 ようやく梅雨が明けた。 いや、やっと夏だね。
今週は4日ほど毎日隣の県まで仕事関係の講習を受けに行っていた。 毎朝新幹線に乗って、自動車で会社に行くよりも早く着いてしまう。 なんだか変な感じ。
私は会社好きな人間ではないけど、それでも明日普通どおりに会社にいけるっていうのがちょっぴりうれしかったりする。 普段顔をあわせている職場の人と会えないと寂しいってことなのかねえ。 そんな気分になる日が来るとは、思いもしなかったんだけどなあ。 なんか不思議な感じ。
4日目最終日の今日、講習先の会社の玄関を出たら青空が広がってた。 ああ、夏の空だなあと見上げていたら、イントロが流れ始めちゃった。
お疲れ様と自分に声をかけたいとき、雄大さんが歌ってくれるような気がする。
自分に必要な音楽は、いつも心の中からやってくる。 それは今日初めて聴く音楽かもしれないし、もう何十年も聴いていなかった音楽かもしれない。 そういう音楽は、自分の意思で選べるわけじゃなく心の中からやってくる。
たくさん飛び交っている音楽の中から、心が選ぶんだよね。 その瞬間、いつもなんかちょっと感激して鼻の奥がつんとするんだよ。
「君の上にある空」 WORDS & MUSIC & PLAY BY 鈴木雄大
おととい『金曜ロードショー』で「ハウルの動く城」を放送していた。 完全ノーカットで23:30くらいまであったねえ。 映画館で1度見たんだけど、やっぱり最後までトイレに行く間も惜しんで見入ってしまった。
私は取り立てて宮崎作品の大ファンというわけではないのだけど、それでもいくつか何度見てもいいなと思う作品がある。 「ハウルの動く城」は公開前にさんざっぱら勿体つけたTVCMがばんばん流れていて、当時は少々食傷ぎみだったが、実際映画館で見てからはそのとりこになってしまった。
何が好きって、ソフィーの強さが大好きなのだ。
それまで宮崎作品で好きなものといったら「天空の城 ラピュタ」だった。 あの冒険物語のラストシーンが大好きで。 今思い出してもジーンとしてくる。 ラピュタは永遠に飛行し続けるんだよ!・・・切ないねえ。
で、今は「ハウルの動く城」がすごく好き。 ソフィーのひたむきさにすごく勇気を与えられる。
ソフィーは強い。 まっすぐでやさしくて強い。 映画の中で時にハウルを叱咤して、時にやさしくあやす。 相手がどんな人だろうか同じように接している。 私はただ映画を見ているだけの視聴者だけど、ハウルと一緒に慰められている気分になったり、怒られている気分になったりする。 いきなりおばあさんにされちゃったのに冷静に行動するところがめちゃめちゃクールだ!
でも、ソフィーは何も特別な女性というわけではない。 ハウルにとっては最初から特別だったわけだけど、そうじゃなければ本当に普通の女の子でしかない。 誰でもちょっとその気になれば、すぐにソフィーのような女性になれると思う。 でもずっとソフィーのように振舞うのは実はとても難しい。 だからきっとあこがれるんだな、彼女に。
映画そのものの話をすると、使われている色がそれまでのものに比べるととても鮮やかで、はじめてみたときはとても「千と千尋の神隠し」とおなじ監督の作品とは思えなかった。 あまりに鮮やかだったので、目が痛かった覚えがある。 兵隊の青い制服がやけに目に焼きついたんだよね。 ヒロ・ヤマガタの絵が動いているような感じを受けたね。 ヨーロッパの町をテーマにした作品はいくつかあるけど、それにしても「ハウルの動く城」はとても鮮やかな色だと思う。 技術的な変化なのか?それとも心境の変化なのか? それはわからないけど。
この映画のテーマ曲「人生のメリーゴーランド」は一発で好きになってしまった。 郷愁を誘うのにわくわくしてくる。 久石譲さんの音楽は昔から好きだけど、これほどゆったりとわくわくさせてくれる曲は初めてだな。 今も頭の中をゆったり流れてる。
ソフィーこと倍賞千恵子さんの歌う「世界の約束」が流れる頃には、なんだか自分が一仕事終えたような気分になっているから不思議だ。 歌詞はなんと谷川俊太郎さんだったんだね。いやびっくり。
今年は「ゲド戦記」 またもや過剰すぎるほどのTVCMが流れてる。 今回は息子さんが監督を務めるという。さてどうかな? TVCMで少年が鋼鉄の首輪をされているシーンが出てくるね。 それを見てちょっと私は気分が落ち込んでしまう。 なぜだろう? それを確かめるために、きっと私は映画館に行っちゃうんだろうなあ。
「ハウルの動く城」 ジャンル :アニメ 製作年 : 2004年 製作国 : 日本 配給 : 東宝 原作 : ダイアナ・ウィン・ジョーンズ(『魔法使いハウルと火の悪魔』より) 監督・脚本 : 宮崎駿 作画監督 : 山上明彦、稲村武志、高坂希太郎 美術監督 : 武重洋二、吉田昇 音楽 : 久石譲 声の出演 : 倍賞千恵子、木村拓哉、美輪明宏、我修院達也、神木隆之介、伊崎充則、大泉洋、大塚明夫、原田大二郎、加藤治子 他
「世界の約束」 WORDS BY 谷川俊太郎、MUSIC BY 木村弓、PLAY BY 倍賞千恵子
火曜日、浅井健一さんがDJを務めるNHK-FM『サウンドストリート21』の第2回目の放送があった。 今回は最初から最後まで録音成功。 しかし、アンテナの向きが悪いのか雑音多し。 若干の不満はあるが、聴き取れるのでいいとしよう。
今回はこの世界について語られた。 最近一番興味を持って自分でも色々思考していた話だったので、自然と耳が傾いていた。 非常にメッセージ性の強い内容で心に響いた。
しょっぱなから『SHERBET Street』の曲から始まり、すでにぐっときてしまった。 これは浅井さんの絵本『SHERBET Street』におまけとしてつけられているCDに収められている曲。 残念ながら、今は絶版になっていて新しく手に入れることが出来ない。 (数曲はSHERBETSのアナログ盤『AURORA』に収録されているようだ。) このアルバムは、私の旅行には欠かせないものとなっている。 とても温かくやさしい感じで、聴いていると勇気が溢れてきてやさしい気持ちになれる。 おまけにしておくのはもったいないくらいの作品だと思う。
今回はこのアルバムをBGMに浅井さんが喋りつづけた。
世界の歴史がどんなふうに動いていったかを浅井さんは淡々と語りつづける。 世界は常に戦っていた。 自然界からしてそういう風に成り立ってきた。 弱者は淘汰され強いものが残ってきたんだと浅井さんは語る。 それは人間も同じだ。
彼の語っていることは、長い間私が疑問に感じていて、もしかしたらそういうことなのかもしれないと感じていたことへの1つの答えのように感じた。 彼の価値観を彼自身の口から語られる形で聴くのは初めてのことだったけど、それまで10年以上聴きつづけている彼の音楽から感じたそのものだった。 少なくとも、私はそう感じて嬉しかった。
一つずつ、今の世界の成り立ちの中で起きたことを知るたびに苦しくなったり悲しくなったり憤りを感じたりする。 でもそれは、私にはどうすることも出来ない事柄で、そのたび結局自分自身に立ち返ってくる。 自分自身が平常心でいられなければ、ほかのどんな事柄だって解決するのは難しい。 まずは自分自身が不安のないひとりの人にならなければ・・・私はずっとそう思いながら毎日思考を繰り返している。
いつだったか、ファンクラブの会報で浅井さんはこんなニュアンスのメッセージを書いていた。 今その会報がそばにないのでこれは正しい表現ではないけれど、意味は間違っていないと思う。
僕らは同じ船の乗組員。 船長は誰だか分からない。 僕らは顔を合わすことも話をすることもないかもしれない。 でも、みんな同じ船に乗って同じ所へむかおうとしている。 それがどこなのかはわからないけど。
浅井さんは私と同世代。 彼の音楽を知ってからずっといっしょに歩いているという感覚がある。 浅井さんと私の進む道は交わることはないけど、なんとなく同じ方向に向いて歩いているような気がする・・・そんな感じ。 それは私にたくさんの勇気をくれた。 ファンクラブの会報でこのメッセージを読んだ時、ちょっと涙が落っこちそうになった。 そう思ってもいいのだと・・・これほど勇気付けられる言葉はないと感じたのだ。 鈴木雄大さんの音楽はいつも私を導いてくれるという感覚で、浅井さんの音楽は同じラインで聴こえてくる。 どちらも私をカタチ作る一つ一つの音楽だ。 出会えてよかったと思う。
自分で判断して何かをやり始めよう。 何をやればいいのか分からなければ、とりあえず本を読もう。 何かをやり始めるのに遅くはないし、いくら時間が掛かってもいい。 だっていつか自立はしなくちゃいけないんだからと浅井さんは言った。 心の中で考えていたことを言葉に出されたような気がして不思議な気分だった。
たくさんの人がこのラジオを聴いていただろう。 それぞれがそれぞれの想像力で彼の言葉を感じて、それぞれの思考を繰り広げただろう。 反発や嫌悪もあったかもしれないが、それと同じくらいの共感があったと私は思うことにする。
そんなことを思考しながら、私は鈴木雄大さんの言葉を思い出していた。
孤独っていうのはね、共鳴するんだよ。
思考するとき、人はみんな孤独だ。 それを自覚する時、共鳴が起こる。 音楽はそれを呼び起こすもっとも単純でわかりやすいモノじゃないのかな。
NHK-FM『サウンドストリート21』 23:00〜24:10(70分) トップページで前回放送曲リストを見ることが出来ます。 ※2012.3.27現在リンク切れ
「グレープジュース」 WORDS & MUSIC BY 浅井健一、PLAY BY SHERBETS
2006年07月12日(水) |
遠くで汽笛を聞きながら |
先週木曜日、3時間ぶっ続けで日本の歌と題した公開音楽番組が民放で放送されていた。 テレビ東京の「夏祭り日本の歌」という特番だったようだ。
その翌日にも似たような特番があったような気がする。 今はちょうど、TVの放送クールの切替時期なんだろう。 毎日何かしらの特番をやっている。
「夏祭り日本の歌」は食事をしながらちらちら見ただけなので、全体的にどんなどんな雰囲気なのかは掴みきれなかった。 つんくファミリーの女の子が2人で「この広い野原いっぱい」を歌う姿は申し訳ないが爽やかさにかけていて、なんだか嘘っぽいよなあ〜というのが正直な感想。
ほかには青い三角定規がオリジナルメンバーで「太陽がくれた季節」を歌っていたり、ダ・カーポが「結婚するって本当ですか」を歌っていたりした。
ソファーに移動してまで見たのは1曲だけ。 それが「遠くで汽笛を聞きながら」だったわけなのさ。
これはアリスの名曲。 確かアリスではメインボーカルが谷村新司さんだったと思う。 番組では堀内孝雄さんが歌っていた。
フォーク系のミュージシャンが歳を重ねて演歌を作るようになるのはなんとなく自然な流れだなと私は個人的に思っていて、堀内孝雄さんが演歌系歌手になっていくのも流れとしては自然だなと感じている。 谷村新司さんはちょっと系列が違うような気もするんだけど、そもそもジャンルわけなんてモノはいい加減で単なる分類に過ぎないのであまり気にしない。 ただ、演歌だけはなんとなく子供の頃から特別な世界のような気がしていて、今でも演歌歌手っていうのはすごいエンターティナーだなと思っている。 ちょっと話しがそれてしまった。
「遠くで汽笛を聞きながら」は私にとっては思い出深い曲だ。 もちろん、そういう人は日本にたくさんいるだろう。 まあそのくらいいい曲なんだな、これが。
小学生の時、気まぐれにギターをちょっと弾くようになっていたんだけど、コードを覚えてきちんと弾き語りをした初めての曲が、実はこの「遠くで汽笛を聞きながら」だった。 中学生の頃の話。 とある人の生演奏を目の前で聴き、その姿のかっこよさに触発されたのだ。
とある人というのは、当時の理科の担任(男性) 同じクラスだった友人はこの先生の大ファンで理科の担任がこの人に決まって大喜びだった。 彼女は卒業生に、この先生に教わったことのあるお兄さんがいたので、この先生の噂を聞いていたらしい。 すごく面白くてかっこいいといつも目をハートにしていたなあ。 でも、実際授業を受けてみると彼はものすごく怖い先生だった。 授業の進みは速く、授業を妨げるような行為をすると竹の物差しで私たちをしばく、怒鳴る。 今だったら訴えられちゃうかも。 私はとにかくこの人が怖くて、好きになれなかった。
ところが学期の終わりに私は彼のことが大好きになってしまった。
この先生、授業の進みが速いので学期の終わりには時間が余ってしまう。 NHK教育TVの理科の番組を時間中流して自習にしてくれることがあり、そのときは居眠りしてようが何してようがとにかく静かに席についていれば怒ったりしなかった。 でも、私が彼を大好きになったのはそれが理由ではない。
この先生、実は無類の音楽好きで授業中に弾き語りを披露してくれたのだ。
初めてその姿を目の当たりにしたときはとにかく大感激で涙が落っこちそうになった。 誰かがギターを弾きながら歌う姿はそのとき始めて見たものだからそのかっこよさにしびれた。 授業中ものすごく怖かった先生の姿なんて吹き飛んだね。
それが「遠くで汽笛を聞きながら」だったんだ。
詞の内容はあまり深く考えなかった。 ただひたすらコードを覚えて、歌詞を覚えてギターで歌ってみた。 たった一人部屋の中でやっていたことだけど、ものすごく楽しかった。 初めてうまく行った時は、感激したもんね。
堀内孝雄さんの歌を聴きながら、その先生のことを思い出していた。 当時独身で20代半ばだったあの先生、今はどうしているんだろうねえ。 ブラスバンドの定期演奏会でも熱唱してたんだよなあ。 今も歌っていたら嬉しいよね。
そんなことを考えながら、改めてその歌詞を聴いてみると、なんだか心に染みてきちゃった。
私は、今まさにこの歌の心境になりつつある。 ・・・歳をとったんだね私も。 TVでは歌い上げた堀内孝雄さんが目に涙を浮かべてた。 彼も故郷のことを思い出していたのかもしれないな。
「遠くで汽笛を聞きながら」 WORDS BY 、MUSIC & PLAY BY 堀内孝雄(でもアリスのほうが好き)
うっかり見てしまったために『魔王』にはまってしまった。 本家はもちろんのこと日本版も今後の展開がとても気になる。
明日放送の日本版『魔王』の第1話をもう4回も見てしまった。 4回目はTBS公式サイトで"裏魔王"なるページを発見し、読んでしまったので再確認で見てしまった^^;
そんなわけで、日本版『魔王』への期待なんかを書いてみたり。
本家ファンの間ではどちらかというと配役を含め批判的な意見が多いが、私はなかなか初回はがんばってるなと思った。
私は、本家と日本版は違うものとしてみることに(今のところ)成功しているので、比べてどうこうはあまり感じていない。
成瀬領と芹沢直人の静と動が、はっきり出ていて面白い。 成瀬からは静でありながら憎悪の熱さをその眼から感じてぞっとするし、芹沢の熱血ぶりには度を越した狂気のようなものを感じる。 現場検証で見せた過去の残像との葛藤もかなりのもののようだ・・・。 こっちはこっちであり、だ。
"リメイク"の定義がよく分からないが、個人的には起承転結が同じならその他の構成を入れなおしたり削除したりしてもいいんじゃないかと思う。
おおすじをそのままに全20話の長さを10話程度にするためには詳細に設定された複線を省いて行くしかない。 国柄の違いによる設定変更もかなり必要だと思われる。 そして、リメイクとは言っても日本版の味も出さなくてはならない。(配役は日本版の味を出すためのひとつの要素だと思うので、そこだけみてだめだ!の判断は早すぎると私は思う。)
しかも、本家は有料チャンネル(スカパー!)ではあるが日本で放送済みである。 "リメイク"と銘打ったからには本家のファンも眼を光らせているのだから、スタッフのプレッシャーは相当だろう。
日本版は『砂の器』(中居正広 主演)に似ているなあとふと思った。 主人公が犯人だと匂わせつつ周到に用意された復讐計画のネタばらしを同時進行で見せる。 主人公には復讐を実行するだけの動機があり、視聴者が"そうなるのはしょうがない"と同情的な目線を持って主人公を見守るような設定にしてある。 どちらも犯人を追い詰めるのは刑事。 ただし、『魔王』の場合は犯人の最終的な標的はその刑事であるというところがちがう。
そんなわけで、『魔王』のネタ自体が日本人受けすると私は思う。ただし、元ネタが韓国ドラマだから見ないという人もいるだろう。 だからいっそ、起承転結だけ同じにしてその他の構成をまるで変えてしまうほうがかえっていいんじゃないかなと思う。
第2話の予告を見た感じでは、すでに本家とは展開の仕方が変わっている。 さて、次はどんなことが起こるのか・・・?
明日まで待ちきれない!
「truth」 WORDS & MUSIC BY HYDRANT、PLAY BY 嵐
6月28日にJUDEのベストアルバムが発売された。
全曲リマスタリング、初回限定盤はベストCDに加え、未発表曲6曲収録CD、PV9曲・未発表ライブ1曲収録DVDの3枚組組み。
実はベスト盤の発売を知ったとき、早いなという印象を受けた。 その後これはもしかして・・・という漠然とした不安と期待を感じた。 昨日手に入れた音楽雑誌『音楽と人』の浅井健一さんのインタビューを読んでなんとなくそれは当たっていたんだなと寂しいやらわくわくするやら。
とりあえずJUDEという形で音楽を世に送り出すことについて、彼の中では完結を向かえつつあるということのようだ。 そして、今度は浅井健一という名前で新たな冒険をはじめる。 その第1歩は7月11日発売の新曲「危険すぎる」で目の当たりにすることができるだろう。
浅井さんが何か新しいことをはじめる度に熱狂し、夢中になる。 それはまた予告なく中断される。 そのたびに肩透かしをくってつまずいてしまうのだけど、転んで起き上がって彼が進んだ先を見つめるとまた違う世界が広がっている。 そしてまた熱狂し・・・初めてBLANKEY JET CITYの音楽に出会い、初めてのライブで浅井さんを見上げた時から、それはずっと続いている。
JUDEのこれまでの活動期間は4年くらい。 もっと短いと思っていたんだけど、案外長かったんだなあ。 その間、ドラマーが3人変わっている。 最初に発売されたアルバム2枚ですでにドラマーは違っていて、音の感じは全然違う。 ライブツアーでもツアーごとにドラマー(アルバムに参加している人)が入れ替わっているので、同じ曲でもずいぶんと印象が変わる。 そこがスリリングでかっこよかった。
JUDEは6枚のアルバムを出しているのだけど、ベストアルバムは3人目のドラマーが加入してからの曲の比率が多いように感じた。 私は、時々思い立ってハードローテーションする曲はあるんだけど、ベスト盤を作るならこれは絶対入れる!というような感覚を持ち合わせていないので、これはこれでいいんじゃないかと思っている。 「何も思わない」の新録音はなかなかいい。 この曲はすでに私の中ではスタンダードになりつつあって、どちらかというと心理的に辛い時聴きたくなる。
申し訳ないが、興味はこのベスト盤よりも未発表音源のほうに向いていた。 やはり、未発表音源というのはマニア心をくすぐるものだから。
どれも耳慣れないので、最初はわけがわからなかった。 浅井さんの音楽は最初聴いた時にはいつもわけがわからない。 音が塊で飛んでくる感じがするのだ。 それを何度も聴いているうちに彼の歌が聞こえてきて意味をなす。 次に全体が聴こえてくるようになり、ギターのフレーズ、ベースライン、ドラムスのふとした手癖・・・なんかが少しずつ聴こえる。 その混乱を実は楽しんでいる。 ベスト盤の未発表音源はそれが満載だ。
ハードローテーションしているといってもまだたかだか1週間程度なので、混乱は続いている。 でも徐々に形をなし始めてる。
その中で今心を占めているのは、「Shabbys」 私にとっては、BLANKEY JET CITYが「Shabbys」だった。 JUDEのアルバム『ERECTRIC RAINBOW』の「ROCK SHOW」を聴いた時もBLANKEY JET CITYのライブにはじめていったときの光景を思い出す。 浅井さんにもそんな瞬間があったのだろうか。 いや、きっとあったんだな。 そういう感じを受けてなんだか嬉しい。 今朝は「トニー」が気になり始めた。
DVDはすでに見知っているものばかりだったので、それほど興味はなかったけど、改めてみるとやっぱり熱狂してしまう自分がいた。 だって彼は私のアイドルだもん。
「Shabbys」 WORDS & MUSIC BY 浅井健一、PLAY BY JUDE
2006年07月06日(木) |
ダニー・カリフォルニア |
昨夜、半年振りくらいに映画館へ行く。 今、ちょっと話題になっている「デス・ノート」を見るためだ。
一応話題作だけあってかなり人が入っていたね。 原作のファンが結構いたようだ。 上映後に回りの人たちが口にしていることが聴こえてそう感じた。
映画の最後の最後にちょっとしたおまけがついていて、エンドテロップの途中で席を立つタイプの人は、この映画の時は我慢して最後までいたほうがいいかも。 後編に向けてのヒントが聞ける。
さて、肝心の作品ですが。
私も実は原作を読んでいるくちで、ついこのあいだ最終回を迎えたらしいのだがまだ読んでいない。といっても結末はもう知ってしまった。 でも、書くのはやめておこう。 あえて言うなら、まあ、想像どおりだったかな。
私はできるだけ原作を読まずに映画を見ようと思っているタイプなんだけど、この作品はその前に面白いよと友人に勧められて読んでいたため、原作先行だった。 その場合は、どうしても原作との比較をしてしまいがち。 特に今回は漫画が原作なので、原作を思い浮かべる場面は結構あった。 映画はだいたい絵コンテというのを起こして撮影されるものだから、頭の中では自然に原作がこの映画の絵コンテのように置き換えられていたかもしれない。 原作漫画がそれほど動的なイメージをもつ絵柄ではないと感じているので、違和感は感じなかったし、役者のイメージについてはあまり落胆することはなかった。 おおおっ、原作でこんなシーンあったあったってな感じで。
CGについてはやっぱり限界を感じた。 どうしても表情がないなあと感じて、あえて言うならそこが残念。 実写の役者とCGとのバランスは悪くないけど、あまり質感を感じられなかった。 そういう意味では、漫画の方がやっぱり面白いと思う。
それから、主役の藤原竜也君。 最初に聞いたときは、はまり役だなあと感心したんだけど。 ちょっと表情がありすぎかなあ。 雰囲気はよく出ていたと思うけどねえ。
2時間10分は長い。 しかも、展開がゆるすぎて疲れちゃった。 まあ、原作が全11巻もあるわけだから、はしょるのはしょうがないにしても。 もう少しコンパクトなほうが良かったかな。
中村獅童さんははまり役。 リンゴを欲しがって地団太を踏むあたりは、ぜひ動いているところを見たかったのでくすくす笑ってしまった。 それだけに表情が乏しかったのが残念。
映画全体に緊迫感が足りない。 バタバタ人が死ぬシーンを映し過ぎだとも思う。 無駄に時間を使いすぎてる。 もう少し画的にもストーリー的にも緩急が欲しい。 (まさか、そういうところは全部後編に盛り込んであるんじゃ・・・。)
原作については途中であることが起きてから急速に興味を失ってしまった。 それはやったらだめでしょうということが起きる。 でも、主人公がどうなるのかは知りたいので、最後まで読みたい。
この漫画、少年ジャンプで連載されていた。 子供の見る雑誌でこんな内容を連載しちゃいかんと思うな。 彼がデスノートを使うきっかけはいかにも正しい青少年の発想という感じがするけれど、途中からただの犯罪者に成り下がってしまう。 そういうところは、人間の怖さをよく表現していると思う。 でも、所詮死神が出てくるお話なので、その辺は差し引いてもいいかもね。 まずは死神がノートをくれなきゃ、こんなことは起きたりしないから。
原作をこよなく愛する人は、期待しないで行ったほうがいい。 知らない人はもやっぱり過剰な期待はもたないほうがいい。 そんな映画。
映画公式サイト DEATH NOTE -デス・ノート-
少年ジャンプによる公式サイト DEATH NOTE
「デス・ノート」 ジャンル : サスペンス 製作年 : 2006年 製作国 : 日本 配給:ワーナー・ブラザース映画 監督:金子修介 原作:大場つぐみ、小畑健 音楽:細野晴臣 出演:藤原竜也、松山ケンイチ、瀬戸朝香、香椎由宇、細川茂樹、戸田恵梨香 他
「ダニー・カリフォルニア」 PLAY BY レッド・ホット・チリ・ペッパー ズ
いつも情報をもらっているBlack Jenny(浅井健一非公式ファンサイト&アーカイブ)で、今月、NHK-FMの『サウンドストリート21』という番組で浅井健一さんが1ヶ月DJをするという情報をもらう。
昨夜、その第1回目の放送があった。 ところがバタバタしていて途中から聴く羽目に。 聴いていなかった時間帯に5曲が放送済みで、その中に彼の新曲「危険すぎる」も入っていたことを放送リストを見て知り、かなりショック。 発売前の新曲、聴きたかったなあ。
でもまあ、途中から録音も出来たからよしとする・・・しかないな。 と言っても、携帯電話で録音したので、電波状態は一定ではなく途中で切れてしまった気がする。 来週は万全の体制で望まなければ・・・なんて。
アルバムが発売される時期になるとだいたいミュージシャン達はプロモートをかねてラジオ出演することが多い。 浅井健一さんもそうなので、割とラジオで彼の喋りを聞くことは多く彼の口調は既に耳慣れている。 以前たまたまラジオ出演情報を知らせてくれた友人が、番組を聞いていてあまりの声の若さに驚いていた。実年齢を教えるとさらにびっくりしていた。 決して饒舌とは言えず、単語で喋りがちな人なので、DJ大丈夫かなあというのが正直な気持ち。
喋りはもとより彼の選曲にとても興味があり、どんな曲が流れるのかがとても楽しみだった。 全体的に落ち着いた大人っぽい感じだった。 といっても彼の参加しているバンドの曲を除けばほとんど洋楽で、知っているものといったらストレイキャッツ、曲名で言えば私も大好きな映画『バグダット・カフェ』のオープニングで流れる「CALLING YOU」だけ。 聴いていなかった時間帯にはビートルズの「GIRL」もあったようけど。 まあ、この3曲くらい。 ほんっと、私は洋楽を聴かないんだなあと改めて実感。
BLANKEY JET CITYのイメージが強いので、ぶっとんだロックを想像して敬遠する人が多いんだけど、SHERBETSやAJICOでは案外、彼の作り出す世界は実にニューミュージックっぽい。・・・ニューミュージックってのは聞こえが悪いかなあ。 実に日本人的と言っておこう。 詞に描かれる世界やメロディーのふとした部分が妙に懐かしい感じがするというか・・・。
昨夜の選曲では、シーナ&ロケッツと井上陽水さんの曲が選ばれていた。 シーナ&ロケッツは以前から好きだなんてことを言っていたので、彼らしいと思ったんだけど、井上陽水さんの曲を選ぶとは正直びっくり。 多分、浅井さんは日本のフォークソングも結構聞いていたんじゃないかなと以前から思っていたんだけど、その一端を垣間見れた気がしてとても嬉しかった。 以前、BLANKEY JET CITYのデビュー当時からのファンの方たちと交流する機会があって、そのときに映画音楽はかなり聴いていたらしいという話は聞いていた。 なんだか私と似ている気がするなあと密かに思っていたりなんかする。
「紙飛行機」と言うタイトルの井上陽水さんの曲を昔好きだった曲と紹介していた。 私は知らなかったのだけど彼のフェイバリットソングなんだそうだ。 はじめて聴いたけど、ほほおなるほど〜こういう世界を聞いていたんだなあと妙に納得。 今聴くとちょっと違う思いが浮かんだなんてことを喋っていたな。 井上陽水さん、彼の詞の世界も独特だよなあ。 音楽の話題になったとき、意外な人がファンだったりしてびっくりすることがある。
喋りに関しては、とつとつと出てくる気持ちを喋ってる感じ。 とりとめのない感じだったけど、多分大まかのシナリオはあるんだろうなあ。 なんとなく時々そんな流れを感じたので。 実はかなり棒読みっぽかった。 普段から棒読みっぽい喋りではあるんだけど。
でも、それががっかりというよりは、その流れをちゃんとやろうという浅井さんの気持ちがなんか見えるようで・・・年上の方に対して失礼かもしれないけど、ほほえましかった。
後でもう一度聞きなおそっと。
さて、次は来週火曜日23:00から。 録音準備を万全にしてその時間を待つことにしよう。
お時間ある方は、子守唄代わりにぜひ。
NHK-FM『サウンドストリート21』 23:00〜24:10(70分) トップページで前回放送曲リストを見ることが出来ます。 ※2012.3.27現在リンク切れ
「紙飛行機」 WORDS & MUSIC & PLAY BY 井上陽水
土曜日、山木康世さんのライブに行ってきた。 よくよく考えたら、1年半ぶり。 ここのところ気分が塞ぎがちだったので、癒してもらおうっと。 そんな気分で車を走らせる。
広島まで今回は車で行くことにしたのだけど、幸運なことに行きも帰りも雨が降る事はなかった。
ライブ会場に行くと、すでに懐かしくなった感のある友人たちと再会。 毎回このライブの時に会って話をするだけなんだけど、その都度距離が縮まって話しが弾んでくるから不思議。 普段はまったく別の場所で、それぞれが一生懸命生きてるんだよなあ。 そう考えるとなんだか不思議な気分になった。
今回のツアーでは、その先々でライブの模様を録音しているということで、グッズ売り場にも会場ごとのライブ版CDが並んでいる。 それもとっても気になったのだけど、今回はDVDを購入した。
相変わらず山木さんは飄々と登場。 ステージ中央にはいつも譜面台がたっていて、それまでは確かノートが立てかけてあったと思うんだけど、今回はノートパソコンが乗っていた! おおおっ、なんか進化してる! まさか今夜は打ち込みのオケが流れたりする?と一瞬よからぬ想像をしたのだけど、いえいえ、山木さんはそんなことはしません。 多分画面には、歌詞が表示されていたんじゃないかと思う。
今山木さんはいつも以上に毒舌(!)に磨きがかかっていて、ものすごく私はわくわくした。 そういうピリ辛なところも山木さんの魅力だからね。
今回ギターは2本。 録音するからなのだろうか、2本ともエレクトリックアコースティックギター(長いので以後エレアコ)。 最初に使ったギターは、なんとなくやさしい音色で、あとから使ったギターはなんとなく鋭い感じの音がしたような気がした。
山木さんはとにかくギターがすごいのだ。 いやもお、毎回私は耳が釘付け。 華麗な指捌きにも見とれてしまうのだけど、それを見ているよりは彼の指からつむぎだされる音を見たい!と思ってしまう。 いや、実際は見えるわけではないんだけどね。 何かオーラが出ているように感じるんだ。
今回山木さんが自分でおっしゃっていたんだけど、まったく同じフレーズは2度弾けないんだそうだ。す、すごい〜。 もちろん、大まかなコードは決まっているんだけど、ソロやイントロのフレーズはその都度気分でつむぐんだそうな。 流れるようなスリーフィンガーの中、きちんとベースラインが聴こえる。 目を閉じて聴いていると、まるで2本のギターがベースラインとメロディーラインを弾いているように聴こえる。 実際には山木さん1人の指からそれが同時につむぎだされているのだ。 そのうえ、そんな弾き方をしながら歌まで歌ってしまう! これがまた味のあるいい声なのだ。
ふきのとうの時は、サイドボーカルに回ることがほとんどで、フルで歌うことなんてほとんどなかったからあまり歌いなれてないんだなあ・・・と、私がライブに通い始めた頃MCで山木さんが言っていたなあ。 ライブ回数はとにかく増えていると思う。 それも手伝っているんだと思うけど、なんとなく歌いなれてきた感じがする。 そしてさらに渋さが・・・!
山木さんはかつてフォーク小僧だったおじさん世代のアイドルだ。 行く先々のライブ会場で少年の目を持つギターおやじたちに取り囲まれるらしい。 今回のライブCDはそんなおじさんたちのリクエストに答える形でじゃあやってみようかということで企画されたそうだ。
今回特に感嘆したのは、ふきのとうのアルバム『スケッチ』に収録されている「コスモスの花」 このアルバムは中学生くらいの頃、ハードローテーションだったアルバムなんだけど、あまりこのアルバムの曲を山木さんは演奏しないので、かなり嬉しかった。 メロディーもリズムもちょっと独特で、ギター1本でどんな風になるんだろうと思っていたんだけど、いや〜山木さんの魔法の指先からはすてきなフレーズがよどむことなく流れていた。
今回ライブは前後編。 今回は喋りは少なめにするつもりだったという山木さんだけど、やっぱり喋ってしまうのです。 愛ある辛口のコメントは毎回とても楽しみなものの一つ。 やっぱり山木さんはそうじゃなきゃね。
後半は最初に上京した時の思い出を織り込んだ「永遠の東京」が印象に残る。 過ぎ去った恋の思い出をなぞる唄のはずなのに・・・半分事実のエピソードはまるで唄の内容とはかけ離れていた。(そのギャップに打ちのめされてしまった。いや、いい意味で。) そして、実は、この「永遠の東京」は続く「足の裏」のための前振りだった・・・らしい。 ド演歌調で足の裏の苦労を語るこの曲は、私が山木さんのライブに行き始めた頃最初に聞いた覚えがあるくらい印象に残っていて、でも、当時はそういうブラックユーモア的なノリを嫌うファンもいたようで(今もいるんだろうけど)、なんとなく歌わなくなっていたそうなので、久々に聴けて私は大満足。
この日のライブもCD化されるそうなので、ぜひ愛蔵版として手元に欲しい!
笑いも誘う後生のライブはあっという間に終わってしまった。 2度のアンコールにこたえてくれた山木さん。
ライブの終わりはふきのとう『人生・春・横断』に収録されている「風を見ていた安兵衛」 私はこの曲を聴くたびにとても元気になる。 ふるさとを胸に旅をする安兵衛の前向きな気持ちが流れ込んでくるようなんだ。 ライブの終わりがこの曲でよかった。 ありがとう山木さん!また年末に会いましょう!(・・・と山木さんが言っていたのだ。信じますよその言葉!)
友人の好意でセットリストを頂きました。 一部よく分からないタイトルがあるので、分かり次第修正します。
<セットリスト> −第1部− 達磨オヤジの唄 夕暮れの街 忘れじの春 ロザリオ(新曲) おめでとう乾杯 晩秋情景 コスモスの花 忍冬(すいかずら) 除夜の鐘
−第2部− 春雷 雪どけ水 永遠の東京 足の裏 はなちゃんの離婚 眠れないジェラシー 運命河(さだめがわ) 紫陽花の花 宇宙の子供へラブソング
−アンコール1− なきたくなった夕暮れ
−アンコール2− 風を見ていた安兵衛
2006.07.01(土) 18:00〜「2006 山木康世 Live55」〜安芸の宮島カープが躍る 酢牡蠣恋しや広島菜〜(at 広島ネオポリスホール) 「風を見ていた安兵衛」 WORDS & MUSIC & PLAY BY 山木康世
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