠水があったのだけど、迂回路もないためその道を進む。
私が通過したときはかろうじて大丈夫だったらしい。

そうはいっても、定時には微妙に間に合いそうになかったので、バス通勤している同僚にフレックス連絡を頼もうとしたのだけど、最終的には私のほうが会社に先についていた。
私の勤める会社付近で、冠水していて通れないだろうとみんなが予測した地下道を選ぶ。
これが功を奏した。
みんな迂回してJR山陽本線を渡る大きな陸橋に向かっていたため、地下道はまるで車がなく、なんなく通過できた。でも結局、始業チャイムを聴きながら車を降りた。

あらかじめパンツはサブリナタイプにカットしたGパンに裸足に長靴を履いて、ウィンドブレーカーも着ていたが、それでも雨が強いのでそこそこ濡れてしまう。
ところが、通用門辺りまでたどり着くとすでに冠水している。
車の中からその付近に人がたまっていたことを思い出し"これか・・・"とため息。
まだバスに乗っている同僚にそのことをメールしておいた。

その後、職場にたどり着くまで延々と冠水地帯が続いて、せっかく短いパンツをはいていたのにひざから下の部分は結構ぬれてしまった。

会社についてしまえば、工場内で自家発電しているのでその部署が被害にあわない限りは室内にいる限り結構快適だ。
窓の外では道が冠水していてプラント内で作業をする人たちは大変そうだった。

そんなわけで、あの大雨の中、仕事をしていた私は、その周りの惨事にはほとんど気がつかずにいたのだった。

電車組で自家用車を選択しなかった人たちはみんなお休み。
JR山陽本線、山陽新幹線、その他の県内のローカル線は軒並み運転停止状態に追い込まれていた。
自宅付近での停電はなかったそうで(ケーブルTVもすぐ復旧した)、私の自宅は特に問題になることも起こらなかったそうだ。
しかし、自宅裏のJR山陽本線より向こうの低い土地の家は床下浸水くらいまではいってしまったそうだ。そのあたりはまるで通行できなかったらしい。
居間から見える線路の下を通るほんとに小さな地下道も水が天井付近まで上がっていて、もう少しで線路まで行きそうだったと、なぜか父は目をキラキラさせながら熱く語ってくれた。

そういや、子供の頃はそのあたりは大雨ともなると水があふれてたなあと思い出す。
子供の頃は、そんな日に限って雨靴を履いて道の上を流れる水の中にはいりに行ったものだ。
今考えると恐ろしいけどね。

結局私が自宅に帰ったのは午後10時前で、その頃には水もすべて引いていてそんな騒ぎなんてまるで感じられなかった。

そして、TVで防府市の大惨事を知った。

246号線は山陰方面に行くときに時々使っている道路なので、翌日は会社でもその話題で持ちきりだった。
復興にはかなりの時間がかかるだろう。
二次災害が起こらないようにと祈るばかりである。

特別養護施設のニュースも仕事中に聴いていたけれど、あれほどひどいとは、思いも寄らなかった。
翌日朝のラジオでは、そのさなかにいたご老人の語った話をアナウンサーがしていた。
あっという間に足元に水が流れてきて自力で階段を上がって2階にあがり、車椅子の人たちがみんななんとか顔だけは水の上に出そうとしていた様子を見たそうだ。職員はなんとかその人たちを階上に非難させようと右往左往していたと老人は伝える。
しかしその後、あっという間に2階まで水かさが増し、その老人本人も動けず震えていたところを施設の職員におんぶされてかろうじて避難できたということだった。

今はただ、一刻も早く行方不明者が見つかることを祈りたい。

週末再び、天気が崩れるようだ。
被災地の方々が安心できるのはまだ先になってしまう。
あまりひどくならなければいいな。



「どしゃぶりジョナサン」
WORDS & MUSIC & PLAY BY 斉藤和義



2009年07月18日(土)
空が落ちてくる

3連休の真ん中、Yさんからの誘いで久方ぶりにBoogie Houseへ出かける。
そして、ゴキゲンなライブを楽しんだのさ。



2週間くらい前、普段ならありえない場所でYさんと出会った。
そのときいつものように音楽の話をしていて、今なかなかいいヴォーカルと組んでるんだという話を聴いて、ぜひライブに行ってみたいから連絡くださいと言って別れた。

そんなわけで、Yさんからお誘いメールが届いた。

この頃かなり気持ちが不安定で、生活のリズムも体調のリズムも崩れている。
こういうものはがんばってどうにかなるものではないので、流れに任せているんだけど、結構時間がかかっていてなんとか突破口はないものかと思っていたところにこの誘いだったので、一も二もなく家を飛び出した。

今夜はBoogie House's Projectと銘打った企画ライブのようで、出演バンドは2つ。

まずは、Yさんの新しいバンド。
とっても元気な女性ヴォーカルがステージで跳ねる。
バンドは4ピース。
ヴォーカルとギター、ベース、ドラムスといういたってシンプルな編成。

かっこいい曲が並んでいたんだけど、ほとんどタイトルが分からないんだよなあ。

女性ヴォーカルの人は、Boogie Houseで今まで聴いてきたタイプとは違う人で、この界隈にもこういうタイプの歌うたいがいるんだなあと思った。
私の好みのタイプの歌い方をする人で、あまり歌癖がなく素直で伸びやかに歌う。
たぶん今夜はコピー曲ばかりだったと思うんだけど、まるで彼女の持ち歌のようにはまっていた。
Yさんからはオリジナル曲もなかなかいいと聴いたので次回はぜひ聴いてみたい。

ドラムスの人は、今までもいろんなバンドでの演奏を聞いたことのある人。
いつも楽しそうに体を大きく揺らしながらタイコを叩いてるんだよね。
見ているとなんだか愉快な気持ちになってくる。
近くに立つととても大柄な人なんだけど、なぜかドラムセットの前にいるときはこじんまりして見える・・・。
エネルギッシュで楽しいドラムスなんだよね。

ベースの人は始めてみた人で、ギター弾きの別の友人にそっくり。
ほんと、びっくりするほど似ている。
とても正確でしっかりした音を出す人で、リズム感もしっかりしてる。
この人のベースはとても歌いやすそう。
ドラムスがニコニコした感じの音でベースはそのドラムスの音をなんとな〜く見守ってる感じ。
実際はきっとベースの人のほうが年下のような気がする.

そしてギターのYさんは、この頃見たライブの中ではとても安定して楽しんで弾いているように見えた。でも、左手の中指を怪我していて本当はとても痛かったらしい。
よりにもよって左手の中指とは。。。イタイ。
Yさんのギターは進化している!年下の私が言うのは生意気だけど、聴くたびに音が進化してると思うんだよね。
余裕があるというか・・・。
選んである曲はどれもアップテンポでノリノリな感じなんだけど、Yさんのギターは落ち着きがあって、バンドの中に大人がいるぜという感じだったな。

バンドのバランスがとてもよくて、聴いていて心地いいし楽しかった。
以前バンドでやったことのあるキャロル・キングの「空が落ちてくる」が始まった日にゃ立ち上がって踊りたかったくらい。
レベッカの名曲「フレンズ」をキーボード抜きで聴いたのはおそらく初めて。
いやいや、楽器1つ違うだけでかなり曲の雰囲気は変わる。これはなかなか!!
あっという間の時間だったなあ。

そしてしばらく準備の時間があった後、マスター森永さんのバンド。
こちらは5ピース。マスターもギターを持つので、ギター2本にドラムス、ベースそれからブルースハープもいるよ!

私のブルース初体験は、何を隠そうマスターの演奏だったんだ。
そんなわけで、いろんなすごいミュージシャンがいるけれど、私の中でブルースはマスターなんだな。
始めての頃は、ブルースのノリが分からなくってすぐ眠くなっていたのだけど、この頃はなんだか聞き入るようになってきた。
年を取った証拠なんだろうかねえ。

今回はアップテンポな曲が多くて、ちょっとブルースロックな感じ。

ベースは私の師匠であるSさん。
彼のベースを聞くとなんだか安心するんだよなあ。
そしてまた弾こうかなあとも思う。
実はライブ前かなりお酒が入っててにこにこにこにこしてたんだけど、曲が始まった途端に表情が引き締まってて・・・さすがなのである。

ドラムスは、中学のときの同級生。
彼もあの頃から換わらずドラムスを叩き続けている。
まさか、Boogie Houseで彼の演奏を聴くようになるとは思わなかったけどね。
几帳面なドラムスなんだな。

ブルースハープはKさん。
私はまだこの界隈で彼以外のブルースハープ奏者にあったことないんだよね。
今回ちょっと話をしたら、バッキングが楽しいんだって話していた。
ブルースハープってちょっと面白いんだよね。
ギターの隙間からあるときはキーボードのコード弾きのようになっていたり、オルガンのようにも聴こえたり・・・。
いつもギターだけの編成で聴くことが多いマスターの曲がなんだか違う色をつけてた!!

Yさんは、マスターとやるときは常にちょっと引き気味だけど、マスターのギターになんとな〜く絡んでる。
同じタイプのギターなのに2人の音はまるで違うんだよ。
Yさんのは、優しく鳴ってる感じで、マスターのはとても太い音でまさに弾いてるという感じ。

そしてマスターの歌は、初めて聴いたときからまるで変わらず渋い声なんだな。
も〜しびれちゃいます!
今夜はあまり酔ってなかったかな。
いつも以上に男前な歌だった。

マスターのバンドは大人の男のバンドで、なんかものすごく人生のいろいろを感じた。

そういう彼らの姿を見るたびに私はちょっと涙が落っこちそうになるんだよね。
こういうかっこいい人たちの"今"の音を聴ける幸せを今夜もしっかりかみ締めた・・・。

みなさん。
楽しい夜をありがとう!

「I Feel The Earth Move」
WORDS & MUSIC BY Carole King、PLAY BY バンド名がわかんね。



2009年07月07日(火)
深緑

まいった。
朝っぱらから、ノスタルジーに浸ってしまった。

うっかり聴いてしまって、朝からとんでもないものがよみがえってしまった。
ようやく普段はすっかり忘れた気になれるようになっていたのになあ。

UAの歌声とベンジーのギターはとかくそういうことを引き起こす。
まったくこの人たちときたら・・・。

記憶の引き出しの奥深くに仕舞い込まれていた思いが瞬時によみがえる曲というのがいくつかある。

AJICOの「深緑(ふかみどり)」は、聴いていた当時のことはあまり思い出せないが、なぜかそれよりはるか昔の記憶をよみがえらせてしまう。
しかも、感情をよみがえらせるのでまったく困ってしまう。

彼らの音楽はまったく不意に聴きたくなってしまうので、そういうことが起こることも忘れちゃってるんだよなあ。

たった1行。ワンフレーズ。

"もう二度と会えないことは もう二度と感じれないことだ"
           (「深緑」作詞:浅井健一より引用)

これが私にいたずらをする。
ここだけいつもはっきり聴こえる。
書いてしまえばただの言葉、だけどUAがメロディーにのせるだけで、私には意味のあるものになる。
この後に続く言葉の流れが、瞬時に甦る感情をさらに広げて、曲の終わりで霧散する。

朝からそれが起こると結構消耗するだよね。

だけど。

きっと、私は、忘れたくないんだ。
そのときのことではなく、そういう感情を。

だから無意識にこの曲を選んで、ノスタルジーに浸ろうとするんだろうな。

まったく自分の気持ちさえ、ままならん。


「深緑」
WORDS & MUSIC BY 浅井健一、PLAY BY AJICO