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セキララな思考。
安井 文
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2006年10月31日(火)
海を探す

職場のライダーたちがツーリングに行くというので、私も自慢の愛車で参加したいとお願いした。
先々週末(10月21日)、バイク4台と車1台で海を目指して北へ。touring-tsunoshima20061031-02
瀬戸内海側から山口県の真ん中あたりを北を目指してひたすら走る。
途中にはパラボナアンテナがあったり県庁があったり、結構楽しい。

季節柄行く先々でライダーに出会う。
休憩のたびみんなでバイクを品定めするのもなかなか楽しかった。



今回の目的地は角島。
山口県北部の山陰側の豊北町というところにある。
この島は2005年に公開された「四日間の奇跡」という映画の舞台になったので、知っている人もいるだろう。
それから今年は木村拓也主演のドラマ「HERO」の特番の舞台にもなった。

touring-tsunoshima20061031-03 2000年に本州とこの島を結ぶ角島大橋がかけられた。
それ以後、島は観光スポットとして人気だ。
この日もたくさんの観光客が訪れていた。
私も車を買い換えてから天気のいい日にこの橋を渡ることをずっと思い描いていたのだ。

橋を渡る前に休憩をかねて記念撮影。touring-tsunoshima20061031-04.jpg
多分一番盛り上がっていたのは私だろう。
はしゃぎまくっていた気がする。(今思い出してちょっと恥ずかしい。)

いよいよ、橋を渡る!
touring-tsunoshima20061031-05 かっこいいライダーの後ろをかっこいい私の愛車(!)で快晴の角島大橋を渡る気分と言ったら!

島の北の先端あたりには大きな灯台がある。touring-tsunoshima20061031-08
入場料150円をおごってもらって(!)登る。

touring-tsunoshima20061031-06touring-tsunoshima20061031-07っと

ぐるぐる回りながら上っていくのは結構大変。だって目が回るんだよ!、その前に灯台に行ってしまったご主人を静かに待っているわんこを発見

カメラを向ける直前までこっちを向いてくれていたのに・・・。まあいっか。
50段まで上ったところで急に疲れが^^;

touring-tsunoshima20061031-09touring-tsunoshima20061031-10 そして、見晴らしのいい天辺に登った瞬間・・・思い出したのだ。
私は高所恐怖症^^;
とても手すりに近寄ることは出来なかったので、灯台の壁に張り付いて北のほうをぱちり。

私もライダーの端くれだったんだけど、今はほぼ引退状態。
バイクに乗るようになってから坐骨神経痛が出てしまって、長い距離バイクに乗れなくなってしまったのだ。
今ならどうかなあ・・・などと思ったりもするけど、やっぱり自慢の愛車で走るのが今はまだ楽しいね。

バイクの後ろをついて走るのは初めての経験で、しんがりの人の負担にならないように距離に気を使った。
コーナーに突っ込むと先頭のライダーがびゅーんと飛び出るので、私もいく〜!と幽体離脱寸前。
普段職場で見る彼らとは一味もふた味も違って。。。みんなかっこよかった!
へへへ〜ん、この人たちは私の知り合いなのだ〜♪とわけの分からない優越感もあったりして。
そういう気分も楽しんだ1日になった。touring-tsunoshima20061031-11

一番年上のライダーがお腹がすいたとひとりだけイカ焼きを食す。
私も食べたかったけど、お昼ご飯をおいしく食べたかったので我慢我慢。
替わりにぐるぐる回っているイカを撮影。

それから30分ほど走ってやっとレストランに到着。
釜飯が出来上がるのを30分待ってやっとやっとお昼ご飯だ〜!Img_0621
私は地鶏を使った釜飯。とっても上品な味を堪能した。
ここではお土産にひじきの混ぜご飯の元を購入。
ちょっと高かったんだけど、家族には大好評でこれを混ぜたおむすびにみんなではまっている。

昼食後は千畳敷をめざす。
大きな風力発電機があるとても見晴らしのいい公園だ。
いつ行っても風が強いんだけど、今日は既に日が傾きかけているので少し 肌寒いだろうな。touring-tsunoshima20061031-13touring-tsunoshima20061031-14

途中曲がり角にコスモスが咲いていた。
バイクの後ろから徐行してついていた私は一瞬車を止

めてカメラを構える。
用意したおかげでコスモスとライダー達を画面に収めることに成功。

touring-tsunoshima20061031-16
今日みたいに天気のいい日はライダーがたくさんいるんだけど、もう夕方に近いのでライ ダーはいなかった。

touring-tsunoshima20061031-15やはり風が強く、私1人がフリースを着込んでいた。

touring-tsunoshima20061031-17今日、カルストロードへも行くことになっているので早々に退散。

カルストロードは山口県が世界に誇るカルスト大地である秋吉台の中を走っている道路。
休日は観光客でごった返している。
北からカルストロードに入れる大正洞(鍾乳洞)の駐車場はライダーの待ち合わせのメッカ。
こんな秋の日は朝早くに行くとずらーっとバイクが並んでいる姿を拝める。
私たちも大正洞を横目に北からカルストロードに入り、世界的に有名な鍾乳洞秋芳洞のほうへ抜ける。
既に日が傾きかけていて夕焼けっぽくなっている。

途中、休憩場所で休憩中、なんとフェラーリに遭遇。
おおおおっと思わずみんな目が釘付けだった。

touring-tsunoshima20061031-18そろそろ寒くなってきたので、退散。
どうしてももう一度集合写真をとるのだ〜!というメンバーのわがまま(!)を叶えるために展望台に立ち寄りパチリ。
一路帰路を目指した。

途中、仁保の道の駅にトイレ休憩で寄ったがその後は一目散に出発場所を目指した。
とっぷり日が暮れてライダー諸君はさぞかし疲れたことだろう。
私もちょっと疲れたかな。
でも、愛車とともに走りたかった道を堪能できてとても楽しい一日だった。



「海を探す」
WORDS & MUSIC BY 浅井健一、PLAY BY BLANKEY JET CITY



2006年10月29日(日)
super tonga party

日曜日、2ヵ月半ぶりくらいに浅井健一(以後ベンジー)さんのライブに行く。
金曜日から色々お楽しみがあったんだけど、ベンジーのライブが最高潮で最高にご機嫌な週末を過ごせた。
ベンジーありがとう!

お断り
レポートを書いたのは10月31日ですが、ライブのあった日付でレポートはアップします。
(書きながら興奮して長くなっちまった・・・。)



今回はライブハウスに入った途端から雰囲気が違った。
何が違うんだろうなあと思いつつ会場を見回して感じたのは、お客さんが違うんじゃないかなということ。
前回のここでのライブあたりから毎回見かける人たちが目に入らなくなってきている。
この頃は、別の地方からもライブに来る人がいるらしいので、そのせいかもしれない。
なんというか・・・広島らしくないという感じ。
それは決して悪い意味じゃなく、むしろ感じよくなってるなあと思うわけなのさ。
なんとなくあったかい感じがした。
まあ、多分気のせいだと思うけどね。

こじゃれた若者もいれば、地味目の人たちもいてまるでばらばら。
なんかそれがおかしい。
そういうばらばらな人たちが集まっているのでライブは面白いと思う。

ゆったりとした気分で友人と雑談していたら「calling you」が。
8月にHIGH TIMEに行った時もこれだった!と途端にアドレナリンが放出される。

一発目は「super tonga party」
タイトルを思い出すだけでイントロのギターが思い出されるくらい聴込んでほれ込んでいる曲。
新しいアルバムのトップを飾っている。
今回は最初から会場に熱気がある。
多分、フロアに下りてるせいだろうな。
いつもはもう少し後ろの引いた位置で見ているので。

前に背の高い人がいて、なかなかベンジーの顔が見えない。

続いて新しいアルバムの最初のころにあるアップテンポの曲、アルバムでは順序が逆の「原爆とミルクシェイク」「WAY」が続く!
どちらも大好きだ!
「原爆とミルクシェイク」を聴くとデビュー当時のブランキーをなぜだか思い出す。
変な感じ。
「WAY」はこの曲だけでハードローテーションしてしまうことがある。
いつも元気をもらっている曲。

今回バックを務めるのはベンジーと一回り以上歳の離れた若いミュージシャン達。
そのせいなのかな、全体的にスピードがあり圧倒される。
JUDEもスピードのあるバンドだったけど、まるで違うものだ。
今回のドラムスとベースもバランスが実に絶妙。
そして、控えめに入ってくるバイオリンやキーボードも効いている。
ベンジーっぽく言えば、すごい化学反応を起こしているという感じ。

そして、いつものようにこれ以後は曲順を思い出せない。
今回は1曲ごとにだんだん前に行ってしまったので、余計に記憶が妖しい。

でも、前に行くほどにベンジーが近くなる。
今回は表情まで見える。
なんだか鳥肌がたってしまった。
初めてBLANKEY JET CITYのライブに行った時、頭の上からベンジーに見おろされて冷たい目だと思ったけど、今日見るベンジーの眼はすごく温かいものに見えた。
きっと当時から変わってないと思うんだけど、私の気持ちがきっと変わったんだな。

ベンジーは前日に階段から落ちて唇を切った話をしていた。
"『LOVE FLASH FEVER』にそんな曲あったなあ"とふっと思い出していた。
その傷まではさすがに見えなかった。
まだいたいのかな?お大事に。

イントロが始まるたびに目頭が熱くなる「海水浴」

大好きなんだ!君のことが!

ベンジーにむかって思いっきり叫んでみた。

そして事件が起こる。

「哲学」のイントロで、ベンジーが突然前のほうにいる人たちに怒った。
「これから静かな曲をやるんだから静かにしてくれ」(こんな感じの内容だった)
すぐに小さい声で「ごめん・・・ごめんなさい・・・」という声が聴こえた。
彼らが怒られた理由はよく分からなかった。
その直後「謝れ!」と声がかかり、会場は氷のように冷たい雰囲気が漂った。
もう一度怒られた人たちがきちんと「ごめんなさい」と謝ったあともまだその雰囲気が続いていた。
その時、女性の声で「「哲学」をお願いします!」(こんな感じの内容だった)と聴こえ、私もはっと我に帰った。
「OK!元気出していこうぜ!」とベンジーが声をかけた瞬間に会場の雰囲気は元の状態に戻った。
起こった事はとっさの出来事で、時間的には数分だったと思うけど、スローモーションのように時間が過ぎているように感じた。
聴こえてきた声も順序は正確じゃないと思う。
でも、あの中でとっさに声を出してくださった女性に感謝した。
その後聴いた「哲学」は力強くていつもよりも心に染みた。
この出来事は忘れられないと思う。きっと「哲学」を聴くたびに思い出すと思う。

「懐かしい曲をやる」といってギターを持ち替えたベンジーは「15才」を歌う。
うわっ!
ものすごく力強い感じで、私はベンジーに後押しされてるような気分だった。
もういい歳なのにねえ。
でも、この曲を聴いて感じることの出来る自分のことを私は好きなんだ。

うろ覚えだけど次は「人はなぜ」だったような気がする。
「海水浴」からの曲の並びは、私にとってはものすごく"くる"ものがある。
それはとても口では言えない感じ。

「じゃあ、みんなで踊ろうぜ!」

「人はなぜ」が終わるとベンジーはそう言った。
それからあとはホントにめちゃくちゃで、何がなにやら思い出せない。

ずっと踊り続けていて、頭を振りつづけていた。
照明は点滅するし、前にいる人たちは波打っていて、時々人の足が見えたり。
所かまわずみんな押し合いへし合い、その中でベンジーがマイクスタンドに向かって歌っている姿だけが静止して見える。
本当は彼も動いているのに。
ドラムスのリズムがやけにはっきりと聴こえる。
すごく早いフレーズも一粒一粒音が聴こえて、また鳥肌が立つ。

すごい!すごいものを見てるぞ!
とアドレナリンは放出しつづけられる。
盛り上がったままライブは終わる。
そんな盛り上がったまま終われるわけもなく、ベンジーが再びステージに現れることを願いながら手を叩く。
終わるわけがない!あの曲がまだじゃないか〜!

程なくベンジーは戻ってきていきなり「Hey Hey You You」
やられた・・・。
この曲大好きなんだ!
イントロ聴くだけで涙が落っこちそうになる。

ベンジーの選ぶ言葉は、とてもシンプルでかっこいい。
意味がわからないこともあるけど、想像力を駆使して自分の中に昇華する。
それはもしかしたらベンジーが意図した想像ではないかも知れないけど(いや、彼はきっとそんな意図なんてもたないんだろうな・・・)、私だけのものでいいんだと思う。
聴きながら涙が流れる。うーっ、くそ〜!

そして、待ちに待った「JOHNNY HELL」
今日はこれを聴かなきゃ帰れないと思ってた。
新しいアルバム『JOHNNY HELL』と同じタイトルの「JOHNNY HELL」
初めて聴いた時からこの曲が頭から離れない。
友達と出だしの1フレーズの歌詞について今日、車の中で話したことをふっと思い出す。
お互い意見が合わなかったなあなんてね。

アルバムの初回限定版についているDVD『ARIZONA DEAD』の中で壊れたソファーに座ってこの曲を弾き語っているベンジーは最高にかっこよかった。

だから、どうしても生で聴きたかったんだ。
8月にきっと聴いているはずだけど、そのときはまだ新しい曲は知らなかったからちゃんと聴いていなかった。
なんだかこみ上げるものがある。
でも、きっとそれを説明するのは無駄なことだろう。
聴いたままに感じる!
ライブの時にいつも痛切にそう思う。

「ロメオ」「チキチータ・ブーツ」と続き、会場は大盛り上がり。
広島にしてはかなり盛り上がったんじゃないか!

いつもライブの終わりに「またどこかで会おうぜ!」といって手を振るベンジー。
だから私もいつも思う。
うん!またここでここで会おうね!

今回は、出待ちも人数が多くてびっくり。
『JOHNNY HELL』効果なのは間違いない。
いつもは寒い思いしながら1人で立ってた私も同士がたくさんいてなんだか嬉しかった。
ベンジーは下りてきた瞬間から手を振ってくれていて、大型タクシーがみんなの前を通り過ぎるまでずっと何度も手を振っていた。

ベンジーありがとう!
また一緒に遊ぼうね!

セットリストは思い出せる限りを思い出したんだけど、もっとあったかも・・・。
例によって正確に覚えている(と本人は思い込んでいる)のは始まって3曲目までとアンコールだけ。
抜けがある可能性大。

<セットリスト>(順不同)

SE:calling you

1. super tonga party
2. 原爆とミルクシェイク
3. WAY
4. RUSH
5. 危険すぎる
6. Hello
7. diduri didura
8. Pola Rola
9. Green Jelly
10. 海水浴
11. 哲学
12. 15才
13. 人はなぜ
14. skunk
15. ディズニーランドへ
16. カミソリソング
17. DEVIL

--アンコール--
1. Hey Hey You You
2. JOHNNY HELL
3. ロメオ
4. チキチータブーツ



2006.10.29(SUN)Johnny Hell Tour(at広島クラブクアトロ )
「super tonga party」
WORDS & MUSIC & PLAY BY 浅井健一(Bass:タバサ、Drums:アキラ、Violin&Keys:みお)



2006年10月28日(土)
長州ファイブ

10月28日(土)、『長州ファイブ』の上映初日。
前日の夜、めずらしく両親がどうしてもこの映画を見たいから予約をしてくれと言う。
発券方法がきっとわからないだろうと思ったので、一緒に行くことにして予約を入れる。
よりによって初日にしなくても・・・と実は心の中で思った。

しかし、なんでこんなに残りの座席数が少ないのだろうと頭を捻っていて・・・思い出した!
この日は舞台挨拶のある日だったのだ。

翌朝、再度インターネットで座席数を確認するとすでに残り50席を切っている。
そりゃまあ、有名人が来るとなりゃノリが悪いので有名な山口県民も重い腰を挙げるわね。
しかも今回は山口県が生んだ名優(と呼んでいいだろう!)故松田優作氏の息子が主演となると余計にね・・・(もちろん私も)

それに長州ファイブとくりゃ・・・。

と言うわけで、全国に先駆けて先行上映された山口県のしかも一番早い上映を見てきた。
しかし、全国ロードショーは正月なのだそうでなんだかちょっと寂かったりして。



とにかくこんなに年齢層が広いのは初めて体験した。
腰の曲がったおばあさんから、補助席が必要な小学生低学年まで。
まんべんなく揃っているという感じ。

舞台挨拶には五十嵐匠監督と長州ファイブを演じた松田龍平さん、山下徹大さん、北村有起哉さん、三浦アキフミさん、前田倫良さんが登場。

この映画を見たいなと思ったのは、もちろん"長州"という単語の威力もあるのだけど、個人的には五十嵐監督作品だからというのが大きな理由。
これまでに五十嵐監督作品では『地雷を踏んだらサヨウナラ』『みすゞ』という作品を見たことがあり、どちらもすごく好きな作品なのでその監督の最新作なら見たいなと思った次第。

監督はこの映画を長州の地で一番最初に上映できて、しかもこれほどの人が初日に来てくれてとても嬉しいと声を詰まらせそうになりながら挨拶していた。
偶然にも前日は吉田松蔭先生の命日で(私は知らなかった)なおさら感慨深いとおっしゃっていた。

長州ファイブの面々は、まあ、その辺を歩いているおにいちゃんといった風情で、てんでばらばら好き勝手な感じ。
どうも前日宴会だったらしくなんとなくぼんやりけだるい感じが漂っていた。

松田龍平君は思っていたよりも普通に喋る人で、好感が持てた。
小さい声だったけどきちんと語尾までいえる人。
驚いたのは、喋り方が父親の優作氏にそっくりになってきたことかな。
後ろから2列目あたりに座っていたので顔はよく見えなかったんだけど、母は母親似だねと言っていた。

午後からは別の複合映画館で舞台挨拶があったそうで、マスコミ用の撮影が終了すると彼らは早々に立ち去った。

長州ファイブのことは伊藤博文がメンバーにいたことぐらいしか知らなくて、よく調べることもしないで映画を見に行った。
まずは映画が面白いかどうかだから。
話題としては早くから耳にしていて、絶対に見に行くんだと言っている人も結構いたなあ。
やはり"長州"だからなのかな。

映画は全体的に活気に溢れていて、胸が熱くなる内容だった。

150年前、英語も喋れない若者が異国の船に荷物の扱いで放り込まれて下働きをしながら見たことない国を目指す・・・それが実話であろうとなかろうとそれだけでわくわくした。

当時、日本はまだ鎖国していて密航したことが幕府にばれれば死罪。
分かっていながら彼らはイギリスに行く決心をしたのだ。
このままではいかん!それだけの思いで。

5人の中で1人だけ英語の喋れる人がいて、イギリスに向かう船の中で数ヶ月間ずっと彼らは英語の勉強をする。そして、イギリスに到着した時、お世話になる予定の大学教授の前で英語で挨拶をする。
英語が喋れないと聴いていた教授夫妻はびっくりするが、彼らの熱意と誠意に心を動かされ色々と世話を焼いてくれる。

長州ファイブという呼び方は、イギリスの地で礼節を尽くし熱意を持って勉強した5人の若者に敬意を表したイギリス人が呼ぶようになった呼び方だそうだ。

150年前、日本は開国していなくてイギリスでも日本人を見るのは初めてだったろう。
しかも、未発達の文明を持つよく分からない東の果ての国からきた汚い格好をした彼らはイギリス人の目にどう映ったんだろうね。もしかしたら人間にさえ見えなかったかもしれない。
当時のヨーロッパを考えたら、何をされてもおかしくはなかったと思う。
だから余計に彼らがあの過酷な航海を2度もくぐって生還したことは単純にすごいことだと思う。
今のような便利な時代ではなかったのだからね。
人種差別はもっと激しかったはずだし。
・・・胸が熱くなった。

映画は全体的に硬派な作りで、音楽も人気歌手のタイアップ曲はおろか、かっこよさをねらったロックっぽいものでもなく、ちゃんと映画のテーマにマッチした重厚で気分が高揚するようなクラシック調のいいものだった。
イギリスに渡った伊藤博文(映画では俊介)と山尾庸三が文明国イギリスとそれがもたらした貧富の差を体験するエピソードが盛り込まれており、いたずらに文明開化を賛美するものではないつくりになっている。そのあたりがさすが五十嵐監督だなと思わせた。

映画では、一番最初に生麦事件が出てきてかなり胸が痛むシーンがあったほかは、残酷なシーンは皆無。
人が死ぬシーンもないのだが、鼻をすする音がそこかしこで聞こえた。
私も時々で胸が熱くなり、涙が落っこちそうになった。

ちょうど今、日本の歴史を勉強中なのですごくいいタイミングでこの映画を見ることが出来たなあと思う。
日本の明治維新が成功したのは、その前の250年間の江戸時代の間に日本なりの社会システムが確立されていたからだという論旨の本を最近読んだばかりで、その結果、長州ファイブが生まれたんだなあと頭の中で結びつけてこれまた胸が熱くなった。

たくさんの人が見ますようにと切に願う。
日本人はすごかったんだとか長州ファイブの面々がすごかったとか・・・もちろんそこに目が行く人もいるだろうけど、単純に何かに一生懸命になり、生命の危険も顧みず英国へ行き、一生懸命何かを得ようとする登場人物たちの熱意に胸が熱くなると思う。

山口県は全国に先駆けて先行上映されたので、細かいことについて書くことは控えた。

そうそう、伊藤俊介(博文)役の三浦アキフミ君はイギリス渡航当時の伊藤博文にそっくりです!
舞台挨拶当日の朝、光市の伊藤博文公の生家を訪れた際に「お帰りなさい」と声をかけられ思わず「ただいま」と答えてしまったそうだ。

『長州ファイブ -CHOSYU Five-』
ジャンル : 時代劇
製作年 : 2006年
製作国 : 日本
配給 : リベロ
監督 : 五十嵐 匠
脚本:五十嵐 匠
製作総指揮:前田 登
製作顧問:岡本 要
エグゼクティヴ・プロデューサー:水野 清
音楽:安川午朗
撮影:寺沼載雄(JSC)
美術:池谷仙克
編集:川島章正
出演 : 松田龍平、山下徹大、北村有起哉、三浦アキフミ、前田倫良、寺島進、原田大二郎、泉谷しげる、榎木孝明



2006年10月24日(火)
虹の彼方に



今日は朝から虹が出ていた。
端から端までくっきりと出ているのを見たのは始めてだと思う。

職場を目指して歩く人は少し楽しそうに空を見上げて振り返り振り返り歩く。
車の人もちらちら見上げている。

虹を見るとなんだか幸せな気分になるね。
それを見ている人の楽しそうな顔を見るともっとうれしい気分になる。

今日はそれほど特別な日ではなく、一週間が始まってまだ2日目だけど
よし、きっといいことがある・・・なんて本気で思った朝だった。

こんな朝は、そうそうあるもんじゃない。
虹に遭遇した人はみんな得した!



「OVER THE RAINBOW」
WORDS BY E.Y.Harburg、MUSIC BY Harold Arlen PLAY BY Judy Garland



2006年10月18日(水)
太陽の靴

yakusima1018-1
昨晩酔っぱらった私だが、思いのほか寝つきがよく、夜が明けるとすっかりアルコールも抜けて気分はすっきりしていた。
とは言うものの、だらだらとしているうちに山に出かけるにはちょっとだけ遅い時間にホテルを出発することとなる。

ガイドブックに載っているビジターセンターを探すもよく分からず結局訪問を断念した。
スーパーでお昼のおむすびと飲み物を購入して、いざ白谷雲水峡を目指す。

屋久島に来たとは思えないほどの快晴は、島を去るその日まで続いた。
年間のほとんどが雨模様だといわれる屋久島でこれほどの快晴に恵まれるなんてどのくらいの確率なのだろう。
もしかしたら今後数年の幸運を使い果たしたのかもしれないな^^



大阪に研修に行ったついでに何度か友人と屋久島旅行についての打ち合わせをしようと試みたのだけど、どうしても相談をそっちのけでお酒を楽しむ羽目になってしまう。
結局、レンタカーを借りることと、白谷雲水峡への散策だけは絶対に行くということと、その前後でヤクスギランドも歩いてみようという本当にピンポイントなことしか決定できなかった。
でもまあ、それで満足のいく旅になったのだからそれでよかったんだろう。(友人はどうだったか分からないが)

行きは私がハンドルを握る。
慎重とは程遠い私の運転に朝から友人の突っ込みが入りまくる。
だってしょうがないじゃないの、私の車とつなぎのタイミングが違うんだものと思いつつ、愛ある突っ込みがイタ気持ちいい。

なぜか私は屋久島は山がないと思い込んでいた。
実は屋久島には九州で一番高い山があるんだけど、そのことは屋久島に来てから知った。
それから、屋久杉は標高1000m以上の山に行かなければ見ることが出来ないんだそうだ。

yakusima1018-2 えっちらおっちら車は坂道を登る。
のんきにアクセルを踏んでいる私は、せっかくだから"ヤクシカが出てこないかなあ〜"などと、能天気に口に出してみた。
そしたら、なんと、ヤクシカの親子が目の前に出現!
朝から大興奮の私。
思わず停車してカメラを向けたのは言うまでもない。
この先何度か野生動物に出くわすのだが、そのたび大騒ぎの私に友人もちょっぴりあきれていたらしい。
私はいたって冷静に観察しているつもりなのだけど、友人が言うにはそのたび大興奮だったらしい^^;

そんなこんなで30分程度で目的地である白谷雲水峡に到着した。
すでに登山客が多数うごめいている。
駐車場は狭くて、後から調べたら20台分しかなかった。
しかし、運よく1台分スペースが空き待つことなく駐車することができた。

昨日のヤクスギランドとは打って変わって人人人・・・よく考えたら今日は日曜日だ。
白谷雲水峡入口で都道府県名を訪ねられる。
そういえば、ヤクスギランドでも聞かれたっけ。
大阪の正の字が一番多かったらしい。
ちらっと見えたと友人が笑っていた。

yakusima1018-3 最初の階段まではきれいにタイルがひいてあり、これから登山に行くという感じではない。
その後いきなり急勾配の木板で作られた階段が結構長く続く。
しばらくタイルの遊歩道と階段が繰り返され、ちょっとつらいかなあとちらっと思ってしまった。
これは覚悟しなくては・・・と実は考えながら慎重に歩いていた私だった。

左に1つ目の吊り橋(ひりゅう橋)が見え、いきなり小さな滝が出現。
まだ触りだというのにちょっと興奮気味の私たち。
どのコースで歩くのか全く打ち合わせなし。
とりあえず原生林コース(4時間)のつもりで歩き始めた。

まずは友人が先行していたが、足の速さがまるで違うのでついていくのがやっとの状態だ。
結局途中で私が先行させてもらうことで落ち着いた。

左に曲がりさつきつり橋を渡ると原生林コースに入るというところまで来たとき、見上げると、正面にも階段があり、説明書きを見ると原生林コースを選んでしまうとみられない屋久杉があるようだった。
せっかくだから、それをまず見ようということになった。

かなり急な階段が続く。

下山する人の中に3歳くらいの男の子がいて、驚いたので手を引いている母親に"上まで行ってきたんですか?"と尋ねたところ、"いえいえ、200mくらい先に(屋久杉が)あるんですよ"と答えてくれた。
子供が歩いて行けるくらいだからたいしたことないだろうと進んでゆく。

yakusima1018-4 がしかし、徐々に山肌がむき出しになってきた。
目的の屋久杉(二代大杉)に到着するころにはすでに立派な登山道だった。
これはもう引き返す時間がもったいないと、そのまま進んでゆくことになった。
その結果、最終的には太鼓岩往復コース(6時間)という最長のコースを歩くことになる。
あまりに汗が流れるので、私はハンカチ代わりのバンダナを頭に巻いた。

それから三本足杉、びびんこ杉、三本槍杉、奉行杉あたりまでは、ほとんど人と出会うことがなく、後ろからも人はやってこなかった。
とにかく急な勾配が続く。
もちろん人の手が入っている登山道なのだけど、そんな風に意識しなければそのことはあまり分からない。
出来るだけ自然に見えるように石が並べてあったりするからだ。
そして、等間隔に木に縛り付けられているピンク色のリボンを頼りに進む。
時々見失ったりもしたけれど、不思議と遭難するかもしれないというような不安は起こらなかった。

yakusima1018-5 細かく張った根が階段のように続く山肌や、岩の積み重なった登山道をひたすら登る。
私はとにかく登ることに夢中で、ほとんど話題を振ることができなかったのだが、友人はずっと面白い話をしてくれていた。
蝉の声が聞こえ、秋とは思えないよねと言うと、何のセミかを教えて(友人は子供の頃、セミ博士だったことがこの日判明)くれたり、バーで出会った面白いおじさんの話をしてくれたり・・・この状況でどうして息切れもせずに話せるのか・・・まったくすごい人である。
しかし、その面白い話のおかげで、ともすると座り込みたくなりそうになる私は随分と勇気づけられていた。

yakusima1018-6 途中3ヵ所ほど川の中の石を渡って超えて行くポイントがあった。
そういうところは鬱蒼と生い茂った場所で、雨だったらとても怖いだろうなと感じた。
雨の日には増水するので、その場合は引き返すようにという注意書きもところどころにある。
こんなところまで登ってきて引き返すのも・・・いやだよねなんてことを友人と話す。
二代くぐり杉を通り過ぎると、次はくぐり杉でここで当初歩く予定だった原生林コースと合流した。
このあたりまで来ると上から下りてくるグループが増えてきた。
あとで聞いたところによると、ふつうは当初登る予定だった原生林コースを通って白谷小屋まで行って下山で私たちが登ってきたコースを下るんだと聞いたのだけど、勾配のきつさを考えると、先に登ったほうが帰りが楽な気がする。
ちなみに、登山では下山者が優先だそうだ。

yakusima1018-7 次は白谷小屋で休憩の予定だけど、ちょうどお昼なのでその手前の分岐点に座り心地のよさそうなベンチがあったのでそこでお昼を食べることにした。
白谷小屋はきっとたくさん人がいるだろうからとその手前での休憩にしたのだけど、そこはコースの分岐点でもあるので人の行き来は結構あった。
人間観察しながら歩き始めて一番長い休憩をとった。

最終目的地までは地図で見るとあとちょっと、もう少し森をゆく話は続く。
でも、長くなってきたので今回はここまで。

「太陽の靴」
WORDS & MUSIC & PLAY BY 鈴木雄大



2006年10月15日(日)
FRIENDLY

yakusima1017-1 さて、旅の続きを書こう。

酔いつぶれた翌日は、なにやらすっきり。
別段起きにくいこともなくさっさと出発の支度をしてチェックアウトをした。

フェリー乗り場までホテルからは10分程度ということだったので、方角だけをしっかり確かめてキャリーバックをごろごろ引きずって歩いた。
風は少し冷たかったけど、それがとても心地よく感じたのは、いよいよ屋久島へ行くのだと気持ちと体が高揚していたためかもしれないな。

ほんとに10分程度で港に到着。
もう一度フェリー乗り場の位置を看板で確認してからさらに進むと、想像していたよりも大きなフェリーが待ち構えていた。
往復切符を購入していよいよフェリーに乗り込むとき、目を上げると桜島がきれいだった。



yakusima1017-2 船に乗ったらすぐに船内を散策し、落ち着ける場所を探した。
進行方向の景色のよく見える位置にコーヒーラウンジがあり、自由に出入りしていいということだったのでここに落ち着こうとしたのだけど、結局途中で眠くなり二等客室でごろ寝した。
乗客は少なくて広い二等客室の1スペースに多くて3人程度の人口密度で、私が陣取ったところは一人だったので十分にくつろげた。
船内では1時間だけうどん屋が開店し、コンビニに寄り損ねた私も月見そばを食べた。
1時間だけなので、次から次へと人がやってくる。
この人たちはいったいどこから出てきたんだとひそかに思う私なのだった。

yakusima1017-3 フェリーはほとんど揺れることなく快調に海を渡り、4時間後に屋久島に到着した。
着岸15分前、私は船首方向の甲板で迫り来る屋久島を見ていた。
風は想像していたよりも生暖かく、寒いと思い込んでいた私はちょっとだけ出鼻をくじかれてしまった。
やがてフェリーは宮之浦港に着岸した。

フェリーの乗務員にお礼を言って、いよいよ上陸。
友人の飛行機は1時間後に到着だから、一足先に上陸だ。

港にはレンタカー会社の人が私の名前が書かれた看板を持って待っていてくれた。

車の中で、矢継ぎ早に質問する。
そこで仕入れた情報は、屋久島は亜熱帯だから結構湿気があって熱いということと、観光関係の仕事をしている人は8割くらいが外から来た人で、シーズン中だけやってくる人もいるということと、屋久島は死火山なので温泉は実は外から引っ張ってきている・・・などなど。

yakusima1017-4 その中で一番私の興味を引いたのは、船から少しだけ見えたコンクリート作りの建物だ。
なんでも建設が途中で中止になってしまった病院だそうで、ベッドやらはさみやらがそのままになっているそうだ。
レンタカー会社の人は子供のころ、お約束だが、その廃墟に入っては遊んだらしい。
"ちょっとしたきもだめしが味わえましたよ"
なんだか映画の撮影に使われそうですねと言うと、笑っていた。

この廃墟はホテルの部屋からもしっかりと見えた。

レンタカー会社で手続きをして、いざ、空港へ。

大阪からやってくる友人が来るまで、好きなところを見に行こうと考えていたのだけど、実際にはそんな時間はなかった。
空港までの移動と昼食の時間を考えるとしょうがない。
昼食は最初から空港のレストランでと考えていたので、早速移動。
寒いだろうと思って着込んでいた上着を脱いでしまう。
エアコンを止めて外の風をとも思ったのだか、あまりにも湿気が多いのでエアコンをつけたままにする。

どこまで走っても左側はずっと海が続いている。
瀬戸内海とは違って波が結構強い。
海の色が深く、なんだかわくわくしてくる。

ラジオの周波数は合わせ方が解らず、CDデッキも着いていない。
でも頭の中では勝手に音楽が流れているから、気にすることはなかった。

yakusima1017-5 到着した空港はこれまた想像していたよりも小さかった
おそらく私が今までに立ち寄った空港で今のところ一番小さいだろう。
飛行機の到着時間が迫っているせいか、エントランスには大勢人がいた。

取り急ぎレストランに行くと、それはレストランと言うよりもちょっと食堂っぽい感じ。
食券を買って注文するシステムになっている。
すぐ食べられるものがいいなと思い、屋久島そばを頼む。

yakusima1017-6 屋久島そばは日本そばなんだけど、だしがやさしくて甘かった。
飛び魚でだしがとってあるんだそうだ。
トッピングにはさばの燻製やさつま揚げも乗っている。
それと、飛び魚のから揚げもついていて充分おなかいっぱいになる。
移動中ちょっと道草をしてしまったので、到着時間が迫っていた。
友人が出てくるときにはカメラを構えて待ち構えていたかったので、少しあせって食べ終える。
お客待ちの旅行会社の人やレンタカー会社の人たちに混じって私も"歓迎○○さま"っていう旗でも作ればよかったかなあなどとくだらないことを考えてしまった。

yakusima1017-7 さあ、いよいよ友人がやってくる。
空港が小さいので飛行機の扉が開き、乗客が降りてくるところが丸見え。
彼らは、そのまま自動ドアをくぐってこちらにやってくる。

逆光で友人の表情までは見えなかったが、とりあえずカメラに収めた。
2ヶ月ぶりくらいの再会だ。

う〜ん、長い。
そんなわけで、閑話休題。
まだちっとも本題に入ってないなあ。



「FRIENDLY」
WORDS & MUSIC PLAY BY 浅井健一



2006年10月13日(金)
Hello

今日はとてもいい天気。
秋のこんな天気の日はなんだかわくわくしてくるのだ。
現実はブラインドが閉じていて外が見えない環境でパソコンに向かっているんだけどね。
多分、今のこの気持ちは仕事で悩みの種だった問題が一つ解決したからなのだ。

今日頑張れば明日は休みだ!

数週間前の重苦しい気分が嘘のように今この瞬間は心が軽い。
まあ、それもほんの少しの間だろうけど。

ころころ気分が変わるのは仕方がない。
頭の中では秒単位で言葉にさえなっていない思考が無意識に繰り返されていて、あるときふっとさいころの目が決まるように今現在の思考に降ってくるのだから。
それが人の数だけある。
昨日笑って話した同僚も今日は、目の前の問題について考えているかもしれない。
私ももう次のことを考えているんだし。
それが生きるってことなんだろうかね。
よくわからんけど。

さて、考え事はひとまず置いて、とりあえずお昼ご飯・・・♪



「Hello」
WORDS & MUSIC & PLAY BY 浅井健一



2006年10月12日(木)
フタリ

すっかり日がたってしまったが、映画版「夜のピクニック」の感想を。

読みたてほやほやの小説の登場人物が今から目の前で動くんだと思うと、映画が始まる瞬間もどきどきして落ち着かない。
小説を数時間前に読み終えて映画を見るというのは生まれて初めての経験で、恥ずかしながらかなり興奮状態だった。

小説には小説の持つリズムがあって、読んでいると一緒に歩いているような気持ちになっている。
それはきっと恩田陸さんの文章が持っているリズムなのだと思う。
そして、映画には映画のリズムがあった。



イメージどおりの主人公たちが白いジャージでおしゃべりしながら歩いている姿を見るとおおっ!小説の通り!と感動すら覚えた。
主人公たちもそれぞれは映画出演数も結構ある役者たちなのだけどTV露出が少ないからだろう、見たことはあるんだけど・・・程度にしかわからない。
そこがいい!
妙に顔の売れた俳優がひとりでもいたらこの映画の面白さは半減したと思う。
脇を固める大人たちは個性的な人たちばかりだけど、あくまでも主人公は高校生なので彼らが目立つことはほとんどない。

映画の中の物語は、小説とは印象が違っている。
一番大きいのは、小説では多い主人公の独白シーンが映画では役者の表情等でそれを表現する余地が生まれるので、小説にはないちょっとした脇役のふれあいなんかのシーンがあったりすることだ。
小説と同じく主人公の独白シーンが多かったらきっと面白くない。
それよりも小説ではほとんど触れられることのない歩行会実行委員のちょっとドンくさい少年を見守る少女の優しい表情とか、歩行祭の前にみんなを驚かそうと行く先々に準備をしていた少年たちのみんながびっくりする姿を見て喜ぶ姿なんかが私をわくわくさせた。

私には夜を徹して80キロを歩くという経験はないけれど、友達とくだらないことで時間を使ってどうでもいいことを話していたという経験はあるのでスクリーンの中の映像がとても懐かしく感じられることもあった。

小説では、主人公とその友達のシーンが切り取られて表現されている。
映画でももちろんそうなんだけど、カメラが少し広い範囲を捕らえるとそこには主人公たち以外の生徒が歩いている姿が捉えられる。
1000人にも及ぶエキストラ全員にキャラクター設定が行われたそうだ。
後でこのことを知り、手の込んだことをしているんだなあと感心した。
それぞれがクローズアップされることはないが、それぞれに主人公たちとは違うけど、本人にとっては重大な問題(と思っている問題)や話題があるのは確かだ。画面からはなんとなくそんなものが感じられていたので、きめ細かい演出に頭が下がってしまった。

原作を読んでいなくても映画はきっと楽しめるだろう。
でも、読んでいたらもっと楽しめる。
小説に出て来る貴子が融がそこにいるけれど、映画とはちょっと違う展開を楽しめるだろう。
また映画を見たら原作を読みたくなるに違いない。
融をじっと見つめる貴子が、貴子をじっと見つめる融が何を考えているのか知りたくなるだろう。
こういう相乗効果をもたらす作品はあまりないと思う。
ぜひ、どちらの作品も楽しんで欲しい。

ところで。
私は個人的に融の親友である忍が気に入っている。
この少年は映画では少し印象が違って見えたのだけど、見ているうちにうん!忍はこんなやつだよなあ〜とすっかり虜になってしまった。
こんな男はなかなかいない。
かっこいいです。

『夜のピクニック』
ジャンル : 青春
製作年 : 2006年
製作国 : 日本
配給 : ムービーアイ エンタテインメント、松竹
監督 : 長澤雅彦
脚本 : 長澤雅彦、三澤慶子
企画・プロデュース : 牛山拓二
出演 : 多部未華子 、 石田卓也 、 郭智博 、 西原亜希 、 貫地谷しほり 、 松田まどか 他多数



「フタリ」
WORDS BY Maynard, Blaise, tax、MUSIC BY Maynard, Blaise、PLAY BY MONKEY MAJIK



2006年10月09日(月)
歩こう

10月3連休最終日。
今日は快晴で、風が少し肌寒かった。
昼間、私の部屋の外では、道路を挟んで南にある大きな緑地公園で子供たちがテニスをしている声と音が聴こえていたが、もう深夜に近い今は車が通り過ぎる音だけが聴こえる。

この3連休中にやっておきたいことが2つあった。
それは恩田陸さんの「夜のピクニック」を読み上げて映画『夜のピクニック』を見に行くこと。

どちらも今日実行できたので、今とても充実感がある。

小説も映画もとてもよかったので、今かなり興奮状態である。
今のうちに感想を書いておきたいと思う。
まずは小説のほうから。
映画のほうは後日。
一緒に書こうとしたのだけど、長くなってしまったので分割した。



恩田陸さんの「夜のピクニック」は2004年に出版され、2005年の本屋大賞を受賞した小説。
その頃本屋に行くとやたらこの本が目についたのを覚えている。
恩田さんの作品は本屋で手に取った「光の帝国-常野の物語-」の文庫本から読み始めて、ぽつぽつといくつかを読んだ。
「夜のピクニック」については、とても読みたかったのだけど、とにかく文庫本になってから読もうとかたくなに決めていた。

そのうち時が過ぎて、ついこの間映画館に行ったら9月30日に映画公開と大きなポスターが貼ってあった。
え!まだ文庫本出てないのにっ!いや待てよ・・・映画が出るなら、文庫本も一緒に出版のはず!とひとり百面相をその場で繰り広げてしまった。
それから数日後、待ちに待った文庫本が店頭に並んだ。

「夜のピクニック」は全校生徒が夜を徹して80キロを歩きとおすというとある高校の伝統行事が舞台である。
これは、実際に恩田さんが卒業した高校で今も行われている行事がモデルになっていて、映画の撮影もこの母校で行われたそうだ。

物語は、学生たちがゴールに向かって歩くだけでほとんど目を引く出来事は出てこない。
単調な物語の中には、秘密が隠されていて徐々にその内容が明らかになってくる。

主人公の貴子とその友達、貴子が気にかけている同じクラスの融とその友達の忍、それぞれのたわいもない会話や心の中の呟きが交互に描写される。
途中、個性的な同級生がその中に乱入して、それぞれを一つのグループにしたりしながら二人の間が少しずつ縮まっていく。
二人の間には実はとてもびっくりする秘密があって、2人ともそれを友人には黙っている。

作中何度も繰り返される呪文のような言葉。

”みんなで夜歩く。ただそれだけなのに、どうしてこんな特別なんだろう。”

そう、本当にただ歩いているだけなのだ。
とても不思議な時間。
その時々に切り取られる一瞬がどのページにもあってみんな一緒に歩いているけれど、考えていることは別々で、だからなおさら普段口に出来ないこともするっと出てきてしまうそんなことの繰り返しがこの物語にはいっぱい詰まっている。

これはとてもよく出来た青春小説だ。
面白かった!
10代になったらすぐ読んで欲しいと思う。
いや、すでにそんな時期をはるか昔に終えていたとしても、ぜひぜひ手にとってちらりとでもいいから読んで欲しい作品だ。

あるシーンで融の親友である忍が言う。
物事にはタイミングがあってそれを逃すと後でものすごく後悔することになると。

その具体例として彼は、小学生のときに薦められた本をずいぶん後になって読んで後悔した話をする。
せめて10代の入り口で読んでいれば、確実に今の自分を作るための何かになっていたはずだと。
大体こんな感じだったと思う。

私はそこを読みながら深く何度もうなずいてしまった。
私が高校入学当時、「夜のピクニック」はまだこの世に生まれていなかったけれど、出来ればその頃に出会いたかった。
そうしたら確実に私の生活は変わっていただろうという確信がある。
忍の言葉を読みながら、珍しく非常に残念な気持ちになった。

私はあまり過去を後悔しないことにしている。
悔いても時間は戻ってこないことがわかっているからなのだけど、その代わり今このときから後悔しないように行動したいといつも思っている。「夜のピクニック」を読み終わって、私はまたそんな気持ちになった。
どこかのページにきっと自分と同じ気持ちを見つけられるはず。
「夜のピクニック」はそんな作品だ。



「夜のピクニック」
著者:恩田陸
出版社: 新潮社 (2006/09)
ASIN: 4101234175



2006年10月06日(金)
返信

この秋から冬にかけては、見たいと思っていた映画が続々公開になる。
特に11月は週ごとにタイトルが掛け変わるので今から心構えなんてしてみたり。
その中で一番最初に公開になったのが『出口のない海』だった。

今年は第二次世界大戦を扱った映画がかなり多く公開されている。
この映画もその一つだ。
すべてに興味があり見たいと思っているわけではないけど、この映画は地元で撮影が行われ、職場の同僚がエキストラ出演しているのでぜひ見たいと思っていた。

職場では、原作本の回し読みもされていて、私のところにも回ってきたのだけど、映画を見る前はできるだけ原作を読まないと決めていたので読まなかった。

とりあえずの感想としては、同僚の出演シーンは非常にわくわくしながら見れた。
でも、全体的なつくりとしてはなんとなく受け入れがたい気がした。



情報収集していたら、この映画のジャンルは"スペクタクル"になっていた。
そうか、戦争映画ではないのかと思うと多少は心のわだかまりも解けた。

『出口のない海』は回天の特攻隊員の実話をベースに製作された"物語"である。
回天というのは、第二次世界大戦末期、日本の敗戦が色濃くなった時期に開発された人間兵器の名前。
端的に表現するなら、人間が操縦する魚雷。人間魚雷である。
回天について興味が湧いた方は"回天"で検索を行うと詳しい解説ページを見つけることができる。

山口県周南市の大津島は、この回天の出撃基地だった。
今もその場所は保存されていて、その場所に繋がるトンネルには、実際に特攻した人たちの写真パネルがかけてある。
そんなわけで、この映画の撮影は山口県内で行われたのだ。
周南市観光協会のページから、回天記念館のサイトにリンクがある。

回天記念館

物語のテーマについては、これがもしも戦争映画という位置付けであるならば、納得がいかないものがある。
だけど、スペクタクル映画と銘打っているので割りきりたいと思う。
ラストで主人公が整備士の青年に「(日本が負けると分かっていて)なぜ回天に乗るのですか?」という問いに対して答えた内容が私には納得がいかなかったのだ。
見た後に確認したところ、原作にも同様のセリフがあるそうだ。
正しく覚えていないのだけど、「回天があったことを後世に伝えるために俺は死ぬ」というようなことを言っていた。

回天の訓練が映画の通りであるとするなら、あれだけの厳しい訓練を受け、特攻隊員として生き残ることさえも至難の業であり、彼らは非常に優秀な青年達だったといえると思う。
たくさんの人たちが細かい部品を磨き、組み立て、入念な整備を行っていた様子が出てくる。
たった一度の特攻のためにどれだけの思いが込められていたのかを考えると胸が熱くなった。

だから回天に不具合が起きて特攻出来なかった若者がそれを恥じ、行かせてくれと叫ぶ気持ちもわからなくもない。
彼らは、そういう人たちの気持ち全部を背負っていたのだ。
それほど優秀な人たちが、自分の大切な家族や愛する人を守るために海の藻屑として散っていったことを考えると目頭が熱くなった。
戦争の残酷さをひしひしと感じた。

そういう人たちが日本を守ってくれたおかげで自分が今ここにいることは忘れないようにしたいと強く思った。
自分の家族や愛する人を守るために戦った人たちのことを軍国主義で洗脳されていてしょうがなかったからだという言い方はしたくない。
そんな言い方をすると彼らには選択権がなく自己判断も出来なかったといっているのと同じだ。
失礼だ。
でも、私は国を守るために自分の命を捨てることを美しいとは思わない。
ただ、そんな決断をしなくてはならない状況は二度と起きて欲しくないし、起こしたくないと思うだけだ。
深刻な内容になってしまったけど、これが本当に正直な感想。

映画の中で主人公が学生時代にたむろっている喫茶店は私が子供の頃から営業している古いタイプの喫茶店で、叔父がたまたまモーニングを食べに行った時に撮影準備をしていたそうだ。
その叔父の家の近所には、映画の中で早稲田と明治が試合をする野球場となったグランドもある。
私は毎朝そのグランドの横を通って通勤しているのだけど、変なもので映画を見てからはなんとなくグランドを振り返ってしまう。

同僚は4人出演している。
1人はな、なんと主人公である市川海老蔵さんのすぐ後ろに立っていてもろ顔がわかる!
主人公達が回天の訓練基地に配属されて一番最初に整列するシーンがあるのだけど、その整列シーンをアップで舐めるところで同僚がドアップで写る。これは感動ものだったなあ。
あと、回天についての講義を教室で受けるシーンでもはっきりと写っている。
本人は多分記念にDVDを購入することだろう。
残りの3人はラストシーンで登場する。
私はその中のひとりしか分からなかったけど、同僚2人と見に行っていて残りの1人ずつをそれぞれが見つけたといっていた。
これもすぐわかる。

ラストシーンはほかの人たちは涙涙だったようで、でもその一番盛り上がっていた場面で見知った同僚がいつもの様子で写っている姿がとてもおかしくて・・・笑いをこらえるのに3人とも必死だったことを付け加えておこう。

CGがふんだんに使われていたけど、技術的にどうかなと思った。
合成画面はお粗末過ぎていただけなかったな。

竹内まりやさんが歌う主題歌は、とても印象的で詩の内容もメロディーもいいと思うのだけど、エンドテロップで流れるにはちょっと浮いていたと思う。
いや、でも本当にいい曲だと思うけどね。

実はちょっと期待していたので、かなり辛口の感想になってしまった。

『出口のない海』
ジャンル : スペクタクル
製作年 : 2006年
製作国 : 日本
配給 : 松竹
監督 : 佐々部清
原作 : 横山秀夫
脚本 : 山田洋次
出演 : 市川海老蔵、伊勢谷友介、上野樹里、塩谷瞬、柏原収史、伊崎充則、香川照之、古手川祐子、三浦友和



「返信」
WORDS & MUSIC & PLAY BY 竹内まりや



2006年10月05日(木)
秋の気配

すっかり秋。
昨夜は初物の栗ご飯を食しました。
旬のものを旬のままにおいしくいただけるのは本当に幸せなことですね。

どうもお久し振りです。
とりあえず2ヶ月・・・と言っておりましたが、諸々の事柄が解決(終了?)しましたので、どうにもこうにも虫が騒いでしまって帰ってきてしまいました。

世の主婦の方々、本当に毎日お疲れ様です。
私、母への感謝の気持ちは忘れないようにします・・・という素直な感想が漏れてしまう1ヶ月でした。
もっと家族を大事にします、ハイ。
(その話はまた別の機会に。)

いろいろご無沙汰していて申し訳ないです。
少しずつお返事していきたいと思いますので、そのあたりもご了承くださいませ。

そして、またちょこちょこと更新をしていきますので、どうぞよろしくお願いします。



もろもろの事柄というのは家庭の事情だったわけですが、とにかく、肉体労働系の事柄が多くてぼんやり考える時間というのが皆無の9月でした。
週末ごとに大掃除でへとへとという状態が、9月中続いたんですよ。
まあそのお蔭でかねてから頭の中で計画中だった自室書斎化作戦も実行に移すことが出来ました。
そして、ただいま夢に描いた自室でゆったり・・・過ごしたいんですが、なかなかそんな時間もないですね。
やれやれ。

そうそう!
その模様替えに際して、読んでしまった本や必要のなくなったCD、DVD等をリサイクルショップに売りに行ったのですが、総額なんと18,760円になりました。
どれだけの数持ち込んだのか集計しておけばよかった。
中には1枚2,000円というDVDもあったようです。
ちなみに家族の算出ではせいぜい3,000円だろうということだったんですけどね。
いや、びっくりでした。
おめでたい私は、帰り道その本、CD、DVDを手にした誰かが嬉しそうにしている姿を想像して、少し幸せな気分になりました。
忙しくても想像力だけは健在だったようです。

8月末ぐらいから9月頭は、家庭の事情以外にも色々な事が同時に起こってしまっていて、自分の心で整理できなくなっていました。
仕事もうまく行かないくらいに切迫してて。
本当に何を書き出すか分からないくらい。
私は感情だけで文章を書くことだけはしたくないと思っているので、とりあえず筆を置いて、片付けられることから片付けていこうと思ったのでした。
そして、1ヶ月肉体労働に従事(!)している間にそういう気持ちにも整理がついてきました。

一旦やめてみるというのは非常に有効かつ効果的な方法だと改めて感じました。
それでもやっぱり折り合いのつかないことはあるから、とりあえずそれは棚の上に置いておいて。
時がたつのを待つしかないですね。

さて、復帰第1曲目は何にしようかなと考えたところ。
今朝、小田和正さんがTA-TUNの新曲を手がけるとニュースで言っていたなあとぼんやり思い出しまして、お!あれがあったじゃん!ということでこのタイトルです^^;

数年前、横浜に行って初めて山下公園と港の見える丘公園は違うところだと知りました。
ちっちゃな公園なんですね・・・。

中学生の頃、ラジオから流れてきたこの曲をはじめて聴いた時のことは未だに思い出すので不思議です。
LPレコードを毎月買えるほどのお小遣いがなく、たよりはNHK-FMの夕方のラジオ番組(「夕べのしらべ」だったかな?)か週末のゴールデンタイムの歌謡番組くらいでした。
中学校から自宅までは走って帰っても20分はかかります。
オフコース特集なんてあった日にゃ、当時は予約録音なんて出来ない時代でしたから走りまくりましたね。
そういう経験により録音した曲の一つがこれでした。
そのときは1番だけの放送で、2番の歌詞が気になってしょうがなかった。
なんてね。そんな思い出のある曲です。

横浜のあのあたりは、なんとなくいつも秋のイメージがあります。
それはきっとこの曲のせいなのでしょうね。

今年はあっという間に秋の気配がやって来て、私はもう冬の気配も感じます。
この時期が一番好きなんですよ、私。

北のほうの方々はすでに冬支度に入っているのでしょうか。
どなたも風邪など召されませんように・・・。
そろそろインフルエンザの予防も考えなくちゃ・・・ですね。

では、これからもどうぞよろしくお願いします。



「秋の気配」
WORDS & MUSIC BY 小田和正、PLAY BY オフコース