2006年02月27日(月) |
ワン・ハート、ワン・マインド |
最近映画を見てないなあ・・・と思っていたところ。 2週間前の金曜日にNHK-BS2で「ビューティフルマインド」を放送するということを新聞で見つけたので、時間も空いているしちょっと見てみることにした。
「ビューティフルマインド」は、実話に基づいて製作された映画でアカデミー賞も受賞した作品だと知っていたので、なんとなく映画館には行きそびれていた。 個人的な主観として、アカデミー賞を受賞する作品はあまりおもしろくないという思い込みがあったのが一番大きな理由。 それとCM予告で見た映像から、なんとなくこんな話だろうと思い込んでいた部分があって、敬遠してしまったのだ。 それでも何か気になっていて、見たいと思う気持ちもあったのでTVで放送するなら見ようかなという気持ちになった。
先入観は見事に打ち砕かれて、見終わった後、数日は呆然としてしまった。 そんなわけで、何か書いてやろうと思いながらもまとまらず2週間が過ぎてしまった。
私はこの映画、アメリカ軍に利用されてしまった数学者の話だと思い込んでいた。 ハリウッドが作るその手の映画にはうんざりだったので、この映画もなんか引っかかりながらも敬遠していたわけなんだけど、それはとんでもない思い違いだったことが物語の中盤で明らかになる。
やられた! 久し振りに素直にやられた!
私が思い込んでいた部分は全部主人公の妄想だった。 彼は精神分裂症を病んでいたのだ。 残りの半分は、数学の世界に返りたいと願う主人公の妄想との闘いが繰り広げられる。 最後に主人公はそれを克服し、ノーベル賞の授賞式に出ることができるのだ。
演出がすごいと思ったね。 途中まで見事に騙されていた。 本当のことを言っているのは、主人公か?彼の妻や友人なのか? ぎりぎりまで分からない。 私はぎりぎりまで主人公を信じていたのだけど、見事に裏切られた! ものすごくショックだった!
おかしな話かもしれないが、この映画を見た後に「ファイトクラブ」を思い出した。 エドワード・ノートンとブラット・ピットが主演のこの映画は主人公が多重人格。 異なる人格を2人の俳優が演じることで観客を騙している。 こちらもぎりぎりまでエドワード・ノートン=ブラット・ピットだと分からなかった。
「ファイトクラブ」は単なる娯楽映画だけど、多重人格を視覚的に表現してみせた演出がすごいと思ったので、きっと「ビューティフルマインド」と同じアプローチをしていると思ったんだろう。
どちらも精神疾患としては一般的に知られているもの。 それらを患者になったことのない人間に視覚的に見せたという意味では、ものすごい試みをしている作品だなと思うのだ。
少なくとも私は、「ビューティフルマインド」で精神分裂症の患者には何が辛いのかがなんとなく見えた。
主人公が自分で分裂症ということを自覚してから、妄想を飼いならしてゆく過程に涙が溢れた。 薬を飲んでいれば思考は曖昧になり、見えているものが現実か否かを受け入れる必要がなくなって楽になる。 そのかわり、自分の人生にも等しい数学についての思考も出来なくなってしまう。 懸命にその矛盾と戦う主人公を誰も手助けできない。 妄想を完全に振り払うことは出来ない。 彼にとって妄想は現実と同じくそこに存在するものだけど、しだいに距離をおくことができるものになって行く。
ラッセル・クロウの演じた実在の数学者の人生は、もっと複雑で映画ではきれいな部分だけが抽出されて表現されているけど、そうじゃない部分もたくさんあるようだ。 ハリウッド映画のこういう"きれいな部分だけ見せればいい"というようなところがあまり好きじゃないので、全体の物語については、感銘を受けることはなかった。 実在の人物の人生に名を借りた美しい話だなと思ったので。
ただ単純に精神分裂症という病気をあのように表現したロン・ハワード監督の力量に感服した。 それを演じきったラッセル・クロウはすごい俳優だ。 世間で言うところのすばらしい作品とは思わないが、機会があったら見て欲しいなと思う映画だった。
「ビューティフルマインド」 製作年 : 2001年 製作国 : アメリカ 配給 : UIP 監督 :ロン・ハワード 製作 :ブライアン・グレイザー / ロン・ハワード 製作総指揮 :カレン・ケーラ / Todd Hollowell トッド・ハロウェル 原作 :シルヴィア・ネイサー 脚本 :アキヴァ・ゴールドマン キャスト :ラッセル・クロウ、エド・ハリス、ジェニファー・コネリー、クリストファー・プラマー、ポール・ベタニー 他
「ワン・ハート、ワン・マインド」
新しい靴を買う夢を見た。 でもなぜか、どんな靴なのかは自分では分からない。 わかっているような気もするんだけど・・・。 夢の中でその箱を早く開けたいとうずうずしているのになかなか開けられない。
そのうち出掛けなくていけない時間がやって来て、新しい靴を出したいのに箱の近くに行けない。 新しい靴の入った箱を振り返りながら、玄関に向かった。
そんな夢だった。
そういえば、先週の「時効警察」でオダギリジョー君演じる霧山君が同僚の三日月君(麻生久美子)を好きだと自覚した瞬間に去られてしまい号泣するという生々しい夢を見たにもかかわらず、目が覚めた瞬間にすっかり忘れてしまうというシーンがあったなあ。 彼は寝る直前に三日月君と恋愛についての禅問答みたいなやり取りをしてて、それが尾をひいたようだ。 なんだ、やっぱ霧山君って三日月君のこと好きなんじゃん!・・・無自覚みたいだけど。
おっと脱線。
霧山君じゃないが、私は毎日夢を見ていて、ほとんどは目覚める直前に忘れてしまう。 中には中学生の時に見てまだ覚えている夢もあるんだけど、ほとんど忘れてしまう。
覚えている時は、前日寝る前に読んだ本・見た映像・出会った人・聴いた話がごちゃ混ぜになって出てくる事が多く大して意味もないことばかり。
でも、たま〜に暗示的なものがある。 歯が砕けて全部抜けるなんて夢を見たことがある。 これは、身体的にどこか悪い時に見るらしい。 その時期は確かに体の調子が悪くて心理的にも疲れ果ててた。
で、今回もちょっと気になったので調べたところ。
どうやら、いい知らせのようだ!
立ち読みした夢占いの本によると。 社会的な立場がよくなったり、新しい出会いがあることを暗示しているんだとか。 新しい出会いには恋人も含まれているし、これからの人生において私自身によい影響を与える人などが含まれるらしい。 なるほど〜♪
靴の種類が限定されるともう少し詳しい内容になるらしいので、どんな靴だったのかわからなかったのが残念っちゃ残念だ。
心が不安定になると不思議に占いをしたくなるんだけど、ここ2年くらいはそれまで毎朝チェックしていた占いサイトの結果を全然見なくなったな。 なんであんなに占いにこだわっていたのか・・・今となっては謎である。
それでも夢占いはなんとなくおもしろいので時々気になることについては立ち読みしている。
新しい出会いかあ・・・。
内容から察するにまだ出会ってないということか? はたまた私が気がついてないということか? 恋人ができるのか? 新たな人生の師匠に出会うのか?
わくわくするなあ〜♪
私を導いてくれるのは、もしかしたらあなたなのかもしれない!
「ハイヒール」 WORDS & MUSIC BY 浅井健一、PLAY BY BLANKEY JET CITY
毎朝、日本テレビの「ズームインスーパー」を見ている。 この番組が「ズームイン朝」という名前で、徳光和夫アナウンサーがメインキャスターで始まったときから今日までずっと平日朝はわが家ではこの番組と決まっている。
現在この番組のキャスターは羽鳥真治アナウンサーが担当している。 なかなか男前の好青年である。 最近ちょっとおやじ系バカキャラに徹している感が否めない。 そうまでして視聴者にこびなくてもいいのに^^; T〇Sの安〇アナみたいにならないでよね。 この番組、朝やってるニュース系番組では群を抜いてやかましい番組である^^; 一度これに慣れてしまうと他の番組は静か過ぎて(苦笑)
なぜこの番組なのかというと。 別段深い意味はないけど、タイムテーブルが放送が始まった頃とほとんど変わらないのがその理由だろうな。 各コーナーが何時何分頃始まると頭に入っているので、時計がわりに見ているのだ。 あと10数年見つづけているので、このやかましさがないと朝という感じがしないというのもあるのか?
前置きが長くなってしまった^^;
で、今朝、「ズームインスーパー」で近藤真彦さん(以後マッチ)が武道館でコンサートを開いたという話題が流れてた。(時間は7:25分頃^^) 22年ぶりなんだってさ。チケットも即日完売。 マッチって根強く人気なんだねえ。 最近はレースにかまけてて歌もあまり歌ってないというイメージがある。 もしや、レースのための資金繰り?・・・なんて。
チラッと流れたニュース映像では懐かしい曲のオンパレードだった。 「ブルージーンズメモリー」「ギンギラギンにさりげなく」(これはもはや名曲だよなあ)などはファンでもないのに歌えてしまうという^^; 当時特にレコードやテープで聞いたわけでもないし、歌番組で歌詞テロップが流れるようなこともなかったのにね。 恐るべしマッチさん!
そのマッチが修二と彰の「青春アミーゴ」を歌っている映像も出た。 で、私は合点が行ったわけです。 「青春アミーゴ」ってマッチよね〜って。 だってぴったりはまってたんだもん。 マッチの曲な訳ですよ、時代が時代なら! なんか妙に納得してしまったので、1本書いてしまいました^^;
「青春アミーゴ」歌唱(!)後には、ジャニーズ関係のライブではお約束、修治ことKAT−TUNの亀梨和也君がサプライズで登場、そしてさらにKAT−TUNも上がってきて「ミッドナイト・シャッフル」を熱唱したとさ。 ・・・ま、このあたりでちょっと萎えてしまいましたけど^^;
「青春アミーゴ」って現代版「ブルージーンズメモリー」? なんか今ふっとそんなこと思っちゃったなあ。
些細なことで朝から大興奮できる私って、平和な人間だわ・・・。
「青春アミーゴ」 WORDS BY zopp、MUSIC BY Shusui、Fredrik Hult、Jonas Engstrand、Ola Larsson PLAY BY 近藤真彦(もしくは修治と彰)
最近の私の最大の関心事の一つは、自分の生まれた日本という国。 当然自分が生まれ育った国なので、無条件に愛しているのだけど、果たしてどんな国でどんな風に愛しているのかを誰かと話せるかと考えた時、なんにもないなあとちょっと寂しくなったのだ。
そんなことを考えるきっかけになったのは、去年の韓国旅行。 1回目にソウルで出会ったガイドさんの「日本という国には嫌悪を感じるが、そこに住む人たちを憎んだりはしていない」という言葉と2回目にソウルに行った時、地下鉄ホームで言葉がわからず困っている私に「私が教えますよ」と日本語で見ず知らずの韓国人の方がホームの場所を教えてくれたり、切符を買う手伝いをしてくれたこと。 どちらの行為も逆の立場だったら、私には出来ない行為だった。 それがかなりショックだったんだな。
どこにもかしこにも見えるもの(見たいもの)、見えないもの(見たくないもの)がたくさんあって、最近情報の坩堝で溺れそうだ。 いいことを知ったら悪いことも知る・・・それが私の知識を得るための心得。 いろいろ潜りすぎて今ちょっと疲れちゃったかな。
自分の愛する日本を自分の愛する外国の俳優やミュージシャンにも好きになって欲しい。 いや、当然好きになるはず!なぜなら私が彼らを好きなんだから! なんて、思っていたんだけど、それは所詮私のエゴに過ぎない。 私にだって嫌いな国があって・・・でも、その国の俳優で好きな人がいる。
そう現実は、いろんなことが複雑にからんできてそううまくは行かない。 白黒なんてつきはしないんだ。 ここ最近、そんなことをぐるぐる考えつづけていて魔の永久運動ににはまりかけてた、ははは。
違う文化を持つ人たちと親交を深めたり、その文化を理解するのはとても難しい。 だけど、初めて知ったその文化の中に自分の大好きな人がいるなら、彼らの立場で日本を見てみるという絶好の機会を貰ったって事なんだ。 それによってその文化に対する評価や好き嫌いは変わるだろう。 いや、変わらないとおかしいんだね。 そしてまた、日本という国を振り返る。 自分のことも振り返る。
要は自分がどういう人でありたいのかということに尽きるんじゃないかなって今ちょっと思う。 彼らが日本を嫌っていても彼らという人を好きでいたいかどうか、いや、好きでいられるかどうか。 そんなことをボンヤリ考えては、葛藤している今日この頃。
「静かな闘い」 WORDS & MUSIC & PLAY BY 鈴木雄大
大変大変!
森脇真末味作「おんなのこ物語」の再販だ〜! 2月8日にハヤカワコミック文庫から出版された。
微妙に連作の「緑茶夢-スラン-」が小学館文庫で再販されたのが2002年。 その間「おんなのこ物語」は1度も再販されることはなかった。 復刊ドットコムでの地道な投票により、ついに再販! ううう、長い道のりだった。
実はすでにこの作品については書いているので興味ある方は「インピーダンス」を読んで欲しいな。 (さらに「緑茶夢-スラン-」に興味を持った方は「アンバランス・シティ」もどうぞ) 今回は興奮のあまりナニを書き出すか自分でもわからない^^;「緑茶夢-スラン-」はバンドがまとまっていく過程を描いた作品で、今回再販された「おんなのこ物語」はSTICKER(ステッカー)というバンドが崩壊してゆく姿を描いている。
森脇作品マニア(!)としてはどうしても発売日に初版本が欲しい! ということで、予約してしまった。 既に何度となく読んでる作品なのに興奮してしまう自分がいて失笑。
結局、発売日より2日遅れの2月10日にやっと(!)入手。 いつもの本屋で予約した本を受け取る前には本棚を確認。 な、なんと・・・。 1・2巻ともに5冊が平積みしてあるではないですか! おおおおっ、すばらしい〜♪ 「おんなのこ物語」の前にたたずむ私はきっと怪しい笑みを浮かべていたに違いない。
私の音楽観はこの作品に出会ったことで固定したし、その後の音楽を含めたいろいろな思考にも影響している。 とにかくいろんな人に読んで欲しいのだ。
今まであまりに恥ずかしいので触れてこなかったのだけど、私のハンドル名slan(実は"スラン"と読む)は、「緑茶夢-スラン-」に登場するロックバンドSLAN(スラン)に由来している^^; 作品としては「おんなのこ物語」のほうが好きなので、STICKERをハンドル名にしようかなとも思ったんだけど、slanのほうが字面と音がかっこよく感じたので拝借したしだい。 森脇真末味ファンにはきっと石を投げられるでしょう(ごめんなさ〜い) 使い出したのは、BLANKEY JET CITYの公式BBSに顔を出してた頃だったなあ。 これほどぴったりなハンドル名はないと思ったのだ。 なぜなら、スランのボーカルの阿部弘がどうしても、浅井健一さんをイメージさせたものだから。 (ああ、とうとう書いてしまった。)
い、いや、そんなことはどうでもいい!
とにかく私の大好きな「おんなのこ物語」が再販されたのだ! 初めて読んだのはいつだったか・・・?
思い出せないけど、その頃もう私はギターを練習してWデッキラジカセを使った重ね録りなんかもやっていたのは確かだ。 「新譜ジャーナル」や「GB(当時はGuitar Book)」のインタビューを読み漁っていた。 渋○○一がすでに嫌いだった(苦笑) 想像するしかなかったミュージシャンの世界を絵として見せてくれたのが「おんなのこ物語」だったように思う。 とにかくライブシーンの描写がかっこよく、音が聴こえてきそうなのだ。 バンドメンバーの苦悩は、多感な時期だった私に伝染し、シンクロさせた。 よくわからないけど、真剣に音楽をやるってことは苦しいことでもあるんだなあ・・・なんて知った風に思ったりして。
社会人になって自分がバンドをやるようになってから再度読み直したら、自分が体験したいろんな思いがこの漫画には凝縮されていることに気がついた。 BLANKEY JET CITYが解散したときにも読み直して、もしかしたらSTICKERと同じようなことがBLANKEY JET CITYにも起きたのだろうか・・・などと深読みしたり。 折に触れてこの作品を何度読み直したかわからない。 読み直すたびにいろんなことを考えて、年をとればとるほど染みてくる・・・私にとってはそんなスルメのような作品。
今回特に発売日が待ち遠しかった理由は、書き下ろし作品があると聞いていたからだった。 どんな内容かは分からないが、とにかく書き下ろしがある! 最後に読んだ最新作は10年くらいは前だったような気がしているので、どんなに楽しみにしていたか分かってもらえるだろうか?
「みりんでGO!」というその作品は、結局本編とは全然関係ないキャラクターが主人公だったけど、時代錯誤な音楽観とコレクション(例えばベータビデオテープとか^^;)を持つ主人公が社会人になる時期を迎えて、地団太を踏んでいる姿をコミカルに描いている。 彼の心情は、いちいち頷いてくすくす笑いながら読めるあたり、私にも心当たりがある証拠。 巧みに森脇さんの現在の音楽観が含まれていると考えるのは私の深読みか? ベータビデオテープが事故でだめになってしまうあたりの「こ、これでダビングしなくてすむ〜(感涙)」は少々心当たりもあるし・・・^^; 「おんなのこ物語」からはSTICKERのベーシスト水野礼二が主人公の同級生役(?)、ドラムス八角京介の彼女である尚子が主人公のエンジェル(マドンナ?)役として登場する。 もしかしてどちらも森脇真末味さんのお気に入りキャラなんだろうか? 毒の効いたこの2人のキャラクターがさらに腹筋を震わせることまちがいなし。
本編とのアンバランスさがなんかとてもいい感じ。
「当たれ!宝くじ」は憂歌団の名曲だが、本編に登場する桃色軍団というコミックバンドに主人公 八角京介が参加した時に演奏する作品。(作中ではボーカルが盗作なんて叫んでますが。) 妙に臨場感のあるライブシーンが印象に残る。
「おんなのこ物語」は3月発売予定の第3巻で完結! (「みりんでGO!」も^^)
※蛇足※ 復刊ドットコムという既に廃刊になっている書籍の再販交渉をしているサイトで森脇真末味作品についても復刊活動をしているので、ぜひ覗いてみて欲しい。 『森脇真末味』 復刊特集ページ ※2012.3.27現在特集ページはなくなっています
「当れ!宝くじ」 WORDS & MUSIC BY 木村秀勝、PLAY BY 桃色軍団(ほんとは憂歌団)
今日は朝から雨。 この時期の雨は、これから温かくなっていくんだなという安心感を与えてくれる。 私は秋から冬に徐々に移りかわる時期が一番好きなんだけど、この時期の雨の日だけは特別。 穏やかな気持ちで雨の降る音に耳を傾けたりして、ちょっと嬉しい。
この時期は三寒四温といって、3日寒くて4日暖かい日の繰り返しが続く。 低気圧と高気圧が7日周期でやってくるのでそうなるらしい。 体調としてはあまりよろしくない日々が続く時期だけど、そんな中やってくる温かい穏やかな日はなんとなく気分も落ち着く。 その後、寒さがやってこなければもっといいんだけどさ。
とはいっても、三寒四温は確実に春が近づいている証拠なのだ。 もう少し、もう少し・・・。 なんて、今よりもっと季節の変わり目が厳しかった頃はみんな思って過ごしていたんだろうなあ。 春は苦手だけど、春になるのを期待してる自分に気が付いてちょっとびっくりの今日この頃。 寒いだけの毎日はやっぱり辛いんだね、自分(笑)
会社に勤めて15年以上経ってしまった。 そのうち、"毎日は同じ事の繰り返しで退屈だなあ"と思っていた時期が10年くらいはあった。 毎日毎日、車の中から同じ風景をぼんやり見ては、"今日もまた会社に行かなくちゃ・・・"なんて溜息をついたりして。 生活に楽しみを見つけるなんて想像もつかなかった。
私から見るとかなり波瀾万丈な日々を送る友人達がうらやましくて、そうできない自分をかっこ悪いなあと隠そうとしたりもしてた。 そんな気分で目の前にある生活を他人事のように傍観して過ごした10年。 無駄のように感じていたんだけど、ある日突然、"10年も会社で頑張った私って結構かっこいいじゃん"と思った。 会社って所は、楽しいことばっかりじゃない。 我慢して10年過ごしてやっと見えてきたこともたくさんある。 その10年がなければきっと分からなかったことなんだろうなあ。
とは言っても、10年経ってもいやなものやいやだし、嫌いな人は嫌いだ。 それはそれとして受け入れる。 そのための10年なんだろうな。
うまく行かなかったことがほんのちょっとの変化でうまく行くようになる。 分からなかったことがほんのちょっとの変化で分かった。 想像力を駆使するといろんなことが見えたり分かったりしてきて、今ちょっと毎日楽しかったりする。 毎日生活するって事は単純で簡単なことに見えるけど、実はかなりおもしろいことが隠されているんだね。
そりゃ、おもしろいこともあれば辛くて悲しいこともある。 それを分かるのに10年は必要だったんだろう。 年をとるって、いやなことだとばっかり思っていたけど、いいこともあるんだなあ。
いつも見ている風景を見ながら、斉藤和義さんの『白盤』を聴いていたらそんな考えが頭に浮かんだわけなのさ。
今日から2月。 1月はあっという間に行ってしまった。 2月も逃げるというからぼんやり逃げる姿を見ているのも癪なので、おもしろいことを探してみよう。
「Rain」 WORDS & MUSIC & PLAY BY 斉藤和義
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